2026年5月12日火曜日

回転窓/役割は受け止め、引き受けるもの

 役割は肩書で決まるものではない。そう言い切るのは簡単だ。だが現実には、多くの人間が肩書に寄りかかる。自分の立ち位置を直視せず、「上だから語る」「下だから黙る」と思考を止めたその瞬間から、組織は静かに鈍り始める▼道を開く人間は、声の大きさで周囲を押し切らない。主張よりも助言を選ぶ。主張は自分を守るためにも使えるが、助言は相手の結果に関わる行為だからだ。一歩引いた立場でも、最後は自分が責任を引き受ける。その覚悟のない言葉は、保身に限りなく近い▼年齢や肩書は、本来、判断の精度を高めるための材料に過ぎない。だが現場では、それが言い訳や保身の盾に変わることがある。年を重ねただけでは、人は磨かれない。肩書にしがみつく限り、視野も狭くなる▼黒澤明が名監督と呼ばれた理由は明快だ。現場を力で支配せず、空気を読み、人を動かした。俳優やスタッフに道筋を示しながら、責任だけは決して手放さなかった。その緊張感が、作品と現場を支えていた▼役割は責任を受け止めた瞬間に初めて生まれる。肩書の陰に隠れず、責任を引き受けた者にしか、次の景色は見えない。


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大建協/次期会長に浅沼誠氏(淺沼組社長)内定、5月22日に正式決定

 大阪建設業協会(錢高久善会長)は8日の理事会で、次期会長に淺沼組の浅沼誠社長が就任する人事を内定した。副会長には前田組の前田浩輝社長を再任する。22日に大阪市内で開く定時総会で正式決定する。
 浅沼 誠氏(あさぬま・まこと)1996年関西大学経済学部卒、淺沼組入社。2009年社長室次長兼総務部長、15年執行役員、18年4月副社長執行役員建築事業本部長、同6月社長。奈良県出身、54歳。


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from 人事・動静 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184101
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東大が浮体式洋上風力技術で国際研究機構設立/記念シンポ開く、日本モデル構築へ

 日本で浮体式洋上風力発電を普及するため、東京大学が産学官の知見を結集し人材を育てる拠点として「東京大学浮体式洋上風力エネルギーと関連技術国際連携研究機構」(UT-FloWIND)を設立した。11日に東京都文京区の同大伊藤国際学術研究センターで記念シンポジウムを開き、「日本モデル」構築に向けた活動の柱や課題を共有した。藤井輝夫総長は「地球規模の課題解決を東京大学が先導したい」と意気込みを示した=写真。
 UT-FloWINDは2025年10月1日付で設立。設置期間は35年3月31日までを予定する。東大の6部局から教員56人が参画し、機構長を新領域創成科学研究科・海洋技術環境学専攻の佐藤徹教授が務める。
 これまで学内の複数の部局が個別に進めていた研究を集約。活動テーマは「タフで、優しく、頼れる洋上風力エネルギーを創出する」。台風などが発生する環境が厳しいアジア・太平洋地域で、長く効率的に安定稼働できる「日本モデル」の実現を目指す。企業と連携したプログラムを設け、国内外の学術界や産業界、国際的な事業を率いる高度専門人材を育成していく。
 藤井総長は「浮体式の社会実装には既存の学問の枠組みを越えた連携が必要になっており、皆さまからのフィードバックを踏まえ新たな知を創造していく」と述べた。共催する東大大学院新領域創成科学研究科の伊藤耕一科長は「洋上風力発電という一大産業創出に東京大学が関わることは責務と考える」とした。
 寺崎正勝浮体式洋上風力技術研究組合(FLOWRA)理事長は「産業界との結節点となる拠点であり、特に人材育成にスポットを当てる点に期待している。日本の技術は各国からも関心を寄せられており、日本発の技術をつくりたい」、野口哲史浮体式洋上風力建設システム技術研究組合(FLOWCON)理事長は「どうやって量産化に持ち込むのか、UT-FloWINDは理論化で達成しようとしている。連携により世界に先駆けて量産化を実現したい」と述べた。
 シンポジウムではこのほか、舟本浩内閣府総合海洋政策推進事務局長が来賓あいさつ。高野明国土交通省港湾局海洋・環境課海洋利用開発室長らが祝辞を寄せた。


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from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184099
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国交省/スモールコンセッション形成推進事業、静岡県磐田市の2事業に専門家派遣

