2023年1月12日木曜日

東北整備局/スマートワーク実現へ、若手職員の感性生かし執務空間づくり

 スマートワークの実現には執務空間も重要な要素になる。東北地方整備局の企画部は、入省4年未満の若手職員5人がアイデアを出し合い、ペーパーレス化を意識した執務空間づくりに取り組んでいる。4月には同じフロアにDXルームの開設も予定する。リーダーを務めたのは入省3年目の南雲佳純さん(企画課)。「今しかできないことに挑戦できやりがいを感じた」と話す。  建設業界の人材不足は官民共通の課題。解決の糸口になるのが働き方改革に取り組む姿勢だ。「学生が働きたいと思う職場をつくるため、若手の感性を生かすプロジェクトが始まった」と南雲さん。仕事に欠かせないデスクやいすの色合い、使い勝手の良い配置、インテリアなどでアイデアを出し合った。先進的な取り組みを参考にしようと、民間企業のオフィスやペーパーレス化が進む同じ仙台合同庁舎B棟に入る他省のフロアも見学。企画課と広域計画課がある執務フロアをどうするか考え、簡単な打ち合わせができる立ちテーブルを置いたり、机の引き出しをなくして個人用ロッカーを配置したりした。  デスクの天板などは落ち着きのある木目調に。個人用ロッカーなどは黒を基調にした配色で、落ち着いた雰囲気が出るようにした。デスクのそで引き出しはなくし、山積みになりがちだった書類を帰宅時はかぎの掛かるロッカーにしまう。観葉植物を置くなどインテリアにも気を配った。今後、パソコンの更新に伴いタブレット端末の導入も予定する。ネットワークの一部を無線LANに切り替え、場所に縛られずに仕事ができるフリーアドレス化も模索する。  「スマートな働き方に向けた執務室改善」を評価し、中平善伸企画部長は「Good Job賞」を南雲さんに贈った。自由な発想で仕事や働き方と向き合った貴重な経験。南雲さんは「魅力ある建設業として一つのきっかけになればいい」と話す。  企画部のフロアでは2部屋構成のDXルームも整備している。一つには災害現場をリアルに再現し専門家らと緊急対策や復旧方法が検討できるよう、8面マルチモニターを導入する。災害対策室との連携で危機管理能力をさらに高める。もう一つは65インチのディスプレーや4Kプロジェクターを導入予定という。可動式の仕切り壁で広さや使い方が変えられる。東北技術事務所(宮城県多賀城市)に来春開所する「(仮称)DXセンター」とも連携。インフラ分野のDX推進で不可欠な人材育成などに活用する。  建設業でも時間外労働の罰則付き上限規制が24年4月から始まる。小山田桂夫建設情報・施工高度化技術調整官は「デジタル技術との融合で働き方を変えることが建設業に求められている」と指摘。企画部を含めた整備局が率先して行動し「意識改革につなげたい」と今後に期待する。

立ちテーブルで打ち合わせする南雲佳純さん〈右〉

source https://www.decn.co.jp/

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