2026年5月8日金曜日

回転窓/変わるサイレン音

 都内の住宅地で、聞き慣れないサイレン音が耳に入った。「ピーポーピーポー」と鳴っているようで少し違う。音のする方向を見ると、救急車だった▼サイレン音の変化が気になって調べると、低い和音で音色が柔らかい、「ファーフォー」と聞こえる「コンフォートサイレン」のようだ。東京消防庁は従来のピーポー音が主流だが、このコンフォートサイレンや、不協和音の「ギュイーン」という音を一部で導入しているという▼全国の消防本部でもコンフォートサイレンの採用が広がっている。住宅地などを低速で走行する際、不快感を軽減するだけでなく、搬送される患者の精神的負担を和らげる効果も期待されているそうだ▼道路交通法では、緊急走行時にサイレンを鳴らすことが義務付けられている。一方、夜間の住宅地などでは、騒音と受け止められることもある。サイレン音の改良や工夫は、騒音苦情への対応だけでなく、交差点での安全確保にもつながっている▼建設現場でも、大きな音が発生する作業は少なくない。騒音対策に加え、近隣への丁寧な説明や配慮を通じて、地域に歓迎される建造物を実現してほしい。


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福島県復興祈念公園(福島県双葉町、浪江町)開園/復興への強い意志を発信する場に

 国と福島県が整備した「福島県復興祈念公園」(福島県双葉町、浪江町)が2日に開園を迎えた。46.4haの敷地に、国営の追悼・祈念施設と県営の復興祈念公園を配置。東日本大震災で犠牲となった人々への追悼と鎮魂、記憶や教訓の伝承で重要な役割を担う。同日、金子恭之国土交通相、牧野京夫復興相らが海を望む献花台に花を手向け、犠牲者の冥福を祈るとともに、復興への決意を新たにした=写真(代表撮影)。
 式典後、金子国交相は「開園は復興に向けた歩みの一里塚だ。人々をつなぐ心のよりどころとして、復興への強い意志を発信していく場になることを心から願っている」とあいさつした。その上で、「引き続き被災地の皆さんに寄り添い、各自治体とも連携しながら復興に全力で取り組んでいく」と述べた。
 金子国交相は献花式後、浪江町の震災遺構・請戸小学校や、双葉町にある東日本大震災・原子力災害伝承館など、県内の震災関連施設を視察した。


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from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184013
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建設各社/熱中症対策を強化/週休3日制の導入や新製品開発に注力

