2026年7月30日木曜日

回転窓/再びの地震、無事と安全を願い続ける

 臨時情報や注意情報を発令し、大地震に続く後発地震への備えを呼び掛けた場合の新しい事例集を内閣府が策定した。南海トラフ地震臨時情報に対応した事例集に、これまでの発令で官民が行った措置を追加した▼避難経路の緊急点検(北海道)や、即応体制と通常運行(鉄道事業者)などの事例を列挙。暮らしや経済への影響と警戒のバランスを考慮し、ほかの地域も参考にした適切な対応を求めている▼熊本県で28日夕に発生した地震の緊急対応が続いている。震度7、マグニチュード7以上の観測はともに2024年の能登半島地震以来。インフラや建築物に甚大な被害が発生し、国や自治体、インフラの管理者と共に被災地の建設会社が応急復旧や救急支援に携わる▼精神と肉体の負担がともに大きくなる被災地での厳しい夏の作業である。被災地のために活動する人たちの安全と、支援の手が行き届き、地域の人々の不安が少しでも和らぐことを願わずにいられない▼10年前の熊本地震の教訓から、復旧や救援の現場は後発地震を特に警戒しながらの作業になる。支援者、受援者の無事と安全を重ねて強く願い続けたい。


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26年熊本地震/建設各社/応急復旧出動へ準備着々

 熊本県内で28日に発生した最大震度7の地震で、建設各社はBCP(業務継続計画)に基づき、震災対策本部を設置するなど初動対応を開始した。社員の安否確認や施工中の物件の被災状況確認などに追われたものの、目立った被害はなかった。ライフラインとなる道路の応急復旧工事に備え、アスファルト合材の増産体制を整えた舗装会社もある。 =1面参照
 鹿島は福岡市の九州支店から熊本県内に応援社員を派遣した。現地の状況や要請に応じ、全社体制で人員や資機材を投入する。大林組は28日夜時点で、施工中の物件やグループ会社の施設に大きな被害が出ていないことを確認。大成建設は顧客からの支援要請に順次対応している。
 清水建設も稼働中の現場や施工先施設などで被害は確認されていない。竹中工務店は九州支店に対策本部を設置し、本社・大阪本店との連携体制を構築した。顧客と連携し、引き渡し済み建物の被災状況も調査する。五洋建設、戸田建設、フジタ、熊谷組、安藤ハザマ、西松建設なども応急復旧工事の出動に備える。いずれも国土交通省や日本建設業連合会(日建連)などからの支援要請を待っている。
 熊本県内には道路舗装会社の合材工場や、セメントメーカーの出荷拠点、生コンクリート工場なども点在する。29日午前時点で、合材工場に目立った被害は出ていない。セメントメーカーの施設では、出荷基地である熊本県八代市の八代サービスステーション(SS)で被害が発生。太平洋セメントの軽微な被害が見られたものの、他拠点から出荷できるため、流通網への影響はないという。UBE三菱セメントは液状化や設備の損傷を確認。宇城市にあるグループ会社の生コン工場でも設備が損傷した。住友大阪セメントは29日昼時点で八代SSの被害状況を確認している。
 救急や物資輸送の動脈となる道路の応急復旧が急がれる。日本道路や東亜道路工業などは、日本道路建設業協会(道建協)などを通じて災害協定締結先からの出動要請に備えている。世紀東急工業は、道路路面の段差などの簡易補修に使う常温合材(αミックス)の在庫管理と増産体制を指示した。発注者らからの緊急要請を想定し、施工体制の確保に万全を期している。
 今後本格化する応急復旧に向け、「地域の守り手」として各地で災害復旧・復興を支えてきた建設会社らの役割が期待される。


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26年熊本地震/官民挙げて初動対応/被災状況調査や物資支援

