2026年3月18日水曜日

回転窓/スポーツ中継の転換期

 野球世界一の国を決める2026年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が佳境を迎えている。侍ジャパンは準々決勝でベネズエラに逆転負けしたが、ゲームセットの瞬間まで勝利を信じていた▼今大会で目立ったのがホームランだ。長距離打者をそろえた日本は計10本と、ベスト4だった17年大会の11本に次いで2番目に多かった▼ホームランのたびに、外野フェンスを埋める企業の広告が目に入った。大谷翔平選手がイメージキャラクターやアンバサダーを務める企業が多く、世界トップクラスの発信力と経済効果を持つアスリートの力に改めて感心した▼今回のWBCでは、米動画配信大手ネットフリックスによる独占配信も日本のファンを驚かせた。地上波では生中継されず、商用利用も禁じられているため、スポーツバーなどの飲食店で視聴できない。過去の大会に比べると視聴者が減り、やや盛り上がりに欠けるように感じたのは気のせいか▼無料視聴が当然という常識を変えなければならないことは理解している。それでも、資本力で優位な海外メディアに対抗するための放映スキームの再構築を期待したい。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=182526
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若築建設/社長に長廻幹彦氏、4月1日就任

 若築建設は17日に開いた取締役会で、長廻幹彦取締役兼常務執行役員が4月1日付で社長に昇格する人事を決定した。烏田克彦社長は代表権のない会長に就く。
 長廻 幹彦氏(ながさこ・みきひこ)1987年京都大学工学部土木工学科卒、若築建設入社。2020年経営管理部門経営企画部長、22年執行役員、24年常務執行役員、25年取締役。島根県出身、61歳。




from 人事・動静 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=182523
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中国整備局/26年度入札契約制度対応方針案を了承/SII型、評価基準の点差拡大

 中国地方整備局の総合評価審査委員会が17日、広島市中区の同局で開かれ、2026年度の入札・契約制度の対応方針案が了承された。工事では技術提案評価型(SII型)の配点を見直し、評価基準の点差を拡大するほか、新たにチャレンジII型を試行する。生産性の向上を目的に省人化チャレンジ工事も始める。業務では業務チャレンジ型を拡充し、同一県内の事務所や県、政令市との災害支援協定締結を判断基準に加える。このほか、工事、業務ともに若手優秀技術表彰者を評価する。
 対応方針案によると、技術提案評価型(SII型)は優れた提案をより優位に評価するため、評価基準(秀・優・良・可)の点数を拡大。秀(計60点)と可(計0点)の配点は現行のままで、優は計52点を30点、良は計44点を20点にそれぞれ引き下げる。
 チャレンジII型は直轄工事の施工実績がない企業が受注機会を確保できるよう難易度II以下で7000万円程度までの一般土木工事を対象に実施する。チャレンジ型と同様に企業や技術者の同種工事の実績は求めないが、企業と技術者の近隣地域での施工実績の配点はそれぞれ1点減らし、新たに「企業の能力等」の評価に「過去5年間に直轄工事の受注無」を追加し、2点を加点する。
 省人化チャレンジ工事は施工能力評価型(II型)の分任官工事が対象で、参加申請時に提案を求める「省人化A型」と、契約後に受注者が提案する「省人化B型)」に分類。A型は発注者が求めるテーマの提案を評価し、総合評価で1点を加点する。B型は加点がない。
 担い手の確保を目的に、配置予定技術者の評価基準に「若手優秀技術表彰」を追加。施工能力評価型だと加算点は0・7点になる。業務の評価基準にも追加し、総合評価方式簡易型の場合、受賞経験がある技術者に0・6点を配点する。
 造園やのり面処理、塗装など一部工事では工事成績の期間を延ばし、企業は過去2年間を4年間に、配置予定技術者は過去8年間を10年間に変更する。
 業務では、総合評価方式(簡易型・標準型)で発注する調査設計業務の技術評価点を見直し、簡易型では12点の配点を現行の80点以上から81点以上に引き上げる。10・8~1・2点の配点も79~71点を80~72点に見直す。
 地元企業の受注機会を確保するため、業務チャレンジ型に「同一県内の事務所および県、政令市との災害協定の締結」を追加する。




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大成建設/環境配慮コンクリを下水道管渠に初適用/土木学会指針案に準拠

