2026年6月22日月曜日

回転窓/地域と共に歩むトンネル

 19世紀末に英国人宣教師で登山家のウォルター・ウェストンが著した『日本アルプスの登山と探検』は、日本の雄大な山々の魅力や風習を世界に紹介した。1896年にロンドンで出版されてから、今年で130年を迎える▼長野県松本市の上高地には、ウェストンのレリーフが設置されている。今年も6月第1日曜、現地で「ウェストン祭」が開かれた▼上高地の山岳リゾート地としての歩みは、玄関口の道路トンネルなくしては語れない。菊地俊朗氏の著書『釜トンネル 上高地の昭和・平成史』(信濃毎日新聞社)を読むと、トンネルが地域社会といかに密接な関係にあるかが分かる▼国土の多くが山地の日本で、トンネル施工の人材確保は重要だ。だが日本建設業連合会(日建連)の調査資料では、トンネル切羽作業員が高齢化によって、2034年には大幅に減少すると予測されている。新技術の導入や標準化、施工の自動化などが急がれる▼かつて秋の上高地を訪れた時、地元の方に「今度は新緑の6月ごろにもぜひ」と勧められた。当時はまだなかった現在の釜トンネルなどを抜けて、初夏の色に彩られた風景に出会いたい。


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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=185389
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日本国土開発/社長に長谷川幸生常務執行役員が昇格/8月27日就任予定

 日本国土開発は19日に開いた取締役会で、長谷川幸生常務執行役員が社長に昇格する人事を内定した。8月27日開催予定の定時株主総会後の取締役会で正式決定する。進行中の中期経営計画で設定した目標の達成が見え、業績も回復基調にあることから、経営を後進に引き継ぐ。林伊佐雄社長は取締役を退任し特別顧問に就く予定だ。
 長谷川 幸生氏(はせがわ・ゆきお)1990年愛知工業大学工学部建築工学科卒、日本国土開発入社。2023年執行役員建築事業本部長、25年常務執行役員。愛知県出身、58歳。


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from 人事・動静 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=185387
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東京・港区/全区道で道路下空洞調査へ/陥没事故受け対象路線拡大

 東京・港区は道路下空洞調査の対象範囲を広げる。5年に1回の頻度で行う調査で、従来は2車線以上の区道を対象にしていた。今後は2車線未満も含め、全区道(延べ約220キロ)で空洞の有無を調べる。2025年に区内で起きた陥没事故の教訓を生かす。区民がいつも安全に道路を通行できる環境を整える。
 港区は「道路施設維持管理計画」に基づき、区道や橋梁、トンネルなど道路施設の点検、補修・更新に取り組んでいる。舗装に関しては、路面の状態調査と道路下空洞調査を5年に1回行っている。
 路面の状態調査は2車線以上の区道のうち代表1車線をピックアップ。路面性状測定車で調べている。空洞調査は2車線以上の区道を対象に空洞探査車を使って調査している。ただし、震度5以上の地震が発生した時には、全区道を対象に空洞探査車だけでなくハンディ型地中レーダーなどを使い、迅速に調べる。今後は地震の有無にかかわらず全区道を確認する。
 調査対象拡大の契機になった陥没事故は25年5月21日に発生した。穴は幅、深さとも1・2メートルの規模。清掃作業車の後部車輪が穴にはまり動けなくなった。けがをした人はいなかった。区は24年度に定期点検を行っていた。だが、陥没した道路は道幅が狭く点検の対象外だった。
 事故を受け、区は25年度と26年度に2車線未満の区道の道路下空洞調査を実施。25年度は延長78・7キロを調べ、陥没する危険性が高い場所が7カ所あった。補修は完了している。数センチ程度の小規模な空洞も見つかった。直ちに陥没することはないことから、状況を見極めながら計画的に補修する。26年度は延長75・6キロの道路を調べている。


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from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=185391
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JR貨物/広島車両所を大規模改修/車両棟、事務所棟など新設

 JR貨物は18日、広島車両所(広島市東区)の大規模改修工事を実施すると発表した。建て替えを含めた全面的な改修を行い、労働環境の改善や作業効率の向上を図り、安全・安定輸送を支える車両メンテナンス体制を強化する。
 広島車両所は1943年3月に操業を開始し、機関車・貨車の大規模な定期検査を担っている。敷地は約8万平方メートル。操業から80年以上が経過し、施設や設備の老朽化に加え、レイアウトは操業当時と変わっておらず、現状のメンテナンス工程に合わせた効率化が課題になっている。
 改修工事ではメンテナンス作業を続けながら解体や新築、移設を段階的に実施する。メイン工場となる第1主棟をはじめ、第3、第4主棟などを解体し、車両棟や総合事務所棟などを新築する。26年から工事を始め、完成は35年を予定する。


