2026年4月15日水曜日

回転窓/10年の思いを紡ぐ

 九州屈指の絶景ドライブロード「やまなみハイウェイ」をご存じだろうか。大分県別府市と熊本県阿蘇市を結ぶ全長約50キロの県道の愛称である。標高の高い山々を貫くように通り、草原の大パノラマが広がる▼沿道には、大自然を体感できる牧場や温泉といった観光名所も多い。中でも人気なのが、九州3大名湯の一つとされる熊本県南小国町の黒川温泉だ▼昨夏に旅行で訪れた時、旅館の女将(おかみ)から「地震ではこの周辺でも土砂崩れや落石が発生し、長期休業を余儀なくされた」と聞いた。さらに「コロナ禍もあって、お客さまの数が元の水準に戻ったのはつい最近」と、苦笑いを浮かべながら教えてくれた▼同一観測点で史上初めて震度7を2度観測した熊本地震の発生から、14日で10年を迎えた。インフラの復旧は着実に進展している。半導体受託製造で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が熊本に進出し、半導体関連企業を九州に呼び込んでいる▼本紙では、復旧の最前線に携わった人たちのインタビュー連載を掲載している。当事者の貴重な経験を伝えることで、地震の記憶と教訓を未来に紡ぎたい。


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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=183333
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変更労働時間制、全建と日商が運用緩和要望/規制改革推進会議WGで

 政府の規制改革推進会議が設置した「働き方・人への投資ワーキング・グループ(WG)」の14日の会合で、1年単位の変形労働時間制の運用緩和を全国建設業協会(全建)と日本商工会議所(日商)が要望した。現行制度では猛暑や積雪などの天候や、取引先の都合による工期遅れなど突発的な事象への対応が難しいと主張。月ごとの勤務カレンダーを30日前までに定めて労使で合意する仕組みについて、直前での作成や事後的な変更などを認める措置の検討を厚生労働省に求めた。
 厚労省はここ数年の酷暑の影響から運用緩和の声が強まっていることを認識しつつも、余暇の確保などの労働者の生活への影響を踏まえ運用緩和には慎重な姿勢を示す。WGでは、突発的な事象にさらされやすい建設業などは人手不足が進む中で多様で柔軟な働き方が求められていると指摘。厚労省に対して労働者の予見可能性に留意しながら、柔軟な対応を可能にする在り方を労働政策審議会で検討するよう要望した。
 全建は、酷暑などによる現場の不稼働日・時間が増加傾向にある一方、柔軟な働き方のため変形労働時間制の活用したいが、現状は制約が大きいと訴えた。「30日前に天候は予想できない」として、勤務カレンダーの事後作成や前日までの作成を許容することを要望。一度作成しても労使の合意を前提に事後や前日の変更を可能にするなど、天候に応じ臨機応変に対応できる仕組みを求めている。
 労使協定ではなく現場単位で労働者の合意を得れば導入可能にするなど、手続きの簡素化も要望している。就業規則の整備を不要にしたり、監督署への届け出を省略したりすることを提案した。日商も勤務カレンダーの柔軟な変更の認めることや、手続きの簡素化と個別の導入サポートの強化を求めた。


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from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=183345
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ライザップが建設業に本格参入/物件選びから施工まで一貫体制、人材育成にも注力

 トレーニングジム事業を中心に展開するRIZAPグループ(ライザップ、東京都新宿区、瀬戸健社長)が、建設業に参入する。主に内装工事を手掛ける「RIZAP建設」(同、幕田純社長)が本格始動する。
 無人運営の24時間ジム「チョコザップ」を年間で1909店舗出店した店舗開発の内製化ノウハウを生かし、物件選びから施工までを一括して担う体制を敷く。人材は自社育成し、年度内にグループ全体でホワイトカラーから500人の職種転換を目指す。
 2015年6月設立の子会社・RIZAPパートナーズを1月、RIZAP建設に改称した。資本金は100万円。既にグループ外から受注を始めており、施工実績は25年10月~26年3月の半年間で186件(売上高約30億円)に上るという。
 14日に都内で会見した瀬戸社長は「建設業のイメージを『新3K』(健康、快活、給与アップ)に変え、人材が活躍できるよう伴走していく」と話した。


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from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=183335
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東京・品川区/しながわ水族館リニューアル/33年度開業目指す

