2026年3月11日水曜日

矢作建設工業/独大学生の学外研修受け入れ/シーカ・ジャパンに協力、社会貢献の一環

 矢作建設工業は9日、社会貢献活動の一環としてドイツのベビラッハ応用科学大学の学生の学外研修を受け入れた。学生29人と教授2人が愛知県長久手市にある同社のエンジニアリングセンターを訪れ、実験施設や建設用3Dプリンターのデモンストレーションなどを見学した。
 同社と取引がある、建設資材などを扱うシーカ・ジャパンが推進する「教育のサポート事業」に賛同し協力した。田口孝副センター長は「最先端の技術開発や大学との共同研究も行っている。1月からは建設用3Dプリンターで省人化などの検証も行っている」と説明し、研修を通じ知見を深めてほしいとした。
 シーカ・ジャパンの担当者が同社の概要や日本の土木業界の動向などを説明した後、施設を見学した。エンジニアリングセンターは研究棟と実験棟で構成する。断熱機能の強化や太陽光発電の導入、執務環境改善などの施設改修が2025年8月に完了し、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)の五つ星を超えるZEB認証と、建築環境総合性能評価システム(CASBEE)のウエルネスオフィス認証でSランクを取得した。
 実験棟では、反力壁や反力壁、試験体に力を加えるアクチュエーターなど地震を再現した大規模で実物大に近い検証実験が可能な設備を見学。ポリウス社製の建設用3Dプリンターで、花壇用のプランターを製作するデモンストレーションも見学した。




from 行事 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=182320
via 日刊建設工業新聞

回転窓/梅の季節に思うこと

 埼玉県越生町は、首都圏でも有数の梅の産地。偕楽園(水戸市)、曽我梅林(神奈川県小田原市)とともに関東三大梅林に数えられる越生梅林には1000本以上の梅が植わっている▼小欄も2月末に梅林へ足を運んだ。目に鮮やかな白と赤の花は気温差も影響してかほぼ満開。園内は多くの花見客でにぎわっていた▼桜と同様、梅は日本人にとって身近な存在だろう。学問の神様として太宰府天満宮(福岡県太宰府市)にまつられている菅原道真も梅をこよなく愛した。身に覚えのない罪で京都から太宰府に左遷された道真は、庭に咲く梅への愛着と都を去る寂しさから、〈東風(こち)吹かば、匂ひおこせよ梅の花、あるじなしとて、春な忘れそ〉と詠んだとされる。切ない心情を見事に言い表している▼寒さにも強い梅。目を凝らすと幹が曲がりくねっていたり、裂けていたりしている。それでも花を咲かせている梅の生命力に驚かされる▼人生は思い通りにならないことが多く、時に残酷な結果をもたらす。だが明けない夜はなく、乗り越えた先に希望という名の光が射すはずだ。けなげに咲く梅のように、たくましくありたい。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=182314
via 日刊建設工業新聞