 28日に発生した最大震度7の2026年熊本地震により、熊本県内を中心に人的被害や道路、橋梁などのインフラ、建物への被害が相次いでいる。高速道路では各所で橋梁の桁ずれ、国道では路面の段差による通行止めが発生、九州新幹線も地震発生直後から運転を見合わせるなど影響が広がっている。こうした中、九州地方整備局や業界団体が被災状況把握や応急復旧に乗り出している。=1面参照
 九州整備局は29日午前、被災状況確認のため、テックフォース(緊急災害対策派遣隊)の第1陣として先遣調査班20人とリエゾン(現地情報連絡員)班8人を派遣した。今後のテックフォースの被災情報調査班や応急対策班の派遣に向け支援が必要な箇所などの情報収集に努める。派遣場所は熊本県庁と同県内の八代市、宇城市、氷川町。期間は8月1日までを予定している。
 福岡市内で出発式を開き、垣下禎裕局長は「安全と健康に留意しながら、一日も早い復興に向け活動してもらいたい」と激励。派遣命令書を受け取った企画部の寺尾幸太郎環境調整官は「地域に寄り添いながら国土交通省の現場力を発揮し、被災状況の把握とできる限りの支援をしたい」と決意を語った。
 熊本県建設業協会は地震発生直後から各支部でパトロールを実施し、被災状況の調査に着手。29日午前に八代支部内に災害対策本部を設置し、応急対応などに当たっている。
 日本建設業連合会(日建連)九州支部は発災直後に土山元治支部長を本部長とする災害対策本部を設置。九州整備局からの災害協定に基づく派遣要請を受け、氷川町やイオンモール熊本(嘉島町)への仮設トイレ設置、西日本高速道路会社からの橋梁現地確認への技術者派遣などの要請に対応している。
 プレストレスト・コンクリート建設業協会(PC建協)九州支部は、発災直後に田中政章支部長を本部長とする現地対策本部を設置。西日本高速会社からの要請を受け橋梁の被災状況調査に会員企業から技術者3人が同行している。
 日本道路建設業協会(道建協)九州支部は災害対策本部を設置し対応の準備を進めている。
 建設コンサルタンツ協会(建コン協)九州支部は、29日に穐山泰治支部長を本部長とする災害対策九州現地本部を設置。熊本県と熊本市から災害協定に基づく技術者の派遣要請があり、今後、橋梁とトンネルの被災状況確認に対応していく予定。


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森記念財団/日本の都市特性評価2026公表/港区が3年連続首位

 森記念財団(森浩生理事長)は、「日本の都市特性評価2026」の結果を29日に公表した。「経済・ビジネス」や「生活・居住」など6分野87項目の指標で、都市の特性を総合的に評価。東京23区の合計スコアは港区が3年連続で1位を獲得した。政令市などを含めた136都市では札幌市が2025年の9位から7位にランクアップした。
 対象は東京23区と136市(政令市、県庁所在地、人口17万人以上)に分けて行った。▽経済・ビジネス▽研究・開発▽文化・交流▽生活・居住▽環境▽交通・アクセス-の6分野で評価し、スコアを合算した。
 1位の港区は、企業が経済活動で生み出す付加価値額を含め「経済・ビジネス」分野で25年の2位から1位に上がった。宿泊施設客室数やイベントホール客席数も多く、「文化・交流」分野で1位を維持したことなどが寄与した。千代田区は25年に続き2位となった。公共交通の利便性が高く、鉄道網も充実しているため、「交通・アクセス」分野で1位となった。新規不動産業用建築物供給面積や特別区制度認定数も堅調に推移した。
 総合3位の中央区は「生活・居住」分野に強みを持つ。交通事故死亡者数の少なさやコンビニ・飲食店舗の密度の高さなどが評価された。
 136都市では大阪市が6年連続で1位を獲得した。2位は名古屋市、3位は福岡市で、1~3位は25年と同じ順位となった。2ランクアップした7位の札幌市は、札幌駅前の再開発などにより、経済・ビジネス分野が25年の14位から8位に躍進したことが影響した。観光客の誘致に向けた情報発信も評価された。


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美濃太田駅南地区再開発(岐阜県美濃加茂市)/TSUCHIYAに/準備組合

 岐阜県美濃加茂市の美濃太田駅南地区市街地再開発準備組合は、6月26日に開いた第12回準備組合通常総会で建設系事業協力者をTSUCHIYAに決めた。29日に公表した。
 計画地はJR美濃太田駅南側(太田町後田)で、地区面積約1ヘクタールで、敷地面積6580平方メートル。商業・業務施設や住宅120戸、駐車場170台を整備する。
 事業協力者はフージャースコーポレーション、コーディネーターは都市研究所スペーシアが担当している。
 2026年度に再開発組合設立、27年度に権利変換計画認可と既存建物解体工事着手、28年度に建築工事に着手し、30年度の完成を目指す。


