2026年6月24日水曜日

回転窓/球場の光熱費

 東京大学卒のプロ野球選手で、引退後は福岡ソフトバンクホークスで取締役として球団経営に携わった小林至氏のユーチューブチャンネルが面白い▼「マネーボール」というタイトル通り、経営の観点でプロ野球にまつわるお金のからくりを解説する内容だ。21日にアップされた動画では、球場の光熱費がテーマになった▼結論は、屋外球場が年1億~1・5億円、ドームなら4億~6億円。小林氏はドーム球場を「3万~4万人が35~38度の熱を発するホットヨガスタジオ」と例え、照明に加え巨大空間を冷やす空調や湿度管理などに費用がかさむと紹介した▼夏季の暑さが厳しさを増す中、ドーム建設のネックになるのは建築費と指摘する。屋根の設置費を200億~300億円と試算したものの、雨天中止時の損失防止やコンサートなど試合以外のイベント開催なども考えると、ライフ・サイクル・コスト(LCC)はプラスになると見込む▼小林氏が現役時代にプレーした千葉ロッテマリーンズは、屋内型スタジアムとして千葉マリンスタジアムの再整備を目指している。コスト力もある「稼げる」球場の誕生を期待したい。


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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=185453
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環境省/年内に総合評価方針/国などの産廃処理契約

 環境省は、国や独立行政法人などの産業廃棄物処理の事業者選定に適用する総合評価方式の方針を年内にまとめる。環境配慮契約基本方針検討会の専門委員会が2026年度の初会合を23日に開き、具体的な検討を開始した。これまでの議論を踏まえ、評価項目、配点、留意事項などの案を9月ころまでに取りまとめ、同検討会で決定する予定だ。
 環境配慮契約法に基づく基本方針は、産廃処理の事業者選定について総合評価方式が「最善」と定めている。ただ環境負荷を低減する要素と価格を巡る判断が難しく、基準を満たす事業者の中から価格競争で落札者を決める裾切り方式も依然採用されている。同省の調査では契約件数に占める36・8%が同方式になっていた。同省は産廃処理の環境負荷低減効果を算定するための知見が蓄積されてきたことなどから、総合評価方式の適用を再検討することにした。
 廃棄物専門委員会が23日に会合を開いた。同委員会は25年度までの会合で総合評価方式への移行が「時期として妥当」と判断している。理由に優良処理業者の参入促進と不適正処理排除の観点を挙げた。評価項目について複数の項目を設定し、標準点と加算点のバランス、廃プラスチックにターゲットを絞った制度設計などに配慮するよう求める意見が出ている。民間からは、気候変動などに関する国際的開示基準のCDPスコアや企業のガス削減に関するSBT認定といった外部評価、焼却処理の有無の評価を求める意見が寄せられている。
 総合評価方式についての対応は政府の基本方針に反映されることになる。基本方針の変更が26年度末に閣議決定された場足、28年度の契約から同方式が本格導入される見通し。
 地方自治体は努力義務として対応が求められることになる。


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from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=185458
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清水建設/粘性汚染土壌のPFAS98%除去/泡に吸着・回収し場内処理

 清水建設は、粘性土主体の有機フッ素化合物(PFAS)で汚染された土壌の洗浄技術を確立した。泡に吸着するPFASの性質を利用した。室内試験を実施したところ、PFAS含有量の98%以上を試験対象の土壌から除去し、浄化土として95%以上の回収に成功。汚染サイトでの場内処理が可能になり、従来の焼却処理で生じていた搬出・運搬などのコストを圧縮し、二酸化炭素(CO2)排出量も削減する。
 泡に吸着するPFASの性質に着目。解泥機で汚染土壌に水を加えて攪拌し、粘性土をスラリー(泥水)状にほぐして細かく分散。汚染土壌に付着したPFASを効率的に水へ移すと同時に、汚染物質を泡に吸着させ濃縮物として回収する「泡浮上分離」と呼ぶ手法を採用した。
 従来の土壌洗浄は、砂質主体の汚染土壌を対象にしており、粘性土主体のPFAS汚染土壌に適用しにくくい。焼却処理を適用してきたものの、処理コストがかさむ課題もあった。
 今後は米テキサス州に小規模プラントを設置し、9月から技術実証に乗りだす。日本に比べ規制が先行する米国市場での処理実績を積み重ねていく。将来的な国内での規制強化も見据えつつ、国内外で土壌浄化事業の積極展開を目指す。
 PFASは水や油をはじき、熱や薬品に強い耐熱・耐腐食性を備える。幅広い製品に使用されてきたが、人体への強い影響が指摘されている。自然界に放出されるとほとんど分解されない。環境への残留性や生態系への影響を考慮し、世界で製造や使用を規制する動きが広がっている。


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from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=185459
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広島市/MICE施設整備基本計画策定支援業務/デロイトトーマツに

