2026年3月6日金曜日

回転窓/新しい名称のいらない夏に

 2月下旬から気温が大きく上下し、季節が行き来するような天候が続いている。寒暖差が激しく、体調を崩している方も多いのではないか▼気象庁が2月末に発表した春(3~5月)と夏(6~8月)の予報によると、平均気温はほぼ全国的に平年より高く、夏の猛暑に早めの備えが必要という。日本付近は上空の偏西風が北寄りを流れ、暖かい空気に覆われやすく、太平洋高気圧が本州付近にやや強く張り出す見込みだ▼昨年は8月5日、群馬県伊勢崎市で国内統計史上最高の41・8度を観測し、夏の全国平均気温も史上最高を記録した。気候変動の影響で35度以上の猛暑日が増え、40度超や40度に迫る地域が相次いだ▼気象庁は最高気温が40度以上になった日の名称を定めるため、「超猛暑日」「炎暑日」「酷暑日」など13の候補を挙げた。同庁のホームページで29日までアンケートを実施し、結果と有識者の意見を踏まえて5月末までに決定する▼40度以上は熱中症のリスクが極めて高く、意識障害やけいれんなど命に関わる危険な暑さだ。新しい名称など必要のない夏に戻れないのなら、生活や仕事の在り方を変えていくしかない。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=182175
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日建連ICT部会/IoT活用状況調査/施工管理や進捗管理最多

 日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)ICT推進部会の調査で、施工進捗や安全管理でIoTを使用しているゼネコンが多いことが分かった。現場内の環境や人、機材、車両などの位置をモニタリングしている事例も多く、モニタリングして得た情報を分析・判断し活用している。機器制御を自動化している例もあった。
 調査は、2025年12月~26年1月。対象企業は▽安藤ハザマ▽大林組▽奥村組▽鹿島▽熊谷組▽鴻池組▽五洋建設▽清水建設▽大成建設▽竹中工務店▽東急建設▽戸田建設▽西松建設▽フジタ▽前田建設▽三井住友建設-の16社。IoTツールの導入状況と実装上の課題、効果を聞いた。
 IoTの活用目的として「施工管理・進捗管理」が15社で最多。次いで「安全管理」14社、「測量・検査」12社、「資材・工具の管理」10社、品質管理9社、環境管理8社となった。
 具体的な導入事例では、ネットワークカメラやサイネージに活用しており、16社全てで導入している。作業所の規模や工事条件に左右されにくい技術が標準化され、施工管理と進捗管理、安全管理に役立っている。特にネットワークカメラなどを活用した進捗管理で現場への移動時間が削減され、「現場の安全性向上」(14社)に効果を実感している企業が多く、「作業効率向上・省人化」(13社)につながっている。作業所職員が特別な教育を受けなくても使用できる点も導入の要因に上がる。
 他の導入事例では「山留め傾斜計」13社、「騒音・振動計」13社、「車両運行管理」11社、「バイタル」10社、「物の位置情報」10社、「気象計」8社、「コンクリート温度管理」8社などがあった。
 導入課題には、「運用・保守の負担」が14社、「初期導入コスト」が13社となり、上位を占めた。管理業務負担やコストが導入や全社展開の課題になっている。9社が「社内人材のスキル不足」として専門知識を持つ人材不足も課題に上がった。導入で安全性や作業効率が向上する一方、初期導入コスト、運用・保守の負担が大きく直接的なコスト削減にはつながっていないことも分かった。日建連は、IoT導入には「導入コストが安価、運用の手間がかからないことを重視したシステムが望まれる」と分析する。




from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=182182
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鴻池組/業界初の包括的酷暑対策ロードマップ策定/夏季連続休暇や週休3日制導入が柱

