2023年3月24日金曜日

熊本県/新工場団地を菊池テクノパーク西側に、23年度に実施設計着手

 熊本県は、半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町への新工場進出に伴う半導体関連企業の誘致に向け計画する新たな工業団地の整備場所を、菊池市の県営工業団地「菊池テクノパーク」の西側隣接地に決めた。整備面積は約25ヘクタール。2023年度上半期に実施設計の委託先を決める一般競争入札を公告する予定で、9月ごろ設計に着手し、24年度末までに造成工事を始め、26年度末までの分譲開始を予定している。
 蒲島郁夫知事が22日の定例記者会見で発表。蒲島知事は「企業にとって魅力的な工業団地になると考える。さらなる産業集積につながることを期待している」と述べた。
 整備予定地は同市旭志川辺と泗水町永にまたがり、大半が農地。23年度中の用地取得完了を目指す。
 周辺に県や菊池市の工業団地があり、26年4月の稼働開始を目指す三菱電機のパワー半導体の新工場も新たな工業団地の北側に位置する。TSMCの新工場と国道325号でつながり、整備が進む中九州横断道路にも近く交通アクセスの良さも考慮して場所を選定した。
 県はこのほか合志市にも同規模の新たな工業団地の整備を検討しているが、場所を絞り込めておらず決定次第改めて発表するとしている。
 総事業費は2カ所の工業団地で計約70億円。23年度の高度技術研究開発基盤整備事業等特別会計予算に2カ所の実施設計費や用地取得費など24億9700万円を計上した。



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2023年3月23日木曜日

回転窓/酒造りを文化遺産に

3月に入り全国的に気温が高く推移し、各地で平年より早く桜が開花している。花見の名所では久しぶりに飲食の自粛要請もなく、にぎやかな声を聞けるシーズンとなりそうだ▼花より団子、それよりお酒という方もおられるのでは。花見宴会を4年ぶりに解禁する自治体は多いが、場所や時間を規制している場合もある。ルールを守りながら楽しいひとときにしてもらいたい▼文化庁が日本酒や焼酎、泡盛など日本の「伝統的酒造り」を国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産の候補に提案する。2024年11月ごろ審議される見通しだ▼500年以上前に原型が確立した伝統的酒造りは風土に応じて発展し、自然や気候と深く結び付きながら伝承されてきた。酒は儀式や祭礼など日本文化の中で不可欠な役割を果たしている。建設に関する式典でも土地の神様に酒を供え工事の安全を願い、竣工時は無事の完成に感謝する▼酒造りも建設も古代から連綿と続く歴史を持ち、培われた高度な技は現代に受け継がれている。伝統的酒造りも無形文化遺産に登録された「伝統建築工匠の技」に続いてほしい。朗報を待ちたい。

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岐阜市駅前再開発が始動/2組合が設立発表会、34階建てツインタワーを建設

岐阜市のJR岐阜駅正面で大規模な再開発事業が動き出す。岐阜駅北中央東地区市街地再開発組合(柴山直人理事長)と同西地区市街地再開発組合(川口富雄理事長)は22日、組合設立合同発表会を市内で開き、新たなランドマークとなる34階建て2棟、総延べ8万平方メートル超のツインタワー計画の概要を説明。新たなにぎわい拠点の形成に向け関係者が一丸となってプロジェクトを進める。2025年度に既存施設の解体に着工し、28年度の完成を目指す。総事業費は約400億円。
岐阜駅北中央東地区第1種市街地再開発事業(吉野町5ほか)の事業参加者は積水ハウス(代表企業)、野村不動産、共栄ライフパートナーズ、清水建設、都市研究所スペーシア。施設は34階建て延べ約3万9000平方メートル。事業費は約190億円。
岐阜駅北中央西地区第1種市街地再開発事業(吉野町6ほか)の事業参加者は野村不動産(代表企業)、共栄ライフパートナーズ、清水建設、都市研究所スペーシア。施設は34階建て延べ約4万4700平方メートル。事業費は約210億円。
いずれも1~2階が商業施設、3~4階は業務施設。5階以上が住宅で、2棟合わせて約450戸の分譲を予定している。
柴山理事長は「金融危機や景気低迷などで計画立案が困難だったが、事業効果の大きさに期待している」、川口理事長は「市の玄関口の顔となるよう尽力する」とあいさつした。柴橋正直市長も「市のまちづくりが確実に進む。市民も交えて事業を推進したい」と話し、新たな再開発事業に期待を寄せた。
2棟の設計・施工を担当する清水建設の新村達也常務執行役員名古屋支店長は「市のランドマーク施設の設計と施工に携わることができ名誉なことだ。全社を挙げて取り組み地域の発展に尽力したい」と意気込みを語った。
再開発事業の完成イメージ。写真左のツインタワーのうち、左側が東地区、右側が西地区(報道発表資料から)

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竹中工務店ら/大商のロボット実証実験を支援、団地モデルルームで経路ナビ

