2026年3月24日火曜日

国立代々木競技場世界遺産登録推進協/施工と保全テーマにシンポ開く/850人参加

 東京都渋谷区にある「国立代々木競技場」の世界遺産登録に向けた機運が高まっている。建築家の隈研吾氏が代表理事を務める推進協議会が、施工と保全をテーマにした第3回シンポジウムを23日に同競技場で開いた。有識者らの活発な議論に、約850人の参加者が聞き入った。
 国立代々木競技場は1964年の東京五輪に合わせて建設され、2021年の東京五輪・パラリンピックでも使われた。建築家の丹下健三(1913~2005年)が意匠設計、坪井善勝(1907~90年)が構造設計を手掛けた。清水建設が第一体育館、大林組が第二体育館を施工した。
 冒頭、日本建設業連合会(日建連)の宮本洋一会長は「(競技場は)日本経済と社会の加速度的発展を象徴する建物だ。未来へ価値を育て続ける生きた遺産として世界に認められることを願っている」とあいさつした。
 続いて、カルロス・ラザロ国際シェル空間構造学会会長(バレンシア工科大学教授)とチューリヒ工科大学のジュリア・ボラー講師、大阪工業大学の廬韻琴講師が講演。「アカデミックから見た大規模空間構造の保全とアーカイブの重要性」と題して意見を交わした。
 清水建設や大林組、三機工業からの登壇者が講演とパネルディスカッションを実施。日本オリンピック委員会(JOC)の三屋裕子副会長と日本フィギュアスケーターズ協会の小塚崇彦代表理事、隈研吾氏による鼎談(ていだん)も行った。




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回転窓/視点をくるりと回す

 行き詰まりは、行き止まりではない。地図をくるりと回せば、思いがけない出口が見つかる。発想の転換とは、その小さな回転に似ている。既存の枠組みからいったん離れ、別の角度から物事を見直す。すると、よどんだ状況にも風が通り、新しい流れを呼び込むきっかけとなる▼たとえば、ひねくれた発想。売れない安価品をさらに値下げするのではなく、価値を加えて高級品に変える。ラテラルシンキングは、論理の一本道から外れ、自由な発想で答えを探る。一見遠回りに見える道が、近道になることもある▼「いつもと同じことをしていれば、いつもと同じ結果しか得られない」。実業家ヘンリー・フォードの言葉だ。変化を望むのであれば、行動そのものを変えるしかない▼だからこそ、「なぜそう決まっているのか」と前提を問い直す習慣が大切になる。異なる価値観に触れれば、思考の窓は静かに開く。「できない」を「どうすればできるか」に言い換えるだけでも、課題の輪郭はおのずと変わる▼特別な才能は要らない。視点を磨き、試しにくるっと回してみる。すると、その一回転が停滞を動かす最初の一歩になる。




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横浜市/労務費ダンピング調査実施/4月公告案件から適用

 横浜市は、4月1日以降に入札を公告あるいは指名通知する工事案件から、労務費ダンピング調査を実施する。低入札価格調査制度の適用案件(総合評価方式、WTO対象)が対象。工事は製造を含むが、物品の製造は含まない。最低制限価格制度の適用案件と随意契約は対象外とする。2025年12月に施行された改正公共工事入札契約適正化法(入契法)に伴う措置。落札予定者の直接工事費が一定水準を下回った場合、理由書の提出を求め審査する。
 調査対象は低入札価格調査制度適用工事の落札予定者か落札候補者。回答書の内容で下回った理由が合理的かどうかを判断する。労務費を含んだ直接工事費を対象とし、材料費や法定福利費などは確認しない。
 一定水準額は市設計書の「直接金額×0・97」。これ以上の場合は調査終了、未満の場合は理由書が必要になる。合理的回答の場合、工事案件の契約を締結する。回答が合理的と認められなかった場合、契約手続きは続行するが、関東地方整備局を経由して建設Gメンに通報。市から改善措置の要請書も送付する。期日までに回答書の提出がない場合は落札者としない。




from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=182691
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兵庫県西宮市/市立中央病院跡地活用/甲友会グループに

 ◇急性期病院と分譲マンション提案
 兵庫県西宮市は、統合移転に伴う市立中央病院(林田町、敷地1万0616平方メートル)の跡地売却先を決める公募型プロポーザルで、社会医療法人甲友会・阪急阪神不動産グループを優先交渉権者に選定した。同グループだけが参加した。急性期病院と分譲マンションを整備する提案が高評価を受けた。提案価格は21億4000万円。
 提案によると、既存建物を解体した上で東側敷地(約5400平方メートル)に急性期病院、西側敷地(約4300平方メートル)にファミリー向け分譲マンションを建設する。
 病院は7階建てで、容積対象面積が約1万0900平方メートル(建築面積約3000平方メートル)。病床数は160~190床で、現市立中央病院が備える急性期病棟やSCU(脳卒中ケアユニット)、地域包括ケア病棟を継承しつつ、地域の要望を踏まえ回復期リハビリテーション病棟を増床する。診療科目は13科で、1次・2次救急医療に対応する。
 分譲マンションは5階建て・容積対象面積約8600平方メートル(建築面積約1900平方メートル)。住戸数は110戸。中央北側敷地に地域に開かれた公園(約750平方メートル)を整備する。
 提案審査では、引き渡し後に速やかに施設整備に着手可能な計画や、救急医療の受け入れ態勢の実現可能性が高いことなどを評価。住民参加型のイベント企画など地域貢献も評価対象となった。
 4月下旬に不動産売買の仮契約、9月下旬に本契約を結び、10月から12月にかけて所有権を移転する。2027年1月以降に事業着手し、30年12月の新病院開院を目指す。




