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日刊建設工業新聞社の公式ブログです。
中日本高速道路会社が岐阜県内で建設を進めている東海環状自動車道の柿田トンネルが貫通し28日、可児市柿田のトンネル坑内で貫通式が開かれた。池田光次名古屋支社長をはじめ冨田成輝可児市長、金子俊平衆院議員ら多数の関係者が出席。貫通発破、貫通点清め、貫通点通り初め、鏡開きなどを行い、土岐JCT~可児御嵩IC付近4車線化事業の節目を祝った。施工は大林組。
式典では、池田支社長らが貫通発破のスイッチを押した。無事貫通が確認されると、秋山幸一大林組柿田トンネル工事事務所長が藤原由康中日本高速道路岐阜工事事務所長に貫通を伝え、藤原所長が「設計通り誤差無く貫通した」と報告。関係者による万歳三唱も行われた。
池田支社長は「多くの関係者のおかげで貫通を迎えることができた。大変難しい工事だったが、施工者や協力企業の技術力により無事故での貫通となった」と感謝するとともに「今後も安全を最優先に4車線化を着実に進める」とあいさつ。冨田市長は「市民の念願を着実に進めていただき感謝する。ストック効果をしっかり発揮したい」と祝辞を述べた。
施工者謝辞で山本裕一大林組常務執行役員名古屋支店長は「技術と経験を結集し、工程の順守と厳格な品質管理を実施した。完成まで品質や供用線の通行の安全など、万全を期して取り組む」と力強く語った。
柿田トンネルの延長は1638メートル。掘削断面積は約80平方メートル。NATMを採用し、可児御嵩IC側から掘削を進めた。掘削着手日は2020年10月26日。工期は23年10月13日まで。供用中のトンネルとは約20メートルの距離で近接。約10メートルの低土被り区間もあったが無事、貫通することができた。
貫通を記念し2月1日午前9時から道の駅可児ッテで貫通石の無料配布を行う。
海外建設協会(海建協、相川善郎会長)は23日、海建協と日本建設業連合会(日建連)の会員企業が海外で携わった優れた建設プロジェクトを対象にした第1回「OCAJIプロジェクト賞」の表彰式を、東京都千代田区のホテルニューオータニで開いた。14社が応募した25件の中から11件を選定。相川会長が受賞した会員企業の関係者に表彰状と記念品を手渡した。
冒頭、相川会長は「今回受賞したプロジェクトは各地域から発信されるさまざまな要請に対し、中長期の視点に立った施工計画などが実践され、発注意図に沿う大変効果的な方策が講じられた。わが国の建設業にとって国際的なプレゼンス向上に資する成果を上げられた」とあいさつした。
相川会長は今後の展望にも言及。世界的なインフレやウクライナ危機の長期化などを念頭に「海外建設市場は先を見通せない厳しい状況が続いている。海建協ではOCAJIプロジェクト賞を通じ日本の建設技術があらゆる困難を打開する可能性を備え、将来にわたり時代のニーズに即応し得る水準にあることを積極的に訴えていく」と述べた。
受賞者を代表し大林組の木村隆之アジア支店土木部長は「技術者として大変誇りに思う。今回の受賞を励みに次の新たな目標として研さんを重ね、それぞれの役割をまい進したい」と謝意を示した。
中部地方整備局静岡国道事務所と静岡県藤枝市は21日、国道1号藤枝バイパス(BP)潮トンネル着工式を藤枝市下藪田のトンネル西側坑口付近で開いた。自治体や地元関係者など58人が出席。葉梨こども園の園児らも参加した鍬入れ式が行われ、地域の安全や防災力向上など多方面に貢献する事業の着工と早期完成を祈願した。
式典で稲田雅裕中部整備局長は「藤枝BPの全線4車線化は渋滞緩和や企業活動の活性化、救急医療体制の拡充などに寄与する。工事を安全、着実に進め一日も早い全線4車線化を目指す」とあいさつ。北村正平市長も「藤枝BPは安全・安心な市民生活を守るために極めて重要な道路。潮トンネルの着工で4車線化が大きく前進した」と述べ、事業の早期完成に大きな期待を寄せた。