竹中工務店とロボット開発などを手掛けるエイム・テクノロジーズ(東京都港区、吉本万寿夫代表兼CEO〈最高経営責任者〉)は、自律走行ロボットが団地のモデルルームで経路をナビゲーションするなどの実証実験を支援する。大阪商工会議所(大商、鳥井信吾会頭)が都市再生機構の協力を得て大阪市城東区の森之宮第二団地で行う実験。動作を検証し、ユーザー評価に基づき今後の実装に向けた課題を整理する。
竹中工務店が建設作業所で取り入れているロボット運用技術を、今回の実証実験に生かす。ロボットとエレベーターを通信機器で連携させて協調を確認。近隣の商業施設で購入した商品の宅配サービスや、ごみ出し支援も実験する。ロボット導入による団地管理者の業務省人化や、団地住民へのサービス・住宅の質の向上など、団地DXの可能性を探る。
実証実験は20~24日に実施。ロボットは中国製の「NAOMI-2」を使用。高さは約1メートルで、幅と奥行きは約55センチ。重さは約65キロ。2カ所の収納スペースを備える。
大商は森之宮第二団地付近の大阪城東部地区で、企業や住民が新しい価値やビジネスの創出を目指す「まちなかリビングラボ」に取り組んでいる。今回も、その実現に向けた社会実験の一環として行った。
今後、JR大阪駅北側のうめきた2期など大阪全体でこの取り組みを展開する予定だ。
エレベーターから通路に移動するロボット

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21年度都道府県発注工事の週休2日達成率3割、公告時点と隔たり/国交省調べ

都道府県発注工事の2021年度完了案件のうち週休2日を実際に達成した割合が全国平均で約3割にとどまることが、国土交通省の調査で分かった。週休2日を前提とした工事発注の割合を示す「公告ベース」の数値とは大きな隔たりがあり、現場の実態として休暇取得のための現場閉所などができていない可能性がある。国交省は受注者と意思疎通を取りながら、発注者指定型モデル工事の拡大や工期設定の適正化などに取り組む必要性を訴える。

各都道府県に災害緊急復旧工事を除いて21年度に完了した工事件数と、そのうち4週8休以上を達成した工事件数を聞いた。未集計で回答がなかった東京都を除き、週休2日の達成率が「75%以上」は北海道と石川、福井両県の3団体。「30%以上75%未満」は15団体、「10%以上30%未満」は17団体、「10%未満」は11団体だった。
公告ベースの数値は各都道府県内の政令市の発注工事を足し合わせた県域単位で例年集計しており、21年度は全国平均で81%だった。週休2日対象工事の割合が100%に達している県域も19都県あった。
週休2日を実際に達成する現場を増やすには、地元業界内の意識浸透が欠かせない。国交省によると、達成率が高い団体からは「発注者指定型を増やすことで入札参加段階から企業の週休2日への意識が強まった」との指摘があった。
受注者希望型で多く発注する団体からは、天候などの不確定要素や工程計画上の理由、日給月給制の労働者の収入確保などを理由に希望しない企業が多いという声が聞かれた。「県の定める標準工期が短いとの理由から業界の理解が得られない」と明かす団体もおり、受注者の声を聞きながら現状の課題を分析し、週休2日を可能とする環境整備を進める必要がありそうだ。


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記者手帖/親孝行したい時には親はなし

先日、父親の十三回忌の法要で数年ぶりに実家に帰省した。思い返せば父親が亡くなったのは東日本大震災の約2週間後。世の中も社内の業務も慌ただしい中で会社を休むことは心苦しかったが、こればかりはどうしようもなかった。葬儀後もこまごましたことで忙しかったことを覚えている◆実家にはしばらく母親が1人で住んでいたが、高齢で心配なこともあって、施設にお世話になることになった。盆と正月は帰省し面会するようにしていたが、コロナ禍で面会が禁止に。高齢者を預かる施設として当然の決断だが帰省の意味を失い、実家からも足が遠のいていた◆感染症の状況が落ち着いたこともあり、先日の帰省時わずか5分だったが対面で面会することができた。もしかしたら私の顔を覚えていないのではないか、と少し緊張したが杞憂(きゆう)に終わった。久しぶりに会う母親は1人暮らしの時よりも肌つやもよくふっくらしていた。三度の食事もおいしいそうで安心した◆いま考えると、父親にはたいした親孝行ができなかった。母親には「親孝行したい時には親はなし」とならないようにしなければ。久しぶりの故郷で改めてそう誓った。(川)
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UBE三菱セメント/映画「シン・仮面ライダー」撮影に協力、工場がロケ地に

UBE三菱セメントは、映画「シン・仮面ライダー」のロケに協力した。余熱設備を備えた高さ約90メートルのタワーなど大規模な設備を保有する宇部セメント工場(山口県宇部市)が撮影地となった。圧倒的なスケールの工場設備の中で仮面ライダーが躍動しながら登場する。
同作品は仮面ライダー生誕50周年の企画作品として制作され、全国の劇場で公開されている。原作は石ノ森章太郎氏で、同市出身の庵野秀明氏が脚本・監督を務めた。
宇部地区で行われたロケの様子(報道発表資料から)

