2026年3月2日月曜日

国交省/積算基準改定、一般管理費等率引上/猛暑対策拡充、週休2日補正は完全廃止

 国土交通省は直轄土木工事で2026年度から適用する新しい積算基準を公表した。受注企業の本社経費の実態を踏まえ、予定価格の算出に用いる一般管理費等率を引き上げる。週休2日は直轄現場で定着したとの判断から試行扱いの運用を終了し、労務費と共通仮設費、現場管理費の補正係数を完全に廃止する。夏場の猛暑対策として現場環境に応じて積み上げ計上できる金額の枠を増やし、細かに設ける休憩時間を考慮し歩掛かりも見直す。=2面に関連記事
 一般管理費等率の改定は22年度以来4年ぶり。工事原価に対し10・63~25・13%(現行9・74~23・57%)の率を適用する。直接工事費1億円の河川工事の場合は1・21ポイント増となり、予定価格を160万円押し上げる効果がある。国交省は本社経費の実態調査に加え、25年11月から試行している労務費・賃金や労働時間の実態調査を強化する姿勢を示す。適正な利潤の確保を後押ししつつ、現場従事者への適正な賃金の行き渡りを促す。
 週休2日は過去2年で「質の向上」を目指し、月単位や週単位の週休2日を試行。土日休みの完全週休2日を含めて実施可能な状況を確認したことから、補正係数を設ける試行の完了を決めた。地域の実情や現場の状況に応じ、多様な働き方の実現を支援する方向にシフトする。
 猛暑・防寒対策のうち現場の施設・設備関係の費用は、共通仮設費の中で率計上する「現場環境改善費」とは別枠で積み上げ計上する仕組み。計上額は現場環境改善費の50%以内と上限を設けていたが、これを100%以内に拡大し設計変更の対象とする。一方、現場環境改善費は以前より実施内容を絞り込み、率の設定をやや引き下げる。
 熱中症予防などで施工中に作業休止時間が発生している実態も、歩掛かりの改定で初めて反映する。腰痛予防や振動作業対策も含め、作業休止時間の増加で実作業時間・日当たり施工量が減少していることを考慮した。26年度は鉄筋工や仮囲い設置撤去工など6工種の歩掛かり改定に反映する。
 「快適トイレ」の費用計上は1基当たりの上限額を月5万7000円(現行5万1000円)に見直す。男女別で計2台までの費用計上を認める制限を撤廃し、現場ごとに必要な分を柔軟に設置できるようにする。




from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=182032
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竹中工務店/25年12月期決算/増収増益、価格転嫁進み着実に回復

 竹中工務店の2025年12月期の連結決算は増収増益となった。売上高は前期比0・9%増の1兆6147億99百万円。建設資材価格や労務費の上昇が続く中、「(上昇分の)価格転嫁に対する顧客、社会の理解が進み、手持ち工事の採算性が改善した」(森田章裕財務室長)。この結果、営業利益は929億36百万円(前期比75・0%増)、経常利益が1082億81百万円(52・7%増)、純利益が1030億11百万円(83・4%増)となった。
 単体は減収増益だったものの、完成工事総利益(粗利益)率が2・9ポイント上昇し10・5%と2桁に回復した。過年度に受注した不採算工事の消化と損益の回復、新規受注工事の採算性の改善が進んだ。
 業績の先行指標になる単体受注高(建設事業)は前期比80・9%増の1兆8120億円。大型案件を複数受注した。地域別では近畿圏と関東圏がけん引。建物種別ではホテルや興行・娯楽、店舗・百貨店などの受注が大幅増となった。連結の建設受注高は2兆円を超えた。
 26年12月期は連単ともに減収減益を予想する。連結は売上高1兆4550億円(前期比9・9%減)、営業利益900億円(3・2%減)、経常利益970億円(10・4%減)、純利益680億円(34・0%減)を見込む。
 単体の粗利益率は13・2%(2・7ポイント上昇)を予想する。単体の建設受注高は前期比47・0%減の9600億円を見込む。前期の反動減で、「27年は受注を抑える計画となっている。不採算工事の消化と新しい受注に向け施工体制を整える」(岡田恒明経営企画室長)という。




