2026年10月29日木曜日

建設技術展2026近畿/大阪市で開幕/本社、近畿建設協会

 ◇過去最多の241者が出展
 「ええもん(技術)使こて、ええモン創ろ!」をテーマに掲げた「建設技術展2026近畿」(主催・日刊建設工業新聞社、近畿建設協会)が28日午前、大阪市住之江区のインテックス大阪で開幕した。今年は過去最多となる団体や企業など241者が出展。行政や大学・高専・高校なども参加し、9分野約650件の先進技術や研究成果を披露する。2日間にわたって産・学・官の幅広い交流の場となる。入場無料。=1面参照
 午前9時45分からメインホールで開かれた開会式では、主催者を代表して近畿建設協会の谷本光司理事長があいさつ。全国各地で相次ぐ自然災害に触れ、「災害は今後も日本のどこかで起こることを覚悟し、備えなければならない」と指摘。「防災インフラは堤防やダムだけでなく、避難所や避難路、交通網も含まれる。整備から維持管理、更新まで人と技術の総動員が必要になる」と強調した。その上で「技術展が技術開発と担い手育成の大きな核となっていくことを期待している」と述べた。
 出展者を代表して日本道路建設業協会(道建協)関西支部の松井耕二支部長は「自然災害の激甚化やインフラの老朽化、担い手不足などの課題に対応するには、ICTやAIを活用した生産性向上と技術革新、人材の確保・育成が不可欠だ」と強調。「技術は展示するだけでは課題の解決にはならない。実際に触れ、意見を交わし、現場で活用するきっかけが生まれることこそ技術展の大きな意義だ」と語った。
 来賓あいさつでは近畿地方整備局の小林賢太郎局長が、少ない人数でも建設現場の仕事を進められる「i-Construction2・0」の取り組みを紹介。「生産性向上や安全・安心の確保、カーボンニュートラルなどの課題に対応する技術が現場で活用され、社会実装されることを強く期待している」と述べ、産学官の交流から新たなイノベーションが生まれることにも期待を寄せた。
 近畿整備局の朝田将企画部長が開会を宣言し、主催・共催団体などの代表14人がテープカットを行って技術の祭典が幕を開けた。
 建設技術展は土木学会CPD(継続能力開発、初日5・5単位、2日目4・5単位)、全国土木施工管理技士会連合会CPDS(継続能力開発システム、各日2ユニット)のプログラム認定を受けている。展示は▽防災▽環境▽コスト縮減▽安全・安心▽施工▽維持・更新▽DX・ICT▽団体▽学校-の9分野で構成。建設現場の省力化や安全性向上、インフラの長寿命化、脱炭素化などに役立つ技術が紹介されている。大学や高専、高校による研究成果の展示も行われている。
 初日(28日)は、メインホールで関西ライフライン研究会が地震防災フォーラム「災害に強く持続可能な社会基盤づくり」を開催。兵庫県土地開発公社の服部洋平理事長(元兵庫県県土整備部長)が「南海トラフ地震への備えとインフラ・メンテナンス~兵庫県の取組と課題~」と題して基調講演した。NTTインフラネットの阿部俊関西事業部ソリューション事業部長らが参加したパネル討議では、鍬田泰子神戸大学大学院教授がコーディネーターを務めた。
 サブホールでは恒例の橋梁模型製作コンテストの会場製作部門が実施され、27チームが指定材料を使って支間長1メートルの橋梁模型を2時間以内に製作する課題に挑んだ。事前に製作した支間長60センチの模型を展示する学生部門には、大学や高校などから50チームが出場。デザインや構造の工夫を競った。
 午後は建設コンサルタンツ協会(建コン協)近畿支部のシンポジウム「AI時代におけるインフラと官民の働き方の進化~人とAIが共創するミライ 若手からの提言~」を開催。日本マイクロソフトの町田匡史氏が働き方改革をテーマに基調講演し、建設分野の若手6人がAIを活用した10年後の働き方を提言した。
 NPO法人あすの夢土木による「今、バズる 土木動画コンテスト発表会・表彰式」も開かれた。土木の魅力を伝える動画作品を紹介し、会場投票やトークショーを行った。
 近畿整備局は「インフラDXコンペ発表会」を開き、公募で選ばれた9技術を発表。国土交通省の高橋伸輔官房参事官(イノベーション)が「国土交通省におけるインフラ分野のDX(i-Construction2・0・フィジカルAI等)について」と題して特別講演した。
 2日目(29日)は午前10時から橋梁模型製作コンテストの載荷試験が行われる。会場製作部門と学生部門の作品に重りを載せ、強度を検証。学識者や橋梁専門家らがデザイン性や技術度、完成度、経済性、載荷試験の結果を総合的に評価し、最優秀賞などを決定する。
 午後には「関西のインフラ強化を進める会」のシンポジウムを開催する。増田寛也野村総合研究所顧問(元総務相、元岩手県知事)が「人口減少社会を生き抜くために」をテーマに特別講演。小林潔司京都大学経営管理大学院特任教授の進行で、小林近畿整備局長と増田氏が「我が国を取り巻く環境変化と関西の未来戦略」について鼎談(ていだん)する。
 サブホールでは土木学会関西支部と建コン協近畿支部による「関西土木工学交流発表会」のポスター発表が行われる。若手研究者らが研究成果を紹介し、来場者の投票で優れた発表を選ぶ。学生を対象とした「学生のためのキャリア支援~相談にのります、将来への道づくり~」も実施。国や自治体、高速道路会社、建設会社、建設コンサルタント会社の担当者が学生の質問に答える。
 表彰式・閉会式は午後3時50分から行われ、注目技術賞やベストブース賞、橋梁模型製作コンテストの入賞者が発表される。