 大成建設は大阪府内で施工した下水道管渠の新設工事に、二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に減らした環境配慮型のコンクリートで製作したシールドセグメントを導入した。必要な耐久性を確保しつつ、土木学会(池内幸司会長)が示すコンクリート構造物の設計・施工指針案に準拠するよう、材料配合を調整した。従来のセグメントと同様に製作し、組み立て、据え付けが可能。環境配慮型コンクリートの普及を加速する考えだ。
 下水道シールド工事でのカーボン・リサイクル・コンクリートの適用は国内初という。普及が進めば、従来品と同程度の単価で供給できると見込む。同社の環境配慮コンクリートシリーズ「T-eConcrete」4種類のうち、高炉スラグの活用や炭酸カルシウムの混合によるCO2固定で、CO2排出量の収支をマイナス(100%以上削減)とした「Carbon-Recycle」を使用した。
 材料設計を土木学会指針案に沿うように改良し、セグメントに求められる強度や耐荷重性に加え、下水道に必要な耐摩耗性と耐硫酸性を確保した。材料製造時のCO2排出量は、普通のコンクリート製セグメントに比べ84%削減している。実験では、硫酸による質量減少が大幅に抑えられる効果も確認した。セグメントを長く使った場合の耐硫酸性は、従来型の数倍になると期待する。
 府が発注した「寝屋川流域下水道門真守口増補感染(第2工区)下水道管渠築造工事」に適用した。工期は2022年10月7日~25年7月31日。大成建設・村本建設・中林建設JVが施工した。泥土圧式シールド工法で延長1672・6メートルの管渠構築で、計1431リングを設置。環境配慮型コンクリ製のセグメントは、10リング分の区間(外径3・25メートル、延長12・0メートル)に採用した。CO2削減量は実質約5・7トンに相当する。




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2026年3月17日火曜日

近畿整備局/平城宮跡歴史公園第一次大極殿院復原整備の東楼が完成

 ◇奈良時代の楼閣建築を再現
 近畿地方整備局が奈良市の国営平城宮跡歴史公園で進めている「第一次大極殿院復原整備」で、東楼が完成し、14日に完成披露式典が行われた。2022年に復元された大極門(南門)の東側に位置し、伝統木造技術と最新の施工技術を融合して奈良時代の楼閣建築を忠実に再現した。規模はW造2階建て延べ525平方メートル。設計は文化財建造物保存技術協会と近畿整備局国営飛鳥歴史公園事務所、施工を竹中工務店が担当した。
 第一次大極殿院は宮都「平城宮」の中心的な施設だったとされる。東楼は西楼とともに、南正面の大極門を挟んで東西対称に建てられ、730年前後に築地回廊の一部を解体し、増築されたと考えられている。
 「続日本紀」には聖武天皇が南楼で宴(うたげ)を開いた記述があり、東楼・西楼は儀式や宴席に使用されていた可能性がある。東楼は1973年に奈良文化財研究所の発掘調査で確認された。外周に太い掘立柱を立て、内部の礎石建ち柱で上層床を支える特殊構造で、現存古建築に例のない形式とされる。
 復元工事は2022年4月に着工。吉野ヒノキなどの厳選材を用い、品質管理を徹底し工事を進めた。23年3月に外周柱の設置を始め、仮設の素屋根内で木組みを本格化した。同11月に長さ12メートルの大梁を架設し24年3月に上棟。屋根工事などを進め、25年9月に素屋根を西側へ移動し、東楼の外観が姿を現した。BIMなどの3D技術も積極的に活用。伝統木造の施工手順や鴟尾(しび)の形状検討などを効率化した。
 式典には奈良県の山下真知事や国会議員ら来賓を含め約150人が出席。近畿整備局の齋藤博之局長は「往時の建造物を忠実に再現するとともに、伝統技能の継承にも取り組んだ。今後も関係機関と連携し、第一次大極殿院の復元整備を進めていく」と話した。山下知事は「東楼に続き西楼などの復元が進めば、国内外からの観光客増加が期待される」と述べ、公園南側の県有地を活用したにぎわい創出にも意欲を示した。
 近畿整備局京都営繕事務所の西田誠所長が工事経過を報告後、国営飛鳥歴史公園事務所の柳澤秋介所長が「26年度から東面回廊整備に向けた地盤整備などを本格化する。将来的には西楼なども含め、往時の景観を復元した第一次大極殿院の姿を示したい」と今後の整備方針を説明。最後に関係者がテープカットを行い完成を祝った。




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回転窓/やさしい春の圧力

 春が近づくと、街は忙しそうな顔をする。桜は律義に咲き、人々も新しい季節を待っていたそぶりをする。けれど当の本人はというと、どうも気分が乗らない。心が軽くなるはずの季節が、どうやら花粉と一緒に、妙な怠惰まで運んできたらしい▼考えてみれば、春は「変わりなさい」と優しく背中を押す季節でもある。入学、異動、新生活。世の中はまるで大規模な模様替えだ。家具を動かし、壁紙を張り替え、昨日までの景色を新しくする▼その騒ぎの中で、心だけが古い部屋のまま取り残されていることもある。もちろん、変化は悪いものではない。むしろ停滞こそが退屈の温床だ、と人はもっともらしく言う。ただ、その「変わるべきだ」という空気が、時に親切な圧力になる▼春風は穏やかな顔をしているが、背中を押す力だけは案外しっかりしている。だから時々、思う。もしかすると憂鬱(ゆううつ)なのは春のせいではなく、「変わらなくてもいい」と言ってくれる人が少ないからではないかと▼満開の桜の下で、つぼみのままでいる勇気も、案外悪くない。まあ、そんな空想とは関係なく、花は散り、季節もきちんと前へ進むのだが。




