2026年5月11日月曜日

回転窓/農具川のシバザクラ

 芝のように地面をはって広がり、かわいらしい花を咲かせるシバザクラは、例年4月中旬から5月上旬にかけて見頃を迎える。全国に名所は多く、その一つが長野県大町市にある▼市内を流れる農具川沿いの白塩町河川敷公園では、地域の有志でつくる「白塩町河川公園愛護会」が植栽と管理を行っている。川の両岸に咲き広がるシバザクラと、雄大な北アルプスの山々が織りなす景観は見事だ▼多くの人が訪れる人気スポットだが、2021年の大雨による増水で左岸河川敷の花の多くが流されてしまったという。それでも先日現地を訪ねると、赤や白、薄紫など色鮮やかなシバザクラが咲き誇り、花の傍らに立つ小さな看板には〈大水流出から 毎年植栽して 徐々回復 やさしく見守って!〉と書かれていた▼今年は旧河川法制定から130年の節目に当たる。河川法は治水と利水に加え、河川環境の保全や整備にも役割を広げてきた。魅力的な水辺空間の実現には、地域住民の主体的な活動や協力も欠かせない▼農具川沿いではこれからアヤメも花の時季を迎える。花々に彩られた川辺の風景が、人々の心を和ませてくれる。


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国交省/出来高部分払い適切運用を/中東情勢受け、資金繰り懸念で活用ニーズ

 中東情勢に起因する資材価格高騰などで、建設会社の収益圧迫や資金繰りの悪化が懸念される中、国土交通省が直轄工事で運用する「出来高部分払い方式」への適切な対応を地方整備局などに要請した。受注者が希望すれば、短い間隔で出来高に応じた工事代金の部分払いを可能にする仕組み。金利上昇や手形廃止の動きも相まって円滑な資金調達を求める元請の声は強まっており、国交省は地方自治体など他の公共発注者にも直轄の運用を参考にした対応を求めている。
 出来高部分払い方式は直轄工事で2006年に本格導入した。既存の前金払い制度を残したまま、3カ月に1回程度の制限内で出来高に応じた部分払いや設計変更協議を発注者に請求できる。契約時に受注者が従来の中間前金払い方式と部分払いのどちらかを選択可能としている。国交省によると、受注者が部分払いを選択した割合は把握していないが、現状はそれほど多くはないという。
 ここ最近、金利上昇で資金の借り入れコストが増加し、下請代金の手形払いから現金払いへの転換を迫られる状況にある。元請の資金繰り不安が膨らみ、中東情勢の影響による資材の調達不安や価格高騰が追い打ちを掛ける格好となっている。
 中東情勢を受けて全国建設業協会(全建)が4月30日に国交省へ提出した緊急要望では、受注者の資金繰り悪化を避けるため「受注者の求めに応じて部分払いを適宜実施する」などキャッシュフロー改善の取り組みを求めた。資材調達の遅れなどで工期が延びた場合、工事代金の支払い時期も遅れることによる経営リスクを懸念する。
 国交省は、出来高部分払い方式の実施要領を整備局などに再度周知する文書を4月22日に送付。翌日には都道府県・政令市などにも参考送付した。既済部分検査を簡素化できる方法を周知し、出来高を確認する検査職員の負担軽減などに役立てる。
 中間技術検査を実施済みの工事は、その結果を既済部分検査の結果とみなすことが可能。現場での目視による確認に代わり遠隔臨場も活用できる。


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鉄建建設/グループ初のパーパス、「動き続ける街に、進化し続ける力を」

 鉄建建設はグループ初の企業パーパス(存在意義)を策定し、「動き続ける街に、進化し続ける力を」と掲げた。鉄道工事のトップランナーとして積み重ねた信頼と技術で安全・安心な暮らしを支え、街やインフラに求められる役割の変化とともに進化し続けていく思いを込めた。
 パーパスの策定に合わせ、社会に提供する企業価値のミッションを「社会課題解決企業として『街』を更新し続ける」と定めた。2044年に迎える創業100周年の目標も整理した。パーパスの世界観を表現するキービジュアルも作成。横の線で表現した「街を支える基盤」と縦の線で表現した「人が集う空間」を重ね合わせ、災害・環境対応や老朽化対策といった街の進化を支える同社グループの姿勢を示した。
 同社はパーパスを基軸に、近く公表する5カ年中期経営計画(24~28年度)のアップグレード版を推進する。


