2026年5月26日火曜日

回転窓/誰かの隣で生きる

 人は一人でも生きていける。けれど、心豊かに生きるには、誰かの存在が欠かせないのだと思う。誕生日という節目は、祝われる側だけでなく、「おめでとう」と声を掛ける側にも、相手の人生の隣に自分がいることを、静かに感じさせてくれる▼年齢を重ねるほど、人と理解し合う難しさを知る。近しい間柄であるほど、言葉は省かれ、思い込みが増えていく。「分かってくれているはず」という期待はときに、小さな影を心に落とす。それでも長く続く関係があるのは、分からない部分を抱えてもなお、相手に寄り添おうとする気持ちを手放さないからだろう▼人間関係を形づくるのは、自分の願いと行動なのだと思う。忙しい日の短い返信。相手の話を最後まで聞こうとする沈黙。照れながらでも伝える「ありがとう」。小さな心配りの積み重ねが、少しずつ信頼を芽吹かせていく▼誕生日を祝う言葉もまた、「あなたがいてくれてうれしい」という、ささやかで気恥ずかしい意思表示かもしれない▼人は誰かに支えられ、誰かを支えながら生きている。そのぬくもりを忘れなければ、人生はきっと、もう少し温かく豊かになる。


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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184547
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厚労省/無人機遠隔運転は1人1台/安全対策考え方案

 厚生労働省は25日、機械の無人運転に関する安全対策の考え方の案を専門家検討会に示した。トラブル発生時の立ち入りを除き、機械だけの作業を前提に管理する区画を「立入等管理区画」と定義し、労働災害のリスクに応じた接触防止などの措置を講じたり、遠隔運転と自律運転を分けた上で遠隔運転は1人が一度に運転できる機械を1台にしたりする考えなどを示した。委員の意見を踏まえ、引き続き対応を議論していく。
 厚労省は「機械の無人運転における安全確保等に関する専門家検討会」の7回目の会合に、区画の考え方、「人と機械の混在」に対する措置などの案を提示し、意見を求めた。
 人と機械が混在する環境の中で、立入等管理区画は作業ごとに一定の時間で変化すると捉え、標準的な区画は建設業や農林業などの業態ごとに検討するとした。同区画は発注条件などを踏まえて作業する事業者が決定し、作業計画の初期に設定する。発生する可能性のある災害の重篤度を含めたリスクを評価し、対策が妥当か第三者が認証するとした。
 通常運転時に運転制御の主体が機械側にあり、人の関与が監視および緊急停止となるのが「自律運転」、運転制御の主体、運転操作とも人となるのが「遠隔運転」に分けた。異常に即座に対応する運転者に運転の主導権が移る場合は自律運転に該当せず、補助機能の位置付けとなる「運転支援機能」とする考えも示した。
 自律運転と遠隔運転それぞれに適用する法令は異なり、両方の機能のある機械は自律、遠隔の運転の「モードに応じた法令が適用」とした。運転者・監視者が関与する台数は、遠隔運転は「1人が一度に運転可能な機械は1台」、自律運転は「通常運転時は複数台の機械に関与することが可能」と整理した。
 検討会は、区画と運転制御方式の考え方、区画と運転制御方式ごとの安全確保の基本的な枠組み、人と機械の混在に対する必要な措置などを引き続き検討し、中間取りまとめを策定する。厚労省は中間取りまとめを踏まえ、関係団体と連携しながら作業チームで機械ごとに必要な対応を検討することを視野に入れている。政労使の代表者のいる審議会で現行規制を見直していく。


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from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184553
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大林組/洋上風力発電支持構造物で基本設計承認取得/鋼・コンクリのハイブリッド構造

