2024年9月25日水曜日

国交省・楠田幹人住宅局長/一つ一つの課題に対応、省エネ基準適合義務化など

 国土交通省住宅局長に7月就任した楠田幹人氏が日刊建設工業新聞など専門紙の取材に応じた=写真。2025年4月から原則すべての新築住宅に省エネ基準の適合義務化や能登半島地震からの復旧など、住宅を取り巻く環境は重要な局面を迎えている。「一つ一つの課題にしっかり向かい合っていきたい」と意気込みを語った。
 住宅の数が世帯数を上回る状況で新築を増やすだけでなく、既存ストックを活用していく重要性を強調。特にマンションでは、建物と居住者双方の高齢化が進む「二つの老い」が課題になっている。適切な管理や修繕によって長寿命化を促しつつ、円滑に再生に取り組めるよう支援する。
 1月の能登半島地震の教訓を踏まえ、住宅の防災施策の見直しや強化を進める。老朽化した木造住宅の倒壊が相次いだことから、耐震化の費用支援や高齢者への啓発の強化など「より踏み込んだ対策」に取り組む。建物倒壊の原因究明や、木造住宅密集地域の火災対策についても「必要な予算をしっかりつけて、取り組んでいきたい」との考えを示した。
 25年4月に改正建築物省エネ法が施行され、原則すべての新築住宅に省エネ基準適合が義務付けられる。建築主や行政機関向けの説明会などを開くなど、施行を見据えた啓発活動を強化している。手続きのサポート体制を25年1月までに全都道府県でつくり、円滑な施行につなげる。
 建設業の生産性向上や人手不足への対応の観点から、BIM普及の重要性も指摘した。中小企業への導入支援など「国が音頭を取っていかなければならない」との認識を示した。
 住宅を施工する担い手の確保に向け、「標準労務費」の設定といった待遇改善の取り組みにも意欲を示した。工事の契約や見積もりなどの実情を把握した上で「住宅特有の問題点をどうやってクリアするのか、よく議論しながら取り組んでいきたい」とした。




from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=167328
via 日刊建設工業新聞

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