新東名高速道路の開通で沿線の企業進出が進み、交通量の増加で渋滞が発生。県道や街路に車両が流入し事故も多発している。このため、藤枝市仮宿(広幡IC)~島田市野田(野田IC)間の延長10・7キロを4車線化することで渋滞を緩和し事故率を低下させ、地域の安全・安心を守る。2016年4月に事業着手した。1号藤枝BP潮トンネル工事の概要は、工事延長500メートル、トンネル掘削延長318メートル。施工場所は藤枝市潮~下藪田。施工は飛島建設が担当。
ミライト・ワンの渡辺奈南香さん=写真右=と吉田陽菜さんが、2022年11月4~7日に東京都内で行われた「第60回技能五輪全国大会」の情報ネットワーク施工職種で共に銅賞を獲得した。渡辺さんは1年目に賞を取れず、2、3年目が敢闘賞。悲願のメダル獲得に「取れて良かった」と笑みがこぼれる。吉田さんは2回目の出場。「メダルを取れてうれしいがもう少しできた」と厳しく評価する。
身近な存在に建設業はいなかったという2人。渡辺さんは就職に強い工科高校で学び、電気工事士の資格を取る中で手先を動かす仕事に就きたいと入社した。吉田さんは学生の頃女性が競技に臨む姿が印象に残り憧れを抱いた。「技能五輪に出たい」との思いで飛び込んだ。
入社してからは基本的に技能五輪に特化した訓練に励む。スピードと見栄えが求められ「どう効率良く作業したらいいかを考えながら訓練するのが大変だった」と渡辺さん。先輩に教えてもらいながら正確さを磨いた。吉田さんも普段から効率を考えて生活し、競技で生かしているという。
技能五輪を引退する渡辺さんは今後、選手指導や技能研修のインストラクターとしてサポートに徹する。「業界や技能五輪にもっと女性が携わってほしい」と期待を込める。次の大会で金メダルを狙う吉田さんは「技能五輪で培った技術力を生かしたい。女性でもできると証明したい」と力を込める。
(わたなべ・ななか)(よしだ・はるな)
大阪府門真市の京阪本線門真市駅前の複合ビル「門真プラザ」(新橋町)の建て替えに向け、地権者でつくる再開発準備組合は、前田建設を代表とするグループを事業協力者に選定した。門真市など行政機関の支援を受けながら再開発事業の実現を目指す。準備組合は2023年度に都市計画決定し、24年度の本組合設立、26年度の着工を目指している。
門真市駅前地区市街地再開発準備組合が11日に臨時総会を開き、前田建設グループを事業協力者にすることを決めた。他の構成員は野村不動産、京阪電鉄不動産、旭化成不動産レジデンスの3社。
門真プラザは、市などによる門真市駅前再開発事業で1973年に完成した複合施設。78年から市や民間企業が出資する第三セクター「門真都市開発ビル」が管理している。施設規模はSRC造地下1階地上12階建て延べ約4万1660平方メートル。市営住宅20戸や分譲住宅35戸、店舗などで構成し、老朽化や耐震性に課題がある。
予定する事業名は「(仮称)門真市駅前地区市街地再開発事業」。事業区域は約1・9ヘクタールを想定。市の玄関口にふさわしい都市機能を導入し、駅前広場などを整備することでにぎわいと交流の拠点を目指す。市営住宅と分譲住宅または賃貸住宅、商業・業務、駐車場機能などの導入をイメージしており、今後は地権者のほか、事業協力者の意見などを踏まえ、具体的な施設計画や収支計画を検討する予定だ。
事業協力者は▽基本計画案(都市計画素案)の立案▽事業計画案の策定支援▽組合設立までの事業資金の立て替え▽保留床処分▽権利者の合意形成支援-などの役割を担う。
コンサルタントはユーデーコンサルタンツが担当する。
