2026年2月20日金曜日

回転窓/万博の熱を花博へ

 団体・企業が主催する2026年の賀詞交歓会や新春交流会がほぼ終わった。今年は来賓のあいさつで、国土交通省の幹部が27年国際園芸博覧会(花博)に触れ、マスコットキャラクター「トゥンクトゥンク」のバッジを胸に協力や参加を呼び掛けていた▼花博の会場は横浜市の旭区と瀬谷区にまたがる上瀬谷通信施設跡地。米軍から返還された242ヘクタールのうち100ヘクタールをフィールドに、日本が培ってきた植物や自然との向き合い方を発信する▼運営者によると、大規模な国際花博の国内開催は1990年に大阪で開かれた国際花と緑の博覧会以来。一般来場者数は1000万人を目標としている▼花博は25年の大阪・関西万博で使ったパビリオンや建築物を再利用するのも見どころの一つ。大屋根リングの木材でタワーを造り、大阪で話題となった体験型アートも新たな姿でお目見えする。資源を生かし続ける新しい社会モデルを実際の建築を通して示す意欲的な取り組みだ▼開催まで400日を切った。大阪で生まれた文化や芸術、建築の熱を関東圏にどうつなげるか。万博の経験と機運を引き継いで準備に取り組んでいきたい。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181787
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特別国会、国交省関係5法案提出へ/下水道法や建築物省エネ法

 18日に開会した特別国会に政府が提出を予定する国土交通省関係の法案が明らかになった。埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故を踏まえた対策を盛り込んだ下水道法・道路法の一括改正法案や、建築物のライフ・サイクル・カーボン(LCCO2)評価制度の創設を柱とする建築物省エネ法改正案など、計5本を提出する。会期末となる7月17日までの成立を目指す。
 下水道法・道路法は、国交省の有識者会議が提言した内容などを踏まえ改正する。下水道法では老朽化状況の診断基準の明確化と公表義務の創設、メンテナビリティ(維持管理の容易性)確保に向けた構造基準の見直しを想定。都道府県が下水道広域化の計画を策定し、それに基づき別の管理者が管理を代行できる制度を創設し、改築費用を見据えた使用料の算定基準も明確化する。道路法を含めた措置として、下水道と道路の管理者同士が連携した点検を強化し、道路占用物件などの維持・修繕に関する協定制度を創設する。
 建築物省エネ法の改正では2028年度の開始を目指すLCCO2評価制度の規定を整備する。建築主の義務として一定規模以上の新築で着工前に求めるLCCO2評価結果の「届け出制度」などを設ける。省エネ性能向上への新たな施策として「住宅トップランナー制度」を拡充し、大手の住宅供給事業者に高い省エネ性能の確保に向けた中長期計画の策定を課す。特殊な省エネ技術の導入を促すため、同法に基づく「性能向上計画認定制度」の新たな認定ルートも創設する。
 都市再生特別措置法や都市再開発法などの一括改正法案も提出する。地方自治体が作成する立地適正化計画に業務施設や集客施設の誘導を新たに位置付け、民間都市再生事業計画の認定申請期限を延長する措置などを講じる。
 物流効率化法改正案では高機能な中継輸送施設の活用を認定する制度の創設、地域公共交通活性化再生法改正案では「交通空白」地域でのバス・タクシー事業者などによる運転手や車両の共同化を認定する制度の創設などを予定する。




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東北アライアンス建設/協力会社群の事業協同組合設立/異業種6社と並列連携も

