2026年3月4日水曜日

ひびきウインドエナジー/国内最大規模、北九州響灘洋上風力発電の営業運転開始

 北九州市若松区沖で国内最大規模の洋上風力発電所「北九州響灘洋上ウインドファーム」が、営業運転を2日に始めた。2023年3月13日に着工。広さ約2700ヘクタール(南北1~10キロメートル、東西11キロメートル)、水深約8~30メートルの海域に、着床式大型風車25基を設置した。総事業費は約1700億円。国のFIT(固定価格買い取り)制度を活用し、20年間の発電事業を計画する。
 北九州市が事業者を公募し、17年2月に▽九電みらいエナジー▽電源開発▽北拓▽西部ガス▽クラフティア-の5社によるコンソーシアムを選定。SPC(特定目的会社)の「ひびきウインドエナジー」(北九州市若松区、水町豊社長)を設立し、プロジェクトを推進してきた。
 愛称は「Wind KitaQ 25(ウインド・キタキュウ・ニジュウゴ)」。風車1基当たりの設備容量は9600キロワットで、最大出力は計22万キロワット。年間発電量は一般家庭約17万世帯に相当する約5億キロワット時を見込む。二酸化炭素(CO2)削減効果は年間約27万トンを見込む。ローター直径は174メートル、ブレードの最高地点は海水面から約200メートルとなる。
 風車の供給・据え付け工事をべスタス・ジャパン、風車基礎・海洋工事を五洋建設・日鉄エンジニアリングJV、陸上電気工事をJ-POWERハイテック、運転・保守拠点港工事を五洋建設・若築建設JV、作業員輸送船運航管理を東京汽船が担った。
 施工用のSEP(自己昇降式作業台)船を五洋建設と鹿島、寄神建設(神戸市兵庫区、寄神裕佑社長)が共同出資する「PKYマリン」が運航した。




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回転窓/海は広いな大きいな

 海は広いな大きいな--。日本人の心に響く、聞きなじみのある童謡のワンフレーズだ。四方を海に囲まれた国土で生まれ育ったからこそ、長く大切に歌い継がれてきたのだろう▼海という漢字が、もともと「〓(さんずいに母)」だったことを知っている人は、意外と少ないのではないか。1947年に現在の字体に変わるまでは、「母」という字を使っていた。海がすべての生命の源であったことの表れといえる▼海は自由の象徴でもある。国際法によると、公海はすべての国に開放され、航行や飛行、一定の条件下での漁獲などが自由に行える。貿易量の99%以上を海上輸送が占める日本が発展してきたのは、海と深く関わってきたからにほかならない▼だが、世界の覇権を争う大国の思惑や傍若無人な振る舞いによって、さまざまな地域で海の自由と平和が脅かされてきた。日本近海では領海侵犯が頻発。直近では、世界の石油消費量の2割が通過するホルムズ海峡も封鎖された▼本来であれば、自由に行き来し、世界とつながる道でもある海。地球の母が与えてくれた人類共有の財産を守るためにも、過度な振る舞いは慎むべきであろう。




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国交省/能登半島地震復旧復興/無人化施工や3Dプリンター活用