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回転窓/復旧させない鉄道の思い出

 まだ幼かった昭和の時代の思い出に、祖母と何度も乗った鉄道がある。間近に水田が広がる駅まで歩き、1両編成もあった列車に乗って隣駅まで。遠くない旅を当時は楽しみにしていた▼よく晴れた日のホームと、つながれた手の心地いいぬくもり、その安心感を覚えている。駅前の薬局で「ファイト一発!」のCMで親しまれた国民的栄養ドリンクを初めて買ってもらったことも▼JR東日本が久留里線(千葉県)の久留里~上総亀山間の復旧を断念した。2027年4月1日で廃止が決まっていた区間だったが、大雨による大規模な土砂崩れで線路が流された箇所がある。再開の見通しが立たず、同社の決断に一定の理解もあると聞いた▼人口減少で存続の岐路にある鉄道は全国に数多い。発生頻度が増し激甚化している災害への備えだけでなく、被災後も想定した上で、地域の公共交通の在り方を考えていく必要がある▼祖母と乗った久留里線の記憶は、ひとかたまりの雲が浮かぶ青空と一面緑色の水田の景色とともにある。列車が運んだ人それぞれに、思い出があるだろう。たくさんの人を乗せてきてくれてありがとう。


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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=188842
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日建設計/循環型建築実現へ推進体/行政や施工者など多様な関係者で議論

 日建設計は、建設廃棄物のアップサイクルなどを取り入れた「循環型建築」の実現活動を推し進める。行政や施工者など建築に携わる多様なステークホルダーが参加する推進体を発足。建築廃材の再利用の在り方を多角的に議論する。推進体を通じて得た知見は業界で共有し、循環型建築の社会実装を推し進める。
 行政関係者や施工会社、デザイナー、解体業者など、多様なステークホルダーが参加する推進体「CDC(サーキュラー・デザイン・コレクティブ)協創会議」を発足した。運営事務局はデザインコンサルティング会社のロフトワーク(東京都渋谷区、松井創代表取締役最高経営責任者)が担う。
 本年度は東京、大阪、京都などを拠点に月1回の定例会議を開く。循環型建築に関する取り組み事例を紹介したり、循環型建築に携わる多様な立場から議論を深める。推進体で共有した事例や知見は体系化する。
 推進体の発足に当たり、日建設計で循環型建築の取り組みを主導する設計部門設計グループの金子公亮ダイレクターは「業界の『当たり前』を底上げし、その先で各社の強みを生かす『競創』につなげる。資源と愛着が循環する豊かな社会を、建築・土木の領域から実現したい」とコメントした。
 日建設計は24年度に循環型建築の設計アイデアや先進事例、社外専門家との知見を体系化したナレッジ基盤「サーキュラー・アイデア・カタログ(CIC)」を立ち上げ社内運用を開始。誰もがサーキュラーデザインを実践できる土台を構築した。