 大林組は、鋼とコンクリートのハイブリッド構造を採用した「TLP(テンション・レグ・プラットフォーム)型浮体式洋上風力発電施設」の支持構造物で、日本海事協会の基本設計承認(AiP)を取得した。安全性や構造強度の面で成立可能な設計と評価された。今回のAiP取得で商用化を見据えた設計段階にステップアップできる。
 支持構造物は部材をあらかじめ製作し、運搬後に組み立て・接続できるのが特徴。部材製作や施工方法の選択肢が広がるため、他の浮体形式(鋼製セミサブ型)と比べ、浮体建造費を25%削減できる見込みだ。部材を同時並行で製作できることから、量産化を見据えた製造体制も構築しやすい。
 TLP型係留は、常時張力を与えることで浮体の上下動揺を抑制できる。試算では発電効率が約8%向上するという。水深の約10倍の占用幅が必要とされるカテナリー型係留と比べ、係留索の広がりを小さく抑えられるため、占用海域を最小限に抑制でき、漁業への影響も小さい。
 ハイブリッド構造を採用したTLP型浮体式洋上風力発電施設の支持構造物にAiPを発行した世界初の事例になる。
 大林組は2012年からTLP型浮体式洋上風力発電施設の研究を進めてきた。支持構造物は、新エネルギー・産業技術総合開発機構の委託事業「浮体式洋上風力発電の導入促進に資する次世代技術の開発」の一環。28年には、風車を搭載した実海域での実証実験を目指す。


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from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184554
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2026年5月25日月曜日

回転窓/紙芝居に見る伝え方

 昭和初期の紙芝居で代表的なヒーローといえば「黄金バット」。後にアニメ化もされて人気を誇ったが、ある本を読んで興味深い誕生の経緯を知った▼元々の主人公は怪人「黒バット」。次々と作品が続いていくうちに強くなり過ぎ、この主人公と対決させるために登場したのが黄金バットだったという。まさに「突如あらわれたる正義の味方」であった(上地ちづ子著『紙芝居の歴史』から)▼かつて流行した大衆芸能の中で、「立絵」に携わっていた人たちが「平絵」の街頭紙芝居を始める。今から100年近く前のことだった▼デジタル化が進む現在も紙芝居の人気は根強い。語り手と見る側の間に生まれるコミュニケーション。限られた枚数でストーリーが展開するため、描かれていない世界は想像を働かせながら補って楽しむ。そんな紙芝居を見た後の子どもたちは、物語を驚くほど正確に理解しているそうだ。「小さな親切」運動本部のウェブサイトに紹介されていた▼伝えたいことがたくさんあっても、あえて説明し過ぎない。そうして受け手にイメージを膨らませてもらう方が、強く記憶に残るのかもしれない。


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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184507
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凜/西日本高速道路九州支社・中居陽子さん/懸命に挑めば自然と道は開ける

 地元は熊本県。土木建設業に携わる父の背中を見て育った。現場監督として働く姿を間近で見るうちに、自然と憧れを抱くようになり、土木の道を志した。学生時代は非破壊検査に関する研究室に所属。メンテナンス分野で社会に貢献できる仕事だと感じたことが、入社の決め手になった。
 熊本高速道路事務所に勤めていた2016年、故郷は熊本地震で大きな被害を受けた。被災した道路の工事発注などの調整を担当したが、「本当に復旧できるのか。先の見えない不安が幾度も頭をよぎった」。
 復旧工事は24時間態勢で行われ、深夜帯の対応も続いた。工事説明で訪れた際、住民に「工事の音が聞こえる方が、夜でも誰かが近くにいてくれる気がして安心する」と声を掛けられたことが、今も心に残っている。地域の優しさに触れ、インフラを支える事業者としての責任感はより強まった。
 入社当時、ロールモデルとなる女性技術職員はまだ少なかった。2度の出産を経験し、子育てとの両立に悩むこともあった。「目の前の仕事に懸命に向き合っていれば、周囲が支えてくれ、自然と道は開けていった」と穏やかに振り返る。
 女性技術職員も年々増えている。「自分の経験を少しでも伝え、若い女性たちの手本になれれば」と話す。技術者としての歩みを止めるつもりはない。DXなどの新技術にも積極的に向き合い、「さらに成長したい」と前を見据えている。
 (なかい・ようこ)(西日本高速道路九州支社建設・改築統括課課長代理兼企画調整課課長代理)


