2026年5月19日火曜日

回転窓/思い入れと思い込みの境界線

 思い入れと思い込みの差は、しばしば紙一重の顔をして現れる。改革に情熱を注ぐ者が、周囲の声に耳を傾けて軌道修正を重ねるなら、それは思い入れだ。けれども、同じ情熱が「必ず成功するはず」という慢心に変わり、不都合な事実を退け始めた瞬間、思い込みに姿を変える▼哲学者ニーチェは「事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである」と説いた。この言葉には洞察と危うさが同居する。物語に酔い始めたとき、暴走が始まる▼アクセルは常に魅力的だ。前へ進む爽快さは、判断の粗さや小さな違和感を巧妙に覆い隠す。しかも速度は、誤りよりも厄介である。ほんの小さな狂いでも、取り返しのつかない地点まで肥大化する。成功体験を重ねた者ほど、自らの熱量を検証する視点を失いやすい▼その帰結を引き受ける覚悟がなければ、加速は単なる無責任になる。必要なのは、反証を探し、自らの前提を疑う勇気。冷静な往復運動が、思い入れを成熟へ導き、思い込みを食い止める▼他者の視線を借りることで、人は自分の狂いに気付く。だが多くの場合、人はブレーキが必要だったと、速度を出した後に思い出す。


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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184316
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シェルターワン/熊本市の避難所訓練に参加/発災後48時間以内の設営を実践

 シェルターワン(東京都江東区、児島功代表取締役兼最高経営責任者〈CEO〉)は、熊本市南区のアクアドームくまもとで行われた「TKB48避難所訓練」で、災害関連死の抑止につながる快適なトイレ(T)、キッチン(K)、ベッド(B)を48時間以内に設置する「TKB48」を実践した=写真。訓練は、15日に市直下を震源とする震度6強の地震が発生した想定で、18日までの4日間実施した。熊本地震から10年の節目に合わせて市が主催。県内外の自治体や企業など66団体が参加した。
 同社が携わった訓練は全国で5回目。今回は全国で初めて、県境をまたいで資機材などを搬入する広域連携を想定した。15日は西区の熊本港臨時駐車場に資機材を集積し、16日に設営場所であるアクアドームくまもとへ資機材を輸送し設営。17日にかけて宿泊訓練を実施し、18日に避難所を撤去した。
 避難所の設営には、資機材提供企業の関係者や地方自治体職員ら約120人が参加。1泊2日の宿泊訓練には一般を含む70人が参加した。
 児島氏は「広域連携することで、被災自治体の職員が被災者支援をしなくてもよいシステムをつくりたい。全国どこで災害が起きても、均一な質の避難所設営ができるよう、全国で訓練をしていく必要がある」と話した。
 16日の開会式には大西一史熊本市長らが出席。大西市長は「今回のような避難所設営・運営が全国標準となるよう目指していきたい」と述べた。


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大阪府都市整備部/城北立坑築造工事の工期延長/地下水流入、今夏までに検討会議

 大阪府都市整備部は寝屋川北部地下河川整備に伴う城北立坑築造工事の工期を延長する。立坑内への地下水の流入が確認されたため、原因を解明し、対策工法を検討する必要があると判断した。今後、有識者会議で原因究明と対策工法の選定を進める。現時点で地下水の流入は停止しており、周辺への影響は確認されていないという。担当者は今夏までには会議体を立ち上げたいとしている。
 工事名は「寝屋川北部地下河川城北立坑築造工事」。施工者は戸田建設・ハンシン建設・大容建設JV。現工期は6月30日まで。城北立坑は鶴見調節池のシールド発進基地として大阪市城東区関目2に築造しており、規模は掘削深さ102・2メートル、外径34・8メートル。自動化オープンケーソン工法で施工した。底盤コンクリートの打設に備え、ケーソン内の水を抜こうとしたところ地下水の流入が確認された。新たな工期は有識者会議での検討結果や対策工法の内容を踏まえて設定する。
 寝屋川北部地下河川は寝屋川流域総合治水対策の一環として整備する地下放水路。寝屋川市や門真市から大阪市都島区に至る全長14・3キロを、主に道路下に築造し、流域北部の浸水被害軽減と治水安全度の向上につなげる。全体のうち鶴見立坑~讃良立坑間6・6キロと、鶴見立坑~松生立坑間3・1キロの計9・7キロが整備済みで、暫定供用している。
 未整備区間は鶴見立坑から大阪市都島区に設置予定のポンプ場までの約4・6キロで大深度地下を一部使用して整備する。うち鶴見調節池は城北立坑~鶴見立坑(大阪市鶴見区横堤4)間延長1779メートルにシールド工法での整備を計画している。
 今回の工期延長を受け、府は地下水流入の原因と対策を整理した上で、今後のシールド工程への影響を精査する。2027年1月ごろの掘進開始を目指していたが、対策次第でシールド本体の施工計画を見直す必要も出てきそうだ。


