東日本建設業保証(東保証、栗田卓也社長)は10月31日、中小建設会社の経営活動実態を分析した「建設業の財務統計指標(2023年度決算分析)」を発表した。収益の総合指標にしている総資本経常利益率は前年度から0・26ポイント低下の4・06%と3年連続で低下した。資材価格の高騰や賃金のアップなどで経費が増加し、利益が圧迫されていることが要因と見られる。地区別では新幹線工事で全体的に売り上げが伸びていた北陸地区が5・18%と最も高かった。
調査は公共工事前払金保証を扱った中小建設会社の経営活動実態を把握し、合理化の参考にしてもらう目的で行っている。23年度版は23年4月期~24年3月期の決算書を受け取った東日本にある企業のうち、2万0574社を対象に調査した。
経常利益を総資本で割った総資本経常利益率は、業種別で電気が5・38%で最も高く、建築が2・55%と最も低い。地区別では北陸が最も高いのに対し、最低は東北の3・15%だった。収益性は「ここ数年、東北の低さが全体の足を引っ張っている」(東保証)状態が続く。福島県での除染工事など、震災関連工事が減少する中で、24年度以降は東北の動きや能登半島地震による北陸への影響などが注視される。
資金の流動性を表す「当座比率」は、東日本全体の平均で前年度比8・06ポイント低下の401・30%で、業種別では電気の482・10%が最高で、土木建築が341・59%と最低だった。
財務の健全性を示す自己資本比率は、東日本平均で1・33ポイント上昇の42・90%。業種別では電気が52・55%で最も高く、最低は34・17%の建築だった。
労働生産性の代表指標になる1人当たり付加価値は、東日本平均で17万円増の1171万円。業種別では土木建築が1289万円と最も高く、管が1040万円と最低だった。都道府県別では東京が1347万円で最も高く、岩手県の929万円が最も低い。東京は生産性向上の効果が出やすい大型工事が多く行われている影響で1人当たり付加価値が高まっていると見られる。
from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=168516
via 日刊建設工業新聞
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