2026年8月7日金曜日

国交省・塩見英之事務次官が就任あいさつ/ダイナミックに政策展開

 幹部職員の人事が7日に発令された国土交通省で同日午後、新旧事務次官が職員に訓示した。新任の塩見英之事務次官は「政策のマイナーチェンジでは、ほとんど社会に効果が及ばないということが多いのではないか。勇気を持って決断し、ダイナミックに政策を展開したい」と強調した。
 塩見次官は「平成入省の次官の拝命になった。国交省の職員の特徴を私なりに短い言葉で表現すると、『実直、一生懸命、責任感』がぴったり当てはまる」とした上で、「大好きであって、これを守り、発展させて引き継いでいきたい」と力強く話した=写真。
 国交省のCX(組織変革)を進める中での居心地の良さを感じられる職場と一体感を持てる人間関係、公共工事設計労務単価を1年で15%以上引き上げたようなインパクトのある対応とダイナミックな政策の展開、国民や企業に対する分かりやすい説明に横断的に取り組む考えを表明した。当面の課題を26年熊本地震とし、「高い使命感を持って存分に力を発揮していくことが求められる」とした。2027年国際園芸博覧会の成功も挙げ「皆さんと一緒に精いっぱい努力する」と話した。
 勇退した水嶋智前次官は昭和入省の幹部の最後の一人。約40年の間の職員、関係者との出会いに謝意を示し、「仕事を通じて自らの魂を磨き、自らを高めていく。社会に貢献することを自らの喜びと感じることができる、出会った国交省の仲間たちがすべてそういう人たちだった」と振り返った。


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上場ゼネコン大手4社/26年4~6月期決算/3社増収・全社営業増益

 上場ゼネコン大手4社(鹿島、大林組、大成建設、清水建設)の2026年4~6月期連結決算は、期初計画通りの滑り出しとなった。豊富な手持ち工事が売り上げを押し上げ、3社が前年同期比で増収。受注時の採算管理を徹底し、利益率も改善したことで全社が営業増益を確保した。各社は施工体制を維持しながら利益を確保し、27年3月期の業績目標達成を目指す。=3面に連結決算・単体受注高の表
 売上高は3社が増収だった。大林組と清水建設は国内工事が順調に進み、大成建設は国内建築の期初手持ち工事高の増加が寄与した。大林組は買収した米建設会社GCON(アリゾナ州)、大成建設は東洋建設の業績が上乗せされた。一方、鹿島は施工初期段階の案件が多い建築事業の影響で減収だったが、前期の過去最高に続く高水準を維持した。
 本業のもうけを示す営業利益は全社が前期実績を上回った。受注時の採算管理が利益率の改善につながり、鹿島と大林組は国内外の物件売却益も押し上げ要因となった。単体の完成工事総利益(粗利益)も全社が改善。追加設計変更契約の獲得も利益を後押しした。
 業績の先行指標となる単体受注高は、大型工事の受注などで鹿島と大林組が増加した。大成建設と清水建設は前期の大型工事受注の反動で減少。単体繰越工事高は全社が増え、手持ち工事はさらに積み上がった。
 27年3月期の業績予想は、3社が期初予想を据え置いた。鹿島は中東情勢の影響を現時点では限定的とみる一方、先行きの不透明感を考慮し、一定のリスクを織り込んだ予想を維持した。清水建設は清和綜合建物(東京都千代田区、大串桂一郎社長)の持ち分法適用会社化に伴う負ののれん相当額を投資利益に計上し、経常利益と純利益を上方修正した。
 建設需要は旺盛だが、国際情勢や金利動向は業績の下振れ要因となり得る。各社は技術開発で生産性を高めるほか、M&A(企業合併・買収)も活用し施工体制を強化する。