 鴻池組は、建設業で深刻化する熱中症問題に対応するため、「包括的酷暑対策ロードマップ」を策定した。社内で展開する「建設現場を一番幸せな職場にする」活動の一環。酷暑期を前提に働き方や現場環境を抜本的に見直す中長期的な施策を盛り込み、安全確保と処遇改善の両立を目指す。夏季の連続休暇や週休3日制の導入などが柱。ロードマップの策定は業界初という。
 自社施工現場をモデルケースに業界全体への波及を促す。発注者との協議を通じて工期や契約条件への反映も視野に入れる。ロードマップは、国土交通省や厚生労働省との意見交換なども踏まえ策定した。1年単位の変形労働時間制を活用した夏季連続休暇や週休3日制の導入、サマータイムの設定などを予定。酷暑期の作業負荷を軽減するため、年間を通じた労働時間の配分を見直す制度改革に踏み込む。
 現場対策では水分補給や休憩を徹底するウオータータイムを設け、暑さ指数(WBGT)が一定値(33度超で検討)を超えた場合、作業を中止する方針を明確化。休憩スペースの充実や冷却機器の導入など現場環境の整備も進める。
 2026年度にモデル現場で変形労働時間制を中心に試験導入し、27年度以降は対象現場や施策を拡大する方針だ。今後はロードマップに基づき、協力会社や関係機関との連携を強化する。現場では科学的データの蓄積や効果検証を進めるとともに、DXやICTを活用した熱中症対策の高度化を目指す。
 背景には建設業で熱中症による死傷災害が高水準で推移している実態がある。気候変動に伴う猛暑日の増加で作業効率が大幅に低下するなど、生産性への影響も懸念されている。同社は労働環境の改善を通じて人材確保や定着率の向上にもつなげていく考えだ。




from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=182176
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浜松市/中央卸売市場再整備事業/3月下旬にもWTO入札公告

 浜松市は、DBM(設計・施工・維持管理)方式を採用する「浜松市中央卸売市場再整備事業」について、早ければ3月下旬に総合評価一般競争入札(WTO対象)を公告する予定だ。当初スケジュールでは参加表明書は5月まで、提案書類は9月まで受け付ける。12月に事業者を決定、公表する予定。
 基本計画によると、再整備後の施設の総延べ床面積は現状の2割減とし約5万5000~5万7000平方メートルを見込んでいる。内訳は青果物施設が延べ2万7000~2万8000平方メートル、水産物施設は約1万9000平方メートル、管理事務所・エネルギー関連などその他施設が約9400平方メートル。所在地は中央区新貝町239の1、敷地面積は約16万5000平方メートル。
 PFIに準じた手法を採用することで、民間事業者のノウハウや創意工夫を活用し効率的に施設を整備する。整備期間は2027年3月に予定する本事業契約締結から9年間。青果、水産の各部門とも2期に分けて整備するが、工区や整備手順、解体手順など整備期間を短縮する提案は認める。
 概算事業費は、新設に関する調査・設計費が約10億円、工事費は約223億~233億円、解体費(調査設計、工事、工事監理)は約37億円と試算している。アドバイザリー業務は地域計画建築研究所・地域経済研究所JVが担当。
 施設の集約などに伴い生み出される北側の余剰地活用については別途、検討する。




from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=182181
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竹中工務店/DCに特化した設計支援ツール開発/基本情報入力だけで作業大幅短縮

 竹中工務店がデータセンター(DC)に特化した設計支援ツールを開発した。これまで蓄積してきた豊富な知見をデータベース(DB)として活用。DC建設で最も大事になるIT容量(受電容量)を効果的に確保するため、立地条件や必要設備などの基本情報を入力するだけで、事業化検討に必要な設計プランが作成できる。従来は数カ月程度かかっていた作業期間を約2~3週間に短縮し、迅速な提案が可能になる。
 同社によると、DC特化型設計支援ツールの開発は建設業界で初。プロジェクト初期段階の基本計画立案も補助する。約2年前から開発に着手し、昨年12月から社内で展開している。
 主な機能は▽設備の仕様・容量作成▽施設規模(ボリューム)検討・作成▽3D画像作成-の三つ。DC設計の標準手法・事例と最新の技術動向などを体系化し、基本情報の入力だけで施設規模や内部の設備配置図を効率良くまとめる。
 設備の仕様・容量作成では、DCに不可欠な受変電設備や発電機、無停電電源、熱源、空調機器などの仕様や容量を自動作成する。ボリューム検討では、データホール(サーバールーム)と関連諸室に必要なスペースが自動で作成できる。3D画像作成では、建物全体の規模や内部構造・設備配置などの可視化が可能だ。
 同社は成長するDC市場を取り込むため、営業本部を中心とする対応チームを設置。関係部門と連携し、IT容量を効果的に確保する観点から施設規模(延べ床面積・高さ制限・階数など)や設備要件(電源密度・空調冷却能力・必要機器台数・冗長構成など)を勘案しながら対応していた。設計支援ツールの開発で作業期間を大幅短縮。国内の大都市圏や海外での展開を見据える。
 今後は、国内外で拡大が見込まれるAI処理に特化したDCの普及動向にも目を向ける。従来施設に比べ高度な冷却システムなどが必要になるため、設計支援ツールの改良も視野に入れる。




from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=182184
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2026年3月5日木曜日