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長崎県大村市/新ごみ処理施設基本計画策定、運営期間20年のDBO想定

 長崎県大村市は、老朽化に伴う環境センター(森園町)の建て替えとして整備する新ごみ処理施設の基本計画を策定した。エネルギー回収型廃棄物処理施設と不燃物リサイクル推進施設などで構成。総事業費は約276億円(税込み、以下同)を見込む。事業手法はDBO(設計・建設・運営)方式で、運営期間は20年を想定。2023~24年度で工事発注仕様書をまとめ、25年度に事業者を選定する。
 エネルギーの消費効率を高めた新たな廃棄物処理施設は、現施設敷地の北西側にあるし尿処理施設の解体跡地に整備する。2炉構成(24時間稼働)で処理能力は1日当たり128トン。敷地東側には不燃物やプラスチックを処理できる同13・5トン(5時間稼働)のマテリアルリサイクル推進施設と、災害時に災害廃棄物の保管場所となる駐車場を整備する。
 市は日産技術コンサルタントに業務委託し、生活環境影響調査を進めている。事業者選定の準備と並行し、24年度以降に都市計画の変更など手続きを行う。事業者が決まる25年度に、し尿処理施設の解体を始める。廃棄物処理施設は26年度に実施設計を開始し、29年度の供用開始を目指す。32~33年度にマテリアルリサイクル推進施設の実施設計・建設、34~35年度に既存焼却施設の解体やストックヤード棟などの建設工事を行う。
 運営費を除く総事業費は20年9月時点で約170億円だったが、物価高騰の影響を加味し約276億円に増額した。内訳は廃棄物処理施設が約208億円、マテリアルリサイクル推進施設が約68億円。20年間の運営費は廃棄物処理施設が約154億円、マテリアルリサイクル推進施設が約53億円を見込む。
 基本計画策定等業務はエイト日本技術開発が担当。



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2023年3月22日水曜日

梓設計/スタジアム・アリーナビジネス活性化へ/本社でカンファレンス開く

 梓設計は、スタジアム・アリーナビジネス市場のさらなる発展と活性化を狙いにしたカンファレンス「AZUSA STADIUM&ARENA BUSINESS CONFERENCE(SABC)」を、7日に東京都大田区の同社本社内の「AZUSA HALL」で開いた。国内外の先進事例などを紹介。オンラインも併用し、100人以上が参加した。
 スポーツ庁の渡辺隆史参事官(民間スポーツ担当)が、日本でのスタジアム・アリーナビジネスの発展の重要性をテーマに基調講演した。同社の永廣正邦専務執行役員プリンシパルアーキテクト兼スポーツ・エンターテインメントドメイン長が、同社が目指すスタジアム・アリーナビジネスの在り方を説明=写真(報道発表資料から)。サッカーチームFC今治を運営する今治.夢スポーツ(愛媛県今治市、矢野将文社長)の岡田武史代表取締役会長は、今年完成した「今治里山スタジアム」で進めている取り組みや思いなどを語った。海外の有識者も登壇した。
永廣正邦専務執行役員プリンシパルアーキテクト兼スポーツ・エンターテインメントドメイン長が説明(報道発表資料から)

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TMES/「スポーツエールカンパニー2023」に認定/3年連続

 高砂熱学工業のグループ会社TMES(東京都港区、原芳幸社長)は、スポーツ庁の「スポーツエールカンパニー2023」に認定された。従業員の健康増進のためスポーツ活動の支援や促進に向けた積極的な取り組みを実施している企業として評価を得た。認定は3年連続となる。  スポーツエールカンパニーは、職場で運動機会の提供や実施に向けた積極的な取り組みを行う企業をスポーツ庁が認定する制度。スポーツ実施率の低い「働き盛り世代」に健康的なライフスタイルを定着させることを目的にしている。  TMESでは▽ラジオ体操の推進▽運動・ストレッチ情報の提供▽スポーツクラブ利用料金の補助▽社内同好会活動の促進-を展開する。ヘルスケア専用サイト「健康ひろば」では、ウオーキングの啓発記事やデスク周りで行うストレッチを紹介。スポーツクラブとの法人契約で全国約500カ所の施設が特別料金で利用できる福利厚生も整備している。

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回転窓/ただより高いもの

 ただより高いものはない-。無料や無償なものも、後になって相応の出費や要求が伴うことを意味し、世の中はそれほど都合が良くできていないという戒めの言葉でもある▼少しでも安く購入し、利用したい消費者心理からすると、ただほど安いものはない。しかし、モノやサービスを得る際の価格には、品質や性能など享受できる価値が含まれる▼安全・安心や便利・快適さも、ただでは手に入らない。先週末、首都圏の鉄道各社が運賃を一斉に引き上げた。コロナ禍で旅客需要が減少する中、安全輸送やバリアフリー対応への投資増が背景にある。近畿圏などでも値上げを順次実施する予定だ▼日々の暮らしや経済活動を支える公共インフラ・サービスの恩恵は、税収などで成り立っている。限りある予算をどう配分するか。必需が増せば、財源確保で難しい判断が迫られる▼少子化対策で医療費や教育費など家庭の負担を抑える無償化の取り組みに理解はしつつも、別のどこかにつけが回っては問題だろう。防災・減災、国土強靱化、経済・安全保障など、喫緊の課題は増えるばかり。先を見据えた政策論議が問われている。

