2026年2月10日火曜日

土木学会/未来の土木コンテスト表彰式開く

 ◇最優秀賞に「まんまるハウスが集う移動できるまち」(兵庫県宝塚市立仁川小、竹内瑶絵さんら)選定
 土木学会(池内幸司会長)は8日、東京都新宿区の早稲田大学井深大記念ホールで小学生から未来の街のアイデアを募る「未来の土木コンテスト2025」の最終選考と表彰式を開いた。最優秀賞には仁川小学校(兵庫県宝塚市)6年の竹内瑶絵さんと土木エンジニア4人のチーム竹内による「まんまるハウスが集う移動できるまち~コロコロ転がり関わり合う~」を選定した。22年度大会のコンテストで最優秀賞を受賞した川戸亮輔さんが表彰状と記念品を手渡した。
 コンテストは日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)が全面協力した。「未来プランナー」として1次選考を通過した優秀賞受賞者の小学生4人とゼネコンに勤めるプロの土木エンジニアがチームを結成。小学生の夢を実現するため技術的な検討を重ねた成果を発表した。自由で夢のあるアイデアの実現を目指し、土木エンジニアたちが本気で取り組んだ。
 最優秀賞に輝いたチーム竹内の提案は、転がって移動できる球形移動式住宅「コロリンハウス」が特徴。誰も我慢せず病気や障害、年齢、住む場所に関わらず全員が幸せを享受できる「強くて優しいまち」をコンセプトに、家自体が移動、浮遊することで災害から命と生活を守れるようにした。家ごと移動できるため防災や安全、利便性向上を実現する。
 タツナミシュウイチ選考委員長(東京大学大学院客員研究員・常葉大学客員教授)は、「非常に優劣がつけにくい審査だった。本当に素晴らしく新しい刺激を受けることができた」と講評。「いずれの作品も決してファンタジーではない。大人が思いつかないアイデアを子どもたちは平気で出してくる。子どもたちが縛られていない証拠だ」と述べた。続けて「大人は予算やヒューマンリソース、スケジュールを考え、その縛りが大人の自由な発想、アイデアを阻害してしまう。子どもたちには今のままの発想でいてほしい」とエールを送った。




from 行事 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181501
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回転窓/信用は残り、信頼は消える

 人の心が離れる瞬間は、音もなく訪れる。崩れるのはたいてい「信頼」であって、「信用」ではない。信用は履歴書のようなものだ。数字や実績で上書きされる▼あいさつの温度、言葉の裏表、沈黙への配慮。どれか一つでも欠けると、信頼は気づかぬうちに薄くなる。問題は、微妙な異変を感じることができるかどうかだろう▼自分は同じ川を渡っているつもりでも、流れは少しずつ変わる。地図を書き換えないまま車のハンドルを切れば、同乗者は冷たい流れに放り出される。変わったことを脇に置く人ほど、「前と同じだ」と言い張る。だが周囲から見れば、昨日まで通れた橋は既になくなっている▼迷惑し、困惑し、人はやがて距離を取る。そこにあるのは対立ではなく諦め、安心が失われただけである。信頼はガラス細工に似ている。磨けば澄むが、乱暴に扱えば音もなくひびが入る。割れた後で「実績はある」と叫んでも遅い。厳しい話だが、それが現実だ▼変化に鈍感な正しさは、人を失うきっかけになる。信頼は日々の更新でしか守れない。はっと気付いた時には、もう後の祭り。人間関係は、だいたいそうだ。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181497
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国、自治体、建設業界一丸で除排雪に尽力/東北整備局が除雪機械を貸与