 夏の足音が、すぐそこまで近づいてきた。年々厳しさを増す暑さは、屋外で働く建設業の技術者や技能者にとって、命に関わるリスクとなる。特に真夏の現場では、熱中症対策が安全管理の要。建設会社や現場向け製品のメーカーは対策を一段と強化している。夏季限定の週休3日制導入など、働き方や現場運営を見直す動きが広がる。作業中の体感温度を下げる製品開発も進む。過酷な暑さから現場従事者を守ろうと、知恵と技術を総動員している。 
 気象庁によると、2025年6~8月は全国153カ所の気象台などのうち、132地点で平均気温が過去最高を更新した。最高気温が40度を超える「酷暑日」も9日を数えた。4月21日に発表した5~7月の天候見通しによると、平均気温は平年を上回ると予想している。
 建設会社やメーカー各社も、今夏は昨年以上に厳しい環境になることを見据え、現場従事者の体調管理を最優先した対策強化を進めている。現場運営で柱となるのが週休3日制の導入だ。トーエネックは昨夏、架空配電線部門の技能職と技術職を対象に試行した。鴻池組は、業界初とする「包括的酷暑対策ロードマップ」を策定。今夏から連続休暇や週休3日制などを導入する。いずれも連続勤務を避け、体内にこもった熱を確実に逃がす狙いがある。
 特に厳しい環境での作業が想定されるのが、高温のアスファルト混合物を扱う道路舗装工事の現場だ。昨秋から今春にかけて各地で開かれた日本道路建設業協会(道建協、西田義則会長)と国土交通省地方整備局などとの意見交換会では、熱中症対策が議論の焦点になった。
 ある道路舗装会社の関係者は、降雨時に施工できないという工事特性も触れつつ、「現場従事者の体調管理が最優先だ。歩掛かりの引き上げや柔軟な工期設定が前提になるが、大胆な休日・休憩確保など、さまざまな可能性を模索したい」と話す。
 現場向け熱中症対策製品の開発も相次ぐ。安藤ハザマは、高温多湿になりやすい山岳トンネルの坑内向けとして、一定温度で熱を吸収・放出する素材を採用した冷却プロテクターを開発した。仙台銘板(仙台市青葉区、鹿又浩行社長)を通じて月内に販売を始める。
 アクティオは、市販のペットボトル飲料をフローズン状にできる「アイススラリー冷蔵庫」のレンタルを開始した。液体よりも素早く体内が冷やせる点に着目。開封後もフローズン状のまま保存できる「作りおき保存モード」機能も備え、1回で飲みきれなかった分を次の休憩時に飲めるようにした。
 25年6月には、厚生労働省令による改正労働安全衛生規則(安衛則)が施行され、職場での熱中症対策が義務化された。建設各社も現場対策を強化しているが想定を超える暑さもあり、建設業就業者の熱中症災害は増加している。厚労省がまとめた「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(25年12月末速報値)によると、建設業の死傷者数は前年に比べ62人多い278人に上った。職場環境の改善は働き方改革の要。過去の事例も教訓にして、建設各社は酷暑に備えた対策を本格化させる。


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from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184006
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西松建設/積載量1割増の水平バケット開発/堤体コンクリート打設の生産性向上へ

 西松建設は、従来に比べコンクリートなどの積載量を10%増量したダム工事向けの水平バケットを開発した。ケーシング部材の厚さを抑えるなどバケットを軽量化。揚重機の能力を変えずに従来のバケットよりも積載量を増やした。1回の運搬でより多くのコンクリートが積載・打設でき、ダム堤体のコンクリート打設で作業効率が高まる。
 「軽e-バケット」はダム工事の生産性向上を目的に開発した。今後は順次施工現場に導入する。長期間使用によるバケットの耐久性やメンテナンス作業の省力化といった点で性能評価を行い、導入効果を検証していく。
 積載容量4・5立方メートルの水平バケットを軽量化し5・0立方メートルに増やした。本体ケーシング部材に耐摩耗鋼材を使い薄肉化したり、底面のゲート開閉の動力を油圧から電動に変えたりして計1・2トンの軽量化を実現。重機の能力はそのままで、1回でより多くのコンクリートが積載・打設できるようになった。
 国土交通省によるi-Construction2・0では、2040年度までに建設現場の生産性を1・5倍に高める目標を掲げている。ダム工事では堤体コンクリート打設の生産性向上がキーポイントとなっている。


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from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184009
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2026年5月7日木曜日

宮城県富谷市/複合図書館「ユートミヤ」オープン/学ぶ、創る、遊ぶが融合

 宮城県富谷市が成田地区に建設していた複合図書館「ユートミヤ」が1日、グランドオープンした。市立図書館とスイーツステーション、児童屋内遊戯施設の三つの機能が融合したシンボリックな公共施設が完成。整備費は約31億円。設計はナスカ・はりゅうウッドスタジオ(福島県南会津町)JV、施工は阿部和工務店(仙台市青葉区)が担当した。
 オープンに先立ち、開館記念式典であいさつした若生裕俊市長は「市政施行10周年を迎える節目に、市民の声に応え、新たなシンボルとなる施設が誕生した。幅広い世代の皆さんに親しまれ、人がつながり、文化と創造を育む施設にしていきたい」と語った。関係者らによるテープカットで施設の完成を祝った。
 建設地は成田1の1の1(敷地面積は1万3418平方メートル)。市の成田公民館(成田市民センター)に隣接するグラウンド跡に建設し、公民館とは渡り廊下で接続する。施設規模はRC・S造2階建て延べ3230平方メートル。市民図書館の蔵書数は12万冊(オープン時)、地元産の果物や菓子などを販売・提供するスイーツステーションを設ける。屋内遊戯スペース「とみのわパーク」には児童向けの遊具エリアを設置。安全に遊べる滑り台やアスレチック広場などを配置し、遊ぶことで学び、創造性を育む場とする。施設内はオープンフロアを基本とし、各機能が相互に付加価値を高めていく仕組みを生み出している。