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回転窓/世界を引っ張る人に

 熊本の地がまたも震度7の激震に襲われた。猛暑と断水が続き、被災者らは厳しい生活を強いられている。暑さの中での避難生活や復旧活動と、水の確保や供給という二つの問題が同時に顕在化した▼「水の日」の8月1日に都内で開かれた「水未来会議2026」(日本水フォーラム主催)を取材した。水問題に関心を持つ高校生が「水が豊富に使える日本人は、災害などで水の適量が変わった時の知恵を持っていない」と指摘し、はっとさせられた▼この学生はタンザニアの水事情を調べた。限りある水で生活するタンザニア人の姿を踏まえ「水の『ある・なし』ではなく、水を自分事として捉え、どう付き合っていくかが大事だ。相手の当たり前を知り、持続的な支援や水循環の仕組みを考えていきたい」と話した▼当たり前と思い込んでいる常識は、あるコミュニティーで正しくても、別のコミュニティーでは間違っていることがある。違いを乗り越え、活路を見いだそうと意見を交わす学生たちの姿が頼もしかった▼ボーダーを乗り越える人材は今後ますます求められる。日本だけでなく、世界を引っ張る人に育ってほしい。


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全建/国交省に27年度税制改正要望/法人税率の軽減措置延長など

 全国建設業協会(全建、今井雅則会長)は5日、2027年度税制改正に関する要望書を国土交通省の楠田幹人不動産・建設経済局長に提出した。中小建設会社の経営の安定や事業継続の支えとなる要望を主体に、法人税率の軽減措置の延長や中小企業経営強化税制の延長などを求めた。檜山典英経営委員会委員長、馬場弘昭税制専門委員会委員長が楠田局長に要望書を手渡した。=2面に要望項目
 全建の会員は地域の中小建設業が主体であることから、地域を含めた建設需要の保持・引き上げに関する要望が中心。中小企業としての経営の安定や事業継続の支えになる税制改正を盛り込んだ。中小法人の法人税率軽減措置は制度の延長に加え、40年以上見直されていない対象所得金額の引き上げと軽減税率のさらなる引き下げを要望した。
 重点項目として「固定資産税の特例措置」と「中小企業経営強化税制」の延長・拡充を挙げた。人手不足への対応や生産性向上、働き方改革、賃上げによる処遇改善が不可欠と指摘。中小建設企業が継続的に賃上げを実施することは経営上容易ではないとし、設備投資を促す税制措置の継続・拡充を求めた。併せて、制度利用に伴う申請手続きや書類作成が大きな負担となっていることから、手続きの簡素化も要望した。
 要望を受け、楠田局長は「建設業の現況を十分理解した。中小企業関連の要望も多いが、建設業は中小企業比率が高く、中小企業がしっかりしないと成立しない構造だと理解している。中小企業庁にも伝えるとともに、必要な対応を図っていく」と応えた。


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平和不/東京証券取引所周辺でリノベに注力/平日・休日問わずにぎわうまちに

 東京証券取引所(東京都中央区)を中心とした金融街・兜町が生まれ変わろうとしている。証券取引所ビルのオーナーである平和不動産がリノベーション主体の街づくりを展開。同社が所有する建物で証券会社や銀行が撤退後、低層部の外壁を取り壊し、セットバックすることで滞留空間を創出した。建物内の空きスペースには感度の高い店舗を誘致。平日、休日問わず若者を中心に人を引きつけている。
 リノベの対象エリアは東京証券取引所が位置する中央区日本橋兜町と隣接する日本橋茅場町。改修後はアパレルのセレクトショップやベーカリー、ビストロ、フラワーショップなど洗練された店舗が入り、新たなトレンドの発信地になりつつある。同社は兜町・茅場町ブランドの確立を目指している。
 リノベの一号案件は1923年竣工の第一国立銀行の3代目建物の分館(日本橋兜町3の5)。2020年に「K5」としてリニューアルオープンした。レストランや独創的なデザインのホテルなどが入っている。兜町が変わるきっかけになった物件だ。
 同社の土本清幸社長はK5がオープンする前の兜町の様子を「週末になると誰も歩いていない。銀行のATMも週末は閉まる街だった」と振り返った。足元では「当社が戦略的に誘致した店舗30店への来客者数が月間で8万人を超え、年間で約100万人になった」と、来街者が飛躍的に増えた現状を説明した。
 23年には銀行店舗として使っていた兜町第7平和ビル(日本橋兜町6の7)を大規模改修し、地下1階と地上1階にベーカリーやビストロ、カフェなどが入った。「BANK」の名前で街の新たな拠点に位置付けた。
 K5の北側に位置する「兜町平和ビル」(日本橋兜町3の3)は今年リノベを行った。1972年に竣工したビルで、これまで証券会社が入居していた。タイル造りの外壁は、過去の改修によってパネルで覆われるようになった。今回の改修で1階部分のパネルを撤去。タイルは必要に応じて補修した。レトロさが感じられるとともに、歴史的な価値も静かに伝えている。建物内にはセレクトショップや飲食店が入っている。
 同ビルの改修は東京都の「リノベーション・モデル事業」に採択された。設計・工事費用の一部を都が補助している。土本社長は「歴史ある建物や街並みを守り、生かしながら街を次世代につなぐとともに、新たな価値を生み出す街づくりに取り組む」と述べ、今後もリノベを通じ兜町・茅場町エリアをブラッシュアップする考えを示した。