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from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=186523
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ソニーFG、コクヨ/オフィス向けコンディショニングチェア開発/ビジネス力発揮支援

 ソニーフィナンシャルグループ(FG)とコクヨが、ビジネスシーンに応じて働く人の心理面での調子を整える「コンディショニングチェア」を開発している。ドーム状の椅子に座ると、没入感のある音と音楽に合わせた振動が体を包み気持ちの切り替えを促す。商談や重要な会議などで、本来の実力を発揮できるよう支援する狙いだ。開発に当たっては、東京大学大学院情報理工学系研究科の大黒達也准教授が技術指導した。
 これまでコンディショニングチェアはアスリートやアーティストを対象に効果を検証してきたが、このほど検証対象をビジネスパーソンにも広げた。
 ソニーFGは、振動や動きを与えることで実際に物に触れているような感覚を再現するソニーの触覚提示技術(ハプティクス技術)を活用し、パフォーマンス・コンディショニングサービス「NOUS ARE(ノウスアレ)」を開発した。耳で聞くだけでは得られない深い音楽への没入感を生み出し、高揚や沈静といった音楽による状態変化を人工的に引き出せる。
 コクヨと共同でノウスアレを活用した椅子型のプロトタイプを開発した。ユーザーは自分が必要とする状態に応じてモードを選ぶ。気持ちや活力を高め、本番に向かうための「RISE」、冷静な状態で本番に臨むための「COOL」、気持ちを適度に高めながら落ち着いて目の前のことに向き合うための「FLOW」の三つのモードを備える。クッションに指を置くことで、連動するアプリで心拍数を測定し、変化を可視化できる。
 29日に都内でノウスアレのプロトタイプ体験会を開いた。開発に携わったソニーFG成長戦略室グループ事業開発課の赤羽祐哉氏は、「本番で、準備してきたことを十分に発揮できなかったことが多々ある。その経験から開発の着想を得た」と開発の経緯を説明した。大黒准教授は音楽について、「最初にドキドキや一体感といった身体の反応があり、そこから脳が論理や解釈を生む」と述べ、身体への影響を説明した。


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from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=186520
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2026年7月29日水曜日

回転窓/お守りに込めた思い

 体調不良を訴える父親を思い、先日、東京都千代田区にある神田明神を参拝した。地元の人から親しみを込めて「明神さま」と呼ばれる神社には、病気の回復と健康を祈る「平癒守」がある。お守りの効果があったのか、父はすっかり元気になった▼お守りには厄よけや安産祈願など、いくつかの種類がある。神田明神の平癒守は、袋に稲穂と薬つぼがあしらわれ、ネット通販でも購入できる。神社を訪れた日本人や外国人旅行者にも人気のお土産だと聞いた▼お守りを買う目的は、願い事の成就を祈るためだけではない。神社を訪れた思い出づくりという人も多かろう。全国には変わったお守りもあり、北海道の帯広神社(帯広市)には、白と黒の牛柄をモチーフにした「道中安全守」がある。人気を博しているという▼ひもで閉じられた袋の中にお札を入れ、常に身につけるのは日本独自の文化という。天災や流行病などに苦しめられてきた日本人にとって、お守りを持つことは心の平穏につながっているのかもしれない▼実は小欄も財布に小さなお守りを忍ばせている。念じているのは〈この先も、災いが起きませぬように…〉。


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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=186474
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大阪府/ナフサ由来資材の追加調達費、設計変更で計上可能に/8月から運用

