大阪府と大阪市は、首都中枢機能を代替する副首都に必要となる施設・インフラ整備に向け、新たな交付金制度と地方債制度の創設を国に提案する方向を示した。4日に大阪市役所で開いた第27回副首都推進本部(大阪府市)会議で「副首都・大阪成長ビジョン」の中間報告を行った。2027年3月ごろに素案をまとめ、27年度の成案化を目指す。 中間報告は副首都法に基づき国が策定する副首都整備方針に対し、大阪から意見を述べるための土台となる。9月の前回会合で示した構想をさらに詰め、今回は大阪が目指す将来像や導入・集積すべき機能を示す第1部「ビジョン編」を報告。引き続き、大阪自らが取り組む施策を第2部「施策編」としてまとめる。 ビジョン編では規制改革や権限移譲、税制優遇、財政基盤の確立を重視。国への提案例として、新たな交付金「副首都推進交付金」や地方債制度「副首都整備債」を明示し、拠点施設や交通インフラの整備に必要な財源確保を見据えた。 首都機能のバックアップでは国と府の合築による「副首都庁合同庁舎」(仮称)の整備を引き続き掲げた。大手前エリアを中核に、非常時に緊急災害対策本部を設置できる機能や防災関係機関を集約し、平時から国の行政機能の一部を担う体制の構築を目指す。 強靱化では府域全体で取り組む施策として防災力や安全・安心の向上に関する項目を新たに追加。三大水門の更新、寝屋川北部・南部地下河川となにわ大放水路の接続、港湾の防潮堤や河川護岸のかさ上げ、下水道整備を列挙。堺2区の基幹的広域防災拠点や南河内地域の新たな防災拠点整備、府域上下水道の広域化・一元化なども盛り込んだ。 交通インフラではリニア中央新幹線や北陸新幹線、新名神高速道路、新大阪~伊丹空港の直結鉄道、新御堂筋の機能強化を引き続き位置付けた。高速道路の接続改善として大和川線と堺線、池田線と神戸線を例示。淀川左岸線やJR桜島線、京阪中之島線の延伸も掲げた。デジタルインフラでは大阪湾への国際海底ケーブルの陸揚げやデータセンター、電力基盤の一体整備を推進する方向を示した。 重点整備地域は都心部7エリアと府域4エリアを引き続き設定。各地域の特性を生かした拠点形成やエリア間の連携を進める。 吉村洋文知事は「国からの財政措置を単なる補助金ではなく、都市の成長による税収増を生み出す投資と捉え、従来の延長線上にない発想で施策を具体化してほしい」と求めた。
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