 東京・品川区がリニューアルする「しながわ水族館」の開業時期を2033年度に設定していることが分かった。整備事業費は基本設計を基に147億円と試算。設計・施工一括(DB)方式で整備する。28年度までに事業者を決定し、29年度以降の着工を予定。33年度のオープンを目指す。品川らしい「江戸前の海」を感じられる空間にリニューアルする。
 水族館は勝島3の2の1にあるしながわ区民公園内に位置する。京急線大森海岸駅から北東に200メートルの距離にある。既存施設は本館(RC一部S造地下1階地上2階建て延べ3698平方メートル)とアザラシ館(同2階建て延べ351平方メートル)で構成。
 新水族館は、既存施設の東側に建設する。延べ5000平方メートル規模に再編する。既存施設の内、イルカエリアやサメ水槽などは解体するが、一部は休憩所などに改修して残す。リニューアルに向けた設計は三菱地所設計が担当している。
 区は新水族館の展示方針に▽公園の景観と調和▽品川宿の歴史と結びつく品川らしい展示▽生物多様性への興味関心を向上▽XR(クロスリアリティー)を活用した非日常空間の演出-などを挙げた。東京湾と周辺河川に生息する生物を中心に展示する。
 同館は1991年10月の開館。当初は首都圏唯一のイルカショーが見られる水族館だった。区は「イルカショーの継続には現状よりも大規模な施設が必要で、維持管理コストなどを考えると財政負担が大きい。水族館の運営継続を優先しイルカの展示とショーは終了する」としている。
 区は5月に「しながわ水族館リニューアル事業計画」を公表する予定。5月1日から6月末まで区民などに展示したい生き物などを広く募集する。


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from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=183348
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MCD3/労務安全書類作成・管理サービスとCCUS技能レベル情報を連携

 エムシーディースリー(MCD3、東京都渋谷区、飯田正生社長)は、建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録された技能者のレベル情報を取得・確認しやすくする。元請の建設会社などに提供している労務安全書類作成・管理サービス「グリーンサイト」で、4段階あるCCUS技能レベルのデータ連携を6月上旬に開始。自動で技能レベルの情報を取り込み、更新・昇格した場合には反映させる。大きな負担になっていた技能レベル情報の取り扱いを大幅に軽減する。
 同社によると、CCUSと民間サービスのAPI連携でCCUS技能レベルのデータ連携は建設業界初になる。グリーンサイトがCCUSから技能レベル情報を直接取得し、技能者本人や所属企業への情報提出依頼や内容確認が不要になる。グリーンサイトで技能レベルに応じた技能者を検索でき、人員配置の最適化に生かせる。
 データ連携により技能者の処遇改善も大きく後押しする。技能レベルに基づく技能者向け手当金算出サービス「スキルマップサイト」と、就労実績に基づくデジタルギフト付与サービス「Myグリーンサイト」にも活用。スキルマップサイトではCCUSの技能レベルを手当金算出の条件に設定し、技能レベルと就業実績を組み合わせた手当計算を自動化・効率化できる。Myグリーンサイトでは技能レベルに応じたデジタルギフトを送付でき、エンゲージメントを向上させる。
 CCUSを運用する建設業振興基金(振興基金、谷脇暁理事長)の長谷川周夫専務理事兼CCUS事業本部長は、「280万人以上の技能者情報基盤を持つグリーンサイトと連携し、CCUSデータの共同利用が進められることは大変意義深い」とコメント。その上で「多くの元請会社や協力会社が客観的なデータに基づいた技能者の評価を効率的に行えるようになり、処遇改善への具体的なアクションにつながることを大いに期待している」と展望する。
 今後、CCUSから取得するデータを技能レベル情報以外にも拡充する予定だ。


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from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=183346
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2026年4月14日火曜日

鹿島東北支店/枝垂れ桜との別れ惜しむ/支店ビル建替で伐採

 鹿島東北支店(横井隆幸執行役員支店長)は9日、仙台市青葉区にある支店ビルの建て替えで伐採される枝垂れ桜との別れの会を開いた=写真。支店幹部に加え、本社から市橋克典専務執行役員開発事業本部長、北典夫専務執行役員建築設計本部長も出席。長きにわたり東北支店の歴史を見守り、毎年春には咲き誇る花で社員らの心を癒やしてきた桜との別れを惜しんだ。
 枝垂れ桜は、現状のままでも寿命は10年に満たないと、専門家に診断されていた。京都の「桜守」として知られ、昨年10月に亡くなった植藤造園第16代・佐野藤右衛門さんの「満開の桜を見て、お別れしなはれ」という助言を受け、開花を待って会を企画した。
 北専務執行役員は「新しい支店ビルは木造高層建築のフラッグシップとなる。鹿島の技術、デザイン力、開発力を結集し、桜に恥じない建築にしたい」と語った。新支店ビルは年内にも着工予定で、「鹿島の木造」として、新たな歴史を刻むことになる。


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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=183291
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仙台市/道路補修判断などでAI活用検証/国交省スマートシティ実装支援に採択