 国土交通省は3日、能登半島地震の復旧・復興工事に導入した技術や技術的な取り組みを社会資本整備審議会(国交相の諮問機関)の道路分科会道路技術小委員会に報告した。遠隔操縦による無人化施工、AI制御の不整地運搬車、3Dプリンターの活用や、4月から適用となる「道路土工構造物技術基準」を先取りする格好の排水材整備を説明。現地の状況に応じた対応を進めていることなどを紹介した。
 被害が集中した能登半島の道路復旧現場は、重機で混雑し、安全な施工環境の確保が課題になっており、土砂崩落現場などで使われる遠隔施工が行われている。石川県輪島市では、河川災害の復旧工事で遠隔操縦装置による無人化施工を実施。千葉県内の操縦席から重機を遠隔操作した。1人のオペレーターがバックホウを遠隔操作しながら、AI制御された不整地運搬車2台を管理。自動走行技術も駆使することで、土砂の積み込み場所から受け入れ地まで自動運転させた。
 作業ヤードに制約のある道路復旧現場では、現地合わせの構造物を早く施工するための3Dプリンターを多く使用。3Dプリンター製の集水ますや、特殊な形状の一品部材の製造に生かした。専門性の高い型枠工の確保が難しい状況でも、モルタルを練り混ぜた材料の造形を自動で行った。
 4月からは2025年6月改定の道路土工構造物技術基準が適用になり、地震の教訓を踏まえて排水施設が原則設置となる。半島内ののと里山海道のような多段盛り土が大規模崩壊した箇所の復旧では、基準の改定を先取りして盛り土構築時に水平排水材(板状排水材)を設置する対応などを進めている。




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佐伯綜合建設/集中管理センター開設/建設DX推進とイメージの刷新取り組む

 佐伯綜合建設(岐阜県川辺町、佐伯敏充社長)は、建設現場の遠隔管理機能や地域交流スペースなどを設けた「集中管理センター」(岐阜県美濃加茂市古井町)を4月1日に開設する。建設DXの推進や建設業のイメージ刷新に取り組む。工事費は約7億5000万円。 
 遠隔管理機能は大型モニターとウエアラブル機器を活用し、工程進捗管理、安全管理、品質管理を統合的に行う。現場映像やデータをリアルタイムで共有することで社内にいながら全国の建設現場の状況を把握し、迅速な意思決定と指示を可能にする。現在は年間20現場程度の遠隔管理を予定。
 1階には地域交流スペースを設置。市行政や近隣の教育機関との連携、施設見学の受け入れなどで建設業への理解促進と若い世代に魅力を発信し、イメージの刷新を図る。
 災害時でも機能を維持するため蓄電池とモバイルバッテリーを常設するほか、Nearly ZEBを取得し脱炭素にも配慮した。
 佐伯佳優取締役は「美濃加茂から全国へ、地方企業として持続可能な建設モデルを発信する」とコメントした。




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大成建設/シールドマシン掘進時の振動低減/常時計測と低摩擦高性能滑材組み合わせ

 大成建設は、シールドマシンの掘進時に発生する振動の低減技術を開発した。振動を常時計測して要因を定量的に把握・可視化するモニタリングシステムを活用。マシンの外殻と地山の摩擦で振動が発生した場合、新開発の低摩擦高性能滑材で抑制する。住宅やインフラが近接する都市部での工事を対象に、現場標準技術として確立を目指す。
 複数技術を組み合わせてシールド掘進時の振動を低減する「サイレントシールド」として開発した。鹿児島市の市街地で施工する「鹿児島3号東西道路シールドトンネル(下り線)新設工事」(発注者・国土交通省九州地方整備局)の現場で効果を確認した。
 振動モニタリングシステムの「サイレントナビ」や、低摩擦高性能滑材の「サイレントゲル」などで構成する。シールドマシンに設置した加速度計や変位計、圧力センサーなどを活用し、サイレントナビで掘進時の振動を収集・解析する。
 掘削部や後胴部の付近といった複数箇所の振動などをモニターにトレンドグラフで常時並列表示し、トリガー振動が可視化できる。振動発生の要因が地山掘削か周辺摩擦かを即時に判定し、カッターの回転数を調整するか、必要箇所にサイレントゲルを投入するなど最前線の判断に役立てる。
 サイレントゲルは、独自配合で高潤滑性や低粘性による充填のしやすさ、低浸透性の効果を同時に満たす。マシン外殻と地山の間で生まれる摩擦でマシンが静止と滑りを繰り返す現象が抑制可能だ。室内模擬実験では、従来品に比べ振動加速度を約50%低減。現場でも振動加速度レベルを7デシベル減らせた。今後は、シールドマシン掘進時の姿勢自動制御など新たな対策技術の開発を目指す。




