2020年5月12日火曜日

【記者手帖】仮想と現実のプロ野球

 3月に増築工事が完了した横浜スタジアムを取材する機会があった。新型コロナウイルスの影響でプロ野球のオープン戦が無観客試合になったため、まだ観戦客を迎え入れたことはない。新たに完成したレフトスタンドの存在感に感動する一方で、開幕を静かに待ち続ける球場にどこかもの悲しい印象を受けた◆日本野球機構(NPB)は3月に公式戦の開幕延期を決定し、多くのファンが肩を落とした。そんな状況を踏まえ、NPBは3月末~4月上旬にゲームソフトを使用した「バーチャル開幕戦」を開催した。ゲーム会社が主催しているプロリーグで活躍中のプロゲーマーが対戦し、現実さながらの熱戦を繰り広げた◆配信された動画は総再生数が140万回を超えるなど大きな反響があった。現実の試合の開催が難しい中、オンラインで楽しむことができる「eスポーツ」は娯楽の新たな形を示したように思う◆ただ、バーチャル空間でのスポーツの盛り上がりは現実の開幕を待ち望むファンの期待を裏付けていることも間違いない。現実のプロ野球の開幕日は現時点で未定だが、早期の収束を願うばかりだ。(暉)

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