 1月下旬からの記録的な大雪を受け、国、自治体と建設業界が一体となって除排雪に尽力している。東北地方整備局は青森県、秋田県、山形県の自治体に除雪支援を展開。3県の10市町に除雪機械計41台を貸与するとともに県と連携し「スクラム除雪」を実施した。特に積雪量の多い青森県の建設業協会では、県の要請を受け、比較的降雪が少ない自治体から延べ300台以上のダンプトラックをあっせんしている。
 東北整備局は、3県が豪雪災害対策本部を設置したことを受け、連絡調整会議を開催。国、県、所管事務所が参加し、運搬排雪などの実施状況を共有した。同会議に基づき青森県の青森市、弘前市、鰺ケ沢町、平内町、秋田県の大館市、北秋田市、山形県の山形市、酒田市、新庄市、舟形町に除雪機械を貸し出している。東北整備局では「自治体からのニーズを聞き取り、国、県が連携して自治体支援を継続する。スクラム除雪などの要請があれば適宜対応していく」としている。
 青森県ではJR線の運休が相次ぐ中、青森市や周辺自治体で交通渋滞が発生。ダンプトラックによる排雪輸送を集中的に行っている。さらに、青森市と藤崎町でスクラム除雪を実施するとともに市町村の除雪を県が担う「代行除雪」は鹿内組(青森市)と佐藤惣建設(弘前市)が担当した。板柳町は、同町建設業協同組合などに協力を要請し、一斉排雪で生活道路の通行を確保した。
 秋田県では、県北部を中心に平年の2~3倍の積雪になり、県南部などから除雪ダンプや重機を応援に回している。6日は北秋田市旧合川地区で県と市が県内初のスクラム除雪を実施した。9日から10日にかけては、大館市内の国道7号でスクラム除雪を行う。県内の建設会社も4日から大館市、北秋田市、上小阿仁村の3市村に延べ39台を応援に送り、集中的に作業している。
 山形県は大雪により尾花沢市などで家屋の倒壊などが発生するとともに、除雪中の事故も多発している。スクラム除雪は現在、国と県が調整中だ。山形県建設業協会では要請に備え、対応可能な体制を整えている。




from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181506
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川崎市/扇島地区先導エリア港湾施設整備/29年度末にも一部供用開始

 川崎市は、2023年9月に高炉を廃止したJFEスチール東日本製鉄所京浜地区(川崎区扇島、約222ヘクタール)の土地利用転換事業のうち、扇島地区先導エリア(約70ヘクタール)の一部で2029年度末にも供用開始する見通しだ。供用開始を予定するのは先導エリアのうち、港湾物流ゾーンのふ頭用地と臨港道路、桟橋(係留施設)。26~27年度に調査・設計を行い、27~29年度に整備工事を実施する予定だ。
 9日の市議会環境委員会で港湾施設整備の進展状況を報告した。土地と桟橋はJFEスチールが市に無償譲渡する。ふ頭用地と臨港道路は整備に支障がある工作物(ベルトコンベヤーなど)を同社が撤去後、市に引き渡す。桟橋はコンクリート面より上の工作物(ベルトコンベヤー、アンローダーなど)を撤去し、劣化・損傷が著しいと判定された箇所を補修後、順次、市に引き渡す。桟橋がある既存バースは水深18~22メートル、延長710メートル。
 市は23年8月に「JFEスチール東日本製鉄所京浜地区の高炉等休止に伴う土地利用方針」を策定している。高炉休止後の24年5月にはJFEホールディングス(HD)と扇島地区先導エリアの整備推進協定、大規模土地利用転換推進の相互協力協定を結んでいる。
 これまでの計画によると先導エリアを▽高度物流▽港湾物流▽カーボンニュートラル(CN)エネルギー-の3ゾーンに区分する。既存の大水深バースを利用した水素などの供給拠点整備や、最先端技術を使った高度な物流拠点の形成などを想定している。




from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181505
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清水建設/超高層ビルの建て替え、1年以上工期短縮/仮設杭や土工などが不要に

 清水建設は、超高層ビルの建て替え工事で大幅な工期短縮と環境負荷低減を両立する工法を開発した。既存ビルの地下構造体を再設計し、改築工事の仮設として活用する。新たな仮設杭や土工事、地下水流入対策が不要になる。東京・内幸町で施工している高さ227メートル、地上46階建てのビル工事で1年以上の工期短縮を見込む。他の超高層ビルの建て替え計画にも積極的に提案していく。
 新工法「Re-GENUS BASE(リジェナス・ベース)」は、直接基礎で建設した超高層ビルの改築工事を効率化する。東京都千代田区で進む「内幸町一丁目街区南地区再開発事業」(代表施行者・中央日本土地建物)として施工中の再開発ビル(S・SRC一部CFT造、地下3階地上46階建て、延べ28万5854平方メートル)に初適用した。工期は2029年3月までで、工事の進捗率は約20%となっている。
 清水建設によると、超高層ビル建て替えの地下工事では、一般的に逆打ち工法を採用する。既存ビルの地上階を解体した後、改築部分1階の床を構築し、地上階と地下階の躯体を同時に施工する。ただし、新築柱を支持する仮設の杭基礎が必要となるため、杭打ち機や生コンクリート車が走行する作業床の整備など、大規模な仮設工事を伴う。
 新工法は既存の地下構造体を再設計し、外壁や床、梁を山留めとして活用する。底盤(ピット部)も最大限に用い、杭基礎を不要とした。杭基礎の代わりに、既存底盤の上部に構築するコンクリート層の上に基礎をスポットで築き、改築柱を支持する。これにより、底盤に杭基礎施工用の開口を設ける解体作業や、杭打ち機が走行する作業床の構築、地下水流入を防止して作業床を支持するための既存地下階の埋め戻しなどが不要になる。従来比で約2割、13カ月の工期短縮を実現した。
 初適用した内幸町の工事では、二酸化炭素(CO2)排出量を約9000トン削減し、建設汚泥の発生をゼロにした。担当者は「自社で設計・施工を手掛ける超高層ビル建て替えプロジェクトに積極的に提案していく。地盤が強固であれば、今回適用した建物を上回る超高層ビルの建て替えにも対応できる」としている。




