◇過去最多の241者が出展
「ええもん(技術)使こて、ええモン創ろ!」をテーマに掲げた「建設技術展2026近畿」(主催・日刊建設工業新聞社、近畿建設協会)が28日午前、大阪市住之江区のインテックス大阪で開幕した。今年は過去最多となる団体や企業など241者が出展。行政や大学・高専・高校なども参加し、9分野約650件の先進技術や研究成果を披露する。2日間にわたって産・学・官の幅広い交流の場となる。入場無料。=1面参照
午前9時45分からメインホールで開かれた開会式では、主催者を代表して近畿建設協会の谷本光司理事長があいさつ。全国各地で相次ぐ自然災害に触れ、「災害は今後も日本のどこかで起こることを覚悟し、備えなければならない」と指摘。「防災インフラは堤防やダムだけでなく、避難所や避難路、交通網も含まれる。整備から維持管理、更新まで人と技術の総動員が必要になる」と強調した。その上で「技術展が技術開発と担い手育成の大きな核となっていくことを期待している」と述べた。
出展者を代表して日本道路建設業協会(道建協)関西支部の松井耕二支部長は「自然災害の激甚化やインフラの老朽化、担い手不足などの課題に対応するには、ICTやAIを活用した生産性向上と技術革新、人材の確保・育成が不可欠だ」と強調。「技術は展示するだけでは課題の解決にはならない。実際に触れ、意見を交わし、現場で活用するきっかけが生まれることこそ技術展の大きな意義だ」と語った。
来賓あいさつでは近畿地方整備局の小林賢太郎局長が、少ない人数でも建設現場の仕事を進められる「i-Construction2・0」の取り組みを紹介。「生産性向上や安全・安心の確保、カーボンニュートラルなどの課題に対応する技術が現場で活用され、社会実装されることを強く期待している」と述べ、産学官の交流から新たなイノベーションが生まれることにも期待を寄せた。
近畿整備局の朝田将企画部長が開会を宣言し、主催・共催団体などの代表14人がテープカットを行って技術の祭典が幕を開けた。
建設技術展は土木学会CPD(継続能力開発、初日5・5単位、2日目4・5単位)、全国土木施工管理技士会連合会CPDS(継続能力開発システム、各日2ユニット)のプログラム認定を受けている。展示は▽防災▽環境▽コスト縮減▽安全・安心▽施工▽維持・更新▽DX・ICT▽団体▽学校-の9分野で構成。建設現場の省力化や安全性向上、インフラの長寿命化、脱炭素化などに役立つ技術が紹介されている。大学や高専、高校による研究成果の展示も行われている。
初日(28日)は、メインホールで関西ライフライン研究会が地震防災フォーラム「災害に強く持続可能な社会基盤づくり」を開催。兵庫県土地開発公社の服部洋平理事長(元兵庫県県土整備部長)が「南海トラフ地震への備えとインフラ・メンテナンス~兵庫県の取組と課題~」と題して基調講演した。NTTインフラネットの阿部俊関西事業部ソリューション事業部長らが参加したパネル討議では、鍬田泰子神戸大学大学院教授がコーディネーターを務めた。
サブホールでは恒例の橋梁模型製作コンテストの会場製作部門が実施され、27チームが指定材料を使って支間長1メートルの橋梁模型を2時間以内に製作する課題に挑んだ。事前に製作した支間長60センチの模型を展示する学生部門には、大学や高校などから50チームが出場。デザインや構造の工夫を競った。
午後は建設コンサルタンツ協会(建コン協)近畿支部のシンポジウム「AI時代におけるインフラと官民の働き方の進化~人とAIが共創するミライ 若手からの提言~」を開催。日本マイクロソフトの町田匡史氏が働き方改革をテーマに基調講演し、建設分野の若手6人がAIを活用した10年後の働き方を提言した。
NPO法人あすの夢土木による「今、バズる 土木動画コンテスト発表会・表彰式」も開かれた。土木の魅力を伝える動画作品を紹介し、会場投票やトークショーを行った。
近畿整備局は「インフラDXコンペ発表会」を開き、公募で選ばれた9技術を発表。国土交通省の高橋伸輔官房参事官(イノベーション)が「国土交通省におけるインフラ分野のDX(i-Construction2・0・フィジカルAI等)について」と題して特別講演した。
2日目(29日)は午前10時から橋梁模型製作コンテストの載荷試験が行われる。会場製作部門と学生部門の作品に重りを載せ、強度を検証。学識者や橋梁専門家らがデザイン性や技術度、完成度、経済性、載荷試験の結果を総合的に評価し、最優秀賞などを決定する。
午後には「関西のインフラ強化を進める会」のシンポジウムを開催する。増田寛也野村総合研究所顧問(元総務相、元岩手県知事)が「人口減少社会を生き抜くために」をテーマに特別講演。小林潔司京都大学経営管理大学院特任教授の進行で、小林近畿整備局長と増田氏が「我が国を取り巻く環境変化と関西の未来戦略」について鼎談(ていだん)する。
サブホールでは土木学会関西支部と建コン協近畿支部による「関西土木工学交流発表会」のポスター発表が行われる。若手研究者らが研究成果を紹介し、来場者の投票で優れた発表を選ぶ。学生を対象とした「学生のためのキャリア支援~相談にのります、将来への道づくり~」も実施。国や自治体、高速道路会社、建設会社、建設コンサルタント会社の担当者が学生の質問に答える。
表彰式・閉会式は午後3時50分から行われ、注目技術賞やベストブース賞、橋梁模型製作コンテストの入賞者が発表される。
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