2026年2月5日木曜日

エネ調小委/地域の価値高める評価を/国産パネル導入支援必要

 総合エネルギー調査会の小委員会は3日、太陽光発電の導入を巡る支援の在り方を議論した。委員からは、設置地域の価値を高めたり、国産太陽光発電パネルの導入を促したりする措置で、対応を求める意見が出た。会合では再生可能エネルギーを長期の安定電源としていく取り組みも確認した。
 省エネルギー・新エネルギー分科会と電力・ガス事業分科会の再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会が会合を開いた。地上設置の事業用太陽光発電は、設置する地域との共生が課題になっている。経済産業省の有識者検討会では、国のFIT(固定価格買い取り)制度や、売電価格に補助を上乗せするFIP制度の新規支援について2027年度から対象にしないことへの賛意がある。一方、再エネを主力電源化する政府方針を踏まえ、屋根設置をはじめ地域と共生させながら導入をさらに進めることも求められており、小委員会で支援を重点化する太陽光発電の類型などを議論することになっていた。
 この日の会合では、「メガソーラー(大規模太陽光発電)を攻撃するだけでなく、地域にどういう価値をもたらすかの検討」を求める意見があった。設置に対して「マイナス要素をなくす評価から地域の発展を促す評価も必要」という指摘も出た。屋根設置の合理性を検証した上で導入の促進策を議論したり、「国産パネルを大規模に導入できるよう応援する仕組み」を求めたりする意見もあった。重点化する太陽光発電に対する具体的な支援の方向は、経産省の調達価格等算定委員会が検討、決定する方向となっている。
 12~16年度に導入された事業用太陽光は約46万件、電源は約2900万キロワットあり、国の総発電電力量の3~4%に当たる。32年度から調達期間・交付期間が終わるため、経産省はアクションプランに基づき、長期の安定電源とするための取り組みを進めている。同小委員会には、地域との共生や自然配慮をうたった行動理念・原則を関係団体が策定していたり、事業評価と損害保険を組み合わせた民間の事業展開が進んでいたりすることが報告された。災害・盗難リスクの指摘もあった。




from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181368
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働き方改革/日立プラントサービス/東京・上野に本社移転

 ◇働きやすさが力に変わるオフィス
 どこで働いても、最良のアウトプットができるようにしたい--。日立プラントサービスは昨年8月に、本社を東京都豊島区から台東区の上野イーストタワーに移転した。新オフィスは本社で働く約1000人の従業員が本領を発揮できる環境を目指し、フリーアドレス制や座席管理システムの導入など多彩な工夫を凝らす。オフィスづくりの実務を担った人事総務本部の担当者たちにこだわりを聞いた。
 新本社の所在地は東上野2の16の1。徒歩圏内にJR上野駅など5駅がそろう好立地だ。同社は地下1階地上25階建ての上野イーストタワーの3・5フロア分に入居する。同じビルには日立グループ各社が集結し、2~4階には共用フロアとして会議室やサテライトオフィスが整備されている。
 執務フロアはフリーアドレスを前提とした執務席や、コミュニケーションエリア、ボックス型の集中ブースを設置。大容量のポータブル電源などをそろえ、場所を選ばずしっかり働けるように工夫する。会議室不足を解消するため、ちょっとした打ち合わせをすぐにできるようにした。
 フリーアドレス化に合わせ、新たに座席管理システムを構築。フロアのビーコンが社用携帯電話と連動し、誰がどこにいるのかをリアルタイムで把握できる。総務部総務グループの加賀谷明子主任によると、「在宅勤務やフリーアドレスでも、従業員がどこで働いているかがお互い分かることで、スムーズなコミュニケーションを促す」ために導入。従来は各部署の庶務担当者が手作業で座席表を更新しており、業務の大幅な効率化につながっている。
 エントランスは、コーポレートカラーである紺を基調としている。シンボルスポーツとして応援しているパラアイスホッケーや、ユニホームスポンサーであるサッカーJ1・柏レイソル、協賛するラグビートップイーストリーグ・日立サンネクサス茨城のユニホームなどを飾り、スポーツ支援の取り組みも紹介する。
 移転を機に勤務制度を改革し、リモートワークの対象者を拡大。東京都内(上野、秋葉原、大森)や神奈川県内(横浜、戸塚、新川崎、小田原)など各所でサテライトオフィスを利用できるようにした。
 村手俊之取締役本部長は移転の狙いを「ワークプレイスの見直しによる生産性向上」と強調する。2024年の創業60周年の節目に、移転ありきではなく、働き方を切り替える手段としての移転を決めた。コロナ禍を経たニューノーマル(新常態)の働き方を形にし、コミュニケーションの活性化を目指した。
 当初は旧事務所内での見直しを検討したが、総務部総務グループの佐々木修一課長は「書類の削減・電子化でスペースを空けるところから着手しようとしたが、目的周知が難しく、なかなか進まなかった」と明かす。移転先の選定は環境・社会・経済の三つの価値を軸に検討。親会社・日立製作所の本社地区「東京~上野エリア」に合流することで、日立グループの各社と連携を強化する意図もあった。
 貸借面積は従来より300平方メートル以上減り、3・5フロアで計4893平方メートルにとどまる。しかし、座席に固定席とフリーアドレスのハイブリッド型を採用することで、以前を上回る座席を確保した。「集中したい、交流したいなど目的やタイミングに応じて出社か在宅か、どこで働くかを変えていく」(村手本部長)働き方を形にした。
 今後について、佐々木課長は「本社以外の現場や地方拠点を含め従業員の働きやすい環境の提供、エンゲージメント向上を目的として建設業のイメージにとらわれずにワークプレイスを整えていきたい」と語る。移転から5カ月余り。従業員には使い心地のアンケートを取る予定だ。3人は「これで終わりではない。従業員の声を聞きながらより良いオフィスにしたい」と声をそろえる。