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from 行事 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=183987
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回転窓/豊かな水が育んだ醸造文化

 江戸時代の百科事典とされる『和漢三才図会』に、酒が苦手な人や女性に人気のあった甘い酒のことが書かれている。どんな酒かお分かりだろうか▼それは「味淋(みりん)」。今でこそ料理の調味料に使われるのが一般的だが、かつては飲用として親しまれていたという。その起源については中国から伝わってきたとする説や、日本の九州などに古くから存在した甘い酒が発展したとの説があるようだ▼みりんの中でも、透明感があり上品な甘味とコクを特徴とする白みりんは、千葉県の北西部に位置する流山市が発祥。200年以上前に誕生したというから歴史は古い。ここで生まれたブランドは今も受け継がれている▼醸造元の創意工夫に加え、流山の地が江戸川の豊富な水に恵まれていたことも大きい。一大消費都市の江戸には川を使って運ばれた▼〈自然の甘味とコクで料理に深みをもたらし、てりと艶を加えて料理を美しく演出する〉(「流山市白みりんミュージアム」のリーフレットから)。そんな〈魔法の調味料〉と呼ばれるゆえんをたどれば、豊かな水と地の利もうまく生かした醸造文化の奥深さが見えてくる。


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東京・新宿区/大規模マンションの短期売買抑制/開発事業者に対策を要請

 東京・新宿区が大規模分譲マンションの開発事業者に短期売買の抑制を求めている。本年度に入り、開発事業者は総合設計などを適用して区内に100戸以上のマンションを建設する場合、短期売買抑制に向けた計画の提出が必要になった。区は「実需に基づかない取引は好ましくない」との考えを示している。
 対象になる都市開発制度は▽高度利用地区▽特定街区▽再開発等促進区を定める地区計画▽高度利用型地区計画(提案型)▽都市再生特別地区▽総合設計-の六つ。事業者は制度の適用を申請する前に、「抑制対策」を届け出る。「具体的な取り組み目標を定めるものではない」(区担当者)ものの、事業者との協議で短期売買の抑制につなげたい考えだ。
 区は「新宿区マンション等まちづくり方針」に基づき、事業者に対して▽総住戸数▽入居時に予想される小中学校の児童・生徒数の見込み▽保育需要の見通し-などの届け出を既に求めている。今後は抑制対策計画についても協議の対象とし、必要に応じ改善を促す。
 マンションの短期売買を抑制する動きは、新宿区以外でも顕在化している。千代田区は2025年7月、不動産協会(不動協)に対し、再開発事業などで建設する物件で、原則5年の転売制限を要望。不動協は同11月、引き渡し前の転売禁止を盛り込んだ対応方針を会員企業に通知している。


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from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=183985
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広島県/東広島市河内町大仙地区県有地利活用事業プロポ公告/6月12日まで参加受付

