2026年8月18日火曜日

回転窓/執着の果て

 権力は、成功では腐らない。腐らせるのは、その座への執着だ。国際サッカー連盟(FIFA)が進めていたワールドカップ事業の売却構想は、加盟団体の強い反発を受けて撤回に追い込まれた。世界最大のスポーツイベントを金融商品として扱おうとした発想は、組織運営のゆがみを浮き彫りにした▼背景には、トップの独断的な姿勢への不信も透けて見える。どれほど巨額の資金を動かし、いくら人心掌握にたけていても、それだけで組織は動かせない。金で忠誠は買えても、信頼までは買えないからだ。権力を守ることが目的になれば、改革は看板だけとなり、利益は一部に偏る。異論は次第に遠ざけられ、組織は静かに活力を失っていく▼これはFIFAだけの話ではないだろう。会社でも学校でも家庭でも、「みんなのため」が、いつの間にか「自分のため」にすり替わる瞬間がある。守るべきものを見失い、自らの立場を守ることが優先されたとき、組織は進むべき道を誤る▼利益は誰のためにあるのか。その問いを失った組織の未来は閉ざされる。最後に守り抜こうとしているのは、組織ではない。自分のいすだけである。


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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=186876
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三重県/緊急災害対策派遣隊「TEC-MIE」創設/5分野約300人で編成

 三重県は、大規模災害時に被災自治体の公共土木施設等の迅速な復旧・復興を技術的に支援する緊急災害対策派遣隊「TEC-MIE(テック・ミエ)」を12日付で創設した。道路やドローンによる調査など5分野、約300人の隊員で構成し、災害の規模や被災状況に応じて必要な隊員を選定する。県内の自治体だけでなく県外の要請にも応える方針。
 隊員は▽道路▽河川・砂防▽港湾・海岸▽下水道▽ドローンによる調査-が専門の県土整備部の土木技術職員などで編成する。活動内容は被災状況の調査と情報収集・整理、公共土木施設等の応急復旧、災害復旧に関する技術的支援など。平時から研修・訓練などを実施し、災害対応力を向上する。
 13日の定例記者会見で一見勝之知事は「被災した、被災の可能性がある自治体から県に要請を受け出動する。ドローンや排水ポンプ車など県の資産を活用して災害復旧を支援する」と説明。県外への派遣は全国知事会の要請を受けて行うことになる。機材が充実した中部地方整備局のテックフォース(緊急災害対策派遣隊)とも連携して活動する。将来的には人材や機材など民間企業との連携も視野に入れる。


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from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=186885
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東京ガス/消化ガスとグリーン水素でeメタン製造/脱炭素社会の実現後押し

 東京ガスが脱炭素社会の実現に向け、新たな取り組みを展開している。東京都と組み、メタン・二酸化炭素(CO2)で構成する消化ガスと、グリーン水素を原料にした「e-methane(eメタン)」製造の実証実験を実施。ここで得た知見を使い、eメタンやバイオガスの有効活用に向けた道筋をつける。「2030年に都市ガス供給量の1%導入を目指す」(吉田範行東京支社長)考えだ。
 数ある技術の中で同社がeメタンを選んだのは、国内エネルギー消費の6割を占める熱需要の脱炭素化に有効だからだ。加えて、既存の都市ガスパイプラインや顧客が持つ燃焼設備をそのまま使うことができ、コストを抑えることができる。実証実験で得られた技術は精度を高め、将来的にはアジアをはじめとする海外に展開。グローバルで脱炭素化に貢献する方針だ。
 今回の実証実験で使う水素は都の京浜島グリーン水素製造所(東京都大田区)で造っている。eメタンを製造するメタネーション装置は都の森ケ崎水再生センター(同)近くに設置。同装置に水素と水再生センターの消化槽で発生した消化ガスを取り込む。同装置は水再生センターの施設とパイプでつながっているため、消化ガスを連続的に供給できる。1時間当たり260軒が消費するガスを製造できるという。
 京浜島グリーン水素製造所と森ケ崎水再生センターは約1・5キロ離れている。水素は1週間に2回、メタネーション装置近くまでカードルで運んでいる。
 同社は従来、eメタン製造の実証実験を横浜テクノステーション(横浜市鶴見区)で行っている。グリーン水素とごみ焼却場排ガスから回収したCO2を原料にしている。吉田支社長は「横浜テクノステーションと森ケ崎での実証を経て、将来的には革新的な技術を導入し、さらなる効率化とコストダウンを目指したい」と話した。


