2026年6月2日火曜日

回転窓/忙しさが奪うもの

 忙しさとは、不思議なものだ。人を鍛えることもあれば、人の輪郭を雑にしてしまうこともある。余裕を失えば、視野は自然と狭くなる▼目の前の数字や締め切りに敏感でも、周囲の疲れや沈黙には鈍くなる。厄介なのは、多くの場合、本人にその自覚が乏しいことだ。「今は仕方ない」「後で整えればいい」。そんな言葉を重ねるうちに、周囲をじわじわと疲弊させていく▼人は誰でも忙しくなる。問題は忙しいことではなく、その中で何を見失うかだ。忙しさを理由に対話を省き、結果だけを求め続ければ、やがて誰も本音を語らなくなる。静かな職場は、統率が取れているのではなく、諦めが広がっているだけかもしれない▼若い頃の未熟さは、年齢を重ねただけで風格に変わらない。放置された欠点は、肩書を得た瞬間から周囲を巻き込み始める。それでも経験を積んだ人ほど、「自分はもう変わらなくていい」と思い込みやすい▼耳の痛い声を遠ざけ、「忙しい」を免罪符にして振り返ることをやめた人間は、少しずつ他人の痛みに鈍くなる。覚悟とはきっと、その鈍化にあらがい、必死に前へ進み続けることなのだろう。


https://www.decn.co.jp/inc/hp_image/altimage.jpg

from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184772
via 日刊建設工業新聞

パシコン/社長に岡野郊子氏、10月1日就任予定

 パシフィックコンサルタンツは1日、岡野郊子取締役兼常務執行役員が10月1日付で社長に昇格する人事を発表した。大本修社長は代表権のある会長に就く予定。
 岡野 郊子氏(おかの・さとこ)2022年執行役員内部監査室長、24年常務執行役員人事部長などを経て25年12月から現職。


https://www.decn.co.jp/inc/uploads/2026/06/202606020104003-1.jpg

from 人事・動静 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184766
via 日刊建設工業新聞

国交省/港湾の防災・減災へ協働防護協定の手引を公表/費用分担方法など示す

 国土交通省は、港湾関係者が連携して港湾の防災・減災に取り組む「協働防護」の推進に向け、「協働防護協定の手引き」を作成し公表した。協定締結に当たり、盛り込むべき内容や留意事項を整理。区域設定の考え方や費用負担の在り方、協定違反時の措置などを示した。費用負担を巡っては、対策の実施主体ではないものの事業実施によって浸水リスクが低減する関係者は、一定の負担を担うべきだとした。
 ハード・ソフト対策の遅延や不履行により被害が発生した場合など、協定違反時の措置については関係者間で合理的かつ公正な内容とすることが重要とした。想定される事案や判断基準をあらかじめ定義しておく必要性も示した。
 防護区域の考え方として▽単一の浸水リスク範囲を有する地区▽複数の浸水リスク範囲を有する地区▽複数の突堤型ふ頭が連なる地区▽独立した人工島が連なる地区-などを示した。
 手引には協定内容を確認するための「協定申請時のチェックリスト例」も盛り込んだ。協定の有効期間の明記や、違反時の対応が適切に定められているかなどを確認できる。
 日本の港湾は、貿易量の99・6%を扱う重要な社会インフラである一方で、高潮・高波・津波の影響を受けやすい。昨今の気候変動の影響によりさらなる海面水位上昇や台風の激甚化などが見込まれている。
 こうした背景を踏まえ、国交省は2025年10月に港湾関係者が連携して防護対策を進める協働防護制度を施行し、港湾立地企業の対策促進と事業継続力の向上を促している。
 関係者が連携して協働防護に取り組むことで、災害時でも物流や企業活動を継続し経済活動の停滞を防ぐ狙いがある。