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from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=188843
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宇都宮市/新栃木変電所南側エリアDC整備/三菱地所JVに

 宇都宮市は、データセンター(DC)の整備事業者を選ぶ公募型プロポーザルで、優先交渉権者を三菱地所・JR東日本・デジタルエッジ・ジャパンJVに決めた。11月にも関係機関との調整に入り、2027年3月に契約する。三菱地所JVの提案によると、総事業費は約1兆円を見込む。サーバーなどを除く設備の固定資産税額は、年間約80億円となる見通しだ。プロポには5者が参加した。
 事業名は「『新栃木変電所』南側エリアデータセンター整備事業」。計画地は相野沢町1ほか(敷地面積約37ヘクタール)。東京電力パワーグリッド「新栃木変電所」の南側にあり、変電所から供給電圧154キロボルトの本線・予備線で電力を供給できる。計画地は3月に、地域未来投資促進法の重点促進地域に指定された。同法の特例措置で、市街化調整区域のまま民間開発が可能になっている。
 最大受電能力400メガワット級で、AIに対応した4棟構成のDCを整備する。優先交渉権者が提案したスケジュール案では、27年度から用地買収に向けた地権者交渉を実施。28年度を土地造成工事に充て、29年度に建物の新築工事に着手する。30年度に1棟目を稼働開始。35年度をめどに全施設を稼働させる。


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from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=188845
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高速道路3会社/独アウトバーン社と覚書交換/維持管理や人材育成で協力

 東日本と中日本、西日本の高速道路3社は27日、ドイツの高速道路整備運営会社であるアウトバーン(ベルリン、ミヒャエル・ギュントナー経営委員会委員長)と、インフラ分野の協力で覚書を交換した。維持管理分野を中心に4社の知見や経験を共有。高速道路の建設・維持管理技術の向上につなげる。有効期間は3年。
 アウトバーン社はドイツ政府が2018年に設立した。国内各州が担っていた自動車専用道路(総延長約1万3000キロ)の整備・運営を一元化し、効率化するのが目的。21年1月に業務を開始した。日本の高速道路3会社とは、23年ごろからさまざまな形で情報共有を続けてきた。取り組みを強めるため覚書を交わした。橋梁のインフラマネジメント、人材育成と組織開発、C-ITS(協調型高度道路交通システム)の3分野が重点項目になる。
 中日本高速会社の縄田正社長は28日の会見で、「(道路会社は)日本道路公団を分割して設立された組織だが、アウトバーン社は各州政府の自動車専用道路の整備・運営部門が一体化した組織だ。成り立ちが正反対だからこそ、培ってきたノウハウを互いの組織運営や建設・維持管理技術の向上に役立てたい」と話した。


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from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=188841
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2026年10月28日水曜日

回転窓/砂の上の笑顔と涙

 この前の3連休に、東京湾の海辺で15歳以下のビーチサッカー大会が開かれた。関東以外からもビーチ専門のチームなどが参加し、熱戦が繰り広げられた▼芝の上とは違い、ボールの行方が分かりにくく、足で扱うのにも苦労する。それでも、ためらいなく体を投げ出し、曲芸のような動きを見せる。砂まみれになってボールを追いかける選手たちの、はじけるような笑顔が印象的だった▼決勝戦は千葉市美浜区のJFA夢フィールドにあるピッチで行われた。ビーチ専門のチームと、ビーチサッカーにも力を入れる11人制主体のチームが対戦した▼先制したのは専門チーム。見事なオーバーヘッドキックでシュートをたたき込んだ。11人制主体のチームも負けじと華麗な足技で相手をかわし強烈なシュートを放つ。試合終了30秒前、同点に追い付いた▼両チームは3年前の全国大会でも対戦していた。一部の選手にとっては小学生時代以来の再戦だった。勝敗はPK戦に持ち込まれ、勝者と敗者に分かれたが、砂の上で育まれた友情を見せてもらえた。互いに健やかに成長し、いつか人生のどこかで再び巡り合う日を楽しみにしたい。


