2026年6月10日水曜日

防衛省のECI~部隊と進める工事~・上/陸自武山駐屯地大規模施設整備設計

 ◇設計・施工に技術提案の最適解
 陸上自衛隊武山駐屯地(神奈川県横須賀市)にある男子校の高等工科学校。2028年度から男女共学になり、陸上だけでなく海上、航空の各自衛隊で活躍する人材の育成拠点になる。共学移行と陸海空の共同化に向けて、駐屯地では政府の防衛力整備計画に基づいた総延べ約11万平方メートルの大規模な施設整備が進行中。ECI方式を適用し、施工者の五洋建設JVと「技術提案の最適解を反映した工事」(加藤琢朗防衛省南関東防衛局調達部長)に取り組んでいる。
 (編集部・溝口和幸)
 「武山(6補)教育施設等整備工事」は建設地を1~3地区に分け、ともにプレキャスト(PCa)工法で新築する学生隊舎3棟(各RC造8階建て延べ約9700平方メートル)、隊庁舎3棟(RC造5~9階建て延べ約8400~2万7000平方メートル)や、教場(RC造4階建て延べ約8900平方メートル)、仮設隊舎(S造3階建て延べ約6800平方メートル)の建設、受変電施設、非常用発電設備、受水槽、水インフラなどの工事が進む。改修する建屋もある。
 一帯のインフラを再構築する必要もあって、加藤部長は「まちを一つ造り替えるような事業」と話す。設計は綜企画設計・オリエンタルコンサルタンツ・復建技術コンサルタント・コーセツコンサルタントJVが担当。技術協力業務を担う五洋建設・京急建設・土志田建設・川本工業・向洋電機土木JVが設計に関与し、施工している。
 武山駐屯地は陸自東部方面混成団が活動する。海自横須賀教育隊の地区、空自武山分屯基地もある全国でも珍しい自衛隊拠点の一つ。工事は、学校教育や部隊活動を妨げずに、定められた期間に集中して実施しなければならない。自衛隊活動に支障がない施工や仮設などの計画が求められ、仕様の確定が難しい施設やインフラがあった。そこで防衛省は施工者の知見、ノウハウを前倒して反映するため、ECI方式(技術協力・施工タイプ)の採用を決めた。
 自衛隊施設の工事は、地元企業の受注にも配慮した分離・分割発注が基本だが、複数の工事を同時進行させる場合は、工事ごとに部隊との調整や安全管理が必要になる。加藤部長は「発注者も部隊も五洋建設JVを見ればいい。統制がうまくいっている」とECI方式の効果を捉えている。
 工事は、列を乱さずに走る学生や、訓練中の各部隊のそばで進む。工事関係者と車両の出入りは、技術提案を踏まえ、敷地東側のゲートに限定した。顔認証システムを導入して入退場の手続きを効率化し、未退出者のチェックなどに万全を期している。五洋建設JVの岩崎利彦所長が心掛けるのは「慎重かつ安全な作業」。同社は「たくさんの技術提案」(岩崎所長)とマリコンの施工力をフル活用している。


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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=185050
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新社長/前田道路・富安敏明氏/家族まで大切にする会社に

 不安定な中東情勢は道路舗装業界にも大きな影響を与えている。難しい局面で経営のかじを取る。工事発注が減少する状況に対処しつつ、地域ネットワークの深耕・拡大によって持続的な成長を目指す。健康経営にもより力を入れ、社員がパフォーマンスをフルに発揮できる環境づくりを模索する。
 --就任の抱負を。
 「短期と長期の両面を大事にしたい。短期的には中期経営計画などで示した定量的な目標の達成と、そのための環境づくりを目指す。会社を成長させるには、数値だけで表せない要素も必要だ。長期的な視点として10年、20年先を見据えた社員教育や学生へのアプローチなどを考えていく。将来的に道路舗装業界にとってプラスとなる要因が見つけにくい状況にある。M&A(企業合併・買収)や事業領域の拡大も視野に入れる」
 --足元の経営環境は。
 「中東情勢の影響で原油価格が上昇している。緊急措置として4月からアスファルト合材を値上げして対応している。顧客には値上げに理解をいただけている状況だ。今回の危機が収束すれば直ちに値下げをすると約束している。原油価格に影響する中東情勢は常に注視しているが、中東の動向にかかわらず国内の人口は減り続ける。道路づくりの仕事は人口に比例するため、仕事量が減少することへの危機感が常にある」
 --人口減少に歯止めが掛からない状況で、成長の道筋をどう描く。
 「営業所と合材工場を合わせて約200カ所ある拠点は当社にとって強みだ。4月に鹿児島と金沢に営業所を開設した。道路舗装工事という市場規模の拡大が難しい事業で持続的な成長を実現するには、各地でシェアをさらに高める必要がある。地域の合材工場とのJVも検討する」
 「現状では当社が参入できそうな包括委託の発注は少ない。複数の自治体が連携するようになれば件数も増えるとみている。まずは、自治体の道路管理業務の支援を行いながら、インフロニア・ホールディングス(HD)が持つインフラ運営事業の知見と、当社のネットワークを融合することで、仕事の幅を広げていきたい」
 --社員が仕事に打ち込める環境も重要だ。
 「休日の確保では昨年、全現場で完全週休2日制を達成した。健康経営の一環として、社員の配偶者も含め、がん検査の一つであるPET検査の費用負担を始めている。親などの介護に対する手当も創設した。経営目標を達成するために、みんなが働きやすい環境とは何かを突き詰めて考えている。社員はもちろんその家族と、さらに協力会社まで大切にする会社でありたい」。
 (4月1日就任)
 1993年前田建設入社。2020年前田道路執行役員、21年取締役兼常務執行役員、23年同兼専務執行役員、24年代表取締役兼専務執行役員。休日は小学生の息子と遊ぶなど、家族の時間を大事にする。座右の銘は「慎独」。他人が見ていない時こそ、自分の行いを律する。山口県出身、58歳。