大阪府/おおさか気候変動対策賞特別賞/5件を選定、3月27日に表彰式

 大阪府はヒートアイランド現象の緩和や省エネルギー性能に優れた建築物を表彰する「おおさか気候変動対策賞特別賞」(“涼”デザイン建築賞)の2025年度受賞建築物を決定した。ZEBスタイル2件を含む計5件を選定。府内での環境配慮型建築のさらなる普及と質の向上を促す。表彰式は27日に大阪府咲洲庁舎咲洲ホールで開催する。
 同賞は19年度に創設。「大阪府気候変動対策の推進に関する条例」や「大阪市建築物の環境配慮に関する条例」に基づき届け出された延べ床面積2000m2以上の建築物のうち、建築環境総合性能評価システム(CASBEE)のヒートアイランド現象の緩和対策で一定の評価基準を満たした物件から選考する。今回は24年度中に完成した建築物が対象で、府が書類審査や必要に応じた現地確認を経て決定した。
 屋上・壁面緑化や高反射材料の活用に加え、断熱性能や1次エネルギー消費量削減など省エネ性能も重視。都市部での温熱環境の改善と脱炭素化を両立した建築物が評価された。
 受賞建築物は次の通り。△建築物名(所在地)=〈1〉建築主〈2〉設計者。
 【ZEBスタイル】
 △大阪公立大学森宮学舎(大阪市城東区)=〈1〉大阪公立大学〈2〉安井建築設計事務所、竹中工務店
 △グラングリーン大阪南館(大阪市北区大深町)=〈1〉三菱地所、大阪ガス都市開発、オリックス不動産、関電不動産開発、積水ハウス、竹中工務店、阪急電鉄、うめきた開発特定目的会社〈2〉三菱地所設計、日建設計、大林組、竹中工務店
 【一般部門】
 △グラングリーン大阪北館(大阪市北区大深町)=〈1〉三菱地所、大阪ガス都市開発、オリックス不動産、関電不動産開発、積水ハウス、竹中工務店、阪急電鉄、うめきた開発特定目的会社〈2〉日建設計、竹中工務店
 △シャルマンフジ パーク&リンクス(堺市堺区向陵東町3)=〈1〉フジ住宅〈2〉長谷工コーポレーション
 △吹田市総合防災センター(吹田市佐竹台1)=〈1〉吹田市〈2〉あい設計。




from 行事 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=182145
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回転窓/報連相や生産性よりも大事な話

 この時期になると地元ではさまざまな「花まつり」が開かれる。白いスイセンの咲く池の次は、ピンクの河津桜と黄の菜の花が映える広場が舞台。もう少しすればソメイヨシノの公園が会場になる▼幼なじみが「今、子どもと花まつりに行ってきた」と話していた。どの花とどこの会場かが分かり、他愛のない話が続くのは、お互いが背景を知っていてほどよい付き合いができているからだろう▼会社のような組織を回すのに欠かせない報告・連絡・相談。報連相と呼ばれるこれが難しいのは、内容も範囲も伝え方も問われるからだろう。立場が異なるなら、どれか一つ誤っても人間関係に影響してしまうことがある▼「報連相を密に」。どの立場の人でも密であってほしいだろうし、密であるほど組織の強さや力になる。だからこそ密にするための工夫と気遣いが必要になるのだと思う▼お互いの立場や背景を知り、信頼を築いていくには、報連相と同じくらい、他愛のない会話も大切なように感じる。冬から春に変わる三寒四温の日々が続く。生産性のない話と分かっていても、すてきな花の咲くお勧めを周囲に聞いてみよう。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=182142
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国交省/自動施工普及へ事例周知/近く指針策定、市販建機活用や一部工程導入