 広島県は、山陽自動車道河内ICに近い東広島市河内町の県有地約232ヘクタールを売却する。4月30日に「東広島市河内町大仙地区県有地利活用事業」の公募型プロポーザルを公告した。6月12日まで参加申請書を受け付ける。提案書の提出期間は9月1~11日。プレゼンテーション審査などを踏まえ、10月上旬に選定結果を通知する。
 対象地は広島空港(三原市)の周辺開発用地として取得したが、景気低迷を受けて計画を中止。現在は山林や原野がほとんどで、メガソーラー用地の活用にとどまっている。
 応募者は事業の実施に必要な資力、経営力、信用力を持つ法人か法人のグループ。応募者が自ら資金を調達して土地の全部または一部を購入し、地域の活性化につながる提案を求める。県では工業や物流、研究開発、商業・業務、福祉・医療関連、レクリエーション機能の導入を期待している。
 最低価格となる参考価格は、国道432号の北側エリア(約69万2870平方メートル)が1平方メートル当たり620円、南側エリア(約162万8860平方メートル)が340円。


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2026年5月1日金曜日

九州整備局/五ケ瀬高千穂道路新津花トンネル/26年度に着工

 九州地方整備局は、高規格幹線道路の九州中央自動車道(九州横断自動車道延岡線)の一部区間となる「国道218号五ケ瀬高千穂道路」(宮崎県五ケ瀬町~高千穂町、延長約9・2キロ)の最長トンネルとなる延長2433メートルの「新津花トンネル」の工事に2026年度着手する。工区分けし発注する予定で、入札公告の時期や工事内容などは今後の発注見通しで公表する。
 26年度は事業費として36億3000万円を配分。調査設計や葛原地区の用地買収を進めるとともに、新津花トンネルの工事に着手する。同トンネルはトンネル等級Aのため、本坑に並行して避難坑延長2440メートルも設ける。
 五ケ瀬高千穂道路は2車線で設計速度は時速80キロ、18年に事業化された。ICは五ケ瀬東IC、高千穂ICの2カ所(IC名は仮称)。山間部を抜けるため、ルートの7割超をトンネルや橋梁が占める。全体事業費は559億円。3月末現在の用地進捗率は約73%、事業費ベースの進捗率は約35%。
 五ケ瀬高千穂道路が完成すれば急カーブなどを避け、より安全に走行できるようになる。災害時にも機能する高速ネットワークが形成され、高度医療を受けられる病院への搬送時間の短縮や観光振興などに寄与することが期待される。


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長谷工コーポ/マンションミュージアムにアンドロイド3体展示/万博のレガシー継承

 長谷工コーポレーションが運営する「長谷工マンションミュージアム」(東京都多摩市)に、3体のアンドロイドが登場する。大阪・関西万博でパビリオンを訪ねた人たちを50年後、1000年後の社会へといざなったアンドロイドを同ミュージアムの新たなコンテンツとして継承。来館者の反応や教育向けの活用可能性などを踏まえ、未来の住まいや社会を考えるプログラムへと発展させる。=1面参照
 長谷工グループ(代表企業・長谷工コーポレーション)は、大阪・関西万博で石黒浩大阪大学大学院基礎工学研究科教授がプロデュースしたパビリオン「『いのちの未来』」館のプラチナパートナー。長谷工コーポレーションが同館の設計協力・施工を手掛けた。
 4月30日に現地でアンドロイド設置の内覧会を開き、メインアンドロイド「MOMO」と子どもアンドロイド「アスカロイド」2体を披露した。同ミュージアムの江口均館長は設置の経緯を説明し、「MOMOは未来の人間像を問い掛ける象徴的な存在であり、アスカロイドは未来の子どもの視点から想像させる役割を担っている」と話した。
 石黒教授は2種類のアンドロイドの特徴を解説。「ミュージアムに展示していただき、非常にうれしい。万博オリジナルのアンドロイドであり、多くの人に見てもらい万博のレガシー(遺産)を感じてほしい」と期待した。
 長谷工コーポの熊野聡社長は「アンドロイドに限らず最新のテクノロジーと、日本家屋のような住まいの原点回帰が将来の豊かな暮らし、生活につながっていく」との見方を示した。
 9日にアンドロイドを一般公開。11日から2週間は午前に公開する。


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