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from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184336
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日本郵政グループ/不動産事業を拡大/想定事業費合計6100億円

 日本郵政グループは不動産事業を拡大する。郵便の集配拠点を再編し跡地を再開発。グループが保有している不動産も積極的に活用していく。2026年度から3カ年の中期経営計画に方針を盛り込んだ。開発中と開発候補の不動産の土地面積合計は約30万平方メートル。想定事業費合計は約6100億円に達する。不動産事業の利益は29年3月期に280億円、将来は500億円超を計画。総合デベロッパーとして業界トップ10入りを目指す。
 26年3月期で不動産事業部門の事業利益は239億円だった。中期計画期間中の3年間に2600億円を投じる。保有する土地で施工している物件の完成を目指すとともに、開発候補地で再開発の事業化に取り組む。不動産を長期間持ち続けずに売却し、得た資金を新たな開発などに回す「回転型事業」を展開。分譲マンション事業も強化する。
 都心部では銀座局(東京都中央区)と京橋局(同)の集配機能を近くのエリアに移転し、跡地を再開発する。基本的には郵便局の建物全体を解体し新たなビルを建てる。一般顧客向けの窓口機能は移転するか再開発ビルに戻すか検討する。銀座局の集配機能は28年度までに移転する。
 日本橋局(同)は集配機能を東京都台東区に移転した。中央区の同局を含めたエリアを再開発する「日本橋一丁目東地区」の再開発事業に参画。オフィス床を取得し貸し出す。再開発ビルは34年度の完成を予定している。
 銀座局、京橋局、日本橋局とも開発候補の不動産に位置付けている。3局を含めた開発候補不動産の土地面積は19万平方メートル、想定事業費は約5000億円。旧北海道郵政研修センター(札幌市)や、旧メルパルク東京(東京都港区)、京都中央局(京都市)なども再開発を検討する。
 開発中不動産の合計土地面積は11万平方メートル(グループ外の不動産含む)、約1100億円の事業費を計画している。東京都港区の旧白金社宅では39階建て延べ約9・9万平方メートルのマンションを整備。29年度に完成する予定だ。


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from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184332
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山形大学/重文・旧米沢高等工業学校の本館改修/6年計画の1期工事入札公告

 山形大学は18日に「山形大学(米沢)重要文化財旧米沢高等工業学校本館外部改修工事(I期)」の一般競争入札を公告した。参加申請を28日まで、入札書は6月16日まで受け付ける。同17日に開札する。1910年に竣工したルネサンス様式を基調とする建造物について、6年計画で取り組む補修工事の初弾となる。
 参加資格は建築工事B~D等級の認定を受け、山形、宮城、秋田、福島、新潟のいずれかの県内に本店、支店または営業所を置いていること。2011年度以降に国指定重要文化財建物の修理工事を施工した実績も求める。
 旧米沢高等工業学校は1949年に山形大学工学部に改組されている。工事場所は山形県米沢市城南4の3の16で同学米沢団地構内。建屋はW造2階建て一部平屋、建築面積1305平方メートル。今回の対象面積は約200平方メートル。劣化や破損している箇所を補修する。文化庁の補助金を活用して31年度まで6期に分けて工事を進める。初弾となる今回の工期は27年1月30日まで。


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from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184334
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清水建設ら/切羽形状測定を無人化/鋼製支保工にドローン吸着