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2026年3月3日火曜日

回転窓/自分を小さくしない配慮のかたち

 気遣いは、時に静かな力を持つ。改めて言うまでもない。相手の立場を思う言葉やほんの少し身を引く態度が場を和ませ、人間関係を前に進めてきた。忖度(そんたく)も使い方次第で潤滑油になる▼衝突の手前で減速する判断を否定はしない。ただ、度を越せば景色は変わる。与え続けられる優しさに慣れた相手は、それを特別な配慮ではなく、当然の権利のように受け取るようになる▼水を与えられ続けた鉢植えが、枯れまいとしながらも根を深く伸ばす力を失っていくように、関係もまた自立の機会を奪われる。次第に均衡は崩れ、静かな重さが積もっていく。やりとりを目にする周囲は、気遣いの温度よりも、自分を小さくしているような振る舞いに違和感を覚える▼配慮は本来、静かな自信と隣り合うものだ。けれど行き過ぎれば、見えない圧力になることもある。心遣いで掛けた柔らかな毛布が、いつの間にか身動きを鈍らせてしまうように▼だからこそ、時に立ち止まりたい。気遣いは、自分を擦り減らして差し出すものではない。輪郭を保ったまま、そっと手渡す。その方がきっと長く、心地よく、相手に響き続ける。




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日板協、全板連/富士教育訓練センターで全国建築板金競技大会開く/52人が腕前披露

 日本建築板金協会(日板協、野溝年成会長)と全日本板金工業組合連合会(全板連、同)は1日、静岡県富士宮市の富士教育訓練センターで第48回「全国建築板金競技大会」を開いた。制限時間内で銅板加工の出来栄えを競う技能競技の部(ZIC)に32人、施工図の完成度を競う建築技術の部(NYAC)に20人が出場。計52人が日頃鍛えた腕前を披露した。
 2月28日の開会式で、野溝会長は「業界の将来を背負う皆さんが自らの技能を磨き、周りに広めてもらうための大会だ。練習の成果を最大限に発揮するとともに、大会を通して仲間をつくり仕事の楽しみを見つけてほしい」と呼び掛けた。
 ZICの課題は、4時間30分以内に銅板1枚から手おけとひしゃくを製作すること。選手たちは展開図を描いた上で指定工具や自作のこてを駆使し、銅板を切り出して作品を形にした。NYACでは「学生寮新築工事」を想定し、4時間以内で条件を踏まえた屋根と外壁の施工図を作成した。
 大会は日本の伝統的な建築板金の技能・技術を伝える後継者を育成するため、1979年から毎年開催している。過去の大会優勝者を除き、建築板金に興味がある人物であれば、学生を含め誰でも参加できる。今回の審査結果は3月中旬に発表予定。各部の上位者は5月28日に札幌市で開く両協会の全国大会で表彰する。




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国交省/港湾技術基準在り方検討/有識者委が初会合

 国土交通省は、2日に「港湾技術基準のあり方検討委員会」の初会合を省内で開いた=写真。防災・減災、国土強靱化の対応や、脱炭素の取り組みの進行といった社会の動きを考慮。施設整備や維持管理に伴う「港湾の施設の技術上の基準」(港湾技術基準)の見直しで方向を議論する。委員長は東京科学大学大学院の岩波光保教授が務める。
 港湾技術基準は2018年の全面的な改定から約7年が経過している。気候変動を考慮した設計手法の導入といった部分的な改定を行ってきた。国土強靱化に加えて、カーボンニュートラル(CN)に向けた港湾のGXなど、基準の在り方が問われるようになっている。
 同検討委は学識者や研究機関、建設関係団体で構成する。基準を巡るニーズと現状、課題を踏まえ、在り方を議論する。整備や維持管理の担い手減少を受け、さまざまな話題に議論が発展する可能性もある。初会合では委員が自由に意見交換した。
 冒頭、港湾局の大岡秀哉官房参事官(技術監理・情報化)は10年、50年先を見据えた課題の検討を要請した。同時に「(整備を急いだ)今までと違うのは人口減少社会に確実にきている」と指摘し、対応の検討を求めた。




