◇設計・施工に技術提案の最適解
陸上自衛隊武山駐屯地(神奈川県横須賀市)にある男子校の高等工科学校。2028年度から男女共学になり、陸上だけでなく海上、航空の各自衛隊で活躍する人材の育成拠点になる。共学移行と陸海空の共同化に向けて、駐屯地では政府の防衛力整備計画に基づいた総延べ約11万平方メートルの大規模な施設整備が進行中。ECI方式を適用し、施工者の五洋建設JVと「技術提案の最適解を反映した工事」(加藤琢朗防衛省南関東防衛局調達部長)に取り組んでいる。
(編集部・溝口和幸)
「武山(6補)教育施設等整備工事」は建設地を1~3地区に分け、ともにプレキャスト(PCa)工法で新築する学生隊舎3棟(各RC造8階建て延べ約9700平方メートル)、隊庁舎3棟(RC造5~9階建て延べ約8400~2万7000平方メートル)や、教場(RC造4階建て延べ約8900平方メートル)、仮設隊舎(S造3階建て延べ約6800平方メートル)の建設、受変電施設、非常用発電設備、受水槽、水インフラなどの工事が進む。改修する建屋もある。
一帯のインフラを再構築する必要もあって、加藤部長は「まちを一つ造り替えるような事業」と話す。設計は綜企画設計・オリエンタルコンサルタンツ・復建技術コンサルタント・コーセツコンサルタントJVが担当。技術協力業務を担う五洋建設・京急建設・土志田建設・川本工業・向洋電機土木JVが設計に関与し、施工している。
武山駐屯地は陸自東部方面混成団が活動する。海自横須賀教育隊の地区、空自武山分屯基地もある全国でも珍しい自衛隊拠点の一つ。工事は、学校教育や部隊活動を妨げずに、定められた期間に集中して実施しなければならない。自衛隊活動に支障がない施工や仮設などの計画が求められ、仕様の確定が難しい施設やインフラがあった。そこで防衛省は施工者の知見、ノウハウを前倒して反映するため、ECI方式(技術協力・施工タイプ)の採用を決めた。
自衛隊施設の工事は、地元企業の受注にも配慮した分離・分割発注が基本だが、複数の工事を同時進行させる場合は、工事ごとに部隊との調整や安全管理が必要になる。加藤部長は「発注者も部隊も五洋建設JVを見ればいい。統制がうまくいっている」とECI方式の効果を捉えている。
工事は、列を乱さずに走る学生や、訓練中の各部隊のそばで進む。工事関係者と車両の出入りは、技術提案を踏まえ、敷地東側のゲートに限定した。顔認証システムを導入して入退場の手続きを効率化し、未退出者のチェックなどに万全を期している。五洋建設JVの岩崎利彦所長が心掛けるのは「慎重かつ安全な作業」。同社は「たくさんの技術提案」(岩崎所長)とマリコンの施工力をフル活用している。
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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=185050
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