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西松建設らゼネコン5社/免震建物にもCUW工法/隅角部の設計方法確立

 西松建設らゼネコン5社は、仮設用に限定していた山留め壁形鋼材を建物の地下外壁に利用する「CUW工法」を更新した。免震層の地下外壁(立ち上がり壁)と基礎スラブの接合部分(隅角部)の設計方法を確立するなどして、免震建物にも適用しやすくした。日本建築総合試験所の建築技術性能証明も取得している。従来の耐震建物に加え、適用が難しかった免震構造や深い地下構造の超高層などにも積極提案していく。
 CUW工法は、幹事社を務める西松建設が安藤ハザマ、佐藤工業、フジタ、三井住友建設と共同開発した。従来は仮設材として限定使用していた山留め壁形鋼材を建物の地下外壁に利用し、山留め壁の応力材と後打ちRC造壁を構造上一体化した壁体工法になる。地下外壁工事の省力化や建設コストの低減、二酸化炭素(CO2)削減に貢献する。
 同工法の更新で、地震時土圧(短期荷重)に対する設計方法を追加した。ひび割れなどの損傷を最小限にするため、規模が大きい建物や地震時に液状化リスクの高い層が近接する地下外壁では地震時水平力への設計が求められると分析。そこで短期荷重に対する構造性能を確認し、設計指針に追加した。
 立ち上がり壁と隅角部の設計方法も確立した。CUW工法を免震建物に適用する場合、免震層の立ち上がり壁に作用する側圧で生じる断面力に対し、構造安全性を確保できる隅角部が必要になる。従来は具体的な設計方法が明示されていなかったため、構造実験を経て設計指針に盛り込んだ。
 山留め壁に生じた施工誤差への対応方法も追加。従来は山留め壁形鋼材が地盤側にずれて施工された場合、多くの手間を要する溶接金網を設置して補強してきた。作業の合理化に向け、U字型鉄筋による補強方法を考案し、構造実験で耐力を確認して施工指針に加えた。
 西松建設によると、免震層の立ち上がり壁にCUW工法を適用した高さ5メートルの試設計では、従来工法に比べ壁圧と鉄筋量を低減して躯体数量を削減。施工コストとCO2をそれぞれ20%程度低減できた。




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2026年3月23日月曜日

国際園芸博協会/花博開幕まで1年/最新施設計画を公表

 2027年国際園芸博覧会(花博)の開幕まで1年となった19日、運営主体の国際園芸博覧会協会は出展各社による最新の施設整備計画を発表した。清水建設や大和ハウスグループ、東急グループなどが出展概要を初めて公開。協賛金10億円以上の「ダイヤモンドパートナー」である大成建設は、大型木製テラスの完成予想パースを修正した。
 同日付で施設のコンセプトや花博特設サイトの開設を発表する企業も相次いだ。大成建設は、会場が一望できる大型木製テラスの「TAISEI GREEN TERRACE(仮称)」を建設する。清水建設は「シミズ 森のまち」として自然体験学習の場を提供。一つ一つの建物が地球の一部として有機的につながり、森のようにしなやかに機能するイメージを具現化する。
 花博は、27年3月19日~9月26日に横浜市旭、瀬谷両区の旧上瀬谷通信施設跡地で開かれる。




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回転窓/需要側の取り組みも

 1週間ほど前に給油で近くのガソリンスタンドを訪れたところ、レギュラーが1リットルで192円と表示され目が点になった。米国とイスラエルのイラン攻撃によるホルムズ海峡の事実上の封鎖が、急に自分事となった▼政府が石油備蓄の放出を始めた。16日付の官報で石油精製事業者などに義務付けている備蓄量を70日分から55日分に引き下げる告示を出した。民間在庫は昨年末時点で101日分。今回は国内消費量の15日分を放出する▼在庫を146日分保管している国家備蓄も30日分程度を月内に放出。民間分と政府分を合わせた放出量は45日分に相当する約8000万バレルになるという▼2022年以来4年ぶりの備蓄放出に踏み切った。石油元売り各社へのガソリン補助金も19日に始まった。レギュラーで1リットル当たり170円程度への抑制を目指す▼夏(7~9月)と冬(12~3月)に電力需給が逼迫(ひっぱく)すると、政府は安定供給確保のため家庭や企業に節電を要請。ダムの貯水率が低下すれば節水を求める。石油関連製品の供給途絶を防ぎ、危機を乗り切るには、“節油”につながる需要側の取り組みも欠かせない。