https://www.decn.co.jp/inc/hp_image/altimage.jpg

from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184765
via 日刊建設工業新聞

東京都/6月補正予算案/物価高騰対策など注力

 東京都は、総額542億円の6月補正予算案を5月29日に発表した。9日に開会する2026年度第2回定例会に提出する。主な内容は中東危機を受けたエネルギー構造転換や脱炭素化、中小企業支援、物価高騰対策など。補正後の予算総額は18兆7392億円となる。財政調整基金や東京強靱化推進基金の取り崩しなどで財源を確保する。
 局別の内訳は生活文化局1億70百万円、都市整備局31億84百万円、環境局89億74百万円、福祉局78億23百万円、保健医療局73億8百万円、産業労働局263億68百万円、スタートアップ戦略推進本部4億円。
 重点項目として▽エネルギー構造の転換に向けた先駆的施策▽非石油由来製品の開発支援・利用推進▽脱炭素化の取り組み強化▽身近な資源の循環利用・省エネの推進▽中小企業の経営安定化▽物価高騰対策▽はしか対策-の七つを掲げた。
 エネルギー構造の転換に向けた先駆的施策には173億円を充てる。ナフサ代替原料の開発支援や環境配慮型農業への転換などを促す。脱炭素化の取り組み強化には123億円を充当。電気自動車(EV)の導入促進や太陽光発電の市場形成支援、SAF(持続可能な航空燃料)の利用拡大などを展開する。
 身近な資源の循環利用・省エネの推進には41億円を配分する。既地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入補助の拡充やゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業などの補助事業に予算を振り向ける。
 中小企業等の経営安定化には136億円を計上。中小企業制度融資の拡充や価格転嫁の緊急支援事業などを盛り込んだ。物価高騰緊急特別対策事業は232億円の予算で、主に都民向けの物価高騰対策を打ち出す。はしかの感染拡大が止まらないことから緊急でワクチン接種補助に1億円を充てる。


https://www.decn.co.jp/inc/hp_image/altimage.jpg

from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184775
via 日刊建設工業新聞

関東財務局/国家公務員宿舎跡地(茨城県つくば市)/売却先は大和ハウス工業

 関東財務局は、茨城県つくば市の国家公務員宿舎跡地(通称・70街区)の売却先を大和ハウス工業に決めた。つくばエクスプレス(TX)のつくば駅に近接し、広さは約5・3ヘクタール。同社は15階建て570戸の分譲マンションの建設をはじめ、先端技術の導入を進める「スーパーシティー」の実現に向け、研究拠点と生活利便施設の一体整備などを提案した。竣工は2033年6月を予定している。
 1日に企画提案審査の通過者が入札に参加できる「二段階一般競争入札」の結果を公表した。開札日は5月22日。企画提案者は1者だった。
 70街区の所在地は吾妻2の1ほか(敷地面積5万3866平方メートル)。市街化区域で用途は第2種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)。同街区周辺エリアの土地利用方針によると、研究機関やスタートアップ、ベンチャー企業業務施設などを誘導する「イノベーション拠点地区」や、生活利便施設や中高層住宅を誘導し、街区単位で先端技術を実装する市街地「スマート街区地区」の形成を目指す。
 大和ハウスは、イノベーション拠点地区にスーパーシティ実装センターと生活利便施設の一体整備を提案した。スマート街区地区には中高層住宅として15階建て分譲マンション(570戸)や、3階建て賃貸マンション12棟(200戸)を整備する。
 都市計画道路3・1・7号学園中央通り線の道路境界から250メートル離れた場所に一戸建て住宅27戸を建設。ななまる公園向かいのマンション敷地内には広場や交流拠点を設ける。


https://www.decn.co.jp/inc/uploads/2026/06/202606020502003-1.jpg

from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184776
via 日刊建設工業新聞

大豊建設/実寸大シールドマシン実習施設を整備/国内初の常設で技術継承へ

 シールド工法の技術者育成と研究開発を促進するため、大豊建設は茨城県阿見町の技術研究所に、実寸大シールドマシンのモックアップを常設する実習施設「MOGLABO(もぐらぼ)」を開設した。都内の現場で使ったマシンを移設。施工時の構造や設備配置を実際に見ながら技術を学ぶ。同社によると、同様の施設は国内初。技術が持つ意味や価値への理解を深め、次世代へ継承していく「思想継承」の場と位置付け活用していく。
 施設規模はシールド径4・48メートル、トンネル全長20メートル。セグメント部分を緩やかにカーブさせ曲線施工を再現しているのが特徴で、坑内測量に初めて挑む技術者でも実践的に習得できるようにしている。5月に完成し、本年度の新入社員研修で利用を始めた。今後も年次研修などに活用していく。
 シールド工事は昼夜連続で工事を続けるため、現場で十分な実習時間を確保しにくい。掘進が始まると、外部からマシン内部を確認することも難しい。MOGLABOで掘進管理や施工手順の研修に十分な時間を掛けることで、経験や勘だけに頼らない体系的な「人材育成」を目指す。
 技術開発では、計測機器や新技術を実際の施工に近い条件で検証できる環境を整え、実用性に優れた技術を生み出したい考えだ。
 浅田潤一専務執行役員土木本部長・海外部門・技術研究所担当は「実機を使い、構造や規模感、機器の置き場など映像や写真では分からない部分を体験してもらいたい。ベテラン技術者のノウハウを受け継ぎつつ、皆が同じ場所で学ぶことで技術力のムラをなくしていく」と狙いを語った。


