2026年9月2日水曜日

建築家・隈研吾氏/国際団体CDAの生涯功労賞受賞/日本人で2人目

 建築家の隈研吾氏が、建築分野などの卓越した業績をたたえる国際団体「クレアトゥール・デザイン協会(CDA)」の最高位の賞を受賞する。フランスを代表するデザイナー、アンドレ・プットマン(1925~2013年)の名前を冠した生涯功労賞を授与するとCDAが1日に発表。世代や大陸を越えて建築・都市環境に影響を与えてきたキャリア全体をたたえた。27年1月にパリで授賞式が行われる。
 アンドレ・プットマン生涯功労賞は、CDAが授与する二つのレガシー・アワードの一つ。これまでに英国のノーマン・フォスター氏、安藤忠雄氏、フランスのクリスチャン・ド・ポルザンパルク氏が受賞。日本人で2人目の栄誉となる。
 隈氏は「設計活動で自分自身を長距離ランナーだと考えている。最も大切なのは、一つの目標を心に持ち、長い時間をかけて走り続けることだと信じている。その目標とは、人間と自然の調和を実現することだ。私が行っているすべての活動全体を評価するものとして、この生涯功労賞をいただけることを光栄に思う」とコメントしている。
 CDAは受賞理由を、「(隈氏が)30年以上にわたり建築がいかにして自然界との関係を取り戻すことができるのかを問い続け、その答えを世界各地で示してきた」と説明している。


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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=187311
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神奈川県、厚木市/合同訓練「ビッグレスキューかながわ」実施/150機関参加

 神奈川県と厚木市は「防災の日」に合わせ、1日に合同防災訓練「ビッグレスキューかながわ」を神奈川県総合防災センター・消防学校で開いた。警察や消防、政府など約150の関係機関が参加。最大震度7の地震が首都圏を襲ったことを想定し、参加機関がライフラインの応急復旧や救出救助訓練を通じて初動体制を確認した。会場に設けた展示コーナーには44者が防災グッズなどを紹介した。
 同日は東京、埼玉、千葉、神奈川を含む9都県市と連携した防災訓練も開催した。最大震度7の「大正型関東地震」が発生したことを受け、訓練では通信施設やガス管といったライフラインの被災状況を確認した。その後、移動式無線基地局車を使用した臨時基地局の開設や漏えいしたガス管の応急復旧を連携して行った。
 救出救助訓練では、警察と消防、自衛隊の3者が連携。土砂崩れで埋もれた家屋や車両からの人命救出、災害救助犬や航空自衛隊の警備犬を投入して倒壊したビルから被災者を救助する訓練を行った。
 タワーマンションなどの高所に救援物資を届けることを想定したドローン輸送、無人のヘリコプターによる展開訓練も実施した。災害時の対応方法を共有した。
 展示・体験コーナーでは、厚木市消防本部による心肺蘇生法体験や、横浜地方気象台が地震と気象に関連した資料を展示したブースを設置=写真。多数の参加者が見学した。
 閉会式では黒岩祐治知事が「ロボットが活躍し、最新のテクノロジーによって情報が届くようになった。こうした訓練を続けることで災害に強い神奈川、日本を皆さんとつくっていきたい」と総括した。


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from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=187315
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極東開発工業/テクニカルセンターが本格稼働/研究開発の質とスピードアップ