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from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=186881
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大阪府大東市/庁舎整備基本構想改定版案を策定/27年度初めにも基本設計発注手続き

 大阪府大東市は庁舎整備基本構想の改定版案をまとめた。現庁舎敷地の東側隣地を活用し、周辺の三つの公共施設を統合して建て替える。新庁舎の規模は延べ約1万6000平方メートルで、概算事業費は約143・3億円を見込む。早ければ市議会の9月定例会で基本構想改定版の議決を得て、2027年度当初予算に基本設計業務の委託費を計上。同年度初めの発注手続き開始を目指す。
 市は21年9月に策定した庁舎整備基本構想に基づき、耐震改修し増築を行う形での庁舎整備事業を進めていた。しかし基本設計の実施に向けて25年度に行った耐震診断で、建物の劣化が想定以上に進行していることが判明。耐震改修での事業実施を断念し、隣地の取得を前提に現在地で建て替える方針に変更した。このほど隣地の大部分を所有する所有者と用地の取得・一部借地について合意に至る見込みとなり、事業実施のめどが立った。
 機能統合の対象は庁舎の近隣に位置する保健医療福祉センター(幸町)とキッズプラザ(同)、市民会館(曙町)の3施設。新庁舎に占める面積は▽庁舎機能=1万0531平方メートル▽保健医療福祉センター=1433平方メートル▽キッズプラザ=763平方メートル▽市民会館=3347平方メートル-を見込む。
 基本構想改定版案では新たな施設配置のモデルプランをいくつか示しているが、全体工期が短くコスト抑制の可能性が高い1棟新築案が有力としている。取得した隣地部分に8~9階建て程度の新庁舎1棟を建てるもので、外構の一部をにぎわい創出や防災広場などに活用できる範囲が大きくなる。1階に総合窓口を設置し、低層階には市民の利用が多い部署と関連部門を配置。上層階には議場や執務部門、市民会館機能などを置く。
 事業手法は基本設計先行型の設計・施工一括(DB)方式を想定している。1棟新築案の場合、新庁舎完成までに約5年を要する見込みで、早ければ32年度初めごろの供用開始となりそうだ。


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from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=186886
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2026年8月17日月曜日

回転窓/連休明けの心得

 連休明けの仕事はどうも憂鬱(ゆううつ)になる--。多くの人に思い当たることではないだろうか。どう乗り切るかは人それぞれだが、有効な手だてがあるなら参考にしたい▼総合事務用品メーカーのプラスが、オフィスで働く人を対象に行ったアンケート(2023年)で、お盆休みなど長期休暇の後に「出社したくない」と思うことがある人は全体の8割超に上る。そんな気分を克服するには、「週末に楽しい予定を入れて、それに向けて頑張る」などの回答が寄せられた▼「連休前に面倒な仕事は終わらせておく」も回答の一つ。確かにその通りとうなずくものの、なかなかそうはいかないのが現実だろう。ちなみに「出社したくない」と思うことのない人からは「気持ちの持ちよう」などの意見があった▼少しの気の緩みが事故につながりかねない建設現場で、休み明けは特に注意が必要とされる。日頃から万全の対策を取っていても、意識が散漫になっては安全を守れない▼被災地では休日も復旧作業に当たる人たちがいる。そうした災害現場にも思いを巡らせ、気を緩めないよう意識したい。きょうも安全に一日を終えるために。


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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=186859
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日建協/新副議長らに3人選出