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from 人事・動静 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184501
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中部整備局庄内川河川事務所/シェアサイクルポートを設置/CXの取り組みの一環で

 中部地方整備局庄内川河川事務所は、来庁者や地域住民、職員の利便性を向上するため敷地内(門扉外)にシェアサイクルポートを設置、1日に運用を開始した。同局のCX(組織改革)の取り組みの一環。敷地内へのサイクルポート設置は同局で初の試み。
 庄内川河川事務所(名古屋市北区福徳町5の52)は地下鉄鶴舞線の庄内通駅から徒歩で約20分、名城線の黒川駅から約30分かかる。市バスも1時間に1、2本程度しかなく、公共交通機関でのアクセスは不便。
 2025年度に事務所職員がアイデアを出し、国有財産の使用許可制度を活用し事業者を公募。名鉄協商の「カリテコバイク」に決定、門扉外の敷地に5台のサイクルポートを設置した。アプリを登録すればスマートフォンで予約が可能。サイクルポートがあれば好きな場所に乗り捨てができる。
 来庁者のアクセス改善や環境負荷の低減につながる。道路に面した場所にあるため地域住民も利用可能。職員も通勤や外出時に利用することで利便性や満足度の向上につながることが期待される。


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from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184512
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関東整備局/休泊川排水機場の能力増強へ/26年度内に詳細設計

 関東地方整備局は、利根川水系休泊川の治水安全性を高めるため、群馬県にある「休泊川排水機場」の能力を増強する。合流する利根川本川に排水する能力を1秒当たり56トンまで引き上げる。年度内にポンプの据え付けを含む詳細設計を行い、2027年度以降、工事に着手する。
 休泊川排水機場は利根川本川と休泊川が合流する千代田町に位置する。排水能力が10トンのポンプ2台を有する。温暖化の影響で豪雨災害が頻発する中、「特定都市河川」に指定される休泊川の安全確保は急務となっている。洪水から市街地を守るため、排水機場の能力を現在の20トンから56トンへと大幅に引き上げる計画だ。
 関東整備局は26年度予算に、設計関連経費を新規計上した。「R7休泊川排水機場増強整備検討・詳細設計業務」の委託先を決める簡易公募型プロポーザルで、東京建設コンサルタントと契約。契約金額(税込み)は1億0367万5000円だった。近くポンプの据え付けに必要な土木や設備、建築設計に入る。
 詳細は今後詰めるが、事業を推進する関東整備局利根川上流河川事務所によると、新しいポンプを置くための建屋増設も視野に入れる。来年度以降、工事着手する予定だ。完成時期は未定としている。
 関東整備局は群馬県や県内市町と連携し、利根川水系全体の治水安全度向上を目指している。休泊川排水機場の増強もその一環で、上流部の河道掘削や護岸整備を実施し豪雨災害に備える。


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from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184514
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2026年5月22日金曜日

回転窓/東京の魅力を再発見

 赤れんがは一つ一つ色や形に違いがあり、風合いが時間の経過を感じさせる。都内にも東京駅丸の内駅舎や法務省旧本館など多くの赤れんが建築が現存するが、東京芸術大学の正門を入って左側にある「赤レンガ1号館」が最古だそうだ▼1880年に教育博物館(国立科学博物館の前身)の書籍閲覧所書庫として建てられた。設計は、西洋の建築技術を学んだ工部省技官の林忠恕(35~93年)が手掛けた▼1978年に解体が決まったが、建築史家らの調査と保存活動が結実し80年に活用方針が定まった。明治初期のれんが造りとして貴重な存在だが、内部は関東大震災後の修復の跡、その後の鉄骨補強、設備更新といった歴史を刻んできた▼赤レンガ1号館がおそらく完成以来初めて、外部の人を内部に迎え入れる。都内にある名建築の数々を散策しながらその魅力を楽しむ大規模な建築体験イベント「東京建築祭2026」(16~24日)で23、24日の2日間、特別公開される▼今年で3回目となる建築祭には過去最多の151件の建築が参加。普段非公開の建築の扉が開く貴重な機会を通じ、新たな視点で東京の魅力を再発見したい。