from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181498
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2026年2月9日月曜日

回転窓/人の心理と錯覚

 人が「だまされた」と分かっていても楽しめるものと言えば、それはマジックであろう。視覚や心理の錯覚を利用した巧みな演出に、不思議な世界へいざなわれてしまう▼最古のマジックはおわんと玉を使った「カップアンドボール」ではないかともいわれる。古代エジプトの壁画に描かれているとの説もあり、歴史はかなり古い。橋場正尚さんのマジックエッセー『手品の部屋へようこそ』(22世紀アート)から知った▼人を悪質な手口でだます犯罪が後を絶たない。警察庁のウェブサイト「SOS47特殊詐欺対策ページ」によると、2024年の特殊詐欺は約2・1万件発生し、総被害額は約718億円に上る。これほど多くの犯罪が起きていることに改めて驚かされる▼手口は振り込め詐欺や預貯金詐欺、架空料金請求詐欺、SNS型投資詐欺など多様化している。被害に遭わないためにも過去の犯罪事例を知り、正しい知識と警戒心を持ちたい▼マジックで駆使するのは、観客の注意をそらす「ミスディレクション」という技術。心理の裏をかいても許されるのは、やはり拍手で終わるエンターテインメントの世界に限る。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181471
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凜/三菱電機ビルソリューションズ・遠藤紀夏さん/安心して任せてもらえる存在に

 入社5年目の2025年度から、現場代理人としてビルシステム全般の新設・既設工事で施工管理を担っている。流動的に変化する作業工程への対応など、思うようにいかない場面も多い。「最初は戸惑うことばかりだった。その分、自分が少しずつ前に進めている実感もあった」と、初めての現場を振り返る。
 設備の設置環境は現場ごとに大きく異なる。「同じ仕事は一つとしてない。毎日が発見の連続」と語り、前向きな姿勢を見せる。
 ビルの使用者に不便をかけないよう、特に厳格な工程管理が求められる既設工事の現場はプレッシャーが大きい。その分、「やり切ったときの達成感も大きい」と話す。施設によっては、竣工当時の図面や追加設備の情報がすぐにそろわず、現地調査が欠かせない。
 自分が関わった建物が数十年後まで使われ続ける点に責任と誇りを感じ、建築業界への就職を決めた。入社後の2年間は設計部門で基礎を学び、3年目から施工管理部門に異動。「機器が問題なく納まり、無事に稼働した瞬間は、『自分がこの現場を動かした』と実感できる」と語る。
 今後の目標は、「技術力と知識を高め、より難度の高い現場や大規模な現場を任せてもらえるようになる」こと。そして「ゼネコンやサブコンの方から、安心して仕事を任せてもらえる存在になりたい」と、静かな決意をにじませる。
 (三菱電機ビルソリューションズ東日本支社工事総括部空調冷熱・システム工事部工事三課一係)(えんどう のりか)




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国交省/フィジカルAI実用化検討/産学官で3月意見交換、ロボット活用や建機自律化