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from 人事・動静 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=185045
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全建が総会/今井雅則会長が続投/新4K実現へ課題乗り越え前進

 全国建設業協会(全建、今井雅則会長)は9日、東京・大手町の経団連会館で開いた2026年度定時総会・理事会で、今井会長が続投する人事を決めた。副会長は石井源一氏、西村裕氏が退任し、大橋聡司富山県建設業協会会長、中村高志山口県建設業協会会長が就任した。錢高久善副会長(大阪建設業協会理事)、千葉嘉春副会長(宮城県建設業協会会長)は続投する。
 定時総会の冒頭、今井会長は自然災害の激甚化・頻発化、防災・減災のための国土強靱化、老朽化が進んだインフラの維持管理・更新を課題に挙げた。中東情勢の影響に伴う建設資材の供給の不足、遅延に懸念を表明し、工事の中止や遅延が避けられない状況になっっていると指摘した。
 その上で地域の守り手の地域建設業が地域の基幹産業としての役割を担い続けるため、「魅力ある憧れの産業」となることの重要性を強調した。「新4K(給与・休暇・希望・かっこいい)の実現に向けて、さまざまな課題を乗り越えながら前進していかなければならない」とも述べた。


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from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=185058
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東京都東久留米市/本庁舎改修を一時停止/スケジュールなど再検討

 東京都東久留米市が本庁舎改修事業を一時停止する。資機材や人件費の高騰、他自治体での入札不調などを勘案し、改修工事のスケジュールや事業費などを再検討する。市は3月に改修基本計画を策定し、事業費を約118億円と試算。7月に基本設計の委託先選定手続きに入る予定だった。
 8日の市議会本会議で富田竜馬市長が表明した。事業費は2025年12月に試算したため、33年6月を見込む工事完了までに大きく上昇する可能性がある。市内には更新の必要な公共施設が他にもあるため、優先順位や財政負担を検証する。
 久米設計に委託し策定した基本計画では、改修後の施設規模を現庁舎と同程度の延べ2万平方メートル前後とした。整備手法に基本設計先行型の設計・施工一括(DB)方式を採用。28年3月末までに基本設計を終え、28年度に実施設計と施工を任せる事業者を選定する予定だった。
 市が算出した概算工事費は本庁舎改修118億6350万円(税込み、以下同)、仮移転する旧下里小学校への入居1億8568万円。本庁舎の所在地は本町3の3の1。敷地面積は6794平方メートル。施設はSRC造地下1階地上7階建て塔屋1階延べ2万0129平方メートルの規模。1996年に竣工した。


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from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=185060
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清水建設/石綿含有建材付着の廃アルミパネル再利用/トーチタワーのサッシに

