2023年3月29日水曜日

国土交通省/六角川水系の33河川、九州初の特定都市河川に指定

国土交通省は28日、佐賀県内を流れる六角川水系六角川など33河川を九州初の特定都市河川浸水被害対策法に基づく「特定都市河川」に指定した。同日、県庁で「六角川水系特定都市河川および流域の指定」確認書の調印式があり、流域自治体である武雄市の小松政市長、嬉野市の村上大祐市長、山口祥義知事と九州地方整備局の赤松忠幸副局長が確認書に署名し、流域治水の取り組みへの決意を新たにした。
六角川水系では2019年、21年に1500戸を超える浸水被害が発生。河川対策を進めても浸水被害は解消されない見込みで、流域治水を本格的に実践するためハード整備への補助金の拡充などの優遇措置が受けられ、浸水被害防止区域での開発の規制などができるようになる特定都市河川の指定を受けた。
指定されたのは椛島橋(武雄市北方町)より上流側の河川で流域面積は約99平方キロ。今後、確認書に調印した4団体のほか農林関係の行政機関などで構成する「流域水害対策協議会」を4月ごろに設置し、おおむね20~30年間に行う浸水被害対策を盛り込んだ流域水害対策計画を策定する。
同計画に基づき、河道掘削や洪水調節施設の整備、支川や水路の浚渫など河川整備を加速。内水調整池や遊水公園の整備、田んぼダムやため池の治水活用など雨水貯留浸透機能を強化する。浸水被害防止区域や貯留機能保全区域などの区域指定、災害リスクが高いエリアからの移転や土地利用規制についても検討する。
調印式で小松市長は「治水と開発のバランスが取れた街づくりをしたい」、村上市長は「住民らの流域治水への理解が進むことを期待する」と述べ、山口知事は両市の取り組みへの支援に意欲を見せた。
赤松副局長は「流域治水の旗振り役としてその責任を果たすべく防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策などの予算を活用し、しっかりと六角川の治水事業を加速させていく」と藤巻浩之九州整備局長のあいさつを代読した。

(左から)山口知事、小松市長、村上市長、赤松副局長
source https://www.decn.co.jp/

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