 清水建設ら4者は、山岳トンネル工事の切羽形状測定作業を無人化するシステムを共同開発した。ドローンを切羽付近の鋼製支保工に吸着させ、切羽形状の高精度な絶対座標付きの点群データをリアルタイムに取得する。高速道路や新幹線など複数のトンネル工現場で実証し、作業の生産性や安全性を向上。今後も現場検証を継続し、切羽付近に工事関係者が立ち入らず作業できる自動化や遠隔化を推進していく。
 鋼材吸着ドローン測定システムの「Perch-RIM」として、大阪工業大学、演算工房(京都市上京区、林稔社長)、シュルード設計(京都市伏見区、安達基朗代表取締役)と共同開発した。
 清水建設がシステム開発を構想し評価。演算工房は3D点群データの計測ソフト開発、シュルード設計がドローンシステム設計を担当し、大工大ロボティクス&デザイン工学部ロボット工学科の東善之准教授が監修している。
 システムは、永電磁石とLiDAR(ライダー)を搭載したドローンと、ドローンの絶対座標を計測するトータルステーション(TS)で構成する。
 測定作業では、切羽と離れた場所からドローンを飛ばし、切羽付近の鋼製支保工天端に磁力で吸着させる。続いて切羽後方に設置しているTSからドローンの3D座標を取得。ライダーのセンシングで切羽面の3D点群データを取得し、両方の座標値から精緻な切羽形状の絶対座標を算出する。
 余掘りやあたりなどの掘削精度を絶対座標で定量評価でき、工事関係者が切羽付近に立ち入らず測定可能。作業時間が大幅に短縮され、工期短縮やコスト削減、人員最適化に貢献する。ドローンに標準搭載されたカメラを活用し、遠隔からの坑内巡回や切羽監視、粉じんや有害ガスの環境モニタリングといった多様な業務にも展開できる。
 施工中の▽中央自動車道新小仏トンネル(東京都八王子市~相模原市緑区、掘削距離2298メートル)▽米子自動車道三平山トンネル(鳥取県江府町~岡山県真庭市、2309メートル)▽北海道新幹線渡島トンネル上二股(北海道厚沢部町~八雲町、4540メートル)-の3現場でシステムを実証した。


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from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184328
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2026年5月18日月曜日

凛/深松組取締役経営企画部部長・深松栞さん/建設業は「かっこいい」仕事

 大手総合コンサルティング会社に勤務し、国内外の幅広い業界で人脈と経験を培ってきた。入社8年目でシニアマネージャーに昇進。実績を重ねる中、「地元で自分の経験を生かしたい」という思いから、2年前に仙台へUターンした。
 現在は深松組の経営企画部で、人事や組織改革を担う。コンサル時代に培った「コミュニケーション」を何より大切にし、一人一人の声に耳を傾けながら組織づくりに向き合う。
 創業100年を超えた深松組は次代を見据え、多角的な事業に挑み全国から注目される企業へと進化を続けている。その一翼を担うのが、アクアイグニス仙台。運営会社である「仙台reborn」で、専務として施設再生を主導する。震災で大きな被害を受けた地域に再びにぎわいの場を創出する取り組みだ。
 「地域に根差した企業だからこそできるブランディングがある」。建設業の新しい働き方や地域課題の解決に向け、「走り続けたい」と強く思っている。深松組も出資する東北アライアンス建設の合同若手研修会を企画・運営。将来に向け、「次につながるきっかけ」と確かな手応えを感じた。
 建設業は暮らしの土台を築く大切な仕事。「目に見えるものすべてに関わっている」と話す父の真意が、ようやく分かってきた。今では「建設業は本当にかっこいい仕事」と胸を張って言える。地元への思いと仕事への誇りを胸に挑戦を続けていく。
 (ふかまつ・しおり)