 日本建設産業職員労働組合協議会(日建協、青山敏幸議長)が3、4日に都内で開いた定期大会で、新副議長にシミズユニオンの海老根宜範氏と戸田建設職員組合の小林晃平氏、事務局長に西松建設職員組合の水永賢氏を選出した。
 就任に当たってのコメントは次の通り。
 海老根 宜範氏(えびね・よしのり)2011年明治大学商学部卒、清水建設入社。茨城県出身。
 「建設産業の発展・労働環境の向上を目指して活動に取り組む」
 小林 晃平氏(こばやし・こうへい)17年工学院大学建築学部卒、戸田建設入社。長野県出身。
 「建設産業の魅力向上に向けて労働者の働き方改善に尽力する」
 水永 賢氏(みずなが・けん)1997年亜細亜大学法学部卒、西松建設入社。東京都出身。
 「日建協ビジョンが掲げる『誰もがいつまでも働ける 誰からも誇りに思われる産業』の実現に向け、加盟組合とともに一歩ずつ着実に歩みを進めていく」。


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凜/国土交通省近畿地方整備局和歌山河川国道事務所・笠井杏奈さん

 ◇今度は自分が誰かの目標に
 大学では農学部に在籍していた。国土交通省を志したきっかけは、説明会で出会った職員の人柄だった。採用担当の先輩が仕事の魅力を熱心に語り、質問にも一つ一つ丁寧に答える姿に心を動かされ、「この人と一緒に働きたい」と思った。入省6年目を迎え、現在は和歌山河川国道事務所で河川工事の発注を担当している。
 入省当初は専門用語もほとんど分からず、“畑違い”の環境に戸惑う日々だったが、「毎日少しずつ成長できるのが楽しい」と、持ち前の前向きさで乗り越えてきた。
 2年目に姫路河川国道事務所で携わった水防業務は、大きな転機になった。国交省が気象庁と連携して行う降雨や水位の予測が避難情報の判断基準となり、多くの人の命を守っていることを知った。「縁の下で住民の命を守り、社会を支える仕事なんだ」と実感し、仕事への誇りはさらに強くなった。
 4年目には、技術系係員として初めて採用活動を担当した。自ら感じた仕事のやりがいを、専攻が土木工学以外の学生にも分かりやすく伝えることを心がけた。「笠井さんのような人と一緒に働きたい」と言ってもらえたことが、何よりうれしかった。
 4月からは現在の職場で働いている。新たに学ぶことは多い。それでも、かつて憧れた先輩のように、「今度は自分が誰かの目標になりたい」と、一歩ずつ成長を続けている。
 (かさい・あんな、国土交通省近畿地方整備局和歌山河川国道事務所工務第一課工務係長)


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全建/地方自治体の首長専決状況/導入59団体、6割突破、兵庫県が新たに制度化

 全国建設業協会(全建、今井雅則会長)の調査によると、議会の承認が必要な工事請負契約の変更について、首長が専決処分できる範囲を定めている地方自治体は59団体となり、都道府県と政令市・県庁所在地の計98団体の60・2%を占めた。7月時点の調査で、22年度の調査開始から初めて全体の6割を超えた。制度を設けていない団体が39団体あり、さらなる普及が課題となっている。
 都道府県では、47団体のうち25団体が首長の専決処分を認めており、前年度から1団体増えた。導入率は53・2%で、初めて半数を上回った。新たに制度を導入したのは兵庫。議決対象となる契約金額5億円以上の工事請負契約で、契約金額の1割以内、変更額が5億円未満の契約を、首長の専決処分で対応できるようにした。
 都道府県の運用を見ると、北海道、山梨、新潟などは「契約金額の1割以内」を基本基準としているほか、神奈川、兵庫は大規模契約を対象に同様の基準を設けている。一方、茨城、栃木、大阪、広島などは「1000万円」「3000万円」「5000万円」などの金額基準を採用している。
 福島、埼玉、熊本、高知では契約金額の変更に加え、一定期間以内の工期延長も専決処分の対象。運用基準は自治体ごとに異なる。東京、千葉、静岡、京都、岡山、福岡、沖縄など22都府県では、専決処分の範囲を定めていない。
 政令指定都市・県庁所在地では34団体が制度を導入しているものの、23年度以降は横ばいで推移している。都道府県と合わせた導入自治体数は、22年度の52団体から59団体へ7団体増え、導入率も53・1%から60・2%へ7・1ポイント上昇した。ただ、全体で39団体が制度を設けていない。迅速な契約、工事の円滑な執行に向け、一層の制度整備が求められる。