 極東開発グループの新たな研究開発拠点が完成し、本格稼働を開始した。自動車関連企業が集積する愛知県豊田市に開設した「極東開発グループテクニカルセンター」で研究開発の質とスピードのアップ、グループのシナジー(相乗効果)最大化を図る。極東開発工業の布原達也社長は「研究開発能力を飛躍的に向上させ、革新的な製品開発で社会貢献し、世界をリードする特装車・トレーラーのメーカーに成長していく」と意気込む。
 ◇世界リードする特装車メーカーに
 同センターの所在地は豊田市御船町山ノ神56の4(敷地面積17・4ヘクタール)。大型のテストコースを中心に、三つの試験棟、試作・検査を行う工場棟、開発・品質保証部門が集う事務所棟で構成。各棟の構造はS造、総延べ床面積は5582平方メートルとなる。総投資額は107億円。設計・施工は矢作建設工業が担当した。
 建屋の前面に広がるテストコースの規模は全幅50メートル、全長600メートル。舗装はミリ単位の平たん度で施工された高い剛性の多層構造で、中央部には延長100メートルの特殊試験路(ベルジアン路・長波形路・可変突起路)を設置した。車両の走行・制動試験のほか、トレーラーの認証取得にも活用する。
 試験棟Aでは、腐食や温度・湿度など実使用時の環境条件を再現する各種設備、油圧製品の性能・耐久性を評価する油圧試験室により、製品や部品の各種試験を高精度に実施できる。
 試験棟Bには大小3台の振動試験機を配備。最大荷重1000キロまで対応し、より実車に近い状態での耐久性評価を短期間に行う。
 国内初の大型ロードシミュレーターを配備予定の試験棟Cでは、中・大型トラックに加え、トレーラーを実車状態で振動評価する。車輪間隔と軸間距離を車両に合わせて調整できる3軸対応の加振台、トレーラーの連結部を支持・加振する第5輪加振機を設置し、2027年4月までに稼働させる。
 工場棟には製品の試作設備や完成車両の法規対応検査設備を配備。設計・試作部門がより密に連携し、業務の効率化につなげる。技能検定ブースやテストコース全域を見渡す監視ルームも設け、試作・検査・安全管理を一体的に支援する。
 事務所棟は研究に集中できる執務空間、多分野の技術者が知見を交わす交流空間を創出。エントランスホールには可動状態までレストアした3輪ダンプトラック(1964年製)を展示し、将来の技術発展につなげるレガシーとして、創業当時の設計思想やものづくりの精神を学ぶ。
 現地で8月20日行われた竣工記念式典には官民の関係者らが多数出席。県の川出仁史経済産業局長は「この拠点が日本の産業と暮らしを支える技術革新の中核となることを期待する」と祝辞を述べた。
 極東開発工業の千々岩伸佐久執行役員技術本部長は「各拠点の技術者らが研究により集中できるセンターに集い、開発スピードが驚くほど速まる」と強調。グループの研究拠点にとどまらず、社会課題の解決拠点として外部連携や施設機能の拡充も見据える。


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from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=187301
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静岡市/インターナショナルスクール設置・運営事業/優先交渉権者にアイ・テック

 静岡市は、公募型プロポーザルを実施した「インターナショナルスクール設置・運営事業者」の優先交渉権者に、鋼材製品の加工・販売を手掛けるアイ・テック(静岡市清水区、大畑大輔社長)を選定したと発表した。今後、事業提案書の提出を受けて内容を協議し、基本協定を締結する。現時点では2028年9月の開校を目指している。
 学校は幼稚園、小学校、中学校、高校で構成し、1学年100人程度を想定。建設地は旧県果樹園センター跡地(清水区駒越西2)。敷地面積は約6・8ヘクタール。現在は市土地等利活用推進公社が所有しており、同公社が事業者に土地を貸し付ける。貸付期間は35年10月31日までで、同日以降は貸し付けか時価譲渡を協議することになる。
 清水区は海洋分野の研究開発や次世代産業の発展が見込まれるほか、果樹センター跡地は富士山や駿河湾の眺望に優れ県内外、国内外からの入学を誘引するとしており、国際教育を提供する施設の早期実現を目指す。


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from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=187319
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清水建設/山岳トンネルの切羽を3D点群データで常時計測/生産性と安全性向上

 清水建設は、山岳トンネル施工の新たな切羽計測システム「S-LiRT」を開発・実用化した。従来、切羽付近で目視に頼っていた施工精度の計測・確認作業を見直し、3D点群データを利用。リアルタイム計測による掘削精度のアップに加え、作業員のさらなる安全確保と生産性向上につなげる。今後、システムを山岳トンネル工事の標準技術に位置付け、現場実装を推進していく。
 システムは、トンネルの両側面に設置して周囲の形状を精緻に捉える3Dライダー2台と、ライダーを移動させる2本のレールで構成する。ライダーは常時、両方向から3D点群データを計測し、切羽形状の絶対座標をリアルタイムで取得する。
 掘進に伴い、掘削機の運転席モニターに、設計断面からの出っ張りである「アタリ」や、掘り過ぎた状態の「余掘り」が即座に表示される。オペレーターはモニターを確認しながら操作することで、アタリや余掘りの発生抑制につなげる。
 2本のレールは、切羽天端から45度範囲の立ち入り禁止区域外にある側壁部にボルトで固定し、トンネルの掘進に合わせて最後尾の部材を取り外して前方に盛り替える。ライダーは計測作業時にレールの最先端に移動させ、発破やズリ出し作業時にはレールの最後尾に移し、作業に起因する破損を防ぐ。
 システムの実用化に向け、清水建設・河津建設・小田開発工業JVが施工する「日田山国道路1号トンネル本坑(1工区)工事」(大分県発注)と、清水建設・竹中土木JVが施工する「米子自動車道三平山トンネル工事」(西日本高速道路会社発注)の現場で性能などを検証。使い勝手に優れ、安全性や生産性が向上することを確認した。


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from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=187307
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2026年9月1日火曜日

