2020年10月15日木曜日

【回転窓】成長の証

  建材や家具はもちろん、ギターなど楽器の材料としても欠かせない木材。種類の違いや切り出す部位などによって音質に影響を与えるほか、木目の模様がデザインの良しあしにも関係してくる▼虎柄の木目(通称・トラ目)のギターは、見た目の派手さなどから、多くのミュージシャンの愛器となっている▼木の成長過程にできる年輪が木目となり、切り方などで木目の見え方もさまざま。木目の間隔が均等な柾目(まさめ)は伸縮・膨張の差による反りが出にくく、強度なども優れる。逆に木目の間隔が不規則な板目は反りは出やすいが、多様な模様がデザインとして生かされる▼木はストレスなく育てば、均一な年輪となる。だが毎年、同じように快適な気候が続くとは限らない。寒暖や雨量など、その時々の気候の変動が木の成長に影響。木にねじれやしわ寄せなどを起こし、内部の繊維が複雑に混じり合うことで、トラ目などの幻想的な木目(交差木理)を生み出す▼本紙も長年にわたり、建設産業の変化を紙面に刻み続けてきた。本日到達した2万号の節目も一つの年輪とし、建設産業と共にさらなる成長を目指したい。

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