2026年4月3日金曜日

TOTO/セラミック事業が存在感高める/高利益率維持しながら成長続ける

 TOTOが展開する事業の重要領域として、「セラミック」のプレゼンスが高まっている。大分県中津市にあるTOTOファインセラミックス(櫻井隆好社長)の中津工場では、スマートファクトリーを推進するなど、セラミック精密部品の増産体制を強化。2020年の新棟稼働以降、高利益率を維持しながら成長を続けている。26年3月期の営業利益は、前年同期比66億円増の270億円を見込む。
 同社は1979年、茅ケ崎工場(神奈川県茅ケ崎市)に研究開発本部を設置し、ファインセラミックスの商品開発を開始した。半導体製造装置用のセラミック部品(静電チャック)は、84年の事業部設立とともに製造を始めた。
 事業の伸長は、中津工場で4棟目の工場が稼働した20年が起点となっている。新工場はスマートファクトリーを旗印に、クリーンルーム内の無人化やAIによる検査精度の高度化を推進。歩留まりを高め、事業体質の強化を図った。その成果は徐々に現れ、23年度に訪れた4年に1度といわれる需要停滞期(シリコンサイクル)においても、30%の利益率を確保できるまでに至った。セラミック事業の売上高は、25年3月期でグループ全体の7%に当たる503億円に達した。204億円の営業利益は全体の40・6%を占め、連結経営の重要な柱となっている。
 「セラミック事業が成長したことで会社のポートフォリオはより強固になった。住設事業との相互補完も機能していると感じている」とセラミック事業部セラミック事業企画部の亀島順次部長は語る。
 TOTOが創業以来100年以上にわたり磨き上げてきた衛生陶器の成形技術や水栓金具の精密加工技術を生かし、TOTOファインセラミックスは精密さが求められる半導体製造装置向けに、静電チャックやAD(エアロゾルデポジション)部材、液晶パネルなどの製造装置向け構造部材を製造している。
 静電チャックは、セラミックと金属部品を接合した機能部材で、半導体デバイス製造用の基板であるウエハーの固定に用いられる。プラズマ照射が行われるチャンバー(製造装置)内部は過酷な環境であり、高いプラズマ耐性が求められる。同社は他社を上回る耐久性と純度を備えた製品を供給している。
 天井材に使用するセラミックには、同社が実用化したAD法により、プラズマ耐性に優れたイットリア(酸化イットリウム)の膜を塗布している。AD法は産業技術総合研究所(産総研)が発見した、セラミック微粒子を高速噴射し、常温でセラミック膜を形成する技術である。今後、半導体のさらなる進化には、ウエハーをより強力なプラズマで加工する必要がある。それに伴い、セラミックの耐久性もより高めなければ、加工過程でセラミックが削れてごみが発生し、品質低下を招く。高度なプラズマ耐性が求められる環境になれば、需要は一段と拡大する可能性がある。
 構造部材では、3メートルを超える中空構造のセラミック部材を製造できる世界唯一の技術力が強みだ。顧客の要望や半導体の進化に対応できれば、市場の拡大と連動して半導体事業も成長を続けられる。その中で新製品の開発や市場開拓を進め、これまで強みとしてきた構造部材事業をさらに伸ばすことで、セラミック事業の基盤は一層強固になるとみている。


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from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=183018
via 日刊建設工業新聞

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