 国土交通省のスモールコンセッション形成推進事業で、中部地方整備局管内からは静岡県磐田市の「地域コミュニティ拠点を有する旧岩田小学校利活用検討調査」と「遠州の小江戸『みんなが主役のまちづくり』実現に向けた旧津倉家利活用検討調査」の2件が選ばれ、専門家の派遣が決定した。国交省は6月下旬に派遣する専門家を決め、市は助言を参考に事業手法などを検討する。
 スモールコンセッション形成推進事業は、廃校となった校舎や自治体が所有する空き家などを有効活用するため、民間の創意工夫を生かした小規模な官民連携事業で地域課題を解決し、エリア価値を向上する取り組み。市はPFIなど官民連携の実績がなく経験や知識を有する職員がいないため、事業を通じて職員の知識向上やスキルアップにつなげる。
 旧岩田小学校利活用検討調査は、3月に廃校となった同小(匂坂中987)を有効利用し、地域のまちづくり拠点(仮称)と民間機能を合わせた施設を整備する。本年度は地域対話や市場調査、事業手法などを検討する。2027年度に基本方針を策定し28年度に施設を改修、29年度の供用開始を目指す。小中一体校の整備を推進する市は、今回の取り組みを閉校活用のモデルケースとする。
 旧津倉家利活用検討調査は、国登録有形文化財に登録された築130年以上の古民家「旧津倉家」(掛塚1099の1)を中心に、多世代や多くの関係者がまちの魅力を認識し誇りを持ちながら、地域や分野の垣根を越えて連携する古民家の利活用方策を検討する。旧津倉家はW造2階建て。主屋、土蔵などがある。延べ床面積は348平方メートル。周囲には複数の登録文化財もあり、周辺のまちなみなどこれらも含めた利活用方策も検討する予定。本年度は市場調査や事業手法、事業者の募集要項の検討などを進める。


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2026年5月11日月曜日

新社長/DNホールディングス・藤本弘之氏/コア事業深化し成長拡大

 ガバナンス体制を再構築し、グループ一丸でエンゲージメント経営を推進する。橋梁設計や発電所の地質調査といったコア事業を拡大しつつ、脱炭素・エネルギー関連などにも注力。受注体制を強化し民間案件の比率を高める。7月に始動する次期中期経営計画で成長拡大を目指す。
 --当面の経営課題は。
 「前社長のコンプライアンス違反を受け再発防止策を検討している。組織再編も視野に入れて管理体制を見直し、ガバナンスを強化して社会や顧客からの信頼回復に努める。業績では、中核事業会社である大日本ダイヤコンサルタントの設立に合わせ、2023年7月に始動した中期計画の目標達成が何よりも大事になる」
 --業績の現況を。
 「26年6月期の業績は堅調に推移している。売上高はグループに迎えた地場建設コンサルタント・ウエルアップ(奈良市)の積み上げもあり、中期計画の目標を達成済みだ。営業利益もクリアできるだろう」
 --受注戦略は。
 「受注高の約7~8割を占める公共事業は、引き続き防災・減災、国土強靱化や老朽化対策、防衛を注視する。特に防災・減災は、能登半島地震の災害復旧で多くの事業に携わり、川上段階のさまざまな業務にワンストップで対応してきた実績と知見を生かせるだろう。都道府県や市町村の新設需要も取り込みたい」
 「民間比率を高めていくことが最重要課題になる。そのためにもコア事業の業容拡大が欠かせない。橋梁設計は臨海部などにある民間の老朽ストックに着目し、高速道路リニューアルなどの発注減少分を補完する。発電所の地質調査では、構造設計もセットで提案したい。次期中期計画の始動に合わせて支社制から事業部制に移行し、全社横断の技術分野単位で柔軟に受注できる体制を構築する」
 --次期中期計画の重点施策は。
 「民間受注の拡大、脱炭素・エネルギー関連の調査・設計、さまざまな対策をパッケージ提案する企業向けBCP(業務継続計画)支援、市町村向け発注支援などの事業マネジメントを伸ばす。新たにデータセンター(DC)の施策も盛り込む考えだ。現中期計画を上回るKPI(重要業績指標)を設定したい。当社が持っていない領域の技術を補完する観点からM&A(企業合併・買収)も検討する」
 --目指す企業像は。
 「さまざまな制度やAIツールなどを最大限活用し、残業時間を抑えるだけでなく、一人一人に合った多様で柔軟な働き方を後押しする。社員が当社で成長し、社会に貢献したいという挑戦意欲を引き出し持続的成長につなげる」。
 (3月24日就任)
 (ふじもと・ひろゆき)1982年長崎大学工学部土木工学科卒、ダイヤコンサルタント(現大日本ダイヤコンサルタント)入社。2025年DNホールディングス代表取締役兼副社長執行役員。京セラ創業者・稲盛和夫氏の経営哲学「実現を信じて前向きに努力を重ねること」を胸に刻む。趣味はロードバイクと筋トレ。山口県出身、67歳。