https://www.decn.co.jp/inc/uploads/2026/06/202606020301003-1.jpg

from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184761
via 日刊建設工業新聞

2026年6月1日月曜日

回転窓/小さな侵入者に警戒

 きょうから6月。今年の梅雨入りは九州から東北にかけて平年より遅くなるとの予想だ▼雨の少ない空梅雨では夏の水不足が心配され、降り過ぎると災害や農作物の被害につながる。気象庁の発表によると、気になる降水量(6~8月)は全国的にほぼ平年並みの見通し。だが、梅雨期には大雨となる可能性もあり注意したい▼この時期に警戒しなければならないのは雨だけではない。果樹生産者などが対策に追われるのは、カメムシによる被害。地域によっては今年、大量発生の恐れがあるとして注意が呼び掛けられている▼かつて本欄で、カメムシが多く発生した年の冬は大雪に見舞われるという言い伝えを紹介した。大量発生する要因の一つとされるのが、暖冬で冬を越す個体数が増えること。どういった背景から生まれた言い伝えなのか興味深い▼カメムシは不快な強い臭いを放つ。室内に侵入しても空のペットボトルを利用すれば簡単に捕獲できるというが、臭いが手などに付いた場合は、油分を使って落とすのが効果的だとか。本格的な梅雨期を前に、変わりやすい空模様とともに小さな侵入者にも注意を払いたい。


https://www.decn.co.jp/inc/hp_image/altimage.jpg

from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184716
via 日刊建設工業新聞

新社長/ムスブホールディングス・久米生泰氏/自立経営で成長力引き出す

 村本建設グループが持ち株会社体制へ移行し、1日付で「ムスブホールディングス(HD)」が発足する。建設業界が構造転換期を迎える中、グループ全体のガバナンスを抜本的に強化。人的、財務、技術の各資本を横断的に活用し、成長投資や新規事業を加速する。事業会社ごとに収益責任と権限を明確化し、“自立経営”を通じて持続的な成長を目指す。
 --就任の抱負を。
 「村本建設の社長として一定の経営基盤は整えたが、成長スピードにはなお課題が残る。特に投資判断や事業展開では、一体運営ゆえの制約があった。今回の持ち株会社化は守りではなく攻めの改革だ。各社が自立的に成長し、グループ全体の価値を高めることが私の使命になる」
 --HD移行の狙いは。
 「建設業界では人手不足や資材価格高騰に加え、脱炭素やデジタル化など構造変化が進んでいる。一方で、従来は投資や人員配置、M&A(企業合併・買収)の意思決定が村本建設に集中し、新規領域への展開スピードに限界があった。新体制では戦略機能を担うHDと実行を担う事業会社を分離することで意思決定を速め、戦略実行力を高める。『ムスブHD』という社名には、村本建設に根付いてきた建築と土木が緊密に協力する土壌を発展させ、グループ一体で成長する思いを込めた」
 --新体制の枠組みと経営方針は。
 「村本建設、村本道路、福本設計、村本ビルテクノ、ツーワン、エムズクリップ、ミライズエンジの7社を並列に配置し、各社に収益責任を持たせる。HDは全体の経営管理や人材配置などの意思決定を担い、各事業会社は機動的に事業を展開する。管理部門はシェアードサービスに移行するが、単なる効率化ではなく、経営人材を育成する機能として再設計する。改革の本質は組織ではなく人材だ。専門性の強化に加え、経営的な視点を養う人材育成にも力を注ぐ。管理系人材はグループ横断の異動を通じて財務や人事、企画などを経験し、事業全体が俯瞰(ふかん)できる力を養う。経営に関与できる人材の層を厚くしたい」
 --今後の展望は。
 「村本建設には安定した収益基盤の構築とグループをけん引する役割が求められる。各社もベクトルを合わせ、シナジー(相乗効果)の発揮で事業領域を広げる覚悟が必要になる。今後は村本ビルテクノを核としたメンテナンス事業や、自前施設を活用したドローン事業、医療・福祉、不動産など運営も含めた周辺領域への展開を強化する。M&Aは地域補完や事業補完を軸に進め、『共にグループをつくる仲間』という発想で成長の選択肢を広げる」。
 (6月1日就任)
 (くめ・たかひろ)1987年京都大学大学院工学研究科土木工学専攻修了、村本建設入社。2002年営業本部副本部長、04年取締役、06年同東京支店長、07年同兼常務執行役員、11年同兼専務執行役員、23年6月社長。趣味はゴルフ。座右の銘は「禍福は糾(あざな)える縄の如し」。鹿児島県出身、65歳。


https://www.decn.co.jp/inc/uploads/2026/06/202606010102003-1.jpg

from 人事・動静 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184714
via 日刊建設工業新聞