 東北アライアンス建設(TAC、福島県郡山市、陰山正弘社長)は、同社に出資する東北6県のゼネコンなど7社の協力会社などで構成する「東北トラスティア事業協同組合」を4月1日付で設立する。担い手不足や物価高に対処するため、人材の相互融通や資機材の共同調達に取り組む。単体の協力会社では難しかったDXや先端技術の現場実装も目指す。「建設業の課題解決先進地」(陰山社長)として、東北から新たな地域建設業の持続可能モデルを構築する。=3面に関連記事
 陰山社長が19日に都内で開いた会見で発表した。TACに出資する7社の各協力会に名を連ねる会社は計671社(1社当たり約50~約200社)。協力会に所属していない会社もある。今後、これらの協力会社から事業協同組合への参画企業を募る。現時点では「数百社程度が参画するだろう」(陰山社長)とみている。
 事業協同組合は法人格を持つ組織として設立する。東北地方にまたがる広域連携を通じ、▽施工体制の確保・強化▽DXの推進や新工法・新技術の現場実装▽資材・設備の安定供給▽人材育成や省力化▽災害時の連携強化-などを実証し具体化していく。
 4月上旬にも東北地方で設立総会を開き、トップの選出や活動計画などを決める。
 TACは同日、コマツやアイリスオーヤマなど異業種6社とのパートナーシップ協定も締結した。陰山社長は「元請が協力会社に発注し、さらにメーカーなどに発注する縦の受発注構造になっている」と現状を問題提起。新たに元請と協力会社、異業種企業が従来の上下関係ではなく、対等な「並列型パートナーシップ」を構築し、建設業が直面するさまざまな課題解決と新たな価値創出を目指す。
 特に期待するのが技術イノベーションだ。陰山社長は「東北には高い技術力を持つ建設会社が多いが、単独ではDXや先端技術の実装が難しかった」と指摘。その上で「並列型パートナーシップで対等な関係で未来を設計し、成長可能性を見いだして、先端技術などが現場で動き出す循環を生み出したい」と展望した。




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愛知県/名古屋市に高専新設/DX・AI即戦力人材育成

 愛知県は、DXやAIが急速に進展する中で即戦力となる人材を育成するため高等専門学校を新設する。2026年度当初予算案に基本・実施設計費や各種調査費として約1億8900万円を計上した。26年度中に設計を終え27~28年度で建設、最短で29年4月の開校を目指す。
 新高専は名古屋市千種区の愛知総合工科高校の敷地内に設置する。学科は「デザイン情報工学科」とし、定員は1学年1学級40人(5学年で200人)。ロボティクスコースとAI・デジタルコースの2コースを設ける。機械・電気電子技術と情報技術を活用し、さまざまな社会の課題やニーズを本質的に捉え魅力あるサービスや製品を生み出す実践的技術力を発揮する人材を育成する。
 教室や実習に必要となる施設は愛知工科高校の既存施設を使用する。新設するのは職員室や事務室などが入る施設で、4階建てで延べ約2000平方メートルの規模を想定している。26年度は地質調査や測量調査、基本・実施設計を行う。27年秋ごろに文部科学省に認可申請する予定。

 □初代校長に水谷法美氏
 初代校長には名古屋大学の水谷法美副総長が就く予定。水谷副総長は3月で退官し、4月1日付で県顧問に就任する。新高専整備の準備段階から意見を聞き反映する。




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竹中工務店ら/使用済み割り箸のアップサイクル技術を確立/家具などに適用

 竹中工務店とコクヨは、使用済みの割り箸を内装材や建材、家具などの材料に活用するアップサイクル技術を確立した。カナダに本社がある循環型材料メーカーのChopValue Manufacturing Japanと、技術の建築空間やオフィス家具への適用拡大を目指すパートナーシップ(共同研究契約)を締結。実証実験を行い、割り箸の回収・活用体制を固めていく。
 パートナーシップに基づき、コクヨ、竹中工務店のそれぞれの事業所での割り箸の回収に関する実証試験を実施。日本での適切な回収体制や、ロジスティクスの構築を目指す。ChopValueのアップサイクル技術を活用し、竹中工務店が建材、文具や家具の新用途や新製品をコクヨが開発する。開発した建材や器具を使って設計した空間について、3社で協業してエンドユーザーやデザイナーの印象評価などを行う。
 竹中工務店は自社の事業所や建設現場で回収した割り箸を内装材や建材、家具器具などにアップサイクルし、建物の設計提案や自社物件で活用する。建築主や自治体と力を合わせ、割り箸の回収からアップサイクル製品の建物への導入までを網羅したサーキュラーエコノミー(循環経済)の取り組みを幅広く展開する。将来的にはChopValueの持つ廃棄物を板材にする技術を、ほかの建築廃棄物のアップサイクルにも応用展開していく。