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北海道開発局/札幌第4合同庁舎I期が完成間近/札幌軟石など地域材を活用

 北海道開発局は2月26日、完成を間近に控えた札幌第4地方合同庁舎I期工事の現場を報道関係者に公開した。内装に北海道産のカラマツや札幌軟石などの地域材を使用。災害時の帰宅困難者の一時受け入れなど防災拠点としての役割を担うとともに、地域住民らを含めた懇談会を開き、地域のまちづくりに寄与する運用を検討してきた。札幌市内での合同庁舎建設は32年ぶり。地域に愛される開かれた施設を目指す。
 同庁舎は北海道開発局営繕部が発注。札幌市中央区北2西19の7ほかの北海道開発局札幌開発建設部の敷地内で建設が進む。庁舎はSRC一部S造9階建て延べ1万3458平方メートルの規模で、完成後は北海道農政事務所と北海道運輸局が入居する。
 設計・監理は梓設計と北海道建築総合研究所、建築工事は五洋建設、電気設備工事は末廣屋電気、機械設備は新菱冷熱工業、エレベーター工事は三菱電機ビルソリューションズがそれぞれ担当。建物は2月中に完成し、外構工事を経て連休明けの23日ごろから順次業務を開始する予定だ。
 2024年1月に着手した庁舎建設工事では、発注者指定でさまざまな生産性向上技術を試行した。配筋検査やガス圧接検査には、タブレットやスマートフォンを用いてデジタル化し計測から策定、帳票までを一元管理。3次元マシンガイダンスを用いたICT建築土工を実施し、測量や丁張りにかかる作業人員の削減につなげた。
 新庁舎の内部は、庁舎の顔となる南北の入り口をつなぐエントランスコリドーのルーバーには北海道産カラマツの集成材を使用し、エレベーターホールは札幌軟石で覆うなど、地域になじみのある素材で利用者に親近感を持たせる。一般の利用も可能な1階の食堂には自家発電対応コンセントを設置し災害発生時の帰宅困難者一時避難スペースにもなるなど、防災拠点施設としての役割も果たす。
 建設に当たっては地域の有識者や住民、高校生、大学生も参加する地域懇談会を数回開催して、検討。共有スペースに高校生が制作したアート作品を展示するなど地域のにぎわい創出につなげる取り組みも展開される。
 北海道開発局営繕部の齊藤公治保全指導・監督室長は「合同庁舎は利用者の方の利便性の向上や災害時の活動拠点施設としての防災機能、合築によるコスト縮減など大きな目的があるが、近隣の皆さんとの関係も重要になる。長い間愛され、いろいろな方に使っていただける施設になることを願っている」と話した。




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鹿島、カナデビア/浮体式洋上風車基礎の複合構造設計手法確立

 鹿島とカナデビアは、浮体式洋上風車の基礎に採用する複合構造の設計手法を確立した。日本海事協会(菅勇人会長)による風車支持構造物技術審査を基にした認証で、証明書が発行された。セミサブ(半潜水)型浮体の中央コラムに鋼とコンクリートの複合構造を適用し、コストを合理化する。
 浮体式を対象とした技術認証は国内初になる。技術認証に伴い、浮体式洋上風力事業で認証された今回の設計手法が、法令に基づく許認可条件の「ウィンドファーム(風力発電所)認証」に適合する技術と認定された。今後、各プロジェクトのウインドファーム認証を対象に、風車支持構造物の設計審査プロセスでの活用を想定している。
 両社は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業を活用して同構造を共同開発。国内の特許を取得した。引き続き同事業の一環として、愛知県沖で同構造を用いたセミサブ型浮体の実証を予定している。