 大阪府都市整備部は中東情勢の変化による建設資材の流通状況を踏まえ、ナフサ由来資材の代替資材の調達や流通経路の見直しで発生する追加経費を設計変更で計上できるようにする。受注者が資材調達のリスクを抱え込まず、安心して施工・受注できる環境を整える。8月1日以降の単価適用年月日を用いて積算業務に着手する工事から適用を始める。住宅建築局の発注工事は除く。
 対象となる「調達検討資材」は発注者が工事ごとに確認し、必要に応じて単価適用年月や地区、設計数量などの条件を特記仕様書や設計図書に明示する。
 別途調達経費が必要となるケースとしては▽対象資材が入手できず代替資材を調達▽設計で想定した調達先から入手できず、別の流通経路で調達▽対象資材を設計単価より高い価格で調達-などを想定する。
 受注者は事前に書面で監督職員と協議し、原則として複数社の見積書を提出する。発注者は経済性や工期などを総合的に判断し、徴収した見積もりのうち最も経済性に優れる価格を設計変更に採用する。納品後は納品書や実際の取引伝票などで購入価格と数量を確認する。
 調達変更に伴って工期への影響が生じる場合は、工期も適切に変更する。今回の設計変更は工事請負契約のスライド条項の対象外とする。31日以前の単価適用年月日の工事も、受発注者間の協議が整えば対象とする。
 国土交通省はナフサ由来資材で供給の偏りや流通の目詰まりが生じているとして、6月16日から既契約を含む全ての直轄工事で同様の運用を導入している。


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世紀東急工業/人事評価制度見直し/地域限定社員の一部で処遇改善、中途採用強化

 世紀東急工業が2026年度から人事評価制度を大幅に見直す。転勤はないものの昇格に上限がある地域限定職員について、要件を満たせば総合職と同等に処遇する。転勤せずに働きたい社員のニーズに応え、中途採用の強化につなげる。高い専門性を持つ非管理職の技術系社員を管理職と同等に評価する仕組みも新設する。今回を皮切りに、30年度まで段階的に人事制度を見直す。
 同社は30年度までの長期経営ビジョンで、連結売上高1100億円(26年3月期実績952億59百万円)、営業利益80億円(64億17百万円)を目標に掲げる。目標達成に向け、人的資本投資を積極的に実施する。
 全国転勤のない技術系エリア社員の処遇体系を見直す。全国転勤がある総合職社員と同様の役割を担う場合は、総合職社員と同等に処遇する。技術系エリア社員は転勤がない一方、昇格には上限があった。制度の見直しで、より上位へのキャリアアップが可能になる。同社は転勤を希望しない人を、技術系エリア社員として中途採用するケースが多い。転勤せずにキャリアアップを目指したい社員のニーズに応え、人材確保を強化する。
 高い専門性を持つ非管理職の技術系社員は「プロフェッショナル職」と位置付け、管理職と同等に処遇する。1級土木施工管理技士などの取得を必須要件とし専門性の高さを担保する。これまでは管理職に進まない技術系社員のキャリアパスが明確ではなかった。プロフェッショナル職の最高位は、営業所長や課長と同等の処遇を受けられる。
 施工管理に関する資格保有者には手当を支給する。1級土木施工管理技士や1級建設機械施工管理技士など国家資格保有者に月額2万円を支給。これとは別に、現場に従事する技術社員には採用・定着を目的に月額5000円の現業手当を支払う。資格取得への意欲を高め、人材の定着を後押しする。
 少子化などを背景に、人材確保は一段と難しくなっている。同社の人事担当者は「仕組みを抜本的に変えなくてはいけないという危機感がある。社員にとって納得感のある評価を取り入れ、離職防止とモチベーション向上に取り組む」としている。


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徳島県/藍場浜公園西エリア新ホール整備基本・実施設計/石本建築事務所に

 徳島県は、「藍場浜公園西エリア・新ホール整備事業基本・実施設計業務」の公募型プロポーザル(WTO対象)で石本建築事務所を優先交渉権者に決めた。5者が参加し27日に2次審査を実施した。次点交渉権者は香山建築研究所。提案上限額は7億7000万円(税込み)としていた。
 石本建築事務所の技術提案書によると「藍場浜コモンデッキ」がコンセプト。隣接するあわぎんホールとデッキで結び、新町川沿いの一体的な空間を生み出す。規模は地下1階地上3階建て延べ1万0800平方メートル。構造は地下躯体と大ホール(1500席)、リハ室、多目的ホールがRC造、外周部や屋根架構はS造をベースに検討する。
 建設地にある既存駐車場の地下躯体を活用し、ピットを含めたすべての地下階を駐車場躯体内に納めることで土工事や山留め、解体工期を縮減。ZEB Ready達成などによりライフ・サイクル・コスト(LCC)の削減を見込む。
 事業対象地は徳島市藍場町2の4ほか(敷地面積7400平方メートル)。履行期間は基本設計等業務が8月から2027年3月19日まで、実施設計業務は同5月から28年4月10日まで。


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