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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184440
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不動協/日建連との協議に意欲/担い手確保、生産性向上などで

 不動産協会(不動協、吉田淳一理事長)は、日本建設業連合会(日建連、押味至一会長)と合同で立ち上げる協議体で積極的に意見を交換する。21日に都内で開いた総会後、吉田理事長は「不動産業界と建設業界が同じ方向を向き、担い手確保や労務費の行き渡り、生産性の向上などについて忌憚(きたん)のない議論をしたい」表明。胸襟を開いた議論で難題解決の糸口を探る。
 不動産市場は安定的に推移しているものの、建築費の高騰や金利の先高観など、確実に厳しさを増しつつある。吉田理事長は「建築費の高騰は事業の持続可能性だけでなく、市街地再開発などの都市再生、ひいては日本の経済成長に深刻な影響を及ぼすと考えている」と述べた。
 不動協と日建連の協議に当たっては国土交通省も協力する。不動協と日建連は4月、金子恭之国土交通相に制度や政策で支援を求める要望書を提出した。意見交換のテーマは▽担い手の確保▽就労意欲に応じた柔軟な働き方の確保▽労務費の行き渡り▽生産性向上▽都市再生関係事業への支援措置の充実-を見込んでいる。
 懇親会には金子国交相も出席。「国交省としても民間同士のパートナーシップ構築、連携強化のリーディングケースとなることを期待している。しっかり応援したい」と語った。


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森ビル/向後康弘次期社長が会見/創造力、挑戦心を発揮できる組織に

 森ビルの次期社長に内定した向後康弘取締役兼常務執行役員と辻慎吾社長が20日、東京都内で会見を開いた。社長交代は15年ぶり。向後氏は「建築費の高騰や工期の長期化、人手不足など事業環境は厳しい。人の生活や働き方、学び方なども多様化してきている」と現状を分析。その上で「社員一人一人の自由な発想や創造力、挑戦心を発揮できるような組織を作る」と述べた。
 社長就任に当たり最も大切にしている思いとして向後氏は「森ビルらしい都市づくりの追求」を挙げた。「都市に真摯(しんし)に向き合い、あるべき都市とは何かを考え続け、実現に向けて挑み続ける」との経営姿勢を示した。
 人材育成にも力を入れる。東京都港区の「六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業」をはじめ、複数のプロジェクトを抱えている。既存の「ヒルズ」の価値をどう高めていくのかも会社を成長させる上で重要になる。「挑戦の機会と場はそろっている。これらを通じて人と組織の成長を図っていきたい」(向後氏)。
 六本木5丁目プロジェクトは建築費の高騰や工期の長期化などで当初計画していた2030年度の竣工が難しくなっている。向後氏は「どうやれば合理的な計画になるのか、効率的に施工できるのかを建設会社や設備工事会社などいろいろな方々から意見をいただいて検討している」と説明した。
 辻社長は向後氏を「周りともうまくやりながら、諦めずに粘り強く仕事をこなして、成果を出す人物」と評した。次期社長に選んだ理由として、これまでの実績に加え「森ビルの哲学や思想といった部分を現場でずっと見てきた。森ビルの根っこにある部分を一番よく理解している」と言及。森ビルのDNAを引き継ぐ最適な人物だということを強調した。
 今後は会長として新体制を支えつつ、ニューヨークの新規プロジェクトに取り組む。詳細な内容は後日発表するという。


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from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184445
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