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from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=185393
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清水建設/耐火材自動吹付ロボットを実用化/生産性1・5倍に向上

 清水建設は、耐火被覆材の自動吹き付けロボットを実用化した。タッチパネルで範囲を選択すると、ロボットが梁などに被覆材を満遍なく吹き付ける。約900平方メートルの吹き付け作業で、必要な人員を従来の3人から2人に削減できる。月内に機能を吹き付け作業に限定した改良機を完成させ、都内の大規模現場に試験導入する。
 2025年に開発した「Robo-Spray(ロボ・スプレー)II」を、神奈川県内で施工する公共施設の現場に導入した。実証で過去最大の面積となる約900平方メートルを施工。ロボットはアームやアームの高さを調整するリフター、現場を自律移動する台車で構成する。オペレーターがタッチパネルで吹き付け範囲を選択すると、ロボットが施工位置を自動で合わせ、6軸のアームを駆使して被覆材を吹き付ける。
 今後はロボットの施工効率を最大化する運用体制を構築する。移動や盛り替えの回数が少なく済む大梁などの施工面積が大きい箇所はロボットが作業する。技術的な難度が高い小梁などは従来通り人が施工。ロボットと人で作業対象を分け施工の効率を最適化する。
 吹き付け作業の全自動化に向け、ロボットの改良にも取り組む。自律移動の機能をなくして電動移動に限定し、作業機能も吹き付けに絞る。機能を簡易化して開発コストを削減した改良機を月内にも完成させ、現場に投入する。
 耐火被覆の吹き付けは、これまで被覆材を供給するプラントマン、押さえ工、吹き付け工の3人一組で作業していた。ロボットを使うとプラントマンと押さえ工兼オペレーターの2人体制で施工できる。


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from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=185385
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2026年6月19日金曜日

東北整備局/中山平大橋で現場見学会/小中学生がDXに触れる

 東北地方整備局仙台河川国道事務所は17日、宮城県大崎市に建設中の国道47号中山平大橋の現場で、地元小中学生を対象に見学会を開いた。上部工の施工を担当する三井住友建設の若手社員らが、DXの取り組みを紹介。子どもたちは現場のスケールを実感し、最新の技術に触れた。
 見学したのは鳴子小中学校(大崎市)6・7年生の児童生徒と先生約50人。工事概要の説明を受けた後、現場で使われた複数のDX技術を体験した。箱桁内部を歩いているかのように体験できるVRゴーグルも人気を集めた。
 7年生の村田明王さんは「家が近いのでいつも見ていたが、あっという間に橋ができてびっくりした。VRゴーグルは最先端でかっこいい」と目を輝かせた。
 工程とレーザスキャナーによる計測システムを説明した入社2年目の伊禮蘭世さんは「緊張したが子どもたちに分かりやすく話すことを心掛けた」と振り返った。
 浪岡和浩所長は「省人化につながる技術を多く紹介した。子どもたちが興味を抱いて、将来は担い手になってもらえたらうれしい」と話した。
 線形改良事業の一環で建設している中山平大橋は橋長159メートルのPC2径間連続ラーメン箱桁橋。張り出し架設工法を採用した。工期は2026年7月10日まで。


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from 行事 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=185340
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復興支援ソング「球磨川」再リリース/さとう宗幸氏作曲、CD化でクラファン呼び掛け

 2020年7月豪雨で甚大な被害を受けた熊本県人吉市。被災地の復興支援ソングがCD化され、再リリースされる。題名は「球磨川」。地元商工会議所が1997年に創立50周年事業として制作。地元の画家、故坂本福治さんが作詞し、シンガー・ソングライターのさとう宗幸さんが作曲した。7月4日には人吉温泉にあるあゆの里で、発売記念の「さとう宗幸コンサート」=写真はちらし=を予定している。
 20年7月3日の夜半から九州中部で激しい雨が降り、球磨川が決壊した。69人が犠牲となり、人吉温泉街も大きな被害を受けた。
 温泉宿の女将(おかみ)がメンバーの「さくら会」のコーラスで、歌い継がれてきたのが球磨川だった。復興作業を進める中で地元有志が集まり、地域で長年親しまれてきた歌をCD化しようという動きが始まり、復刻版の発売にこぎ着けた。制作費に充てるクラウドファンディングを実施中。地元では人吉の復興を支えた歌として、協力を呼び掛けている。