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宮城県/川内沢ダム本体着工26年春完成めざす、施工は西松建設JV

 宮城県は県南部に位置する名取、岩沼両市を流れる1級河川名取川水系川内沢川に建設する「川内沢ダム」の本体着工式を19日に名取市愛島笹島で開いた。施工は西松建設・奥田建設・グリーン企画建設JV。洪水調節と流水の正常な機能維持、河川環境の保全を目的に1997年から調査を開始。26年を経て本体着工に至った。総事業費は135億円。2026年春の完成を目指す。  起工式には遠藤信哉宮城県副知事や山田司郎名取市長ら県市の関係者、西村明宏環境相、西松建設の一色眞人代表取締役執行役員副社長ら60人が出席。工事の無事故・無災害と早期完成、流域の治水向上を願い鍬を入れた。  式典で遠藤副知事は「川内沢川流域はたびたび洪水被害を受けてきた。94年9月の豪雨災害を契機にダムが計画され、これから本格的に本体工事に入る。県としても施工者と協力し、工事が安全で着実に進むよう取り組む」と述べた。  来賓の西村環境相は「ダムは流域の治水に大きな力を発揮してくれる。地域の安全・安心な暮らしを守るため一日も早い完成を願う」と事業に期待した。  施工者を代表して一色副社長は「当社の企業理念『培ってきた技術と経験を活かし、価値ある建造物とサービスを社会に提供することで、安心して暮らせる持続可能な社会・環境づくりに貢献する』に合致するプロジェクトだ。工事に携わったことが誇りになるよう立派に完成させる」と決意表明した。  川内沢ダムは洪水発生を防御するとともに、10年に一度発生すると考えられる渇水に対し安定的なかんがい用水も確保する。完成すると堤高39・7メートル、堤頂長145・0メートル、総貯水容量179万立方メートルの重力式コンクリートダムになる。本体基礎掘削4万9510立方メートル、堤体コンクリート5万4000立方メートルなどを計画。コンクリート製造設備や濁水処理設備を設け、環境に配慮しながら施工する。今後基礎掘削を進め、24年度にコンクリートの打設に入る。工期は26年3月25日まで。実施設計は八千代エンジニヤリング。県営ダムの建設は13年5月に完成した払川ダム(南三陸町)以来11年ぶりになる。
 梅津智徳所長(西松建設)の話
 「生産性向上を図るため、工程管理の徹底に努めていく。地域の期待と信頼にしっかり応えたい」。
川内沢ダム建設イメージ(宮城県仙台地方ダム総合事務所提供)
関係者による鍬入れ
梅津智徳所長
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主要ゼネコン35社、23年春の採用計画17社が増加/本社調べ

 日刊建設工業新聞社が主要ゼネコン35社を対象に行った人材採用アンケートによると、今春入社予定の新卒社員の総数は2022年に比べて123人増の計3898人となる見通しだ。技術系が全体の83%を占める。採用の計画と実績を比較した充足率は下降傾向にあり、予定数を満たしたのは10社にとどまった。24年春入社の採用活動は2月時点で計画を回答した32社のうち、18社が23年度計画より増やす予定。学生の進路が多様化する中、各社はあの手この手で優秀な人材の確保を狙う。  アンケートは1月中旬から3月中旬にかけて実施した。今春の採用状況を見ると、23年4月の採用数が前年実績に比べ増えたのは17社だった。達成度を示す充足率は、23年採用の当初目標を回答した34社のうち24社が100%を下回り、採用活動に苦戦している状況がうかがえる。「官庁を含む多様な業界との競合が激しくなった」(大成建設)、「売り手市場が続き、建設業を目指す優秀な人材の確保が難しい」(東急建設)といった意見が目立った。  24年春の採用計画は32社が回答。総数は4043人で技術系が83%を占め、総数は23年当初計画に比べ微増にとどまる見通しだ。  コロナ禍の沈静化に伴い、複数社が対面での面接を再開した。同時に「対人で人柄を見たいが、就活生にとって来社は負担」(長谷工コーポレーション)との意見もあり、オンライン方式との併用が続きそうだ。  アンケートでは多くの企業が人材獲得競争の激化を実感し、母集団の形成が難しいと答えた。各社はSNS(インターネット交流サイト)での情報発信やインターンシップ(就業体験)拡充に加え、「ターゲット校の最寄り駅に広告を掲示する」(奥村組)など自社の認知度向上にも知恵を絞る。清水建設や大成建設は、多様な人材を求めて22年度から新卒採用の通年化に踏み切った。  内定の辞退を防ぐフォローなどで採用活動が長期化するケースもあり、中堅ゼネコンは「マンパワー不足」や「時間やコストの増加」などを課題に挙げた。