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2026年2月27日金曜日

回転窓/近づく空飛ぶ未来

 先日閉幕したミラノ・コルティナ五輪の中継ではドローンを駆使した迫力ある映像が流れた。アルペンスキーやスノーボードなどでは選手を背後からドローンで追いかけながら撮影。スピードスケートは天井から選手を追った。臨場感たっぷりに競技の魅力を伝えた▼日頃、目にできない上空からのダイナミックな映像に引き込まれた方も多かろう。スポーツだけでなく高層ビルが林立する大都市や歴史的な町並み、農村・漁村などの俯瞰(ふかん)した風景を見る機会が身近になるかもしれない▼三菱地所などが24~28日の5日間、都内で「空飛ぶクルマ」のチェックインから搭乗までの流れを検証する実証実験を行っている。一連の流れを検証するのは、国内初の取り組み▼市街地を対象に2030年の商用運行開始を見据え、都内で空飛ぶクルマを実際に走らせる際の課題を洗い出す。既に体験モニターは定員に達しているが、デモフライトと旅客ターミナル施設は誰でも自由に見学できるそうだ▼上空にはどんな風景が広がっているのだろうか。タクシーのように気軽に空飛ぶクルマに乗る、そんな未来が近づいている。




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堺市/都市機能誘導、最大300%容積割り増し/4月1日運用開始

 ◇10の取り組み評価
 堺市は質の高い都市開発を誘導するため、都市機能誘導区域で容積率を緩和する。歩行空間や緑地の整備など10の取り組みを評価し、内容に応じて容積率を割り増す。上限は指定容積率の1・5倍かつ300%とする。10日に開いた第3回堺市都市計画審議会で「持続可能性とエリア価値を高める都市機能誘導方針案」を示し、了承を得た。今後、市長答申を経て、4月1日に運用を開始する。
 評価対象は10項目。「質の高い緑と公共的空間の確保」と「誘導施設の積極的導入」は必須とし、いずれか、または両方の導入を求める。その上で、宿泊施設の導入や魅力あるオフィス整備、脱炭素化の推進、市街地の防災性向上などを積み上げて評価する。
 割増容積率は取り組みごとに上限を設定し=表参照、合計の上限は指定容積率の1・5倍かつ300%とする。住居系用途地域と工業系用途地域では割増率を2分の1に低減する一方、立地適正化計画と連携するエリア計画などに基づく取り組みでは、各取り組みの割増率を1・5倍とする。総合設計制度による割増容積率の上限は既存の許可要領の範囲内とする。
 対象となる都市機能誘導区域は立地適正化計画に基づき設定している拠点エリアで、都心(堺東~堺駅周辺)をはじめ、泉ケ丘、中百舌鳥、鳳、新金岡、深井、美原、北野田、光明池、栂・美木多、萩原天神などの鉄道駅周辺を中心とする区域(おおむね駅から800メートル圏)。対象用途は商業、業務、医療、子育て、文化、行政など。
 制度を活用する事業者は都市計画提案制度に基づき、地区計画などの都市計画提案を行い、市の審査を経て都市計画決定を受ける必要がある。
 市は容積率割り増しにより、都市機能の更新や市街地再生、拠点性強化の促進、民間投資の誘導につなげる。




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広島市/広島大本部跡「知の拠点」/完成を34年度に先送り、工事費は約129億円に

 広島市は25日、広島大学本部跡地(中区)に計画する「平和に関する『知の拠点』」の完成時期が当初計画から5年遅れの2034年度にずれ込む見通しを明らかにした。被爆建物「旧理学部1号館」の一部を保存し、背後に増築する研究機能などと一体的に整備する。工事費は倍以上の約129億3000万円に増える。同日開かれた市議会総務委員会で基本設計について報告した。26年度は実施設計に入り、27年度に発注準備を行う。
 旧理学部1号館(RC造3階建て延べ約8500平方メートル)は、築95年が経過し、建物の耐震性やコンクリートの劣化などが課題になっている。
 計画では、玄関ホールを含む正面棟を保存し、残りを解体して3階建ての施設と一体的に増築。平和に関する研究や教育、情報発信、まちづくり活動などの機能を備える。基本計画時の工事費は約63億円と試算していた。
 基本設計では増築部分を合わせた床面積を約6000平方メートルと想定。保存部分は被爆の痕跡を残しながら現在の姿に近い形で残すことを前提に、バリアフリー対応や、劣化が進んでいるタイルや躯体の補修などを行う。増築部分は保存部分とは別の時代であることが区別できる意匠を採用する。
 当初計画では29年度に完成し、30年度の供用開始を予定していたが、劣化状況調査などで躯体の損傷が広範囲で著しく進んでいることや、床や梁、基礎の強度が不足していることが明らかになり、さらなる安全対策が必要になった。
 工事スケジュールは解体工事の期間が延び、液状化対策が加わったことで保存改修工事の着手が31年度にずれ込む。改修工事の期間も1年以上延び、全体では5年間の工事期間延長の見通しとなった。解体は28年度に始める。
 工事費は保存改修が約64億6000万円、増築が約37億8000万円、解体が約5億7000万円、液状化対策が約6億1000万円、土壌汚染対策が約7億6000万円など。基本計画から約66億3000万円の増額となる。
 基本・実施設計は山下設計が担当する。