 広島市は「MICE施設整備基本計画策定支援業務」の公募型プロポーザルで、デロイトトーマツの提案を選定した。西区の商工センター地区に計画する展示機能を主体にしたMICE(国際的なイベント)施設の整備に向け、概略の配置計画や事業手法などを検討する。同社だけが参加。1595万円(税込み)で契約した。
 整備予定地はMICE施設が西区商工センター3の2、立体駐車場が同2の12の6。展示面積は6000平方メートル(無柱空間)を基本とし、将来的に拡張を検討する。可動間仕切りで3~4分割に対応する。
 業務では市や他都市の類似事例などを踏まえ、各室の構成や規模、建物形状を整理。立体駐車場の規模も検討する。MICE施設と駐車場、両施設を接続するペデストリアンデッキの配置図や平面図、イメージパース図を作成し、MICE施設は配置コンセプトが異なる3案程度を比較検討して最適案を提案する。駐車場の必要台数の算定や概算事業費の算出も行う。市場調査を実施し、PPP/PFI手法の導入可能性を調査する。
 委託期間は2027年3月末まで。


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from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=185464
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2026年6月23日火曜日

京都労働局ら/京都新聞ビル再開発計画の現場で合同パト/熱中症防止など呼び掛け

 京都労働局の伊勢久忠局長と建設業労働災害防止協会京都府支部の小崎学支部長らは22日、京都市中京区で進む「KNP計画(京都新聞ビル再開発計画)」の現場で2026年度の夏季安全衛生合同パトロールを行った。改修工事に伴うアスベスト(石綿)の飛散防止対策などを見て回り、熱中症など労働災害の防止を呼び掛けた。
 同計画は大成建設と平和不動産、マイナー・ホテルズが共同で出資し、京都新聞旧本社ビルの北館を改修、南館を建て替えてホテルを整備するもの。ホテルの規模は地下2階地上8階建て塔屋3階総延べ約2万3000平方メートルで、客室数は約240室を見込む。大成建設が担う南館の解体と北館の内装解体工事が1月に着工し、同社が並行してホテルの基本設計を進めている。29年秋の竣工、30年の開業を目指す。
 パトロールでは冒頭、伊勢局長が「安全は工事関係者や事業者、行政が一体となって初めて実現する。現場の優れた取り組みを共有し、災害のない職場づくりを進めていきたい」とあいさつし、小崎支部長が「安全な作業環境実現のため、さまざまな視点から意見・助言をいただきたい」と述べた。工事概要説明の後、北館内装解体の現場を視察。クーリングルームなど熱中症対策の設備や石綿除去の作業を見て回った。作業では大成建設が開発し、少量・高圧の水で石綿の飛散を抑制するT-ジェット工法が用いられており、その効果や安全性を確認した。
 講評の後、大成建設の山浦恵介作業所長が「現場の安全はもちろん、地域の方々の安全を最優先に考え、無事故・無災害で竣工を迎えたい」と述べた。


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from 行事 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=185416
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回転窓/グルグルが気になるお年頃

 「なにそれ?」と首をかしげられるようなことが、妙に気になる性分である。小欄の場合、それは洗濯機だ。スイッチ一つで後は機械が勝手にやってくれる。そう分かっているのに、つい洗濯槽をのぞき込んでしまう。シャツとタオルは偏っていないだろうか、きちんと洗濯液につかっているのか。心配したところで、洗濯機はお構いなしだ▼先日も梅雨の晴れ間に洗濯機をのぞき込み、グルグル回る洗濯槽を眺めていた。その姿はさながら品質検査員。家族から見れば、不審者そのものだったろう▼もっとも、こんなことができるのも洗濯機のおかげだ。ひと昔前まで、洗濯は手間も時間もかかる重労働だった。家族全員の洗濯物と向き合った人たちが、洗濯機の前でぼんやり過ごす私を見たら、「あんた、暇だね」と失笑するに違いない▼洗濯機はきょうも黙々と回り続ける。その様子をじっと眺めながら、洗濯物がきれいになるのを待っているのか、つかの間の何もない時間を味わっているのか、自分でもよく分からない▼洗濯機がグルグルと回り、水の音が響く。便利さが生んだのは、案外、こんな真っ白な時間なのかもしれない。


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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=185413
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関東整備局江戸川河川/サマータイム導入後押し/大林組施工、江戸川水閘門改築I期