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2026年2月19日木曜日

回転窓/空き家にともる再生の明かり

 春めいた光が海面を照らした日曜、海辺の高台にある一軒家で、画家やピアニスト、染織家らによる体験講座が開かれた。暖かな南風が吹き込む中、音楽に合わせた絵描きや旬の食材を使ったランチを、近所の人たちも楽しんだ▼海原を進む帆船をイメージした個性的な家屋と、庭にある大きな梅の木が目を引くこの建物は、少し前まで空き家だった。地元の芸術家が購入し、自然素材にこだわった改修でよみがえらせた▼現在、全国には900万戸の空き家がある。売り手と買い手のマッチングは進むが、その数は増加の一途をたどる。各地でさまざまな支援策が講じられているものの、状況は厳しい▼静岡県掛川市は、所有者や相続人、売却権を持つ人に対して片付け費用を助成している。朽ち果てて売れなくなる前に、良質なストックとして流通させる取り組みで、制度の利用申請が相次いでいるそうだ▼高台の一軒家では今週末もイベントが開かれる。少し前までただの空き家だった建物は、地域のおしゃれなにぎわいスポットに姿を変えた。高台の家にともった暖かな光が、全国に眠る家々へ静かに広がっていくことを願う。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181744
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積水化学工業/清水郁輔次期社長が会見/ペロブスカイト太陽電池量産に社運懸ける

 積水化学工業の社長に3月1日付で就任する清水郁輔代表取締役兼専務執行役員と加藤敬太社長が、17日に都内で会見した。清水次期社長は注力するペロブスカイト太陽電池事業に関し「社運を懸けて堺工場での量産化に取り組む」などと表明。攻めの経営で2030年度までの長期ビジョンを達成し、「長期ビジョンで掲げるステートメントを本気で実現する」と決意を語った。
 清水氏は「現有事業の拡大加速と仕込みの強化継続」「ペロブスカイト太陽電池事業の立ち上げ」「挑戦し続ける人と集団づくり」に重点を置く考え。住宅事業は、M&A(企業合併・買収)を活用しながら施工力のある工務店をグループに取り込み、シェアを拡大する考えだ。
 ペロブスカイト太陽電池は、軽くて曲がる太陽電池として、各社が研究開発や実用化でしのぎを削る。清水氏は「高機能プラスチックス」「環境・ライフライン」「住宅」の3カンパニーで構成する体制が最大の強みと見る。ペロブスカイト太陽電池を含めた新事業関連で「30年度までに2000億~2500億円の売り上げ」が生み出せると説明した。
 加藤氏は「技術開発からものづくり、国内外の組織マネジメントまで幅広い分野に精通している。戦略の立案と実行で確かな手腕を発揮し、多くの実績を積み重ねてきた」清水氏の実績を評価。経営トップの交代で「グループは新たな成長が実現できると確信している」と強調した。




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国交省/維持工事の現場課題に対応/小規模作業の積算や技術者拘束で留意事項整理

 国土交通省は、直轄土木の維持管理工事で指摘されてきた費用や働き方の課題で当面の対応策をまとめた。標準歩掛かりを用いた官積算と実際にかかる費用との隔たりが大きくなる小規模作業や点在作業を対象に、発注者が変更積算などを適切に行うための留意事項を整理。近く改定する積算基準に盛り込む。緊急作業に対応するため監理技術者が常時拘束されてしまうことを解消するため、現場立ち会いを不要とする作業を明確化し、受注者を含めて現場に周知する。
 2025年度に履行中の通年維持工事や維持・修繕工事の受発注者にアンケートやヒアリングを行い、現場の実態を細かに把握し対応策を詰めた。18日に開いた有識者会議「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会」の「維持管理部会」で説明し、委員らの意見を踏まえ積算基準などに反映させる。
 通年維持工事では1日未満の小規模作業を変更契約で追加した場合、官積算と実際の費用が大きく隔たると認識している受注者がいる。1日未満の作業向けに機械費や労務費を半日分か1日分として積算する制度があるが、適用例は少ない。当初契約の計画的施工と突発的な施工で数量を合算するケースがあり、これらを区分けして扱うよう周知。1日未満の積算制度の活用を促す。発注者が1日以上の作業量の指示に努めることも共有する。
 施工場所が複数点在する工事では、建設機械の運搬費用や交通規制などの諸経費がかさむとの声を踏まえ、通年維持工事に限定した諸経費の実態調査を26年度に行う予定。積算基準に適切な経費率を反映する。修繕工事では施工場所の点在が許容できる発注ロットの目安を新たに作り、発注者に留意を求める。
 監理技術者の現場立ち会いが不要な作業は、目的物の品質管理に関係がなかったり迅速な対応が必要だったりする作業を想定する。あくまで現行の「監理技術者制度運用マニュアル」に沿った解釈として、現場立ち会いが必要かどうかを判断可能な事例を列挙したリーフレットを作成し、現場に周知する考えだ。
 緊急作業に備えるため受注者に待機が発生した際の費用の扱いも整理した。発注者が連絡体制の確保や出動準備などで自宅待機を指示した場合、待機の開始から解除・後片付けまでを対象に実績で精算する。