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回転窓/日頃の備えを再点検

 梅雨前線が北上し、北陸や東北もいよいよ梅雨入りしそうだ。この週末は前線の活動が活発となり、西日本などで大雨となる恐れがある。一方、5月初めに梅雨入りした沖縄では、夏本番が近づいている▼今年は5月に異例の早さで全国的に夏日(最高気温25度以上)や真夏日(30度以上)を記録したこともあり、6月に入って涼しさを感じた日も少なくない。だが、梅雨の時期は気温がそれほど高くなくても湿度が高いため、汗が蒸発しにくく、体に熱がこもる「梅雨型熱中症」に注意が必要だ▼気温が25度前後でも油断は禁物。体がまだ暑さに慣れていないこともあり、体温調節がうまくできない。本格的な夏を迎える前からリスクが高まるため、水分補給に加え、エアコンや除湿機を活用した湿度管理にも気を配りたい▼梅雨の季節は、大雨による災害が発生しやすい時期でもある。今月上旬には、和歌山県南部に上陸した台風6号に伴い各地で線状降水帯が発生し、氾濫危険情報が出された▼最新の気象情報や避難情報に注意を払い、いざという時に落ち着いて行動する。そのためにも、この機会に備えを改めて点検したい。


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UBE三菱セメント/社長に加藤秀樹氏、6月26日就任予定

 UBE三菱セメントは、代表権のある会長に小野光雄専務執行役員、社長に加藤秀樹常務執行役員兼最高財務責任者(CFO)が就く人事を内定した。26日開催予定の定時株主総会後の取締役会で正式決定する。小山誠代表取締役会長と平野和人社長は特別顧問に就く予定。
 加藤 秀樹氏(かとう・ひでき)1986年九州大学法学部卒、三菱鉱業セメント(現三菱マテリアル)入社。2022年UBE三菱セメント常務執行役員、25年CFO。福岡県出身、62歳。


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建築学会/建築士試験の在学中受験、教育機関の意見聴取し制度設計・運営に反映を

 日本建築学会(小野田泰明会長)は、建築士試験の在学中受験を可能にする建築士法改正案などに対する意見書を18日付で国土交通省に提出した。改正法施行まで十分な時間を確保し、受験要件の指定科目を提供する教育機関の意見を学会などを通じ丁寧に聴取した上で、制度設計や運営に反映するよう求めた。今回の制度改正でコンピューターを使用したCBT試験への移行を前提に検討する必要があるとも指摘した。
 日本建築士事務所協会連合会(日事連)、日本建築士会連合会(士会連合会)、日本建築家協会(JIA)の3団体が、建築士資格制度の改善事項を自民党建築設計議員連盟に共同提案。これらを受けまとめた改正案によると、建築士確保のため、一定の単位取得などを条件に在学中の受験を導入する。
 建築学会は建築士確保や試験制度の見直しの必要性に理解を示した上で、受験機会が1年増える利点はあるものの、全体の有資格者数増加の効果は極めて限定的と指摘した。教育カリキュラムへの影響は甚大とし、公正な制度設計や運用に向けた準備・検討に多大な時間を要すると予想。このため法改正から施行まで十分な時間的余裕を確保し、教育機関の意見を丁寧に聴取した上で、制度設計や運営に反映してほしいとした。
 建築士試験のCBT化は避けて通れないとも主張。今回の制度改正は、CBT試験方式の移行を前提に検討する必要があるとした。受験者、作題者、監督者、採点者などの負担を踏まえ、現行制度のような紙ベース(手描き)で年1回一斉に試験することの合理性を点検する必要も指摘した。
 試験制度改善についても提案した。現行制度では受験負担(受験準備にかかる金銭・時間)に大きな課題があり、必ずしも必要とは考えられない負担を次世代の職能人材に課し、その結果、建築士職能の魅力を減退させる懸念があると指摘。少子化が進行する時代で次世代の職能人材を適切に育成するため、一括同時選抜型から通年分散型に移行し、資格志望者の多様なキャリアパスに応じる制度改正を求めた。
 日本の建築士資格は裾野の広い包括的な専門資格となっている。この特性と強みを踏まえ、将来的な職能と資格の在り方を発展させる方向で制度を改正するべきだと主張。包括的で基盤的な専門資格の位置付けを勘案し、試験の実施形態や難易度の設定などを検討してほしいとした。


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