大分県は「都市計画道路庄の原佐野線(下郡・明野工区)」(大分市下郡南~明野西、延長約1・6キロ)の整備について早期の補助事業採択を国に要望している。事業区間の変更とそれに伴い事業費を約20億円増額し約270億円とする事業再評価が有識者らの県事業評価監視委員会で了承され、2022年12月に都市計画変更手続きを完了し事業化に向けた条件が整った。事業採択されれば測量や調査、設計などに着手する。
下郡・明野工区は21年度に県事業評価監視委で事前評価を行い、23年度の事業化を目指すことを妥当と評価された。この段階で事業区間の延長は約1・3キロだったが、その後、起点側に接続する事業中の下郡工区の連続高架橋部分約300メートルを下郡・明野工区に含める形で事業区間を変更。22年11月の県事業評価監視委で再評価を審議し了承された。
再評価書によると事業内容変更後の重要構造物は本線の連続高架橋が延長914メートル。ランプ部の橋梁230メートルは従来計画から変更はない。これら以外は土工部となる。車線数は4車線、設計速度は時速60キロ。幅員は車道が13メートル、これに歩道や自転車道を含めると22メートル、ランプがある高架部は最大61メートル。
概算事業費のうち約6割を橋梁工が占める。費用便益費(B/C)は前回評価より0・1下がり1・6となる。23年度に事業採択されれば23~24年度に測量や調査、設計と併せて事業内容変更前に下郡工区だった区間の橋梁下部工を進め、25年度の用地取得着手、28年度以降の工事本格化、36年度の事業完了を想定する。
整備されれば大幅な交通の転換により県道大分臼杵線の交通渋滞緩和や所要時間短縮が図られるほか、浸水時の避難路の確保などの効果が見込まれる。
庄の原佐野線は大分市の東西骨格軸となる重要な路線。延長約15・35キロのうち起点から約6キロが地域高規格道路大分中央幹線道路として事業化され、このうち起点から約5・1キロが開通済み、これ以外の約0・9キロが下郡工区として事業中となっている。
奈良県は、興福寺(奈良市登大路町)の国宝五重塔の保存修理に向け、建物全体を覆う素屋根を設置する。当初は今月中の着工を目指し、2022年7月に設置工事の入札を公告したが、建設資材高騰の影響や追加の調査が必要になり、選定手続きがずれ込んだ。20日に「国宝興福寺五重塔素屋根建設工事」の一般競争入札を再公告した。2~4者構成のJVから30日まで参加申し込みを受け付ける。総合評価方式を適用し、2月6日まで技術提案書の提出を受ける。入札書の開札は3月8日を予定。
興福寺は藤原氏の氏寺で五重塔は730年に建てられた。5回の焼失と再建を経て、1426年ごろに現在の塔が建てられたとされる。経年劣化で屋根の傷みが著しく、瓦の状態を確認しながら全面的にふき替える。
参加資格は建築一式A等級で、代表者は県内に本店を置き、経営事項審査の建築一式工事の総合評定値が900点以上。県内に営業所を置く者も900点以上あれば参加できる。それ以外は代表者と同じ条件の構成員と県内に本店や営業所があること。入札書は2月28日~3月3日に受け付ける。
技術提案による加算点は最高22点。品質管理や安全管理、企業の施工実績を評価して落札者を決め、議決後に契約を結ぶ。
工事は仮設用仮設足場の設置。新築、電気・機械設備のほか、除却工事などを含む。敷地は約3900平方メートル。規模はS造6階建て延べ5017平方メートル。仮設足場を含めると7357平方メートルになる。基礎は直接基礎とし、屋根はガルバリウム鋼板折板葺き、外壁は防炎メッシュシート2重張りを採用する。高さは59メートルになる。工期は24年7月31日まで。設計は桝谷設計が担当。
予定価格は22億7999万2000円(税込み)。低入札価格調査制度の対象となり、調査基準価格は20億9759万円2000円(同)。前回公告時の予定価格は14億9494万4000円(同)だった。