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建設技能人材機構/特定技能の支援メニュー拡充、教育訓練支援など

 建設技能人材機構(JAC、三野輪賢二理事長)は、特定技能外国人を受け入れる建設会社や専門工事業団体の支援メニューを拡充する。昨年9月に立ち上げた教育訓練支援事業は費用負担の範囲をさらに広げ、各団体が取り組む講習・研修を手厚くサポートする。建設キャリアアップシステム(CCUS)関係の手数料を負担するなど新たなメニューも複数用意。特定技能外国人のスキルアップと働きやすい職場づくりにつながる支援策を強化する。  建設分野の特定技能の業務区分が昨年8月に再編・統合されたのを受け、JACは特定技能1号の試験内容を刷新。これに合わせ専門工事業団体が実施主体となる職種別の講習・研修を充実させる目的でJACが運営費などを支援する枠組みを設けた。既に2団体の活用実績があり、日本機械土工協会(日機協)は1月、日本室内装飾事業協同組合連合会(日装連)は3月にどちらもベトナムで就労希望者への基礎的な技能講習を実施した。  従来はJACの負担額に上限を設定していたが、▽就労希望外国人の基礎教育・採用活動▽就労中の特定技能外国人のスキルアップ技能研修-の2メニューで上限を撤廃。厚生労働省の建設労働者技能実習コースを活用した外国人技能者の特別教育・技能講習は費用負担の範囲を広げる。  特定技能外国人の受け入れにCCUSの事業者・技能者登録が必須となっていることを踏まえ、事業者の管理者ID利用料と特定技能外国人の能力評価手数料を新たに全額負担。特定技能外国人が一時帰国する際の負担軽減につながる支援金も創設する。「建設特定技能受け入れ後講習」の3月実施分から、受け入れ企業が負担する参加費の全額支援も始めた。昨年7月から無料で実施する「やさしい日本語講座」はオンラインだけでなく会場開催の可能性も含めて検討する。


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大阪広域水道企業団/工業用水新家~大泉緑地BP管、23年度は新家3~久宝寺着工

 大阪広域水道企業団は、2023年度当初予算に大阪府八尾市新家3~堺市北区金岡町の府立大泉緑地間約16キロに計画している工業用水道バイパス(BP)配水管整備計画のうち、新家3~府立久宝寺緑地(八尾市西久宝寺)間約2・6キロの工事費を計上し、23年度に着工する方針を決めた。同年度は、工業用水道BP配水管の大阪市平野区長吉出戸7~東除ポンプ場(大阪市平野区長吉川辺4)間の詳細設計を進め、東除ポンプ場~大泉緑地間の設計・施工一括(管路DB)方式による発注に向けた基本設計も委託する予定だ。
 工業用水道BPは、新家3と大泉緑地の間に設けている既設管の更新時に代替機能を発揮し、耐震機能を確保するために計画。区間の内挿管の仕上がり内径は1200ミリで、シールド工法で施工する。
 着工する新家3~府立久宝寺緑地間のシールドの外径は2000ミリ。27年度の完成を目指す。
 大阪市平野区長吉出戸7~東除ポンプ場間の延長は約3・3キロ。詳細設計は24年度に終える見込み。
 東除ポンプ場~大泉緑地間は延長約8キロ。この区間の中間部にも発進・到達立坑を設ける予定。同区間では工期短縮や、民間企業の技術力をより活用するため、管路DBを使う。基本設計の受託者は管路DB発注に向けたアドバイザリー・コンサルタントとしての役割を担う。
 企業団は、淀川から取水した水を大庭浄水場(守口市)で浄水処理し、工業用水を堺・泉北臨海工業地域などに配水中。浄水場から八尾ポンプ場(八尾市)を経由して大和川付近まで、既設の2ルートで工業用水を送り込んでいる。



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2023年3月20日月曜日

回転窓/咲き誇る桜の戦士に

 松尾芭蕉に春を詠んだ有名な句がある。〈花の雲鐘は上野か浅草か〉。江戸深川の芭蕉庵で作られた▼聞こえてくる鐘の音は上野の寛永寺か、それとも浅草の浅草寺か。咲き誇った桜が連なり雲のように見える中で思いを巡らした。春の穏やかな情景が目に浮かぶ▼インターネットで調べると、〈花の雲〉を〈花曇り〉とする解釈もあるよう。これは桜が咲くころに薄く曇っている空を表す言葉で、春の季語でもある▼14日に気象庁から全国一番乗りで開花が発表された東京の桜は、今週に満開を迎える。平年より10日も開花が早く、時事通信は「桜の開花は地球温暖化で全国的に早くなっているが、東京は都市化の影響もあるかなと考えている」と同庁東京管区気象台担当者の話を報じている。花を楽しめる時期が終わってしまうのも前倒しとなるが、今年は秋にも桜が注目を集める▼9月8日開幕のラグビーワールドカップ2023フランス大会に出場する日本代表チームの愛称は、「ブレイブ・ブロッサムズ(勇敢な桜の戦士たち)」。日本からも桜ジャージを着た大勢のファンが声援を送るに違いない。雲のように満開となって。