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日本橋一丁目東地区再開発(東京都中央区)/総事業費2146億円増額/組合

 東京都中央区の江戸橋付近で展開する「日本橋一丁目東地区第一種市街地再開発事業」の総事業費が5088億円となり、当初計画から2146億円増額する。人件費や資機材価格の高騰が影響した。建設業の働き方改革に伴い一部街区では工期を延長。ビル賃貸業を営む地権者への補償費がかさむ見通しだ。ビルの総延べ床面積は当初の38・4万平方メートルから37・4万平方メートルに見直す。
 再開発を手掛ける日本橋一丁目東地区市街地再開発組合が事業計画の変更案を策定した。東京・中央区が21日まで区役所で縦覧している。計画案に対する意見は6月4日まで東京都都市整備局で受け付けている。
 同組合には東急不動産と三井不動産、日鉄興和不動産が参加組合員として参画している。都が同組合の設立を認可した2024年4月時点で総事業費は2942億円だった。
 再開発の計画地は中央区日本橋1、日本橋本町1、日本橋小網町(施行地区面積3・6ヘクタール)。日本橋川に架かる江戸橋を挟んで南側がA、B街区、北側がC、D、E街区に分かれている。
 A街区に建てるビルは地下4階地上40階建て延べ26万8100平方メートルの規模となる。延べ床面積は当初27万4000平方メートルだった。B街区には地下3階地上50階建て延べ10万6300平方メートル(従来は地下3階地上51階建て延べ11万平方メートル)のビルを建設する。
 C~E街区には公共・公益施設を整備する。C街区は平屋135平方メートル(従来は平屋50平方メートル)、D街区2階建て延べ115平方メートル(2階建て延べ150平方メートル)、E街区2階建て延べ215平方メートル(2階建て延べ250平方メートル)の規模の建物となる。
 新たな建物の建築工事期間はA街区が29年4月~34年11月で、B街区は28年10月~35年3月。C~E街区は37年4月~38年6月を予定している。当初計画ではA街区が26~31年度で、五つの街区の中で最初に着工する方針だった。下水道管など既存のインフラが多く、移設に時間がかかることが判明した。再開発エリアでは6月に既存ビルの解体工事に入る。施工は前田建設が担当する。


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from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184069
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東急建設ら/遮音効果2倍の木造建築向け遮音材開発/簡易施工で工期・コスト削減

 東急建設ら3社が、従来工法に比べ遮音効果を2倍以上に高める木造建築向け遮音材を開発した。天井裏に敷き込むだけで効果を発揮し、工期とコストが削減できる。オフィスや学校、商業施設といった中規模木造建築物に使える。コンクリートスラブを使った建築物にも適用可能で、9月ごろの販売開始を予定している。
 木造建築向け天井敷き込み型遮音材「MUTECHIPS(ミュートチップス)」=写真(報道発表資料から)=は、建材メーカーの淡路技建(茨城県牛久市、川上雅文社長)、染野製作所(同、染野真一代表取締役)と共同開発した。淡路技建らが製造・販売を担う。将来的な外販も検討している。
 ミュートチップスは、遮音材として再生瓦を粒状にし、専用の袋に詰めている。天井裏の骨組みに敷き込んで使うため、特殊な技術を使わずに設置できる。床から天井材に伝わった振動を粒状の再生瓦が吸収し、床の衝撃音を低減する仕組み。従来工法の石こうボード2枚張りと比較し、2倍以上の遮音効果を確認した。
 床側へのアプローチが主流だった従来の遮音工法と違い、室内からは見えない天井裏に施工するため、床のデザインや機能の自由度が高められる。原材料に建設廃材の再生瓦を100%使用しており、廃棄物の有効活用に貢献する。
 東急建設は13~15日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「非住宅木造建築フェア2026」でミュートチップスを展示する予定だ。