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横浜市/豊岡町複合施設再整備BTO(鶴見区)/佐藤工業グループに

 横浜市は「(仮称)豊岡町複合施設再整備事業」の一般競争入札(WTO対象、総合評価方式)を6月29日に開札し、189億9606万円(税込み)で佐藤工業が代表の企業グループを落札者に決めた。入札には佐藤工業グループだけが参加した。月内に基本協定を結ぶ。12月議会で承認後、契約する。事業はBTO(建設・移管・運営)方式のPFIを採用。期間は2047年3月31日までの約20年となる。 
 老朽化した豊岡小学校(鶴見区)の建て替えを契機に、図書館や保育園、子育て拠点などと複合化した建物を整備する。
 建設する建物は7階建て延べ1万3362平方メートルの複合棟と、平屋1032平方メートルの体育館棟で構成する。複合棟は1~4階が小学校、5~7階は図書館や保育所、区民の活動場所などとなる。同事業の施設建設完了後に、別事業として敷地内に借地用地を確保し、プールや民間施設を民設民営で整備する予定だ。
 計画地は鶴見区豊岡町27の1。JR京浜東北線鶴見駅から徒歩7分に立地する。敷地面積は西側9658平方メートル、東側534平方メートル。
 落札者のグループ名は「未来を紡ぐ・豊岡グループ」。構成企業は▽佐藤工業横浜営業所=代表企業、建設▽奈良建設=建設▽三洋装備=維持管理▽有隣堂=運営▽プロジェクトブレイン=SPC統括管理▽奥野設計=設計▽パシフィックコンサルタンツ横浜事務所=設計-となっている。


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大林組/CO2固定吸収型コンクリ、福島の中間貯蔵施設工事に適用/調達先も拡充

 大林組は、二酸化炭素(CO2)の固定吸収量が排出量を上回るカーボンネガティブな「クリーンクリートN」を、福島県浪江町の中間貯蔵施設工事に適用した。土木工事の現場打設コンクリートに適用するのは初めて。クリーンクリートNの原料となるCO2吸収・固定化材料の調達先も多様化した。全国展開を見据え調達体制の拡充を進める。
 クリーンクリートNは低炭素型コンクリート「クリーンクリート」に、あらかじめCO2を吸収・固定化した粉体(主に炭酸カルシウムなど)を混和することで、CO2排出量を最大約120%削減可能なCO2固定吸収型コンクリート。特別な設備を必要とせず、通常のコンクリートと同様のプロセスで施工できる。
 同社が施工する「中間貯蔵双葉地区受入分別処理・貯蔵工事」(環境省発注)の仮設建物基礎に、クリーンクリートNを適用した。CO2吸収・固定化材料として、アサヒ飲料が全国に設置する「CO2を食べる自販機」で大気中のCO2を吸収した材料を用いた。
 セメント代替に高炉スラグ微粉末(産業副産物)を75%使い、CO2排出量を低減したクリーンクリートに、細骨材の一部として自販機のCO2吸収材を混和。CO2排出量を実質ゼロ以下にした。
 自販機に飲料を補充する時にCO2吸収材を設置、回収し、輸送に伴う新たなCO2排出を抑制。既存物流網を活用して大林組の建設現場に届ける。CO2の回収から材料化、利用までを地域内で循環させる「地産地消型のCO2資源循環」につなげる。