東日本大震災から15年/建設各社がBCP対策強化/広域支援体制構築に最重点

 大手ゼネコン各社がBCP(事業継続計画)の対策を強化している。東日本大震災以降、大きな被害が発生した自然災害での教訓を踏まえ、通信手段の確保や広域での復旧支援体制を整備してきた。前例のない被害規模の拡大が懸念される南海トラフ地震や首都直下地震を想定し、「国土の守り手」として事業継続と迅速な災害復旧支援を可能にする持続可能な経営体制を構築していく。
 東日本大震災では、被災地で事業所や施工現場を持つ多くの建設会社が被災した。広域にわたり停電や電話回線の不通・混乱が発生。社員や家族の安否確認や復旧支援の初動対応に手間取るなどの事態が起こった。支店単体での支援体制構築が困難だったこともあり、各社は広域被害を想定した体制整備に最優先で力を注いでいる。
 鹿島は、通信インフラの代替手段や非常用電源を確保し、防災用品と燃料の備蓄も進めている。本社と支店の広域連携を含む訓練も定期的に実施する。大林組は、災害対応に当たる部門長の携帯電話を災害時優先電話に切り替え、拠点間通信の複線化に向けて低軌道衛星ブロードバンドサービス「スターリンク」も導入した。
 清水建設は、震災後に緊急対策の在り方を詳細に見直し、さまざまな地震や風水害などの危機管理を想定した対策要綱を定めた。地域と連携した共助体制も強化している。大成建設はスターリンクや公共安全モバイルシステムを導入。バスなどの緊急車両や宿泊施設を確保するための災害協定も拡充してきた。
 国が2025年に見直した被害想定も踏まえ、建設各社は南海トラフ、首都直下の対策強化を急ぐ。BCP対策に関連する技術やシステムの開発、設備投資も進めている。鹿島は、リアルタイム災害情報共有システム「BCP-ComPAS」を被災地への輸送方法の検討やルート決定などに活用する。大林組はこれまでに開発してきた土砂災害や震災対策関連の多くの技術にBCM(事業継続マネジメント)の要素を取り入れた。
 清水建設は、地震発生直後に応急危険度判定士ら専門家の出動が難しいケースを想定し、顧客自身が安全確認できる点検ツールを提供している。今後はデジタル化し、システムを介した安全確認のサポートを目指す。大成建設は、自社施工物件に建物健全性評価システム「測震ナビ」を導入。スターリンクを搭載したキャンピングカー型の災害復旧支援車を派遣する準備も進めている。
 各社は巨大地震に加え、さまざまな風水害や火山噴火なども想定した訓練にも力を入れている。竹中工務店は、グループの従業員が参加する巨大地震のシミュレーション訓練を展開中。衛星通信やIP電話アプリも導入している。今後は協力会社などの外部人材、作業員も含めた安否確認の範囲拡大や、さらなる迅速化などを課題に挙げる。
 ある社の担当者は「実際の業務で携わっている人とそうでない社員では、BCPに対する意識に大きな開きがある」と話す。別の社の担当者は「協力会社なども含めた全役職員が『自分事』としてBCPに向き合えるようになってこそ、持続可能な経営体制が構築できる」と展望する。




from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=182310
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金子恭之国交相/東日本大震災15年、教訓を風化させない/閣議後会見で所見

 11日で東日本大震災から15年。金子恭之国土交通相ら閣僚が10日の閣議後会見で所見を述べた。金子国交相は「『福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なし』との強い決意の下、被災地のにぎわいと笑顔を一日も早く取り戻すため、復旧・復興に取り組んできた」と振り返った。公共施設の復旧や復興まちづくりが進展しながらも、福島県は原子力災害の影響が残っているとして、「避難者の帰還、生活環境の整備、産業・生業の再生などの取り組みを一層進める必要がある」と話した。=各面に震災関連記事
 金子国交相は「震災の大きな犠牲の上に得られた教訓を決して風化させてはならない」とも指摘。若い世代に被災当時の状況や災害伝承の取り組みを伝える動画を11日から公開すると明らかにした。国交省の公式ユーチューブチャンネル、公式Xで公開し、国民へのメッセージも発信するという。
 石原宏高環境相は、除染から出た除去土壌などの県外最終処分、復興再生利用を課題に挙げた。処分、利用を巡っては「閣僚会議、幹事会で関係省庁に対して取り組みへの協力を依頼しているが、具体的に話せる案件は今のところない」と状況を説明した。政府が2025年8月に決定したロードマップに基づき、処分、利用に向けた取り組みを進める考えを表明。「県と国民の理解醸成などを着実に進めていくことが重要」と話した。
 赤間二郎防災担当相は「被災者に寄り添いながら、被災地、特に福島の復興に向けて政府一丸となって全力で取り組む」と話した。その上で防災庁設置法案の閣議決定を踏まえ、「牧野京夫防災庁設置準備担当相と連携し、年内の設置に向けた準備を進める」と述べた。




from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=182315
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広島県呉市/幸町地区整備基本計画案/美術館・ホールなどの複合施設建設

 広島県呉市は、青山クラブや入船山記念館など旧海軍ゆかりの施設が立地する幸町地区の整備基本計画案をまとめた。青山クラブはすべて解体し、外観デザインを継承した複合施設を建てるほか、美術館本館や入船山記念館は現在の配置のままで一部機能の移転などを検討する。地区内の移動をスムーズにする空中回廊も整備する。整備・運営手法はPPP/PFI手法など民間活力の導入を検討する。
 幸町地区は呉駅や大和ミュージアム(呉海事歴史科学館)、商店街に近く、市は回遊性を向上させ、多くの観光客が訪れるにぎわいの創出や市民が普段から利用できるまちづくりを目指している。有識者会議からの提言を踏まえ、同地区の総合整備基本計画案を作成した。
 複合施設は2階建てを想定し、美術館やホール、音楽活動練習室、情報発信コーナー、物販・飲食スペースなどを備える。延べ面積は約5900平方メートル。うち美術館が約4900平方メートルを占め、展示・収蔵エリアなどを設ける。ホールは講演会やコンサートが開ける小規模な広さにする。
 桜松館を解体したエリアはオープンスペースとして活用し、既存の美術館本館や同別館、入船山記念館は現在の配置のままで機能の移転を検討する。美術館本館は耐震改修を行い、歴史展示エリアや収蔵庫、多目的スペースなどを整備する計画だ。
 全体の事業費は約85億円を見込み、複合施設関連は約64億円、美術館本館の改修は約7億円と試算している。
 整備スケジュールによると、青山クラブと桜松館は26年度に保存・活用する部材の調査や解体設計を進め、27年度に取り壊す。複合施設は26年度に新美術館の基本計画をまとめた後、29年度の着工を予定。オープンスペースや中庭、空中回廊などは複合施設と同じ31年度の供用を目指す。26年度当初予算案には関連事業費として8100万円を計上している。