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2026年5月8日金曜日

回転窓/変わるサイレン音

 都内の住宅地で、聞き慣れないサイレン音が耳に入った。「ピーポーピーポー」と鳴っているようで少し違う。音のする方向を見ると、救急車だった▼サイレン音の変化が気になって調べると、低い和音で音色が柔らかい、「ファーフォー」と聞こえる「コンフォートサイレン」のようだ。東京消防庁は従来のピーポー音が主流だが、このコンフォートサイレンや、不協和音の「ギュイーン」という音を一部で導入しているという▼全国の消防本部でもコンフォートサイレンの採用が広がっている。住宅地などを低速で走行する際、不快感を軽減するだけでなく、搬送される患者の精神的負担を和らげる効果も期待されているそうだ▼道路交通法では、緊急走行時にサイレンを鳴らすことが義務付けられている。一方、夜間の住宅地などでは、騒音と受け止められることもある。サイレン音の改良や工夫は、騒音苦情への対応だけでなく、交差点での安全確保にもつながっている▼建設現場でも、大きな音が発生する作業は少なくない。騒音対策に加え、近隣への丁寧な説明や配慮を通じて、地域に歓迎される建造物を実現してほしい。


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福島県復興祈念公園(福島県双葉町、浪江町)開園/復興への強い意志を発信する場に

 国と福島県が整備した「福島県復興祈念公園」(福島県双葉町、浪江町)が2日に開園を迎えた。46.4haの敷地に、国営の追悼・祈念施設と県営の復興祈念公園を配置。東日本大震災で犠牲となった人々への追悼と鎮魂、記憶や教訓の伝承で重要な役割を担う。同日、金子恭之国土交通相、牧野京夫復興相らが海を望む献花台に花を手向け、犠牲者の冥福を祈るとともに、復興への決意を新たにした=写真(代表撮影)。
 式典後、金子国交相は「開園は復興に向けた歩みの一里塚だ。人々をつなぐ心のよりどころとして、復興への強い意志を発信していく場になることを心から願っている」とあいさつした。その上で、「引き続き被災地の皆さんに寄り添い、各自治体とも連携しながら復興に全力で取り組んでいく」と述べた。
 金子国交相は献花式後、浪江町の震災遺構・請戸小学校や、双葉町にある東日本大震災・原子力災害伝承館など、県内の震災関連施設を視察した。


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建設各社/熱中症対策を強化/週休3日制の導入や新製品開発に注力

 夏の足音が、すぐそこまで近づいてきた。年々厳しさを増す暑さは、屋外で働く建設業の技術者や技能者にとって、命に関わるリスクとなる。特に真夏の現場では、熱中症対策が安全管理の要。建設会社や現場向け製品のメーカーは対策を一段と強化している。夏季限定の週休3日制導入など、働き方や現場運営を見直す動きが広がる。作業中の体感温度を下げる製品開発も進む。過酷な暑さから現場従事者を守ろうと、知恵と技術を総動員している。 
 気象庁によると、2025年6~8月は全国153カ所の気象台などのうち、132地点で平均気温が過去最高を更新した。最高気温が40度を超える「酷暑日」も9日を数えた。4月21日に発表した5~7月の天候見通しによると、平均気温は平年を上回ると予想している。
 建設会社やメーカー各社も、今夏は昨年以上に厳しい環境になることを見据え、現場従事者の体調管理を最優先した対策強化を進めている。現場運営で柱となるのが週休3日制の導入だ。トーエネックは昨夏、架空配電線部門の技能職と技術職を対象に試行した。鴻池組は、業界初とする「包括的酷暑対策ロードマップ」を策定。今夏から連続休暇や週休3日制などを導入する。いずれも連続勤務を避け、体内にこもった熱を確実に逃がす狙いがある。
 特に厳しい環境での作業が想定されるのが、高温のアスファルト混合物を扱う道路舗装工事の現場だ。昨秋から今春にかけて各地で開かれた日本道路建設業協会(道建協、西田義則会長)と国土交通省地方整備局などとの意見交換会では、熱中症対策が議論の焦点になった。
 ある道路舗装会社の関係者は、降雨時に施工できないという工事特性も触れつつ、「現場従事者の体調管理が最優先だ。歩掛かりの引き上げや柔軟な工期設定が前提になるが、大胆な休日・休憩確保など、さまざまな可能性を模索したい」と話す。
 現場向け熱中症対策製品の開発も相次ぐ。安藤ハザマは、高温多湿になりやすい山岳トンネルの坑内向けとして、一定温度で熱を吸収・放出する素材を採用した冷却プロテクターを開発した。仙台銘板(仙台市青葉区、鹿又浩行社長)を通じて月内に販売を始める。
 アクティオは、市販のペットボトル飲料をフローズン状にできる「アイススラリー冷蔵庫」のレンタルを開始した。液体よりも素早く体内が冷やせる点に着目。開封後もフローズン状のまま保存できる「作りおき保存モード」機能も備え、1回で飲みきれなかった分を次の休憩時に飲めるようにした。
 25年6月には、厚生労働省令による改正労働安全衛生規則(安衛則)が施行され、職場での熱中症対策が義務化された。建設各社も現場対策を強化しているが想定を超える暑さもあり、建設業就業者の熱中症災害は増加している。厚労省がまとめた「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(25年12月末速報値)によると、建設業の死傷者数は前年に比べ62人多い278人に上った。職場環境の改善は働き方改革の要。過去の事例も教訓にして、建設各社は酷暑に備えた対策を本格化させる。