from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181364
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静岡県湖西市/新庁舎建設基本計画案/供用開始時期を先送り

 静岡県湖西市は、「湖西市新庁舎建設基本計画案」をまとめた。建設候補地は現庁舎北側とし、規模は延べ約1万平方メートル、建設工事費は約80億円と試算した。整備手法は従来方式を想定しているが、今後の状況に応じ最適な手法を選定する。当初は2029年度の供用開始を目標としていたが、他の大型事業との兼ね合いから先送りすることも決めた。
 新庁舎には健康福祉センター、市民活動センターの機能を集約する。4階建てで延べ約1万平方メートルを見込んでいるが、▽ペーパーレス化の進展による倉庫・書庫の縮減▽執務室内のキャビネットや書庫の縮減▽一部執務室のフリーアドレス化などによる執務室面積の縮減-などを検討して決める。主構造はRCかS造とし、内装材や家具などの備品は木質化する。新庁舎全体で500立方メートルの利用を目標にした。
 現時点の概算事業費は約90億円。内訳は調査・設計費が約6億円(工事監理費含む)、建設工事費は約80億円(新庁舎、車庫・倉庫の新築工事、既存庁舎の解体含む)、器具・設備導入や移転などその他費用が約4億円。
 事業スケジュールは、基本設計に約2年、実施設計は約1年半、建設工事は2年を想定。事業を円滑に進めコスト管理も行うため、基本設計着手に合わせCM(コンストラクションマネジメント)業務も委託する予定。整備手法は従来方式を想定するが、社会情勢の変化など市を取り巻く状況によっては、DB(設計・施工一括)方式など最適な手法やスケジュールを検討する。設計着手から完成まで約6年を想定するが、財政状況や他事業の進み具合によっては、各工程の移行に一定期間を設ける場合もあるとした。




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2026年2月4日水曜日

神奈川建設重機協組/磯子工高で出前授業開く/クレーンオペレーターが実機操作指導

 神奈川建設重機協同組合(大平道成理事長)は2日、横浜市磯子区の神奈川県立磯子工業高校で出前授業を開いた=写真。建設科の2年生30人(うち女子生徒5人)が参加。クレーン実機の操作体験、シミュレーターによる作業の疑似体験、クレーンオペレーターとして働く卒業生らとの対話イベントを通じ、クレーンオペレーターの仕事を知ってもらった。
 冒頭、大平理事長は「出前授業をきっかけにクレーンオペレーターを目指す先輩は多く、毎年何人かが入職する。実際にクレーンを操作することで、力強さや作業の繊細さが実感できる。クレーン車による仕事の醍醐味(だいごみ)を楽しみながら学んでほしい」と呼び掛けた。来賓の関東地方整備局・佐藤孝建政部建設産業調整官は「話だけではイメージし難いが、出前授業でイメージが膨らむと思う。新たな魅力を発見してもらえればうれしい」と述べた。
 実技実習で使ったクレーン車3台、バックホウ1台は、組合員の市原クレーンサービス、佐藤機工、潮井利興業、恵比寿機工が提供した。各社のクレーンオペレーターが指導。対話イベントでは仕事の良い点や大変な点、給与、休暇、私生活など生徒からの質問に、クレーンオペレーターが本音で答えた。




from 行事 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181341
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回転窓/AIに喰われない

