2020年3月3日火曜日

【回転窓】薄れつつある配慮の気持ち

先週末の夜、用事があって車で出掛けた時に「トイレットペーパーがなくなっていたな」と思い、自宅近くのドラッグストアに寄った。品切れ状態がニュースになっているので期待はしていなかったが、棚にぽつんと商品が置かれていた▼新型コロナウイルスによる肺炎が世間を騒がせるようになって2カ月余り。中国の感染者は8万人に達し、世界の死者は3000人を超えた。感染が拡大し世界の多くの国で中国や韓国、日本などからの渡航者に対する監視を強めている▼例年スギ花粉が飛散するこの時期は花粉症対策で多くの人がマスクを着用していた。季節を問わずマスク姿の人を見掛けるようにもなり、それが日常のようになっている▼日本の「マスク愛好文化」を不思議に思う外国出身の方も多いと聞いたことがある。疾病予防やアレルギー症緩和に加えて、“周囲への配慮”という発想もマスク着用にはあっただろう▼店舗から姿を消したトイレットペーパー。ドラッグストアの店員が「今度はごみ袋が品薄で」とこぼしていた。備えあれば憂い無しとは言うが、根拠と配慮に欠けた買い占めはどうかと思う。

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