アス合材価格/全国レベルで上昇局面に/東京は過去最高の1万3000円

 道路舗装工事に使うアスファルト混合物(アス合材)の価格が全国的に上昇している。建設物価調査会のデータによると、4月から5月にかけた地区別の上昇幅は、1トン当たり再生材(密粒度13)で2000~3000円、バージン材で3000~4000円となった。東京地区のアス合材価格は5月に1万3000円となり、過去最高を更新した。原材料のストレートアスファルト(ストアス)、プラント燃料のA重油などの価格上昇を踏まえると、アス合材にはなお価格転嫁の余地があるとみられる。
 価格改定の浸透度合いには地域差がある。5月10日時点の価格は▽札幌1万7450円(4月比2800円増)▽仙台1万4000円(1800円増)▽東京1万3000円(2000円増)▽新潟1万5800円(2000円増)▽名古屋1万2700円(2000円増)▽大阪1万円(500円増)▽広島1万4000円(2000円増)▽高松1万6100円(2500円増)▽福岡1万3100円(2300円増)▽那覇1万6800円(2000円増)-だった。
 再生材価格は、4月に大幅上昇したストアス価格に追随する形でアップした。これまで長期間、横ばいで推移していた単価は、中東情勢を背景とした不安定な原油調達を受け、急速に改定局面へ移行している。
 業界関係者は「地域差もあり、まだ十分に価格転嫁できていない地方工場もある」と指摘する。道路舗装各社では価格改定に踏み切る動きが広がっており、合材メーカーは企業努力だけで原材料価格の上昇分を吸収することが難しくなっている。原材料費の上昇分を販売価格へ転嫁する流れは、今後さらに強まる可能性がある。物調は「需要家は大幅な値上げに難色を示したが、安定調達を優先し、一部を受け入れた」と分析。未転嫁分についても値上げ姿勢を維持しており、先行き、強基調の見通しにあるという。
 業界内では、ストアスなど原材料価格の上昇率と比べると、アス合材価格は「まだ十分に追いついていない」との見方が多い。供給制限が続く地域もあり、需給や価格動向の先行きは不透明な状況が続いている。


https://www.decn.co.jp/inc/uploads/2026/06/202606010103003-1.jpg

from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184719
via 日刊建設工業新聞

奈良県/緊急災害派遣チーム「TEC-奈良」を設立/プッシュ型で被災地支援

 奈良県は、大規模災害発生時などに被災地へ速やかに土木技術職員を派遣するため、緊急災害派遣チーム「TEC-奈良」を5月29日に立ち上げた。本部長は県土マネジメント部長が務め、現地の指揮を執る統括隊長には同防災政策官が就く。県土マネジメント部とまちづくり推進局の職員約200人が隊員となり、発災時にプッシュ型の被災地支援を行う。
 県南部や山間部で集中豪雨などによる自然災害が多発する状況を踏まえ、同チームを設立した。隊員は▽被災地の情報収集や関係機関との連絡調整を行うリエゾン班=151人▽ドローンなどで被災状況を調査するドローン班=20人▽復旧方針策定の技術支援を行う土木班=142人▽隊員の移動・宿泊など活動環境を整備するロジ班=54人-の4班で活動に当たる(班別隊員数は兼任を含む)。
 発災時、孤立集落などが発生した市町村に対してリエゾン班をプッシュ型で派遣。被害状況に応じて、ドローン班や土木班を追加派遣する。他の都道府県から要請があった場合にも、復旧支援段階で隊員を派遣するとしている。国土交通省のテックフォース(緊急災害対策派遣隊)と平時から合同研修・訓練を実施し、災害時には照明車の提供依頼など、被災地に必要な資機材の調整などを行う計画だ。
 5月29日の定例記者会見で山下真知事は、「発災時、場当たり的に職員を派遣するのではなく、あらかじめ班体制などを決めておくことが重要だ。これにより、迅速に被災者の救助や復旧・復興に当たることが可能になる」と述べた。


https://www.decn.co.jp/inc/hp_image/altimage.jpg

from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184723
via 日刊建設工業新聞