 清水建設は、アスベスト(石綿)含有建材が付着した廃アルミパネルを新築工事向け建材の原材料に再生利用する。東京駅日本橋口前で施工中の国内最高層ビル「Torch Tower(トーチタワー)」に設置するアルミサッシの原材料として使う。少ない水量で高い除去効率が確保できる自社技術を活用。パネル裏面の石綿含有建材を除去する。スクラップ材としての品質を有価売却できるまでに高めた。
 再生アルミサッシはYKKAPの協力を得て製作した。取り組みの初弾として、東京駅日本橋口前再開発の一環で解体された朝日生命大手町ビルの外装アルミパネルを再資源化。石綿含有建材の付着物を分別処理し、跡地で施工中のトーチタワーに取り入れた。
 清水建設によると、解体現場で回収される外装アルミパネルは、石綿を含有する樹脂状の防振材が裏面に塗布されていることが多く、再資源化の支障になっている。そのため廃アルミパネルの大部分はパネルごと石綿含有廃棄物として埋め立て処分されている。
 同社はこうした課題に対処するため、自社開発した小水量型超高圧ウオータージェット工法「S-Jet」を活用。手作業では困難だった石綿含有建材を効率的、低コストで取り除く。
 解体時に分別回収した朝日生命大手町ビルの外装アルミパネル91トンをサッシメーカーとスクラップ事業者に有価売却。うち約31トンをトーチタワー向けに製作するアルミサッシの原材料として活用した。これからトーチタワーの建設現場に順次搬入し、地上14~54階に設けるサッシの一部に採用していく。
 同社は、アルミ建材に限らず幅広い新築・解体現場由来の廃材の再資源化に取り組んでいく。


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from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=185048
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2026年6月9日火曜日

川崎学園/100周年記念事業が起工/医科大・付属病院本館棟建て替え

 ◇設計は佐藤総合計画、施工は荒木組
 学校法人川崎学園(川崎誠治理事長)が岡山県倉敷市の川崎医科大学と付属病院の敷地内で計画する創業100周年記念事業の起工式が6日、現地で行われた。老朽化が進む本館棟を3期に分けて全面的に建て替えるほか、北館棟と西館棟は高度救命救急センター機能を充実させる。研究棟も新設する。本館棟の設計は佐藤総合計画、研究棟は佐藤総合計画・木村設計JV、施工は荒木組が担当。100周年に当たる2038年の全体完成を目指す。
 神事には学校法人や同病院、設計、施工の関係者ら約50人が出席。佐藤総合計画の鉾岩崇社長と木村設計の高田聖次会長が鎌、川崎理事長が鍬、荒木組の荒木雷太社長が鋤を入れ、工事の安全を祈願した。
 新本館棟の規模はS一部RC造地下1階地上14階建て延べ約8万平方メートル。外来棟となる1期は病院北側に新築し、規模は地下1階地上5階建て延べ約1万4000平方メートル。完成後、現本館棟を解体し、跡地に中央診療部門や病棟が入る2期と3期棟を建設する。34年12月の竣工予定。
 北館棟と西館棟は改修を行い、急性期の手術や集中治療を強化する。大学の研究部門は独立し、新たに研究棟「メディカルリサーチセンター」(SRC+S造6階建て延べ約7930平方メートル)を建てる。竣工予定は28年7月末。
 川崎理事長は「地域に信頼される医療の提供と医療福祉の人材育成の場としての役割を果たすため、プロジェクトを行う。大変な工事が予想されるが、安全に工事を進めてほしい」と述べた。
 鉾岩社長は「患者が安全で安心に過ごせる医療環境の整備を第一に考えた」と話し、荒木社長は「後世に残るよう丁寧につくる。職人らと高い意識で工事を進める」と決意を述べた。


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from 行事 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=185018
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回転窓/布団のかまくらで見たマラドーナ

 2002年の日韓ワールドカップ(W杯)は、日本中を興奮の渦に巻き込んだ。街には出場国のユニホームがあふれ、歓声とため息、そして感動が交錯した▼もっとも、初めてW杯に心を奪われたのは、ディエゴ・マラドーナが輝いた1986年のメキシコ大会だった。両親に怒られまいと、16歳の高校生は音や光が漏れないようテレビに布団をかぶせ、その“かまくら”の中で神の手と5人抜きに息をのんだ▼それから数十年。W杯は今なお世界最大級のスポーツイベントであり続けている。一方で参加国は増え、開催規模が拡大した。賛否両論があることは確かなものの、それでもW杯が特別な舞台であることは昔も今も変わりがない▼日本での再開催を望む声も根強い。実現への道のりは容易ではないが、もしこの国でW杯が開かれる日が来れば、きっと多くの子どもたちは夢中になるのだろう。かつての小欄がそうだったように▼布団の“かまくら”の中で見たマラドーナの姿は、今も鮮やかに残る。未来の子どもたちはどんな選手、どんなプレーに心を奪われるのだろうか。その答えは、いつか訪れるW杯のピッチにある。


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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=185009
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経産省、国交省/一般海域占用公募の運用指針改定/洋上風力発電施設