大豊建設/工場建築に木材採用、木造提案力向上で営業活動に生かす

 大豊建設が建築物の木材利用に力を入れている。中央機材センター(茨城県阿見町)敷地内に建設している新工場の梁や耐震壁に木材を採用した。SDGs(持続可能な開発目標)実現に向けた自社施設へのESG(環境・社会・企業統治)投資の一環。木質化やZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化を進め、住宅や商業、事務所以外の用途の適用事例として脱炭素化に貢献する。工場や倉庫など大規模空間で木造・木質化の提案力を高め、営業活動に生かす。  新工場は大スパン空間を木質平弦トラス梁で構成した「鉄骨+木造のハイブリッド構造」を採用。梁15本のうち13本を木造平弦トラスとした。鉄骨ブレースをCLT(直交集成板)耐震壁に置き換え、製材型枠を部分的に採用した複合構造で建てる。  木材に石こうボードや不燃処理を施すとコストアップや納期遅延の問題があるため、新工場では、建築基準法の耐火仕様や内装制限を考慮した計画とし不要なコストを抑えた。木造梁を表しにし、癒やしなどの視覚効果も期待する。外壁の高断熱(軽量気泡コンクリート)化と、省エネタイプの設備機器(LED照明・人感センサー・高効率空調機)を採用し、環境にも配慮。竣工前に1次エネルギー消費量を50%以上削減する「ZEB Ready」を目指す。  2階建て延べ1794平方メートルの規模。このうち3分の2を倉庫として利用し、残る3分の1はニューマチックケーソンで使用する掘削機械や遠隔操作室を設け、既存技術の改良拠点として稼働させる。  同社はこれまで技術研究所の木質化や製材型枠の採用、CLT耐震壁の産学共同研究開発など建築物の木質化に注力。ZEB化事例として技術研究所、事務所ビル、貸貸住宅がある。今後は新設施設に限らず、既存施設や工場のZEB化を検計していく。
新工場の梁に木材を使用した

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CCUS応援自販機、導入ゼネコン広がる/タッチ習慣化に寄与

 建設キャリアアップシステム(CCUS)のカードタッチで飲料が無料で手に入る「CCUS応援自販機」の導入現場が複数のゼネコンに広がっている。2月末時点で鴻池組、東急建設、フジタの計12現場に設置済み。4月からは長谷工コーポレーションの11現場で運用予定だ。昨年9月の第1号機の設置以降、普及促進に取り組む建設業振興基金(振興基金、谷脇暁理事長)には30社程度から問い合わせが入っているという。  CCUS応援自販機は鴻池組がサントリービバレッジソリューションと協力し、サントリー独自のシステムを応用し開発。CCUS登録技能者に元請負担で飲料を無償提供する。カードタッチのリターンが日々実感できる仕組みと言え、振興基金はタッチの習慣化に期待する。  例えば鴻池組の建築現場のタッチ率は通常40%程度だが、設置現場では70%程度に向上した。他社現場でも同じような効果が表れており、ある現場所長は「タッチ率にも寄与しており、飲料無料をきっかけにCCUSに登録するという話も聞いた」と話している。技能者の立場からも「詰め所でも早く登録した方がいいよ、という話になっている」との声が上がっている。  無償提供の頻度は現場判断となり、1日1本提供するフジタの現場のような例もある。設置現場が増える中、サントリー側も設置条件の緩和を検討している。現状は工期1年半以上の現場が対象。自社商品以外も扱える「コンビ機」の設置も可能という。
応援自販機は技能者に好評(写真はフジタの現場)

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国交省/インフラ分野の新たな電気通信技術ビジョン策定、センサーやAIなどに注力

 国土交通省は2023年度からの5カ年を対象とする「電気通信技術ビジョン」を策定した。インフラ管理の高度化や防災・減災につながる電気通信分野の技術開発や技術導入の方向性を提示。優先的に取り組むテーマとして、急速に発展する「情報通信」「センサー」「AI」の三つを挙げた。既存の通信基盤を強化するとともに、衛星コンステレーション(多数の小型衛星が連携して情報収集する衛星網)などと連携し災害時の迂回(うかい)路を確保する「次世代統合ネットワーク」の構築を目指す。  国交省は河川や道路の管理用に光ファイバーを敷設し、自営の通信網を保有している。特に災害時は映像による確認やテレビ会議が標準となり、通信回線の信頼性向上や大容量通信への対応が求められる。  衛星コンステレーションなど外部通信と連携し、新たな通信経路制御技術も導入。柔軟に自動迂回できる通信網の高度運用を目指す。地方自治体との相互接続や災害時の住民利用などを視野に入れた「共通プラットフォーム」の構築も推進する。  流域治水の実現に必要な技術的要素の一つとして、高性能センサーを用いて対象地域を面的に管理する技術検証に当たる。直轄施設の管理エリアにとどまらず民地も含めた広域的な被災情報の収集などを可能とする。ローカル5Gを活用した被災現場の臨時回線の確保などで機動性の高い防災通信を実現する。  AIで危険事象などを検知する技術は、車両検知以外にも土砂崩落や浸水・越水、不正侵入などに利活用対象を拡大する。映像やセンサーを組み合わせるなどしてAI検知技術の精度向上などを目指す。AI技術などを活用したインフラ管理の遠隔化・自動化にも取り組む。  これ以外にDXとGX(グリーントランスフォーメーション)を目指した技術開発も強化。BIM/CIMデータなどを日常的に利活用できる通信環境を構築したり、省エネルギー型の電気通信施設を展開したりする。
次世代統合ネットワークのイメージ (国交省資料から)