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福岡県大牟田市/西鉄新栄町駅前再開発の検討内容公表

 福岡県大牟田市は、西鉄新栄町駅前地区で同地区市街地再開発準備組合(山本純子理事長)が計画している同地区市街地再開発事業の検討内容を公表した。2026年度は国や県と事業計画素案を協議し内容を公表するとしている。27年度に都市計画変更手続きを完了する予定。同年度の本組合設立認可、28年度の権利変換計画認可を予定しており、29年度の着工を目指す。
 事業手法は第1種市街地再開発事業。施行区域は新栄町の約2・0ヘクタール。新駅舎、分譲マンション、健康・スポーツ棟、商業施設棟、屋根付き広場、立体駐車場など九つの施設で構成する。再開発により交通結節点としての機能強化、街なか居住や多世代交流の促進、交流の場の創出、定住・交流人口の増加などを目指す。概算事業費は約99億円。各施設の設計者や施工者は、今後募集するとしている。
 準備組合は14年の設立で、組合員数は26人。二つの企業グループを建設業務代行者にホテルや分譲・賃貸住宅、高齢者住宅などの施設による再開発を目指したが、1グループが19年に撤退し計画が頓挫していた。
 その後は事業協力者の西日本鉄道などと連携し、資金計画、施設の規模や機能などの事業計画素案作成に向けた協議を進めていた。
 都市計画決定は17年に行っているが、ホテルの建設がなくなったことから計画を変更する。
 市は26年度一般会計当初予算に同地区市街地再開発事業の促進のため1050万円を計上している。


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関東整備局/生成AIで異常検知/河川氾濫や堤防決壊を判定、7月以降に検証へ

 関東地方整備局は、河川管理の省力化と緊急時の避難誘導を支援するため、生成AIで河川の異常が検知できるか検証する。管内に設置したCCTVカメラの過去データを分析。河川氾濫や堤防決壊といった複数の出来事を捉える。映像を見逃すことなくAIが異常を検知するため、早めの避難誘導につながるという。関東整備局は堤防からの越水を感知するセンサーも併用し、防災対応力の強化に努める。
 使用するAIはデータを使って一つの出来事を分析する従来型のAIと違い、複数の出来事を同時に検知できるメリットがある。関東整備局はこのAIの特性を生かして河川氾濫や堤防決壊の有無が検知できるようにする。
 管内に数千台あるCCTVカメラで取得した過去の映像データを、生成AIに学習させて運用する。検討業務の委託先を選定中で、7月以降実際に運用が可能かを検証する。将来的には地震や台風などの災害時対応や平時の河川管理に活用できるシステムの構築を進める。
 気候変動に伴う異常気象の影響もあり、各地で水災害が頻発している。関東整備局は現在、センサーを使って越水を知らせている。生成AIを活用したシステムが実現できれば、素早い避難誘導が期待できる。


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空調設備工事上場5社/26年3月期、全社が過去最高益/増収は4社

 空調設備工事上場大手5社(高砂熱学工業、大気社、ダイダン、三機工業、新日本空調)の2026年3月期決算が15日に出そろった。連結ベースで4社が増収。全社が営業利益と経常利益で20%を超える伸び率となり、過去最高を更新した。オフサイト加工の拡大や業務のデジタル化など生産性向上策が実を結んだ。データセンター(DC)や産業施設の整備、都市開発などで依然として旺盛な建設需要を着実に取り込んだ好決算となった。
 連結売上高は4社が増収で、大型工場や大規模開発の工事を順調に進めた高砂熱学工業と新日本空調の2社が過去最高となった。微減となったダイダンもリニューアル工事などで好調を維持している。
 本業のもうけを示す営業利益は各社とも売上高の増加に加え、ここ数年で受注した好採算工事や施工時の収益改善が反映された。三機工業や新日本空調は、原価・リスク管理を徹底し利益を着実に確保。経常利益では高砂熱学工業が工事採算の改善や国内外の子会社の業績が堅調で、初の500億円台となった。
 業績の先行指標になる単体受注高も、全社が2桁の伸び率を記録した。連結繰越工事高は三機工業を除く4社が過去最高だった。
 27年3月期は全社が増収増益を見込む。人件費や資機材価格の上昇に対し価格転嫁が進んでおり、当面は良好な事業環境が続くと予想する。一方、不安定な中東情勢が及ぼす影響を各社は注視。高砂熱学工業は資機材供給網の変化などで単体営業利益額が微減する試算を公表した。
 各社は豊富な手持ち工事を消化するため、引き続き人材確保をはじめ多様な施策を講じていく方針だ。


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