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回転窓/農具川のシバザクラ

 芝のように地面をはって広がり、かわいらしい花を咲かせるシバザクラは、例年4月中旬から5月上旬にかけて見頃を迎える。全国に名所は多く、その一つが長野県大町市にある▼市内を流れる農具川沿いの白塩町河川敷公園では、地域の有志でつくる「白塩町河川公園愛護会」が植栽と管理を行っている。川の両岸に咲き広がるシバザクラと、雄大な北アルプスの山々が織りなす景観は見事だ▼多くの人が訪れる人気スポットだが、2021年の大雨による増水で左岸河川敷の花の多くが流されてしまったという。それでも先日現地を訪ねると、赤や白、薄紫など色鮮やかなシバザクラが咲き誇り、花の傍らに立つ小さな看板には〈大水流出から 毎年植栽して 徐々回復 やさしく見守って!〉と書かれていた▼今年は旧河川法制定から130年の節目に当たる。河川法は治水と利水に加え、河川環境の保全や整備にも役割を広げてきた。魅力的な水辺空間の実現には、地域住民の主体的な活動や協力も欠かせない▼農具川沿いではこれからアヤメも花の時季を迎える。花々に彩られた川辺の風景が、人々の心を和ませてくれる。


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国交省/出来高部分払い適切運用を/中東情勢受け、資金繰り懸念で活用ニーズ

 中東情勢に起因する資材価格高騰などで、建設会社の収益圧迫や資金繰りの悪化が懸念される中、国土交通省が直轄工事で運用する「出来高部分払い方式」への適切な対応を地方整備局などに要請した。受注者が希望すれば、短い間隔で出来高に応じた工事代金の部分払いを可能にする仕組み。金利上昇や手形廃止の動きも相まって円滑な資金調達を求める元請の声は強まっており、国交省は地方自治体など他の公共発注者にも直轄の運用を参考にした対応を求めている。
 出来高部分払い方式は直轄工事で2006年に本格導入した。既存の前金払い制度を残したまま、3カ月に1回程度の制限内で出来高に応じた部分払いや設計変更協議を発注者に請求できる。契約時に受注者が従来の中間前金払い方式と部分払いのどちらかを選択可能としている。国交省によると、受注者が部分払いを選択した割合は把握していないが、現状はそれほど多くはないという。
 ここ最近、金利上昇で資金の借り入れコストが増加し、下請代金の手形払いから現金払いへの転換を迫られる状況にある。元請の資金繰り不安が膨らみ、中東情勢の影響による資材の調達不安や価格高騰が追い打ちを掛ける格好となっている。
 中東情勢を受けて全国建設業協会(全建)が4月30日に国交省へ提出した緊急要望では、受注者の資金繰り悪化を避けるため「受注者の求めに応じて部分払いを適宜実施する」などキャッシュフロー改善の取り組みを求めた。資材調達の遅れなどで工期が延びた場合、工事代金の支払い時期も遅れることによる経営リスクを懸念する。
 国交省は、出来高部分払い方式の実施要領を整備局などに再度周知する文書を4月22日に送付。翌日には都道府県・政令市などにも参考送付した。既済部分検査を簡素化できる方法を周知し、出来高を確認する検査職員の負担軽減などに役立てる。
 中間技術検査を実施済みの工事は、その結果を既済部分検査の結果とみなすことが可能。現場での目視による確認に代わり遠隔臨場も活用できる。


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from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184066
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鉄建建設/グループ初のパーパス、「動き続ける街に、進化し続ける力を」