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鉄建建設/音速解析で土質・性状を即時判定/シールドトンネル工事の安全性向上

 鉄建建設は、シールド工事で切羽の状態を可視化する技術を開発した。超音波ソナーの情報を解析して掘削泥土の性状変化を的確に把握。データを根拠に切羽の安全性などを判断する。地質変化が大きい場所への導入により、シールド工事の安全性を高めるとともに、生産性の向上につなげる。
 シールド機の隔壁に設置したソナーからチャンバー内部に超音波を照射し、カッタースポーク(面板)で反射して戻るまでの時間を計測する。チャンバー内の掘削泥土の性状を音速としてデータ化。砂やれきなどの粗粒土と細粒土(シルト)では超音波の到達時間に差があり、添加材の投入量が増えると音速は低下する。こうした土質特性と音速の相関関係を利用し、データを専用プログラムで自動解析して、シールド機が安全に掘進できるかどうかを判定する。
 同社は、保有するシールド周辺地山のリアルタイム監視システムなどの技術とも連携し、シールド工事全体の生産性向上と安全対策の強化を推進する。今後は音速以外の出力にも着目し、チャンバー内の可視化精度をさらに高めていく方針だ。




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2026年2月26日木曜日

大建協/4月3日に親子現場見学会、淀川左岸線2期トンネルで

 大阪建設業協会(大建協)は4月3日、大阪市内で進む「淀川左岸線(2期)トンネル整備工事-1」(施工=鴻池組・あおみ建設・久本組JV)の現場で、春休み親子現場見学会を開催する。対象は小学生高学年と保護者のペアで、定員は15組30人。参加は無料。募集締め切りは3月13日。応募多数の場合は抽選となる。
 親子見学会は大建協が展開する担い手確保の活動「わかものきたれ!プロジェクト」の一環として企画。将来を担う子どもたちに建設現場を見てもらい、建設業への理解と関心を深めることを目的としている。
 見学会は午後1時30分から約2時間を予定。淀川堤防と一体構造となる迫力ある開削トンネル工事の見学に加え、配筋・重機体験などのアクティビティも予定している。
 応募要領は大建協ホームページの「親子現場見学会」特設ページ(https://www.o-wave.or.jp/pro2/2026oyakogenbakengakukai/)に掲載。ウェブフォームから申し込みを受け付ける。




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回転窓/身だしなみの境界線

 幼いころ、美容師のはとこが化粧をしてくれたことがあった。頬にチークを置いて、唇に鮮やかな紅を差してくれた▼母やはとこをまねただけであって、祖母らが好意を示してくれた。気にしていなかったが、女性も男性も化粧をされたくない人はいるのだから、今の時代なら配慮は必要だろう▼ある企業の講演を終えた知人の女性が「変な味がして気持ち悪いから口紅はすぐに落とした」と悲しい表情で話していた。会場に指示通り早めに着くと、係の女性がファンデーションや口紅でメークをしてくれたそう▼身だしなみのチェックを兼ねた、その企業なりの善意だと感じて、拒まずに受け入れた。その女性は普段、素顔に近いナチュラルメークと、自然由来の化粧品にこだわっている。係の女性に控室はなく、用意はパイプ椅子だけ。大切な仕事道具が床置きにされた姿をふびんに思ったという▼社名は教えてくれなかったし、どういう意図で化粧をさせたかは分からないが、女性に複雑な思いを抱かせたことは間違いのない事実。建設会社ではないと信じたい。「だから女性の活躍が進まないのよ」と指摘されてしまうから。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181913
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