 関東地方整備局江戸川河川事務所は、同局発注で大林組が施工する「R6江戸川水閘門改築(I期)工事」で、猛暑時間帯の施工を避けるサマータイムの取り組みを後押しする。熱中症対策として涼しい時間帯に作業を集中させ、安全確保や施工品質の維持につなげる。実施期間は7月13日~8月7日。通常は午前8時~午後5時の作業時間を午前7時30分~午後1時30分に変更する。
 サマータイムは、同社が現場管理の一環で導入する。移動式の冷却設備や体調管理システムといった従来の熱中症対策も併用。▽熱中症リスクの低減▽施工品質の確保▽生産性の維持-を図る。同事務所は工事関係地域への周知などで、円滑な取り組みを支援する。
 導入後は1日当たりの作業時間が約2時間短縮される。同事務所担当者によると、「年間を通じた総作業時間が変わらないよう、別の時期に作業時間を延長」し、工程全体で調整する考え。「こうした先行的な取り組みを後押しし、情報提供を進めていく。建設業界が魅力ある職場になれば」と期待を寄せる。
 大林組は、サマータイムの取り組み後に「作業員の感想を収集し、評価分析をする」(同社担当者)方針だ。
 R6江戸川水閘門改築(I期)工事は、東京都江戸川区と千葉県市川市にまたがる江戸川水閘門を改築し、耐震性や設備の操作性を高める。工期は3期に分割。1期はECI方式を適用し、閘門と水門を一つずつ建設する。設計は建設技術研究所が担当。施工は大林組が担う。2028年度の完成を目指す。


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from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=185411
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広島県呉市/幸町地区新複合施設基本計画策定支援業務/日本工営都市空間グループに

 広島県呉市は「幸町地区総合整備に関する建物等調査及び新たな複合施設整備基本計画策定支援業務」の公募型プロポーザルで、日本工営都市空間と昭和設計による共同事業者の提案を選定した。ヒアリング審査などを踏まえ、同者を優先交渉権者にした。
 業務内容は点群調査、青山クラブと桜松館の3Dモデル作成、部材移設・意匠再現検討と調査、複合施設の展示・収蔵計画、事業手法、整備スケジュールの検討、概算工事費の算出、基本計画図やイメージパースの作成などを行う。履行期間は2027年3月31日まで。
 計画では、青山クラブや入船山記念館など旧海軍ゆかりの建物が立地する幸町地区に複合施設などを整備する。青山クラブはすべて解体し、外観デザインを継承した複合施設を建てるほか、美術館本館や入船山記念館は現在の配置のままで一部機能の移転などを検討する。地区内の移動をスムーズにする空中回廊も設ける。
 複合施設は美術館やホール、音楽活動練習室、情報発信コーナー、物販・飲食スペースなどを備え、延べ面積は約5900平方メートルを想定する。
 26年度は保存・活用する青山クラブと桜松館の部材調査や解体設計を進め、27年度に取り壊す。複合施設は26年度に新美術館の基本計画をまとめ、29年度の着工を予定。


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三井住友建設/XRでトンネル施工管理効率化/計測作業・帳票作成を一人で

 三井住友建設は、現実世界と仮想世界を融合するXR技術で、山岳トンネルの施工管理を効率化する計測・管理アプリを開発した。米アップル製のXRゴーグルと組み合わせ、従来は2人で対応していた高所を含む計測作業から帳票作成までを一人で完結。測量機器や高所作業車の設置、計測中の工事車両一時通行止めが不要になり、出来形計測に有効と確認した。
 建設テックスタートアップのネクステラス(札幌市中央区、木下大也代表取締役)の協力で、「XR Measure」として開発した。山口県長門市で施工する「令和5年度俵山・豊田道路第2トンネル工事」(発注者・国土交通省中国地方整備局山陰西部国道事務所)の壁面導水シートで性能を確認した。
 計測者はXRゴーグルを装着し、対象物の起点と終点を指定するだけで、簡単に距離が計測できる。事前に測量した基準点に基づき、CIMモデルを実空間に重ねて表示すると、設計断面で対象物の計測情報を確認しながら測定可能だ。
 計測結果はCAD展開図に自動で反映される。DXF形式の帳票として自動出力され、出来形管理がより迅速で正確に行えるになる。
 今後、CIMモデルとの連携強化やトンネル施工管理のデジタル化を発展。計測データの一元化と施工管理のさらなる効率化を目指す。


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2026年6月22日月曜日

回転窓/地域と共に歩むトンネル

 19世紀末に英国人宣教師で登山家のウォルター・ウェストンが著した『日本アルプスの登山と探検』は、日本の雄大な山々の魅力や風習を世界に紹介した。1896年にロンドンで出版されてから、今年で130年を迎える▼長野県松本市の上高地には、ウェストンのレリーフが設置されている。今年も6月第1日曜、現地で「ウェストン祭」が開かれた▼上高地の山岳リゾート地としての歩みは、玄関口の道路トンネルなくしては語れない。菊地俊朗氏の著書『釜トンネル 上高地の昭和・平成史』(信濃毎日新聞社)を読むと、トンネルが地域社会といかに密接な関係にあるかが分かる▼国土の多くが山地の日本で、トンネル施工の人材確保は重要だ。だが日本建設業連合会(日建連)の調査資料では、トンネル切羽作業員が高齢化によって、2034年には大幅に減少すると予測されている。新技術の導入や標準化、施工の自動化などが急がれる▼かつて秋の上高地を訪れた時、地元の方に「今度は新緑の6月ごろにもぜひ」と勧められた。当時はまだなかった現在の釜トンネルなどを抜けて、初夏の色に彩られた風景に出会いたい。


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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=185389
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