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東京建物/東京駅前にトフロムヤエスタワーが完成/規模は延べ22・5万平米

 東京建物が東京駅前で建設していた延べ約22・5万平方メートルの大規模ビル「TOFROM YAESU TOWER(トフロムヤエスタワー)」が2月28日に完成した。オフィスや商業施設、劇場などが入る。大林組・大成建設JVが施工した。隣接街区に整備している延べ約1・2万平方メートルのビルが7月に竣工すると、トフロムヤエス街区全体が完成する。
 トフロムヤエスタワーの整備事業は「東京駅前八重洲一丁目東B地区市街地再開発組合」が施行した。東京建物は再開発組合の一員として参画している。
 同タワーの所在地は中央区八重洲1の6の1(敷地面積約1万0600平方メートル)。S・RC・SRC・CFT造地下4階地上51階建て延べ22万5000平方メートルの規模で立っている。基本設計は日本設計、実施設計を大林組が担った。
 ブレーキダンパーとオイルダンパーを併用したハイブリッド制震構造を導入。超高層建築物の構造計算基準で定められた地震動の1・5倍の揺れに耐えられる。災害時に1800人が一時滞在できる約3000平方メートルの帰宅困難者受け入れスペースも確保した。
 今後は3月20日に「バスターミナル東京八重洲」の2期エリアが開業する。都市再生機構が整備し、京王電鉄バスが運営する。約800席規模の劇場・カンファレンス施設も今春オープンする。
 隣接街区に竣工するビルは「TOFROM YAESU THE FRONT(トフロムヤエスザフロント)」。地下2階地上10階建て延べ1・2万平方メートルの規模になる。設計・施工は大成建設が担当している。




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名古屋市上下水道局/AIで上下水道管データ照査効率化/庁内公募プロジェクトに採択

 名古屋市上下水道局は、KKGeneration(KKG、東京都渋谷区、藤田浩之介社長)が開発したAIを活用した管設計データの照査業務を試験導入している。これまでは基準への適合や数量計算ミスの有無を職員が確認し多くの時間を要していたが、自動で確認できるシステムを構築し、効率化に取り組んでいる。
 「AIを活用した上下水道管データの照査業務の効率化」は、2025年度の実証実験では費用や時間に制約があるため、水道、下水ともに管の延長や口径、マンホールの規格など基本的な9項目の照査業務に絞ってシステムを開発。図面と書類をアップロードするだけで整合性を確認できるシステムとした。また、明文化されていない市独自のルールもあるため、KKGが職員にヒアリングした内容も組み込んだ。
 2月27日に開いた説明会=写真=で管路部配水設計課の福井紀行課長補佐は「人間では350秒かかっていた図面の確認が、AIでは35秒で終わった事例もある」と説明する一方で、「25年度は比較的シンプルな工事で採用し、一定の成果が確認できたが、情報が多いものや複合的な工事での導入はできていない。確認項目も一部にとどまっており、今後さらなる検討が必要だ」とした。
 市上下水道局では毎年300件超の上下水道管工事を発注している。図面作成者とは別の担当者が照査業務を行うが、1件につき1~2日かかる上に1カ所でも誤りがあれば公告取り消しとなるケースもあるなど、心身ともに負担のかかる業務となっていた。
 同プロジェクトは経済局の庁内公募プロジェクト「ハッチテクノロジーナゴヤ2025」に採択された。限られた人数で多くの業務を、質を落とすこと無く遂行するために取り組んだ。26年度は既存システムのブラッシュアップなどに取り組む。




from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=182072
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