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大阪府/新御堂筋大規模更新、5者で検討・協議へ/通行止め前提としないあり方探る

 大阪府は大阪市、国土交通省、西日本高速道路会社、阪神高速道路会社とともに、府北部地域の主要幹線道路・新御堂筋(国道423号)の大規模更新に向けた検討に着手する。2026年度に検討業務を委託し、5者による実務者協議の場を設けて更新手法や機能強化の方向性を探る。知事重点事項として26年度当初予算案に検討業務の委託費500万円を新規計上した。
 検討では橋梁や高架構造物の更新手法、施工期間中の交通処理、渋滞緩和策、高速道路との接続強化、北側で接続する箕面有料道路を含めたネットワーク機能の最適化などを詰める。
 併せてルート上の新大阪駅周辺の再開発や将来的な広域交通網の変化も見据え、単なる修繕ではなく機能強化を含めた更新像を深掘りする。
 新御堂筋は大阪市北区から箕面市までの延長約15キロ。淀川渡河部(新淀川大橋)から千里ICまでの区間は大阪メトロ御堂筋線・北大阪急行線を挟む構造で、本線上下2車線、側道上下2車線の計4車線を基本とする。1960年代中ごろから段階的に供用し、全面開通から50年以上が経過している。
 府北部を南北に貫き、大阪都心と新大阪駅周辺、千里ニュータウン、箕面方面を直結。名神高速道路や中国自動車道、新名神高速道路と連絡する広域交通軸にもなっている。1日当たりの交通量は約14万台に上り、西日本でも屈指の交通量を誇る。
 一方で交通量に比べて本線容量が小さく、各所で慢性的な渋滞が発生している。加速車線が短い合流部も多く、事故発生時には滞留が拡大しやすい。高架・橋梁区間も多く、老朽化対策が急務となっている。
 大阪の南北の都市軸を形づくってきた基幹インフラであり、老朽化と交通集中という二重の課題を抱える中、現道機能を維持しながら更新をどう進めるかが最大の焦点となる。
 当初予算案の記者説明の場で美馬一浩都市整備部長は「現状分析と課題整理を行った上で、通行止めを前提としない大規模更新の在り方を検討する」と述べた。




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大成建設/装薬ユニットを開発/機械1台とオペレーター1人で削孔~装薬

 大成建設は、発破作業の完全機械化を実現する要素技術として「装薬ユニット」を開発した。構成装置を従来のドリルジャンボに後付けできる。自社開発した無線電子雷管対応の爆薬装填装置との組み合わせで、削孔から装薬まで一連作業が1台の機械とオペレーター1人で完結する。作業員が切羽付近に立ち入る必要がなくなり工期も短縮できる。
 自社施工の現場で効果を確認した。多様な装薬孔に対応した一連の発破作業を人手に頼らず、円滑に行える。装薬ユニットは▽装薬孔の中心を保持するスパイク式セントラライザ▽ロッドの継ぎ足しや回収を行うロッドセッター▽ホース類を送り出すホースフィーダー-などで構成する。ドリルジャンボのガイドシェルに後付けで装着できる。ドリルジャンボの改造は不要で、掘削作業の長期停止が避けられる。
 ロッドセッターなどの機構を活用し、装薬孔への装薬パイプ挿入が機械的に行える。削孔と同一軸で装薬パイプを差し込むため、作業ごとの位置合わせも不要になる。無線電子雷管対応の爆薬装填装置「T-クイックショット」と組み合わせることで、作業員の結線作業も不要になり切羽付近に立ち入らずに済む。
 一連の発破作業は、ドリルジャンボの運転席からオペレーター1人で対応可能。完全機械化で連続施工を実現する。
 今後、実爆薬の試験発破を段階実施していく。機械・装置間の連携制御を強化し、2026年度に爆薬装填作業の半自動制御を目指す。全自動切羽穿孔対応のフルオートジャンボ機をベースに、火薬取扱従事者以外は取り扱えない装填・装薬について、従事者のボタン操作で対応できるようにする。将来は自動制御化も見据える。開発した装薬ユニットの実用化と標準化に向けた社内外での取り組みを加速。山岳トンネル掘削作業全般の完全自動化を目指す。




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