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2026年8月6日木曜日

回転窓/備えながら願う星

 8月に入って花火大会が多く開かれている。26年熊本地震の被災地では中止になった大会がある一方で、新潟の長岡花火は熊本の被災地の復興も願って打ち上げられた▼大気が不安定な季節であって、今年の東京の隅田川花火大会は光と音の合間に稲光と雷鳴が混じった。主催者がSNSで急な大雨に注意を呼び掛けたが、混雑でスマートフォンがつながりにくく、気象情報をすぐに確認できない場所があった▼大雨になるような天気の急変は『すごすぎる天気の図鑑』(荒木健太郎著、KADOKAWA)にある予兆の説明が分かりやすい▼入道雲(雄大積雲)の頭の雲(頭巾雲)は積乱雲に発達する兆し。濃いすじ雲(巻雲)が広がるなら、その先の積乱雲は限界まで発達している可能性が高い。積乱雲の進む方向を知らせてくれる雲もあるという▼天気予報をこまめに知りたい日は、雨量や川の水位が分かる国土交通省の「川の防災情報」も確認したい。ただ情報を入手できない状況や場所がある。隅田川なら来年は50回目の節目の大会。電子機器に頼り過ぎない備えを考えつつ、満天の星がきらめく夜空になるよう願いたい。


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国交省/熱中症対策先進事例を周知/都道府県・政令市に、現場作業回避制度など

 国土交通省は、地方自治体が取り組む建設工事の熱中症対策の先進事例を周知する。都道府県レベルでは工事積算時に熱中症対策の経費を計上する取り組みがほぼ定着し、猛暑となる時間帯の現場作業を回避する制度の導入など各団体が独自に展開する施策も目立つ。都道府県・政令市には、今月中旬まで全国を巡回する2026年度上期「ブロック監理課長等会議」(入札契約担当課長会議)で事例を共有する。
 猛暑日を考慮した工期設定は、夏場の厳しい現場環境を背景に対応が広がっている。国交省や総務省が25年6月時点で行った調査によると、都道府県・政令市はほぼ対応済みで、市区町村も22・8%まで対応する団体の割合が増えている。
 国交省がブロック監理課長等会議の前段階で行ったアンケートでは、熱中症対策の経費計上を実施しているのが都道府県47団体中46団体、政令市20団体中19団体に達した。都道府県の約7割に当たる33団体が、建設工事の猛暑対策を市区町村に働き掛けていることも分かった。発注者協議会などの場を活用した説明と働き掛け、市町村の首長や幹部への直接訪問に取り組む県がある。
 自治体独自の熱中症対策として、就業時間を前倒しする「サマータイム導入工事」の実施を推奨する静岡県、高温時間帯の作業を回避する「クールワークタイム制度」を導入する高知県の例がある。群馬県は猛暑日の実績から工期延長可能な日数を自動算出し、契約変更手続きの現場負担を軽減するアプリを導入している。国交省直轄工事と同じように、猛暑期間の現場作業の休工を発注者と協議できることを特記仕様書に明記している団体もある。


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きんでんら3社の蓄電所ファンド/第1号案件に愛知県の春日井蓄電所選定

 きんでんは5日、関西電力、MUFGサステナブルエナジー(東京都千代田区、鈴木洋介代表取締役)と共同運用する蓄電所ファンド「カン-denchiファンド」の初弾案件として、愛知県春日井市内津町で開発する「春日井蓄電所」を選定したと発表した。ファンドが出資するカン-denchiが、運営を担う春日井蓄電所を通じて蓄電所を建設する。敷地面積は約7500平方メートルで、定格出力3・9万キロワット、定格容量8・1万キロワット時。きんでんがEPC(設計・調達・建設)を手がけ、2028年4月の商業運転開始を予定している。
 太陽光や風力など天候の影響を受けやすい再生可能エネルギーの導入拡大で出力抑制が増加している。電力の余剰時に充電し不足時に放電する蓄電所は、再エネの有効活用や安定的な電力需給に貢献できる。
 きんでんは、ファンドを通じて蓄電所事業を推進する。電気設備の設計・施工で培った技術力を生かし、カーボンニュートラル(CN)の実現を目指す。


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