木下建設(和歌山県有田市、木下英文社長)は15日、本社で官公庁職員らを対象に遠隔施工の見学会を開いた=写真。災害復旧の相互応援を見据え、鴻治組(広島市安芸区、檜山典英社長)と連携して実施。鴻治組が施工する広島県内の現場にあるバックホウなどを遠隔操作した。近畿地方整備局や和歌山県、有田市の職員と、内閣府の防災庁関係者ら計約30人が実演を見学した。
両社はEARTHBRAIN(東京都港区、小野寺昭則社長)が提供するデジタルプラットフォーム「Smart Construction」を導入し、遠隔施工を実施している。見学会は、大規模災害時に被災地域の建機を所有者以外の企業が遠隔操作し、復旧作業に当たることを想定して企画。企業間で相互に遠隔施工を実施する、先駆的な取り組みだ。
木下建設が施工する和歌山県九度山町の「R7紀の川九度山地区上流掘削工事」と、鴻治組が広島県福山市で施工する「令和7年度福山道路山北第4改良工事」(いずれも国土交通省発注)の現場にある、お互いのバックホウを操作した。
参加者からは「現場の安全管理体制は」「搭乗操作とどのような違いがあるか」などの質問が相次ぎ、担当者が解説。「海外からの遠隔施工も可能か」との問いには、EARTHBRAINの大場重生氏が「1万キロ以上の距離で施工実績がある」と答えた。
木下建設の山田裕明専務本部長は遠隔施工での災害復旧作業について「請負契約の結び方や、事故が起こった場合の責任の所在など不明瞭な点が多い」と語った。今回の見学会では事前に2社で覚書を交わし、企業間の役割と責任などを明確化。その上で接触事故リスクを避けるため、バックホウですくった土砂を相手方のダンプに移す作業は行わなかった。「遠隔施工のシステムは整いつつあるが、実際に災害復旧を行うとなると、制度面で課題がある」と指摘した。
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