 鉄建建設はグループ初の企業パーパス(存在意義)を策定し、「動き続ける街に、進化し続ける力を」と掲げた。鉄道工事のトップランナーとして積み重ねた信頼と技術で安全・安心な暮らしを支え、街やインフラに求められる役割の変化とともに進化し続けていく思いを込めた。
 パーパスの策定に合わせ、社会に提供する企業価値のミッションを「社会課題解決企業として『街』を更新し続ける」と定めた。2044年に迎える創業100周年の目標も整理した。パーパスの世界観を表現するキービジュアルも作成。横の線で表現した「街を支える基盤」と縦の線で表現した「人が集う空間」を重ね合わせ、災害・環境対応や老朽化対策といった街の進化を支える同社グループの姿勢を示した。
 同社はパーパスを基軸に、近く公表する5カ年中期経営計画(24~28年度)のアップグレード版を推進する。


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日本橋一丁目東地区再開発(東京都中央区)/総事業費2146億円増額/組合

 東京都中央区の江戸橋付近で展開する「日本橋一丁目東地区第一種市街地再開発事業」の総事業費が5088億円となり、当初計画から2146億円増額する。人件費や資機材価格の高騰が影響した。建設業の働き方改革に伴い一部街区では工期を延長。ビル賃貸業を営む地権者への補償費がかさむ見通しだ。ビルの総延べ床面積は当初の38・4万平方メートルから37・4万平方メートルに見直す。
 再開発を手掛ける日本橋一丁目東地区市街地再開発組合が事業計画の変更案を策定した。東京・中央区が21日まで区役所で縦覧している。計画案に対する意見は6月4日まで東京都都市整備局で受け付けている。
 同組合には東急不動産と三井不動産、日鉄興和不動産が参加組合員として参画している。都が同組合の設立を認可した2024年4月時点で総事業費は2942億円だった。
 再開発の計画地は中央区日本橋1、日本橋本町1、日本橋小網町(施行地区面積3・6ヘクタール)。日本橋川に架かる江戸橋を挟んで南側がA、B街区、北側がC、D、E街区に分かれている。
 A街区に建てるビルは地下4階地上40階建て延べ26万8100平方メートルの規模となる。延べ床面積は当初27万4000平方メートルだった。B街区には地下3階地上50階建て延べ10万6300平方メートル(従来は地下3階地上51階建て延べ11万平方メートル)のビルを建設する。
 C~E街区には公共・公益施設を整備する。C街区は平屋135平方メートル(従来は平屋50平方メートル)、D街区2階建て延べ115平方メートル(2階建て延べ150平方メートル)、E街区2階建て延べ215平方メートル(2階建て延べ250平方メートル)の規模の建物となる。
 新たな建物の建築工事期間はA街区が29年4月~34年11月で、B街区は28年10月~35年3月。C~E街区は37年4月~38年6月を予定している。当初計画ではA街区が26~31年度で、五つの街区の中で最初に着工する方針だった。下水道管など既存のインフラが多く、移設に時間がかかることが判明した。再開発エリアでは6月に既存ビルの解体工事に入る。施工は前田建設が担当する。


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東急建設ら/遮音効果2倍の木造建築向け遮音材開発/簡易施工で工期・コスト削減

 東急建設ら3社が、従来工法に比べ遮音効果を2倍以上に高める木造建築向け遮音材を開発した。天井裏に敷き込むだけで効果を発揮し、工期とコストが削減できる。オフィスや学校、商業施設といった中規模木造建築物に使える。コンクリートスラブを使った建築物にも適用可能で、9月ごろの販売開始を予定している。
 木造建築向け天井敷き込み型遮音材「MUTECHIPS(ミュートチップス)」=写真(報道発表資料から)=は、建材メーカーの淡路技建(茨城県牛久市、川上雅文社長)、染野製作所(同、染野真一代表取締役)と共同開発した。淡路技建らが製造・販売を担う。将来的な外販も検討している。
 ミュートチップスは、遮音材として再生瓦を粒状にし、専用の袋に詰めている。天井裏の骨組みに敷き込んで使うため、特殊な技術を使わずに設置できる。床から天井材に伝わった振動を粒状の再生瓦が吸収し、床の衝撃音を低減する仕組み。従来工法の石こうボード2枚張りと比較し、2倍以上の遮音効果を確認した。
 床側へのアプローチが主流だった従来の遮音工法と違い、室内からは見えない天井裏に施工するため、床のデザインや機能の自由度が高められる。原材料に建設廃材の再生瓦を100%使用しており、廃棄物の有効活用に貢献する。
 東急建設は13~15日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「非住宅木造建築フェア2026」でミュートチップスを展示する予定だ。


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