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凜/農林水産省東北農政局平鹿平野農業水利事業所・吉川日向子さん

 ◇水と土に心ひかれて
 スーパーに並ぶお米はどのように作られているのか。知っているようで、実は知らないことが多い。農業とは縁遠い都会で育った。だからこそ、命の源となる水や土に関心を持ち、食の大切さを強く感じるようになった。大学では地域生態システム学を専攻。農業土木にとどまらず、地域資源や森林、生態系など幅広いフィールドを対象とする分野で学んだ。
 水資源の多くが農業用水に使われていると知り、その世界に携わりたいと4年前に入省した。2年目に秋田への赴任が決まり、念願だった農地の排水路改修の仕事に関わることになった。「現場と直接関わる仕事は日々達成感がある」。用水路や排水路がなければ農作物は育たない。そのことを少しでも多くの人に知ってもらおうと、現場見学会を企画し、子どもたちに農業用水路の役割や大切さを伝えている。
 土地改良区の若手職員ともタッグを組み、広報活動にも力を入れる。担い手不足、施設の老朽化など、農業が直面する課題は多い。それだけに「地域を巻き込んだ活動が欠かせない」という思いは強い。
 秋田に赴任して3年。「心が豊かな人が多い」と穏やかに話す。「毎日食べる秋田米がモチベーション」と笑うその表情には、地域への愛着がにじむ。フィールドに出て、自分の目で見て、空気を感じて確かめる。その情熱を力に変え、これからも農業農村整備事業を盛り上げていく。
 (きっかわ・ひなこ)




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建研/JIS改正で混合成分の割合拡大/コンクリート性能は同等確認

 建築研究所(建研、福山洋理事長)は、クリンカと石こう以外の混合成分の割合を現行の5%以下から「10%以下」に変更したセメントを使ったコンクリートの性能について、研究結果を公表した。変更前後のセメントを使用した国土交通大臣認定コンクリートを比較し、同等の性能であると判断した。混合成分の割合を拡大する日本産業規格(JIS)改正は、23日付の官報で公告する予定だ。
 クリンカは、石灰石や粘土、けい石などの原料をキルンで焼成してできるセメントの中間製品。石こうや混合物を加えて粉砕すると、粉末状のセメントになる。セメント協会(諸橋央典会長)は、セメント製造の脱炭素を推進する一環として、混合成分の割合拡大に関する研究・検討を進めてきた。
 建研は「JIS改正後のセメントを使用したコンクリートの性能に関する研究」をホームページで公表した。改正JISセメントを使用した大臣認定コンクリートの性能評価実験として、「コンクリートのフレッシュ性状・強度特性検証試験」「高温環境下におけるコンクリートのフレッシュ性状確認試験」「高温履歴下におけるモルタル・セメントペースト試験」を実施した結果、現行JISセメントを使用した場合と同等と評価した。
 これまで、混合成分(高炉スラグやフライアッシュ、シリカ質混合材、石灰石)の分量は5%以下が上限だったが、JIS改正により10%に拡大される。石灰石についても、単独で上限が10%に引き上げられる。改正では、廃棄物などから回収した二酸化炭素(CO2)を固定化した「人工炭酸カルシウム(再生石灰石)」についても、石灰石と同等の品質であれば使用可能となる。コンクリートの風化の目安となる「強熱減量の規定値」は削除される。




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戸田建設/泥土圧シールド掘削土量管理の高精度化システムを開発/含水比を計算

 戸田建設は、泥土圧シールド工法で周辺地盤に対する安全性を向上させるため、高精度の掘削土量計測管理システムを開発した。掘削量の計算式を改良して体積と質量以外に含水比も測定。掘削量をリアルタイム算出するプログラムと連携させた。
 これまでの計算式は、掘削土量の体積と質量を求めていた。改良式は独自に含水比の計測値を取り入れた。計測にしくい過剰取り込み土量や掘削添加材の逸脱量が、より正確に把握できる。土砂の性状に関係なく掘削土量を高精度で計測・管理。計測機器でのデータ記録や掘削土量の全自動で算出し、現場管理者の負担も軽減できる。
 システムの有効性を検証するため、下水道シールドトンネル工事(トンネル外径3200ミリ)で実証実験を行った。システムの連続稼働に問題がなく、掘削土量の真値に対する計測誤差はほぼ3%以内に収まった。従来よりも高精度と証明できた。
 掘削対象土質の変化に対応して掘削土量の計測精度を高めるため、掘削土の土質をAIで判定するシステムも開発している。システムの組み合わせで掘削土量を適切に管理し、シールド工事の安全性向上や省人化、自動化を目指していく。




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