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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=188415
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2026年10月22日木曜日

木下建設/官公庁職員ら対象に遠隔施工見学会開く/鴻治組と連携

 木下建設(和歌山県有田市、木下英文社長)は15日、本社で官公庁職員らを対象に遠隔施工の見学会を開いた=写真。災害復旧の相互応援を見据え、鴻治組(広島市安芸区、檜山典英社長)と連携して実施。鴻治組が施工する広島県内の現場にあるバックホウなどを遠隔操作した。近畿地方整備局や和歌山県、有田市の職員と、内閣府の防災庁関係者ら計約30人が実演を見学した。
 両社はEARTHBRAIN(東京都港区、小野寺昭則社長)が提供するデジタルプラットフォーム「Smart Construction」を導入し、遠隔施工を実施している。見学会は、大規模災害時に被災地域の建機を所有者以外の企業が遠隔操作し、復旧作業に当たることを想定して企画。企業間で相互に遠隔施工を実施する、先駆的な取り組みだ。
 木下建設が施工する和歌山県九度山町の「R7紀の川九度山地区上流掘削工事」と、鴻治組が広島県福山市で施工する「令和7年度福山道路山北第4改良工事」(いずれも国土交通省発注)の現場にある、お互いのバックホウを操作した。
 参加者からは「現場の安全管理体制は」「搭乗操作とどのような違いがあるか」などの質問が相次ぎ、担当者が解説。「海外からの遠隔施工も可能か」との問いには、EARTHBRAINの大場重生氏が「1万キロ以上の距離で施工実績がある」と答えた。
 木下建設の山田裕明専務本部長は遠隔施工での災害復旧作業について「請負契約の結び方や、事故が起こった場合の責任の所在など不明瞭な点が多い」と語った。今回の見学会では事前に2社で覚書を交わし、企業間の役割と責任などを明確化。その上で接触事故リスクを避けるため、バックホウですくった土砂を相手方のダンプに移す作業は行わなかった。「遠隔施工のシステムは整いつつあるが、実際に災害復旧を行うとなると、制度面で課題がある」と指摘した。


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回転窓/防災と地域に親しむ大会

 白・赤・青のパッケージとこくのある味わいが特徴の「白バラ牛乳」を販売する鳥取県の大山乳業農業協同組合。県内全ての酪農家が加盟し、生産から販売まで一貫した体制を整えている、全国でも珍しい酪農団体だ▼その牛乳は「ソウルドリンク」として県民に愛され、スイーツを含む乳製品は県外にもファンがいる。今年の創立80周年を記念して販売したトートバッグは10日で完売した▼毎年開かれる「防災推進国民大会(ぼうさいこくたい)」が今年は鳥取県で17、18日に開催された。テーマは「共に考え・備え・守る」。防災を学べる子供向けのワークショップや展示など、多彩な企画が用意され、過去最多の約2・7万人が訪れた▼視察した細野豪志防災担当相は「防災の見本市のようだった」と感想を語った。「防災産業を育てるため、発足する防災庁でしっかり考えないと」とも述べた▼大会には同組合なども参加し、会場を巡りながら飲食を楽しんだ人も多かったと聞く。今年は2016年の鳥取県中部地震から10年の節目でもある。地域の魅力に触れることが防災を自分事として考えるきっかけにもなったのではないか。


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新社長/日建設計・勝山太郎氏/AIとの共創で提供価値拡大

