4月に入り、職場で上司という役を与えられた人もいる。だが、役に就いても中身は自動で備わらない。ここで戸惑う管理職は少なくない。部下との距離、マネジメントの加減、ハラスメントとの境界。どれも曖昧で、一歩間違えれば信頼を失う▼「俺の背中を見て学べ」は、もはや時代にそぐわない。火加減を誤れば料理は焦げるだけだ。米組織心理学者ケン・ブランチャードが提唱した「シチュエーショナルリーダーシップ」は、その加減を見極めよと説く。部下の段階をしっかり見定め、手を貸すか任せるか。現場では判断が問われる▼経験が浅い段階では、迷わせない指示が必要だ。火の通り具合を見て対話で考えさせる。任せられるようになれば手を引く。同じ料理法をあてがうのは思考停止にほかならない▼厳しさは欠かせない。だが、それが「指導」か「圧力」かは紙一重だ。部下の成長よりも自分の評価を優先した瞬間、その境界は崩れ、ハラスメントが顔を出す▼問われているのは目の前の一人に合わせて変われるか。その一歩を踏み込めるかどうかで、肩書は意味を持つ。覚悟がなければ、看板倒れで終わるだけだ。
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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=183114
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