from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=182323
via 日刊建設工業新聞

安藤ハザマ/山岳トンネル内で次世代通信基盤を実証実験/大容量データ円滑伝送

 安藤ハザマは、岐阜県内で施工している高速道路の4車線化工事で、トンネル坑内の大容量データ伝送実験を実施している。NTTの次世代情報通信基盤「IOWN(アイオン)」を活用。坑内で映像や点群データといった大容量データを円滑に伝送できるかを検証する。定量データと運用の知見を蓄え、技術要件や評価基準、導入ガイドラインの整備につなげる。
 実証実験は東海北陸自動車道椿原トンネル(岐阜県白川村)の4車線化工事(中日本高速道路会社発注)で行っている。期間は2~17日。工事で複数箇所の同時遠隔監視や点群データの即時分析、高精細の映像による遠隔臨場といった使い方を見据え、情報基盤と通信環境の確立を目指す。
 閉鎖空間に粉じんや湿気、振動が発生する過酷な現場で、通信の実効性と運用上の課題を明確にする。光信号で大容量の高速通信を実現する次世代型通信網「IOWN APN」に接続する坑内専用ネットワークを構築した。8K解像度の360度カメラやレーザースキャナー、ダミーデータ発生装置を用い、実運用を想定した高負荷をかけて性能を評価する。
 山岳トンネルの延長1500メートル区間とトンネルから1000キロ離れた拠点間との遅延再現なども検証している。通信の帯域や遅延、信号のずれや揺らぎ、パケットロス、エラー率など技術要件を定量的に計測する。
 実験は安藤ハザマが統括し、NTT、富士通の全額出資子会社「1FINITY」(川崎市中原区、森林正彰社長)が協力している。安藤ハザマは実証した技術やノウハウを、他の工事に水平展開したい考えだ。




from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=182316
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2026年3月10日火曜日

近畿整備局/京奈和道大和御所道路橿原高田IC(大阪方面接続ランプ)が3月8日開通

 ◇交通渋滞の緩和期待
 近畿地方整備局が奈良県橿原市で進めている京奈和自動車道大和御所道路の整備事業で、橿原高田IC(大阪方面接続ランプ)が8日午前6時に開通した。東西に走る大和高田バイパス(BP)と高架で接続し、広域道路ネットワークの機能強化が期待される。開通を前に7日午後、同市の奈良県立医科大学畝傍山キャンパス内で記念式典が行われた。

回転窓/感情の先にある言葉

 理解の仕方と、思いの伝え方。似ているようで、実はまったく別の力だ。取材現場に立つと、それを痛いほど思い知る。事実は一つでも、受け止め方は無数にある

東日本大震災15年/日本建築学会・小野田泰明会長に聞く/安全な環境が次への希望に

 建築計画学の専門家として、東日本大震災や能登半島地震などの被災地で復興事業に携わってきた。物理的復興を最優先した東北での経験は、その後の復興の在り方に大きく影響。復興事業の最前線で被災地を見つめ続ける中、「能登ではなりわいの復興に力を入れている」という。
 --東日本大震災から15年がたつ。

東日本大震災15年インタビュー/アースデザインコンサルタンツ・菊池透社長

 東日本大震災からの復旧・復興を語る上で、地域建設業が果たしてきた役割は欠かせない。震災から15年が経過し、記憶の風化が危惧される中、教訓を次世代に継承する重要性は増している。地域再生の最前線を担った建設会社・コンサルタントに大規模災害への備えを聞いた。

 ◇東北の復興をモデルケースに