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西松建設/積載量1割増の水平バケット開発/堤体コンクリート打設の生産性向上へ

 西松建設は、従来に比べコンクリートなどの積載量を10%増量したダム工事向けの水平バケットを開発した。ケーシング部材の厚さを抑えるなどバケットを軽量化。揚重機の能力を変えずに従来のバケットよりも積載量を増やした。1回の運搬でより多くのコンクリートが積載・打設でき、ダム堤体のコンクリート打設で作業効率が高まる。
 「軽e-バケット」はダム工事の生産性向上を目的に開発した。今後は順次施工現場に導入する。長期間使用によるバケットの耐久性やメンテナンス作業の省力化といった点で性能評価を行い、導入効果を検証していく。
 積載容量4・5立方メートルの水平バケットを軽量化し5・0立方メートルに増やした。本体ケーシング部材に耐摩耗鋼材を使い薄肉化したり、底面のゲート開閉の動力を油圧から電動に変えたりして計1・2トンの軽量化を実現。重機の能力はそのままで、1回でより多くのコンクリートが積載・打設できるようになった。
 国土交通省によるi-Construction2・0では、2040年度までに建設現場の生産性を1・5倍に高める目標を掲げている。ダム工事では堤体コンクリート打設の生産性向上がキーポイントとなっている。


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2026年5月7日木曜日

宮城県富谷市/複合図書館「ユートミヤ」オープン/学ぶ、創る、遊ぶが融合

 宮城県富谷市が成田地区に建設していた複合図書館「ユートミヤ」が1日、グランドオープンした。市立図書館とスイーツステーション、児童屋内遊戯施設の三つの機能が融合したシンボリックな公共施設が完成。整備費は約31億円。設計はナスカ・はりゅうウッドスタジオ(福島県南会津町)JV、施工は阿部和工務店(仙台市青葉区)が担当した。
 オープンに先立ち、開館記念式典であいさつした若生裕俊市長は「市政施行10周年を迎える節目に、市民の声に応え、新たなシンボルとなる施設が誕生した。幅広い世代の皆さんに親しまれ、人がつながり、文化と創造を育む施設にしていきたい」と語った。関係者らによるテープカットで施設の完成を祝った。
 建設地は成田1の1の1(敷地面積は1万3418平方メートル)。市の成田公民館(成田市民センター)に隣接するグラウンド跡に建設し、公民館とは渡り廊下で接続する。施設規模はRC・S造2階建て延べ3230平方メートル。市民図書館の蔵書数は12万冊(オープン時)、地元産の果物や菓子などを販売・提供するスイーツステーションを設ける。屋内遊戯スペース「とみのわパーク」には児童向けの遊具エリアを設置。安全に遊べる滑り台やアスレチック広場などを配置し、遊ぶことで学び、創造性を育む場とする。施設内はオープンフロアを基本とし、各機能が相互に付加価値を高めていく仕組みを生み出している。


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