 経済産業、国土交通両省は、一般海域に整備する洋上風力発電施設の公募に関する運用指針を改定した。秋田県、千葉県の計3海域からの事業者撤退と整備に伴う課題を踏まえ、供給価格の評価や事業の実現性に関する配点を見直す措置などを講じる。落札の制限、選定事業者が撤退した場合のルールなどは事業者を募集する海域ごとの公募占用指針に記載されることになる。
 改定版は公募、占用指針、事業者選定、占用許可、地位の承継・認定取り消し、罰則などで構成する。想定供給価格幅の設定、事業実現性評価点の見直し、事業実現性の採点、スケジュールの柔軟性確保などに関する事項を定めてある。想定供給価格幅は、事業者の創意工夫から想定される価格と、供給価格の上限との間に設けられ、事業者選定の中で供給価格に応じた価格点を付与する際に考慮されることになる。
 事業の実現性を「実施能力」と「地域との調整や地域経済等への波及効果」から評価し、事業計画の迅速性の評価はエネルギー政策の目標などを踏まえ、適宜見直すと明記した。事業の迅速性以上に実行面を重視する配点の考え方も定めてある。
 「一般海域における占用公募制度の運用指針」の改定版を5日に公表した。事業者撤退を受け、総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)、交通政策審議会(国交相の諮問機関)の小委員会で公募の在り方や撤退時のルールなどを議論し、一般意見を受け付けていた。


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from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=185010
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京都府立大/スポーツ施設整備基本計画を公表/体育館兼講堂と多機能講義棟を合築

 京都府立大学は、「京都府立大学等スポーツ施設整備基本計画」を公表した。体育館兼講堂を現在地で建て替えるのに併せ、学舎、行政、防災などの機能を備える多機能講義棟(仮称)を合築する。施設規模は総延べ約2万5000平方メートルを想定。整備手法は基本設計先行型の設計・施工一括(DB)方式で今後検討し、概算事業費は283億円を見込む。2026年度6月補正予算案に基本設計費約9000万円を計上。本年度中にも基本設計の委託先の選定手続きに着手する予定だ。
 施設の老朽化や耐震性能の不足により使用停止している下鴨キャンパス(京都市左京区下鴨半木町1の5)の第1体育館兼講堂(延べ2226平方メートル)を建て替えるとともに、府立医科大学の3キャンパスに散在するスポーツ施設機能を府立大学下鴨キャンパスに集約する。計画対象は第1体育館兼講堂のほか、弓道場(府立医科大学花園キャンパスからの移設)、屋外ステージ(新築)、観覧スタンド(同)、グラウンド(現地再整備)、テニスコート(同)など。新たな体育館兼講堂の規模は4階建て延べ8046平方メートルを想定している。
 4号館跡地と駐車場には、既存学舎の集約・再編の効率化と学生・地域住民の活動場所の形成を両立させる多機能講義棟を配置。同施設は中央棟、東棟、西棟で構成し、西棟の渡り廊下で体育館兼講堂と接続する。講義室や防災備蓄倉庫、食堂、ラウンジなどを備え、規模は4階建て延べ1万6710平方メートルを想定。
 今後は26~27年度に基本設計、28~29年度に実施設計を行う予定。施設全体の供用開始は最短で33年度を見込む。
 基本計画策定等業務は長大が担当。


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2026年6月8日月曜日

回転窓/梅酒と琥珀の月日

 江戸時代に医師で本草学者の人見必大(ひとみ・ひつだい)が著した『本朝食鑑』には、食と医の観点からさまざまな食材の特徴や効能などが書かれている。当時の食文化も分かり、現代語訳が出版されていて興味深く読める▼同書の「穀部之二・造醸類十五種」に取り上げられた酒の一つが梅酒。その効能を「痰(水毒の一種)を消し渇を止め、食を進め、毒を解し、咽痛を止める」と説き、梅酒に適した梅の大きさや作り方なども記している(東洋文庫296『本朝食鑑1』訳注・島田勇雄、平凡社)▼チョーヤ梅酒のウェブサイトによると、江戸時代には梅干しや梅酒など梅を加工する文化が定着していた。そうした梅の栽培や加工が農家の副業としても推奨されていたという▼今年も梅酒の仕込み時期を迎えた。近所のスーパーには自家製梅酒コーナーが設けられ、古城と南高の青梅2種を販売している。氷砂糖や果実酒ビンなども並び、初めてでも迷うことはなさそうだ▼漬け込んでから月日を経た梅酒は琥珀(こはく)色に変わる。時を重ねてまろやかで深みのある味わいに…。梅酒づくりは人づくりに似ているかもしれない。


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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184968
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