 国土交通省は、建設機械やロボットを自律的に制御する「フィジカルAI」の実用化に向けた検討に乗り出す。建設会社やAI・ロボティクス関連会社、大学などの学術機関がフィジカルAIの技術シーズと現場ニーズを共有する「ピッチイベント」を3月に開く。産学官が連携した検討を通じ、施工プロセスの中でフィジカルAIを取り入れるべき作業などを見定める。開発中の技術の現場実証も積極的に行う考え。現場データの連携基盤など、企業間の協調領域の創出にもつなげる。
 ピッチイベントは3月17日に予定。シーズ側とニーズ側の両方の参加者を募集する。参加申し込みの1次締め切りは16日、最終締め切りは27日。シーズとニーズのマッチングを踏まえ、直轄工事などをフィールドに現場実証の機会を与えることを想定。異業種間の情報共有によるビジネスチャンスの創出も期待する。
 国交省はインフラの整備や管理にAIを徹底活用する方針を示している。建設現場の省人化や安全性向上につながるフィジカルAIの技術開発・活用を重点テーマの一つに掲げる。まずは民間側の開発動向や現場の課題を直接聞き、今後取り組むべき方向性を固める狙いがある。
 土木施工や維持管理、災害対応のさまざまなプロセスで有効性の高い作業などを絞り込んでいく。人の作業をロボットによる自律・半自律作業に置き換えたり、AIやセンサーを組み込んで認識・判断能力を高めた建機で人の作業を補完・代替したりする。
 当面の目標として既存技術は効果検証を通じ、1~3年の短期で実用化する。現場の在り方を大きく変え得る将来性の高い技術は、国が関わる形で研究開発と実証を重ねて5~10年の中長期で実用化を目指す。
 建設現場に適したAIの開発を促進するため、現場データの標準化・収集やデータ連携基盤の構築に取り組む。ロボット活用などを前提に技術基準類も見直す。土木研究所が整備・公開している建機の自律施工技術基盤「OPERA」を活用した技術開発も促進する。




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琉球大/上原キャンパス跡地利用具体計画策定業務(沖縄県西原町)/NIACに

 琉球大学は「『上原キャンパス跡地利用具体計画』策定業務」の企画競争で、南西地域産業活性化センター(NIAC、那覇市)を優先交渉権者に選定し、3日に随意契約を締結した。契約額は非公表。
 業務では上原キャンパス跡地(沖縄県西原町、敷地面積約17・6ヘクタール)について、沖縄県全体の振興につながるような跡地利用具体計画を策定する。
 業務内容は▽医療ツーリズムを軸とした沖縄ウェルネス拠点構想の事業可能性▽拠点開発に向けた整備コンセプト▽医療・教育関連ニーズの把握▽地域資源の利活用可能性検討▽医療ツーリズムの市場調査・具体展開▽跡地利用具体計画案の作成-など。計画案では、利活用方針と導入機能の整理や段階的な整備計画の検討、完成イメージ図の作成を行う。履行期限は9月30日。




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清水建設/大規模集客施設、初期設計段階から人流可視化/新秋田県立体育館に初適用

 清水建設は、大規模集客施設の初期設計段階を対象に、供用後の人流が予測・可視化できるデジタルエンジニアリングツールを導入した。設計・施工を手掛ける新秋田県立体育館(秋田市)の建設・運営事業に初適用。設計者が通常業務に用いる3Dモデルで高度な人流解析を行い、歩行者の属性まで踏まえた挙動を可視化。工事関係者間の協議が円滑に進み、合意形成の時間が大幅に短縮できる。
 デジタルエンジニアリングツールの名称は「Shimz DDE Pedex+」。動線など最適な人流計画案が選択できる「エリア・モジュール・モデル(AMM)」と、歩行者の動きをリアルに再現・可視化する「マルチ・エージェント・システム(MAS)」で構成する。
 AMMが求めた数値解析の静的な人流計画案を基に、施設内外の利用者の移動行動をMASを使い動的でリアルに可視化する。男女や大人・子供といった移動者一人一人の属性を分け、歩行速度やパーソナルスペース、移動経路などを設定。衝突回避・追従行動、密度相応の歩行速度を反映した数万人分の時刻歴の位置情報を求め、動的に群衆の動きを可視化できる。
 同時開発した専用ビューワにより、混雑度のヒートマップ化や2画面表示による設計変更の前後なども比較でき、速やかな合意形成を可能にする。設計検討と人流解析の同時進行で検討時間の短縮や設計品質の向上を両立。人流を考慮した誘導員の配置やサイン計画の立案といった運営段階でも活用できる。
 新秋田県体育館建設・運営事業は、同社を代表企業とする秋田アリーナPFIパートナーズが主体となって進めている。現在は2028年9月の供用開始に向け設計作業を実施中。AMMを用いて入札時に最適な人流計画を提案し、設計業務ではMASを活用してAMMで求めた人流計画を可視化した。
 清水建設は、デジタルエンジニアリングツールに火災時の避難シミュレーション機能も開発・付加する方針だ。




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