 西日本エリアを中心に放映されている人気長寿番組「探偵!ナイトスクープ」をご存じだろうか。視聴者から寄せられた依頼をタレントが探偵局員に扮(ふん)し、依頼人の視聴者と一緒に解決を目指す▼年間の「神回」を振り返る大みそか恒例の特番。昨年末に放送された依頼は衝撃だった。娘の人生がAIに喰(く)われる前に助けてほしい--。依頼した48歳の父親によると、中学生の長女はAIを駆使して宿題を15分で終わらせるという▼次女は標語コンテストで優秀賞に。ちなみに全く同じ標語内容で表彰されていた同級生がいたと分かり、父親は「大人になった時に、どうなっているのか想像してほしい」と問い掛けていた▼今や日常のツールとして普及したAI。昨年9月にはPC版ヤフージャパンのトップページにもAIアシスタント機能が導入され、若い世代を中心に生成AIはあって当たり前になっている▼テレビリモコンの機能も使いこなせない40代半ばの小欄は、番組に出演した父親の気持ちが理解できる。AIとの共存はどうあるべきか。本来なら楽になるためのアップデートに、少々疲れを感じてしまう。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181333
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前田道路/今泉保彦社長が浅草寺(東京都台東区)の節分会で豆まき

 前田道路の今泉保彦社長が3日に東京都台東区の浅草寺で開かれた節分会に参加した。本堂の特設舞台から年男らとともに豆をまき、一年の無病息災を願った。同社が浅草寺の節分会に参加するのは初めて。
 前田道路は2012年から、浅草寺の参道や広場の改修工事に設計、施工の両方で関わってきた。舗装に石灰岩100%の骨材を使って自然な風合いを実現した「御影石風ベアコート」や、夏場に打ち水などを吸うと温度が下がる「同ベアコートW」を採用。芝生部分は耐久性がありしなやかな「ロングパイル人工芝」を敷き詰め、充填剤にアスファルト製の「温度抑制チップ」を取り入れた。
 現在は本堂西側にある「奥山広場」の改修を施工している。8月に完了する予定だ。担当者は「浅草寺を訪れる観光客などにも興味を持っていただいている工事だ。(現場社員は)普段体験できない大規模な神社仏閣の工事にやりがいを感じていると思う」と話している。




from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181330
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財務省、総務省/政府調達協定の適用基準額告示/26~27年度、国工事は9億円

 財務、総務両省は、世界貿易機関(WTO)の政府調達協定が適用される2026~27年度の工事や設計・コンサルティング業務の基準額を告示した。国発注の案件では、工事が9億円(24~25年度8億1000万円)、設計・コンサル業務で9000万円(8100万円)を基準とした。
 都道府県・政令市の発注案件は工事が30億2000万円(27億2000万円)、設計・コンサル業務が3億円(2億7000万円)になった。いずれの発注案件も、24~25年度より基準額が引き上がる。
 告示は1月30日付。総務省は、基準額変更に関する通知を都道府県・政令市に同日付で出した。基準額以上の案件を発注する場合は内外無差別の発注手続きの対象になる。
 国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)を日本円に換算し、基準額を定めている。直近の為替レート平均値をベースとして、2年に一度見直す。
 国発注案件では、建設工事で450万SDR、設計・コンサルティング業務は45万SDRが基準。都道府県・政令市発注の場合は、工事1500万SDR、設計・コンサルティング業務150万SDRとしている。




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富士見二丁目3番地区再開発/特定業務代行者選定手続き開始/組合