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凜/国土交通省水管理・国土保全局・泉あかりさん、「当たり前」を守り新たな価値を

 「みんなが当たり前だと思っている生活を守りつつ、新しい価値や魅力をつくっていけるようなことをしたい」。入省前から掲げる志は、3年目となる今も変わらない。
 ぶれない姿勢は高校時代から一貫している。都市計画やまちづくりを大学での専攻分野に選んだのは、東日本大震災の被災地でのボランティアがきっかけの一つ。「きちんとした生活基盤に支えられて豊かな生活があると実感した」。
 子どもの頃に親しんだ風景が都市開発でがらりと変わり、全く違う魅力を放つことにも興味を覚えた。「制度や仕組みをつくる国土交通省なら、全国の都市づくりにアプローチできる」。大学入学前から国交省に憧れを抱いていた。
 1年目の港湾局では物流ネットワークのような「目に見えないもの」も生活基盤の一部だという新たな発見があった。翌年は八代河川国道事務所(熊本県)で災害復旧など治水対策に携わり、現在は同じ河川事業でも良好な環境の保全・創出に取り組む。さまざまな側面で人々の豊かな生活を支える国交省の幅広い役割の一端を担う。
 数少ない女性の幹部職員が口にしていた「走り続けてきたからこそ、今がある」という言葉が、自らの仕事姿勢に影響を与えている。困難に直面しても、ひたむきに頑張れば道は開けるはず。「果たすべき役割に真っすぐ向き合っていくことを今後も大切にしたい」と誓う。

国土交通省水管理・国土保全局河川環境課河川環境調整係長(いずみ・あかり)



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森本組/社長に横尾徹副社長昇格、6月30日就任

 森本組は17日、横尾徹取締役兼執行役員副社長土木本部長が社長に昇格する人事を発表する。就任は6月30日付。小林宗二社長は顧問に就く。
 横尾 徹氏(よこお・とおる)1982年千葉工業大学工学部土木学科卒、森本組入社。2017年執行役員東京支店長、18年取締役兼執行役員土木本部長、19年同常務執行役員土木本部長、21年同専務執行役員土木本部長、22年から現職。大分県出身、63歳。



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ガイアート/社長に石塚周平取締役兼執行役員常務昇格、4月1日就任

 ガイアートは13日、石塚周平取締役兼執行役員常務管理・コンプライアンス担当が4月1日付で社長に昇格する人事を発表した。山本健司社長は取締役相談役に就く。
 石塚 周平氏(いしづか・しゅうへい)1984年神奈川大学法学部法律学科卒、熊谷道路(現ガイアート)入社。2012年本社総務部長、17年執行役員、18年取締役本社管理統括部長、21年から現職。神奈川県出身、62歳。



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2023年3月17日金曜日

回転窓/賃上げ広がるか

 大手企業を中心に賃上げの動きが加速している。2023年春闘で大手企業の集中回答日となった15日には、「初の満額回答」「過去最高のベースアップ(ベア)」といった報道が目立った▼総合スーパーのイオンリテール(千葉市美浜区、井出武美社長)は、社員並みに働くパート労働者の待遇を、地域限定正社員と同等にする制度を導入。各企業が処遇改善に踏み切る背景には、人材流出への危機感があるのだろう▼同日には政府、経済界、労働団体の代表による「政労使会議」が8年ぶりに開かれ、労務費の適切な転嫁を通じた取引適正化が不可欠との認識で一致した。岸田文雄首相は、公正取引委員会と協力して業界ごとに実態を調査し、労務費の転嫁の在り方について指針をまとめる方針を示した▼中小企業にまで波及するかが今後の争点。日本商工会議所(小林健会頭)の調査によると、コスト増加分を7割以上転嫁できている割合は約30%にとどまる▼雇用の多くを占める中小企業で担い手がいなくなれば、日本経済は回らない。弱い立場にしわ寄せを強いることなく全体を底上げしていく姿勢が今こそ求められている。

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大林組/ホイールローダ向け特殊バケット開発、残土積み込みの安全性向上