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東京建設コンサルタント/新社長に杉浦達巳取締役兼常務執行役員昇格/3月8日付

 東京建設コンサルタントの社長に、杉浦達巳取締役兼常務執行役員が8日付で就任した。大村善雄社長が7日に死去し、8日に開いた取締役会で杉浦氏の社長就任を決めた。
 杉浦 達巳氏(すぎうら・たつみ)1988年名古屋工業大学工学部土木工学科卒、東京建設コンサルタント入社。2021年執行役員中部支社長、22年取締役、23年常務執行役員。愛知県出身、61歳。




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北海道開発局/26年度完了工事からAI活用試行工事実施/工事成績評定で加点評価

 北海道開発局は、北海道の建設業でのAI活用の意識醸成を図ることを主な目的として「北海道インフラ分野のAI活用試行工事」を実施する。施工、データ連携、施工管理のいずれかの段階で判断を伴うAIの活用が確認された場合、工事成績評定で加点評価する。2026年度完了工事から原則すべての工事を対象に実施する。
 北海道の人口減少・高齢化は全国平均を上回っており、全国に先駆けて公共事業での省人化と生産性向上を進めていく必要がある。さらにi-Contsruction2・0で掲げる三つのオートメーション化でもAIの活用を推進していることから、道内建設業での意識を醸成し、AI活用を推進する。
 対象は26年度完了工事から原則すべての工事で、25年度に完了する工事は対象外。既に公告済みまたは契約済みの工事についても、受発注者協議により試行対象とすることができる。
 評価対象は発注者がAI活用に関する費用を計上していない工事で、施工、データ連携、施工管理のいずれかの段階で判断を伴うAIを活用した場合。文章整理などでAIを活用するものは含まない。
 施工計画書に「インフラ分野におけるAI活用」の項目を設けて取り組みの内容や期待される効果を明記し、完成検査時までに実施内容と効果を報告した場合に、工事成績評定で原則1点を加点する。複数の取り組みを実施した場合でも、加点は原則1点とする。技術提案したものでも、評価対象の条件を満たせば加点対象となる。




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松山市/JR松山駅周辺のまちづくりプラン公表/5000席アリーナ、31年度供用へ

 松山市は、JR松山駅周辺の具体的な整備イメージや今後の進め方を示す「松山駅周辺まちづくりプラン」をまとめた。JR四国車両基地跡地(南江戸1、敷地面積約9250平方メートル)に計画する多目的アリーナは、公設民営の場合に5000席で整備費約200億円と想定。2031年度の供用開始を目指す。にぎわい施設と一体的に整備する。
 多目的アリーナで想定される事業手法として、民設民営と公設民営(BT〈建設・移管〉+コンセッション〈公共施設等運営権〉)を提示した。整備費の内訳は交付金・補助金54億円、市負担73億円、民間資金73億円。公設民営の場合、26年度に事業者公募に入る。27、28年度の設計を経て29年度に着工する。
 駅東口のにぎわい施設は立体道路制度を活用し、1階に駅前広場や集約型公共交通ターミナル、2階以上に商業・飲食、ホテル、駐車場などを配置する。伊予鉄道路面電車の引き込みなどにより交通結節機能を強化する。集約型公共交通ターミナルを除き、26年度に事業協力者を公募、27年度に開発事業者を公募し、28~30年度に設計などを進め31年度に着工する。33年度の供用開始を目標に定めた。
 27年3月31日までの履行期間となる「松山駅周辺施設整備等アドバイザリー業務委託」は日本総合研究所・安井建築設計事務所JVが担当している。




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2026年3月16日月曜日

回転窓/民話と滝と国立公園

 古くから信仰を集めてきた熊野の「那智大滝」(和歌山県那智勝浦町)には、「クジラとモグラ」の民話が伝わる▼お坊さんが荒行のため滝へ向かう途中、困っていたクジラとモグラを助ける。滝に着いたものの滝つぼの水が多くて近寄れずにいると、今度はそのクジラとモグラが助けてくれるという話だ。南紀熊野ジオパーク推進協議会が作成した絵本に収められている▼国立公園制度は2031年に100年を迎える。これを記念し、財務省は24年から国立公園ごとの図柄が付いた銀貨幣の発行を始めた。26年度前半に販売される一つが「吉野熊野国立公園」。那智大滝のほか「オオダイガハラサンショウウオ」「シロヤマザクラ」が描かれている▼生物多様性の損失を反転させるネイチャーポジティブ(自然再興)の実現に向け、国立公園は中核拠点となる。地域からの取り組みも注目され、1月には那智勝浦町とJESCOホールディングス、日本自然保護協会の3者が連携協定を結んだ▼クジラは「水」、モグラは「土」を連想させ、どちらも生物多様性には欠かせない存在だ。民話が語る共生の大切さは、これからの時代を思わせる。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=182441
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