 AIの普及や進化で設計業務が大きく変化する中、AIとの共創で提供価値の幅を広げていく。同時に「人だからこそ生み出せる価値」も追求し、それを支える人材の育成にも注力する。2030年までの5カ年経営計画では受託額1050億円を目標に掲げている。建築設計を取り巻く環境の変化を背景に、今後の報酬の在り方も模索する。
 --就任の抱負を。
 「126年にわたり築いてきた伝統と信頼を受け継ぎ、次の時代につないでいく重要性を改めて認識している。これまでの蓄積を未来へつなぐ役割を担いたい。日建設計を次の成長ステージへ進めるため、全身全霊で取り組む。社員個人の成長意欲と、経営陣が考える組織の志や未来像を強く共鳴させたい。社員と対話する機会も増やしていく」
 --注力する取り組みは。
 「AIの徹底活用による業務の効率化・高度化と、『人だからこそ生み出せる価値』の追求に取り組む。社会はAIで大きな転換期を迎えている。AIとの共創で専門性を磨きながら、多様な専門領域の知を結び付け、社会に提供する価値を広げる。周辺環境の分析や情報収集といった作業をAIで効率化していく」
 「AIの活用で削減できた時間を使い、当社で経験のない課題に挑戦する。人々の思いを束ね、一つの方向に導く合意形成力も、これからの設計者に求められる重要な力の一つだ。関係者の気持ちをくみ取り、プロセスの体験価値をクライアントや社会に提供できるような仕組みを考えていく」
 --価値を生み出せる人材をどう育成する。
 「AIによってさまざまな手法がコモディティ化(平準化)する中で、人間だからこそできる課題解決力、発信力、デザイン力を磨くことが重要だ。建築や都市というリアルな現場から得られる経験は大きい。大型プロジェクトなど、さまざまな挑戦を通じて、若手や中堅社員の成長を後押しする仕組みを整備する。設計者としての熱意や論理的な対話力を磨き上げる組織を目指す」
 --設計業務に対する報酬の在り方をどう考える。
 「設計がもたらした成果に対する成功報酬がしっかり得られる在り方を模索したい。設計のアウトプットが大きく変化する可能性がある。こうした動きをチャンスにして、われわれが提供する価値をアピールしていく。例えば、プロジェクトマネジメント(PM)の重要性が非常に高まっているように、設計の周辺領域や、プロジェクトを進める上でのコアとなるプロセスに着目し、一つの価値として提供していく仕組みを考えていく」。
 (2027年1月1日就任予定)
 (かつやま・たろう)1990年早稲田大学大学院修士課程修了、日建設計入社。2020年執行役員、24年常務執行役員、25年取締役。京都府出身、61歳。何度も見に行く建築が「東大寺南大門」(奈良市)、感銘を受けたのは「ルイジアナ近代美術館」(デンマーク)、建築を志すきっかけが「新宿NSビル」(東京都新宿区)という。


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国交省/自動物流道路実証実験を10月28日に開始/成田空港などで無人搬送技術検証

 国土交通省は、自動物流道路の社会実装に向けた2026年度の実証実験を28日から順次開始する。茨城県つくば市の国土技術政策総合研究所(国総研)や成田国際空港、企業の自社施設などを実験場所とし、物流の自動化・無人化に向けた技術検証を進める。国総研では、大成建設を代表企業とするチームが11月10日まで実験を行う。ティアフォーと大成ロテックが参加する。
 搬送機器が走行を不得意とするトンネル部で、反射体による位置補正の効果を確認する。複数台走行時の走行性能や停止・回避動作、停車位置の精度に加え、車両に搭載する自動運転設備の簡素化なども検証する。
 成田国際空港では、清水建設を代表企業とするチームが11月9日~18日、千葉県を代表とするチームが11月19日~25日、鹿島を代表企業とするチームが12月7日~18日、それぞれ実施する。
 清水建設は、パレットコンベヤーや伸縮フォーク式移載機、無人フォークリフト、トラック自動荷役装置などを対象に、荷物の積み込み・荷降ろしにかかる処理能力を検証する。
 荷役処理能力のデータと想定交通需要などを基に、必要な荷役レーン数や荷役バース数などの運用条件を整理。自動物流道路の拠点に必要な荷役スペースや施設規模を算定する。
 自動物流道路は、道路空間に物流専用のスペースを設け、無人化・自動化された輸送手段で荷物を運ぶ新たな物流システム。国交省は担い手不足など、物流を取り巻く課題への対応やカーボンニュートラル(CN)の実現を目指す取り組みとして推進している。


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