2020年9月28日月曜日

【回転窓】秋といったら赤とんぼ

  今年の夏はうんざりするほどの猛暑が9月上旬まで続いた。ここに来て気温は下がり連日の雨。季節はゆっくり秋に移っている。秋の風物詩はたくさんあるが、アキアカネをはじめとする赤とんぼを思い浮かべる方も多いのでは▼東京都内に居を移してから姿を見掛けなくなった赤とんぼ。涼しい場所を好むそうで、地球温暖化の影響で個体数が激減している地域もあると聞いた▼とんぼの生息状況を調べる方法はヤゴ(幼虫)の抜け殻や成虫を確認するのが一般的。天候などの影響を受けやすく手間も掛かるため、実際にどの程度減少しているのか広い範囲で継続的に把握するのは難しいようだ▼国立環境研究所と早稲田大学の研究チームが棒状の先にとまりやすい赤とんぼの性質に着目、安価な自動撮影装置を発明し屋外のモニタリング調査で実用性を確認した。赤とんぼの分布変化の実態解明にとどまらず生物多様性のデータ収集など活用の幅が広がるかもしれない▼温暖化による自然の変化を正確に捉え、原因などを分析することは早期の対策につながる。分野を問わずモニタリング技術の確立や精度向上は急務だろう。

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