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エトワール海渡/都内の繊維問屋街に交流拠点、26年秋開業

 アーティストや地域住民、来街者が交わる新たな拠点が、国内有数の繊維問屋街に今秋、グランドオープンする。東京都千代田区の東神田に誕生するのは「アートスペース/偶然はない。」。アパレルやファッション雑貨などを扱う総合卸商社・エトワール海渡(東京都中央区、早川謹之助社長)が所有するビルの一部を活用。かつて商談の場だったフロアをクリエーターや研究機関向けのスタジオへとリノベーションし、新たな創作の拠点として生まれ変わらせる。
 アートスペースの所在地は東神田1の13の3。アパレルや服飾雑貨の卸売店が密集する馬喰町に近接する。敷地面積は833平方メートル。地下2階地上7階建て延べ4813平方メートル規模のビルは1969年に完成した。耐震補強を施し、これまでエトワール海渡の「商品部ビル」として使われてきた。
 交流拠点へと生まれ変わる空間設計は安井建築設計事務所が手掛けた。地下2階にレンタル倉庫を設け、地下1階には演劇やダンスの練習にも利用できるスタジオを配置。地上1階は地域住民が利用できるオープンスペースやワークショップスペース、カフェになる。2階は、かつて商談スペースだった区画を生かし、制作スタジオなどとして貸し出す。
 1階フロアは先行オープンしている。アートプロジェクトの企画・運営を手掛けるコマンドAの中村政人ディレクター・アーティストは「アートにおける新しいエコシステムをつくっていきたい」と、ビルリノベーションに込めた狙いを話す。
 エトワール海渡はアートスペースを拠点に、隣接する馬喰町まで含めたエリア構想「馬喰クラート」を描く。早川社長は「『働く』『暮らす』『探す』『作る』が歩いてつながる、新しい感性を育むまちにしていきたい」と期待を膨らませる。


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東急建設ら3社/測量業務でドローンの空撮画像から3D点群データ生成を自動化

 東急建設ら3社は、ドローンで撮影した画像から3D点群データを生成する一連の作業を自動化した。撮影データをパソコンにダウンロードしたり、解析のために3D化ソフトにアップロードしたりする作業を省略。作業工数を従来比で約50%削減した。
 KDDI、KDDIスマートドローン(東京都千代田区、博野雅文社長)と共同で、ドローンポートと3D点群生成システムを連携した自動3D化機能の実証実験を行った。能登半島地震で被災した能越自動車道穴水道路の復旧工事の測量業務に適用。ドローンの遠隔操縦から空撮データの自動転送、3D点群データの生成までプロセス全体がシームレスに自動連携できるとを確認した。
 KDDIは通信インフラ「スターリンク・ビジネス」を提供し、インターネット通信を確保した。KDDIスマートドローンは、撮影画像の自動転送やデータの自動アップロードのシステム連携を担った。
 ドローンの遠隔運航で空撮した後、撮影した数百枚の画像データをKDDIスマートドローンのクラウドシステムを経由して3D点群生成システムに自動転送。そのまま自動で解析処理も開始した。ドローンの飛行完了後にオペレーターの手作業を介さずに3D点群データが自動で完成した。
 生成した3D点群データはクラウドで一元管理する。データ生成完了後は、現場事務所や本社、支店などの関係者間で共有できる。
 ドローンを使った測量は、撮影した数百枚の画像データをパソコンにダウンロードし、手動で3D化ソフトにアップロードし解析していた。データ転送やアップロードに最大2時間かかっていた。社内で3D点群データが生成できる人材は限られており、各現場への配置は困難だった。


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