回転窓/静寂の向こうに

 東北に勤務していた時、東日本大震災の復興祈念施設を何度か訪れた。整然と整備された公園、立派な建物。そこに身を置くと、復興の歩みを感じた。その一方で、言葉にできない戸惑いが、いつも心にあった▼公園や建物は、静かで、きれいで、荘厳だった。だが、その静寂の向こうには、かつて確かに人の暮らしがあり、突然それを奪った津波があった。鎮魂の場に身を置くと、悲しみだけでなく、失われた日常の重さまで浮かび上がる▼目の前の穏やかな風景が、「あの日」を想像させる。立派な施設を批判したいのではない。むしろ、後世に記憶を伝えるために必要な場所だと思う。それでも、整えられた景色と、そこで起きた現実との間には、簡単に埋まらない距離がある。そのギャップに戸惑い、自分がその場にいていいのか迷った▼きょうは防災の日。災害を「過去の出来事」にしないために、記者としてもう一度、恐怖や悲しみと向き合いたい▼静かな場所に立った時こそ、そこにあった暮らしを考える。突然奪われた日常に思いを巡らせる。あの日の風景を想像し続けることが、災害を「過去」にしないための一歩なのだと思う。


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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=187272
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大阪府泉佐野市/泉佐野丘陵東地区造成が起工/施工は大本組JV

 大阪府泉佐野市が関西空港自動車道上之郷IC周辺の丘陵地帯(日根野、上之郷ほか)で計画する「泉佐野市丘陵東地区造成工事」が起工し、8月31日に安全祈願祭が開かれた。未開発状態が続いていた旧泉佐野コスモポリス用地の東地区(34・4ヘクタール)に新たな産業集積用地を創出する。設計・監理をURリンケージ、施工を大本組・豊成建設JVが担当。工期は2030年3月31日まで。
 東地区は西隣で上之郷IC、南側で阪和自動車道に囲まれ、府有地など構成する。土地区画整理事業として同意施行者の泉佐野市が一体的に開発を行う。
 計画によるとA用地(約9ヘクタール)とB用地(約5・5ヘクタール)、C用地(約2・5ヘクタール)、D用地(8265平方メートル)の各区画を整備。区画道路や調整池2カ所、緑地帯を設ける。南西側のB用地は、泉佐野市と大阪府田尻町、熊取町の広域ごみ処理施設の整備用地に設定。造成の完了後、別途工事を進める予定だ。
 工事概要は地盤改良工と切り土工(128万立方メートル)、盛り土工(123万立方メートル)、土砂運搬工(45万立方メートル)、のり面工、調整池施設工、防災施設工、道路施設工、市道改良など。
 神事ではURリンケージの太田潤取締役兼専務執行役員西日本支社長が鎌、千代松大耕泉佐野市長が鋤、大本組の三宅啓一社長が鍬を入れ、工事の無事完了を祈願した。
 神事後、千代松市長は「長く未利用だった旧コスモポリス用地で、関西国際空港に近い立地特性を生かし、産業集積を再び図る。市の将来の発展につながる地域にしていきたい」と話した。太田取締役は「地域産業の未来の骨格を築く重要なプロジェクト。事業完了に向け、技術的な支援に努めていく」、三宅社長は「安全と品質、コンプライアンスを確保し、円滑な施工に努める。地域との交流や現場見学会にも取り組みたい」と語った。
 □伊賀文彦所長(大本組)の話□
 「安全第一に、地元と共存共栄できる現場にしたい。土砂運搬では周辺への安全対策を徹底する」。


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from 行事 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=187276
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国交省/リスキリング支援に本腰/27年度概算要求で、建設業団体を伴走支援

 国土交通省は、建設業従事者の処遇改善や入職促進、リスキリング(学び直し)、DX推進に取り組む建設業団体を伴走支援する新たな事業を立ち上げる。2027年予算の概算要求に関連経費を盛り込んだ。特に、政府全体で重要施策に位置付けるリスキリングに向けた教育プログラムの開発などを後押しする。不動産・建設経済局と住宅局が連携し、建築生産分野では計画作成から実証・加速化までを一貫して支援する体制を整える。
 政府が成長投資などを促す17の戦略分野全体の設備投資を下支えする建設産業の「供給力強化事業」と銘打つ。団体主導の担い手確保や生産性向上の取り組みをトータルで支援する枠組みをつくる。
 現状は団体や個社がリスキリングに取り組むにも経営体力やノウハウ、投資余力が不足している。各団体が中長期的な戦略を持って持続的に取り組むことができるよう、調査・分析や中長期計画の作成をコンサルティングや専門家の派遣で支援する。
 リスキリングへの支援は、建設キャリアアップシステム(CCUS)の職種・レベル別の教材・カリキュラム作成、講師育成などを想定する。職種ごとの取引慣行に応じた見積書作成や価格交渉の支援体制を構築するなど、労務費・賃金の行き渡りによる処遇改善を目指す団体も支援する。入職促進に向けた業界PRや魅力発信、設計・施工の効率化やバックオフィス業務の合理化などの計画作成も対象とする。
 建設業行政を所管する不動産・建設経済局が計画作成段階の支援、住宅・建築行政を担う住宅局が計画を踏まえた取り組みの実装段階の支援に当たる予定だ。必要経費として不建局は建設業関係の別事業と一体で19億82百万円、住宅局は10億円を要求した。
 支援先の公募・選定手続きなどは各局で別々になる見通しだが、計画作成から実装までステップを踏んで支援を受けることが実質的に可能となる。実装段階では、作成した教育プログラムに沿った研修の実証、既存の中長期的な計画の加速化に向けた支援などを想定する。


