2015年4月17日金曜日

【ちょっと一息】雪の大谷はどうやって作るの?/立山黒部アルペンルート、全線開通

雪の大谷ウォークは6月11日まで楽しめる予定
(写真:立山黒部貫光報道発表資料より)
 立山黒部アルペンルートが16日に全線開通し、今年も立山&黒部の観光シーズンがスタートした。10メートルを超す高さの雪壁でおなじみの「雪の大谷」は、立山有料道路室堂地区と呼ばれる場所(バスで行くべし)にあり、長さは約500メートル。2車線の道路を、片側は路線バス、もう片側は歩道として利用する。
 さて、ここで疑問に思うのは、この雪壁をどうやって作っているのか。インターネットの動画投稿サイトなどに映像がアップされていて、海外でも有名な話かもしれないが、せっかく取材したので、ご存じの方も我慢して先を読んでください。

 ◇GPSとブルドーザー◇

 疑問を解決するため取材したのは、富山県道路公社の立山有料道路管理事務所。素人質問にも担当の方は丁寧に回答してくれました(感謝)。
 まず、豪雪で場所が分からなくなった道路をどうやって把握するか。それは「道路のセンターラインの位置を事前に登録して、GPSを使って場所を特定します。そして最初にGPS受信器を搭載したブルドーザーでセンターラインをたどりなが細いライン状に除雪して、道路の線形を出します」と担当者の方。
 作業は山の下側から上に向かって進め、片側1車線分を掘っていく区間と、2車線同時に掘っていく区間があるそうだ。雪の大谷は、GPSでセンターラインを確認した後、2台のブルドーザーが並んで除雪するそうで、取り除いた雪は基本的に「谷に捨てます」との答え。昔は「道路の位置を手作業で測量していたので、時間と手間がかかっていた」そうで、技術の進歩はこんなところにも貢献していたのかと、感心するばかり。

 ◇雪の壁づくりに2カ月半◇

 今年の除雪は1月27日から始まり、全線開通の5日前、4月11日に作業が完了した。除雪は技術と経験が必要な作業なので、「決まった業者さんに、組合を通じて毎年お願いしている」そうだ。
 積雪地では、地域の建設業者が人手不足や経営状況の悪化で減ってしまい、除雪が思うようにできないところもある。だが立山黒部アルペンルートでは、今のところ「そのような心配はないですね」と担当の方。
 雪の大谷ウォークは今のところ、6月11日まで開催を予定している。イベントやお勧め情報は立山黒部アルペンルートのホームページをチェック!!!関係者の方々が苦労に苦労を重ね、高い技術と豊富な経験を生かして作り上げる雪の壁。まだ見たことがない人は、一度出掛けてみてはいかが?


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