大成建設とマック(千葉県市原市、宮原宏史社長)は山岳トンネル工事の生産性向上策として、切羽アーチ面のコンクリート吹き付け厚計測システム「Tショットマーカーアーチ」を開発した。3D状に光を照射し高速処理する「3D-LiDAR」2台をコンクリ吹き付け機に搭載して連携制御。吹き付け作業中にアーチ面の吹き付け厚と出来形を面的かつ定量的に計測、可視化し一括管理できるようになった。品質向上にも貢献する。
大成建設によると、一般的な山岳トンネル工事で切羽面へのコンクリ吹き付け作業はオペレーターが切羽近傍で吹き付け厚さを目視確認しながら施工している。この方法はオペレーターによってバラツキが生じやすく、吹き付け厚の定量的な管理方法が課題だった。
同社は3D-LiDARを活用し、切羽前面の鏡面に限定してコンクリ吹き付け厚をリアルタイム計測する「Tショットマーカーフェイス」を23年に先行開発。今回開発したTショットマーカーアーチは鏡面周囲のアーチ面の吹き付け厚計測を実現した。両システムを併用することにより切羽全体の吹き付け厚を一括して計測、管理する。
吹き付け機のモニター画面にアーチ面の吹き付け厚と出来形の展開図を可視化。計測対象の吹き付け面を座標化することで設計断面と3Dでの比較が可能となり、作業中に面的な吹き付け厚の過不足を把握しながらトンネル内空断面の出来形を正確に確認できる。吹き付け時のリバウンド量から必要となるコンクリ量も自動算出。生コン注文量の適正化に役立てる。
同社は新システムを全国の山岳トンネル工事で展開。現場状況に合わせて改良しながら、吹き付け作業のさらなる効率化や安全性の向上を目指す。
from トップニュース – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=166313
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