 国土交通省は、直轄土木工事で取り組む建設機械による自動施工の普及に向け、実現場での活用事例などをまとめたガイドラインを年度内にも作成する。市場にある汎用(はんよう)的な自動化建機を活用した簡易に導入方法を周知。地域を基盤とする中小規模の建設会社を対象に活用を促す。自動施工の導入現場は大規模なダム工事だけでなく、河川や道路の工事やCランク企業が受注する工事にも広がっている。活用事例のバリエーションも増えている。
 直轄工事での自動施工の実績は、2024年度に4件(ダム工事3件、砂防工事1件)だったのが25年度に11件(ダム工事1件、河川工事6件、道路工事3件、海岸工事1件、2月時点の実施予定を含む)に拡大している。今までは大手ゼネコンが手掛けることがほとんどだったが、25年度は半分以上の7件がCランク企業の受注工事となる。公共工事で幅広く自動施工を実施可能にする環境整備の一環で、当面はガイドラインのような形で基準類の整備に取り組む意向だ。
 国交省は、複数工程が連携した全自動施工だけでなく、ダンプによる運搬や、バックホウによる積み込みといった要素技術に絞って自動施工を実装する手法も後押ししている。独自の自動化システムを開発しなくても、一般的なシステムを用いることを前提にして導入のハードルを下げる。汎用的な自動化建機を「自動施工モジュール」と位置付け、既存の施工計画に組み込むことで実装を促す。
 現場の土砂運搬を行うクローラーダンプなどは単純作業のため自動化に比較的適している。中小建設会社が手掛けた事例ではダンプ運搬だけを自動化し、複雑な動作があるバックホウの積み込みを遠隔操作することで両方の作業を連動させた。土砂積み込み作業を基本的に自動化しつつ、一部の難しい作業だけを遠隔施工に切り替えて行った事例もある。市販の自動化システムの開発が進展し、現場に合わせてカスタマイズして導入することも容易になってきており、中小建設会社の導入機運を高める。




from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=182141
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東京都/多摩都市モノレール延伸で新駅デザインコンペ実施/5月22日まで参加受付

 東京都は、多摩都市モノレール延伸事業で設ける新駅のデザインを一般公募する。参加エントリーを5月22日までインターネットの専用フォーム、提案書を同29日まで郵送で受け付ける。1次(書類)審査の結果は7月ごろ通知、10月に2次(プレゼンテーション)審査を実施する。最終選考結果は12月に都都市整備局ホームページで公表する。審査委員会は永山祐子建築設計の永山祐子主宰(委員長)、岩瀬諒子京都大学助教(副委員長)らで構成する。
 対象は、延伸事業で新設する7駅のうち武蔵村山市に設ける(仮称)NO.3駅と瑞穂町の(仮称)NO.6駅の2カ所。駅側壁やコンコース、連絡通路外装、軒天部、ホーム屋根外周立ち上がり部・連絡通路屋根部などがデザイン可能範囲になる。
 デザインコンセプトはNO.3駅が「さまざまな施設が集まる沿線の核としての風格を備え、にぎわいや楽しさを感じる」、NO.6駅は「狭山丘陵の風景と調和しながら、未来を感じさせる」。応募作品を審美性、独創性、景観・環境、実現性、メンテナンス性などの観点から審査。各駅1者を選定する。賞金は50万円。




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鹿島/山岳トンネルの切羽性状評価システム開発/独自ソフトで定量分析

 鹿島は、山岳トンネル工事で切羽の性状を定量的なデータに基づき評価するシステムを開発した。スマートフォンで撮った写真や掘削ブレーカーに取り付けた加速度センサー、コンクリート吹き付け機に設置したLiDAR(ライダー)などから必要なデータを素早く取得。独自の分析ソフトで岩盤の風化具合などを算出する。評価結果は帳票として自動出力できる。国内の現場で検証し、技術者や技能者と同等レベルの正確な結果が得られると確認した。
 「切羽評価システム」は計測機器で収集したデータを基に▽風化変質▽割れ目性状▽走向・傾斜▽圧縮強度▽湧水量-の5項目で分析し、状態を評価する。走向・傾斜の評価はAIを活用し、LiDARで取得した大量で複雑な点群データを効率的に処理する。他の4項目は直接あるいは物理的な計測データを使って客観的に判定。多種多様な地質に対応できる。
 山岳トンネル工事では1日1回の頻度で切羽を観察し、性状を確かめる。これまでは技術者や技能者が切羽に近寄り目視などで確認していた。作業に時間がかかり、切羽の剥落など事故のリスクもあった。評価システムで切羽付近に立ち入らず、確認作業の時間も短縮できる。
 今後はデータの取得から分析・評価、帳票作成まで各工程の完全自動化を目指す。自社開発した別の施工システムとの連携も視野に入れ、トンネル工事の安全確保や生産性向上につなげる。




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