 富士見二丁目3番地区市街地再開発組合は4日、特定業務代行者の選定手続きを開始する。東京都千代田区のJR飯田橋駅南側で、既存建物の解体や2棟総延べ4・6万平方メートル規模の再開発ビルの建設などを施工する。募集要項を10日まで配布する。希望者は都市みらい推進機構にメール(andou@toshimirai.jp)で申し込む。2029年度の竣工を目指し26年度に着工する計画だ。=5面に発注公告
 単体かJVが応募できる。条件は経営事項審査(経審)の建築一式で総合評定値が1800点以上など。事務所・住宅の複合用途で高さ100メートル以上のビルを1都3県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)で建設した実績も求める。
 ビル建設の計画地は富士見2(地区面積0・5ヘクタール)。日本歯科大学や同大学付属病院に隣接する。計画地東側にA敷地(約4100平方メートル)、西側にB敷地(約180平方メートル)を配置する。
 A敷地にはS・SRC造地下2階地上21階建て延べ約4万5000平方メートルのビルを建設。駐車場のほか住宅や店舗、オフィスなどが入る。同敷地の南東側には約600平方メートルの広場なども構築する。B敷地のビルはS造地下2階地上6階建て延べ約1200平方メートルの規模となる。主にオフィスが入居する。
 総事業費は、東京都が組合設立を認可した24年8月時点で448億円を計画していた。




from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181339
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大成建設/タイで低炭素コンクリ初適用/現地大学と連携、東南アジアで社会実装推進

 大成建設がタイで施工している建設工事に環境配慮コンクリートを初適用した。日本で実績を重ねる環境配慮コンクリート「T-eConcrete」と、現地大学の研究成果を融合。タイ国内の産業副産物・廃棄物を有効利用する「タイ版T-eConcrete」を開発、実用化した。同国内で調達可能な材料だけで配合設計できる。タイでの現場適用を機に、東南アジア地域で低炭素建設技術の社会実装を進める。
 同社はコンクリート分野の低炭素化技術で先導的な研究を行うタマサート大学と連携し、タイ版のT-eConcreteを開発した。タイ国内で入手可能な副産物を主材料とし輸入材の価格変動や調達リスクの影響を受けにくく、安定した供給体制を確保できる。
 材料選定と配合を最適化すると、コンクリート製造段階で排出する二酸化炭素(CO2)を従来と比べ最大約85%削減できるという。同大学の低炭素コンクリート技術とT-eConcreteの設計・管理ノウハウにより、強度や耐久性、施工性を高い水準で確保している。
 同社は2025年7月からR&D部門の技術職社員をタイに常駐。技術開発と社会実装を継続的に推進する体制を整えている。技術開発・実装拠点と位置付け、大学・産業界・同社の連携による共創を促進。東南アジア各国への技術展開を見据えたハブ機能を担う。
 タイを起点に東南アジア全域で低炭素コンクリートの社会実装を進めるとともに、現地拠点を中心に各国の材料事情や規格、施工状況に適合する配合設計の標準化を推進。公共・民間プロジェクトへの適用拡大を図る。ライフサイクルアセスメント(LCA)評価や品質保証スキームについて整備や共同研究を拡充。国際的な技術共創力を強化し、持続可能な建設技術の構築に貢献する。




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2026年2月3日火曜日

回転窓/制度は整った。判断は止まった。

 企業の組織改革は、大抵「よかれと思って」始まる。意思決定を速め、責任を明確にするためだ。掲げる旗は、いつも正しい。だが現実には、その善意が、いつの間にか誰も決断しなくて済む構造に姿を変えていることが少なくない▼スピード重視、意見尊重を掲げた仕組みが、確認と共有の手間を増やす。「念のため」「万一に備えて」という言葉は便利だ。反対されにくく、誰も傷つかない。その一方で、判断の責任だけが薄まり、所在を失っていく▼慎重さを否定するつもりはない。速さと正確さの両立は難しく、多くの成功が拙速を避けた結果なのも事実だ。だが、その姿勢が固定された瞬間、慎重さは思考停止の言い換えに変わる▼成功体験を温存するための制度は、挑戦を守るふりをして意欲を殺す。しかもそれは、誰かにとって都合のいい逃げ道にもなる。決めなかったのではない、決められなかったのだ--そう言い換えれば、個人の判断力や覚悟は問われずに済む▼問題は慎重さではない。制度の外に立ち、何が滞っているのかを問い直せなくなった時、組織は描いた青写真を理由に、決断する人間を必要としなくなる。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181305
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