 大林組とオノデラ製作所(北海道苫小牧市、小野寺博社長)は、山岳トンネル現場の狭い空間でも安全に使えるホイールローダー向け特殊バケット「スライドローダー」を共同開発した。運転操作性を改善し、掘削残土を運搬車両に積み込める。バケット内に設置した排土板を排出方向に横移動させることで残土の積み込みが可能。低い空間でも容易な運転操作で積み込める。  スライドローダーはホイールローダーと運搬車両を並行に配置しバケットを傾けて積み込む「サイドダンプバケット機構」に比べ、低い位置で排土作業が行える。従来のホイールローダーよりも大型で使用できるバケット容量が増え、積み込み時間を3割程度削減するという。シンプルな動作機構のため接触損傷リスクも低減。熟練した技術が不要で技能者不足の問題解消も期待できる。  北海道新幹線の立岩トンネル(山崎工区建設工事)で実証実験を行った。今後、繰り返し動作を検証し、ずり出し作業の遠隔化・自動化を目指す。「スライドローダー」を積極的に活用することで社会インフラの迅速な整備に貢献するとともに、遠隔化・自動化に向けた開発を加速させる。  サイドダンプバケット機構では、バケット上部に十分な稼働空間を確保する必要があり、換気設備や照明が干渉しないよう、操作には熟練した技術が必要になる。周辺との接触を回避する必要があった。
「スライドローダー」を搭載したホイールローダー(報道発表資料から)

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厚労省/水道施設の更新・修繕費を試算、今後30年で年間1・8兆円必要

 厚生労働省は水道施設の適切な維持管理を後押しするため、長期的に必要な更新・修繕費の見通しを公表した。現行の施設規模のまま単純に更新した場合、2021~50年度の30年間の年間平均投資額が1・8兆円に上ると試算。過去10年間(2011~20年度)の年間平均1・3兆円よりも、5000億円程度の追加投資が毎年必要になることが分かった。同省は将来の水需要を踏まえた施設規模の適正化や統廃合などで建設投資の圧縮が可能とみて、地方自治体を中心とする水道事業者に計画的な維持管理を求めている。  昨年10月に水道施設の基本情報をまとめた台帳の作成・保管が義務化されたことを受け、過去の投資額などを調査し、より精緻なデータで更新費や修繕費の見通しを試算した。  厚労省によると、法定耐用年数(40年)を超えた管路延長は約15万キロあり、全体の20・6%を占めるという。水道事業の実務上の更新基準は平均60年程度とされるため、約15万キロを一般的な更新基準に合わせて今後20年(21~40年度)で更新していく場合、年間の平均更新延長は約8000キロ(更新率1・03%)に上る。20年度の更新実績は延長4811キロ(0・65%)のため、整備を加速する必要がある。  今後30年(22~51年度)の更新費を施設別に見ると、管路は計33・5兆円となる。ただ、水需要の減少を踏まえて管路口径の縮小などに取り組めば、最大で16%減の28・3兆円まで縮減できるとした。浄水施設は30年間で計19・6兆円の投資が必要になるが、施設規模の縮小や統廃合により、最大33%減の13・2兆円まで圧縮できるという。  厚労省は市町村を中心とする水道事業者に対し、今後必要な施設更新費用を把握した上で、施設の再構築や規模の適正化、水道料金の改訂による財源確保の検討など、アセットマネジメントを実践してもらいたい考え。そうした取り組みによって「水道施設を健全な状態で将来世代に引き継いでいってほしい」(同省医薬・生活衛生局水道課)と期待している。
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飛島建設/トンネル切羽の観察記録を自動出力、省力化で作業時間を大幅短縮

 飛島建設は14日、トンネル掘削で切羽表面の観察記録を出力するシステムを開発したと発表した。切羽全体を撮影した写真をクラウド上にアップロードすると、AIが切羽観察記録を自動で生成。切羽観察作業の大幅な省力化が図れる。実現場に試行導入し、写真撮影から観察記録完成までの時間が大幅に短縮できることを確認。同社は今後、適用現場を拡大していく考え。
 観察記録の自動出力システム「アウフタクト・フォー・トンネルフェイス」は、AIの深層学習を活用している。大量の切羽の写真を通じて学ばせ、切羽の状態などを自動的に認識させることに成功した。現場担当者がAIによる切羽観察記録を最終的に確認し、修正する。無線LAN環境があれば、1日以上かかっていた切羽観察作業を、当日中に現場で完了できる。
 米マイクロソフト社の「Microsoft 365」で利用できる独自アプリを介して、現場担当者のスマートフォンから切羽写真をクラウド上にアップロードすると、AIが画像から切羽の状態を判定する。その後、アプリに切羽観察記録として送られてくる。
 一般国道5号共和町新稲穂トンネルR側共和工区工事(国土交通省北海道開発局発注)に試行導入した。切羽写真の撮影から切羽観察記録完成までの時間が、大幅に短縮されたことを確認した。現状はNATMだけで適用している。
 これまで切羽観察記録の作成には現場と事務所間の往復が必要だった。掘削直後の切羽直近で目視判定作業を行うため、安全確保に留意する必要があるなど、業務効率と安全面に課題があった。



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