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from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=187271
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デベロッパー/長周期地震動抑制へ先端技術導入

 1923(大正13)年に発生し、死者・行方不明者が推定10万5000人に上った関東大震災から1日で103年が経過する。犠牲者は阪神・淡路大震災、東日本大震災をはるかに上回り、国内の都市防災を考える上で原点とも言える出来事だった。まちづくりを担うデベロッパーは、高い確率で発生が予想される首都直下地震に備え、ビルや設備などの性能を強化。エネルギーセンターも設け、停電対策にも取り組んでいる。
 地震と共に発生する「長周期地震動」は、高層ビルを長時間にわたりゆっくり大きく揺らす。ビルを建てるデベロッパーにとって対策が欠かせない。三井不動産は高さ210メートルの新宿三井ビルディング(東京都新宿区西新宿)屋上に超大型制震装置を6基設置している。振り子式の重りを使い、振動エネルギーを吸収する。
 東京千代田区で高さ385メートルの「Torch Tower(トーチタワー)」を建設中の三菱地所は、高層部の外周にブレース(斜材)を採用している。ダンパーなども使い変形を効率的に吸収。外周を強靱な構造にすることで建物の「太さ」を生かして揺れを抑える。森ビルはオイルダンパーや座屈拘束ブレースといった高度な制震装置を複数組み合わせることで超高層ビルの揺れを軽減している。
 BCP(事業継続計画)の実効性の向上や在館者の安全確保には停電対策も重要になる。森ビルは主要ヒルズに都市ガスを利用した自家発電エネルギープラントを設置。六本木ヒルズ(東京都港区)では自家発電に加え、系統電力によるバックアップ機能や灯油のストックも用意し、3重の対策を立てている。
 三井不動産は建設中の「東京ミッドタウン日本橋」(東京都中央区)で、高さ約284メートルのタワー棟の地下にエネルギーセンターを整備する。コージェネレーションシステムや中圧ガス発電を採用し、停電時でも事業継続を可能にする。周辺地区へのエネルギー供給も検討する。
 丸の内エリア(東京都千代田区)の地下30メートルには三菱地所が全長250メートル、内径約3メートルの耐震性に優れた洞道を20年に構築した。従来各ビルを経由していた地域冷暖房用の熱供給配管を洞道内に集約。非常用電力自営線や通信ケーブルも敷設している。
 今後30年以内に70%の確率で発生する首都直下地震。ビルの整備を含めたまちづくりを担うデベロッパーが果たす役割は大きい。今後も先端技術の活用に加え、防災訓練などによる人材育成に注力し、災害対策の実効性を高めることが求められる。


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2026年8月31日月曜日

回転窓/鈴木貫太郎記念館の再建

 終戦時に首相を務めた鈴木貫太郎(1868~1948年)の記念館整備事業が、どうやら少し足踏みしているようだ。設計・施工一括の公募型プロポーザルが公告されたものの、先月下旬に中止となり、本紙で「再公告に向け実施要領を見直す」と報じた▼鈴木にゆかりのある千葉県野田市の現記念館は、2019年の台風で被害を受けて臨時休館に。耐震診断の結果も踏まえて市が建て替えを決め、6月に公募型プロポの手続きを始めたが、期限までに参加申請はなかった▼太平洋戦争を終結に導いた首相として知られる。休館前に訪れた記念館には、昭和天皇に御聖断を仰ぐ場面が描かれた「最後の御前会議」の絵画や愛用品、歴史的資料が展示されていた▼記念館を再建し、その功績と意志を後世に引き継いでいく意味は大きい。早期に実施要領が見直され、プロジェクトが進むよう願いたい▼本欄でも以前紹介したが、記念館に立つ大きな塔碑には、鈴木が戦後にたびたび揮毫(きごう)したという〈為萬世開太平〉の字が記されている。永遠の平和を築くことの大切さを、日本にとって特別な8月の終わりに改めて思う。


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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=187200
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