 仙台市は、持続可能なインフラの維持管理に向けた先進的な実証事業に本格着手する。公用車などから撮影した走行映像を道路損傷検知AIで解析し、道路台帳やハザードマップなどの情報と統合。道路管理・防災・都市計画などの分野にまたがるデータを地理空間(都市OS)上で分析できるようにする。補修の判断を効率化し、迅速な道路維持管理につなげる。国土交通省の2026年度「スマートシティ実装化支援事業」で支援対象に選定。6月にも走行映像データの収集に乗り出す。
 本年度の支援額は3960万円(25年度からの継続採択)。NTTデータ東北(仙台市青葉区)と連携している。事業名は「複合データの利活用を通じた高度な施策サイクルの実現」。25年度の実証では、インフラ管理部門で巡回不足や非効率な履歴管理が顕在になった。スマートシティ事業で分野横断データを統合・可視化し、高度で効率的な行政判断に生かす。
 実証事業では、道路維持管理や補修計画の高度化に寄与するかを検証する。市の専門知識を学習した行政特化AIを用い、損傷状況や周辺条件を踏まえた補修の緊急度を提示し、職員の判断を補完。判断支援として有効かを確認する。職員がどの程度使いやすさ、効果を感じたかをアンケートやヒアリングし、AIの判断支援が現場に役立ったかを整理する。
 26年度に実証し、28年度の本格実装につなげる。6~8月にデータを収集し、9月から実証実験効果を検証。26年度末にかけて報告書を作成する。
 費用面は、短期的には行政内部で維持費などを捻出。長期では都市計画や公共施設マネジメント、インフラ維持管理などを高度化し、行政運営全体の効率効果を運営費に再投資するモデルを構築する。


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from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=183305
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愛媛県今治市/合同庁舎整備基本計画策定業務プロポ公告/4月24日まで参加受付

 愛媛県今治市は13日、「(仮称)今治市合同庁舎整備基本計画策定業務」の公募型プロポーザルを公告した。24日まで参加表明書、5月19日まで企画提案書を受け付ける。6月8日に最終審査結果を通知する。履行期間は2027年3月31日まで。見積限度額は4983万円(税込み)。
 市庁舎と県の今治支局庁舎を一体的に整備する。必要な機能と規模、敷地内配置、概算事業費、事業手法、整備スケジュールを基本計画にまとめる。建設予定地は現支局庁舎と今治市河野美術館の敷地(旭町1の4、8、9、敷地面積約9470平方メートル)。
 現在の市庁舎は本館や3棟の別館、市民会館、付属棟を入れて延べ2万0853平方メートル、支局庁舎は同4579平方メートル。老朽化や耐震性能不足が課題となっている。
 参加資格は単体かJV。官公庁施設か半分以上が事務所用途で延べ1万平方メートル以上の基本計画または基本設計の実績を求める。


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大林組/PCa部材製作図自動チェックシステムを開発/図面整合性確認を大幅省力化

 大林組は、CADで作成したプレキャスト(PCa)コンクリート部材製作図の自動チェックシステムを開発した。設計図や図面同士の整合性を自動で確認するウェブアプリケーション。従来は多くの時間を要していた目視による図面の整合性確認作業を省力化し、生産性向上と品質確保を両立させる。今後、同システムをPCa以外の工法や工種にも順次拡大・展開していく予定だ。
 同システムでは、設計情報を登録してチェック対象の製作図をアップロードすると、自動で図面を照合してチェック結果を出力する。アップロードした製作図から部材寸法や鉄筋本数、かぶり厚さなどの必要な数値や項目が自動で抽出。設計情報と比べて図面間の不整合を検出する。
 約2300枚の図面を作成した地上28階建て・基準階床面積約2500平方メートルの建築現場では、全体の約22%に当たる省力化効果を確認した。従来の図面チェックにかかる作業量は1日約1000人に上る。同システムの活用でチェック項目の一部を自動化し、同約220人分の作業を削減した。
 特に柱や梁などの躯体構造に関わる鉄筋本数やかぶり厚さなどのチェック項目で高い自動化率を実現。柱で99・4%、梁(単梁)で90・1%、同(その他)で69・8%を自動チェックでき、構造関連のチェック業務全体で約86%の省力化効果を得た。


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2026年4月13日月曜日

回転窓/北上する桜前線とマナー

 3月に北上を始めた桜前線はどこら辺まで達したろうか。職場近くの桜は緑の葉桜に変わったが、休日に足を伸ばせば、咲き誇る花をまだ楽しめる▼米国でも桜は人気だ。ワシントン・ポトマック河畔の桜並木は、かつて東京市(現東京都)から2度目に贈られた苗木が始まり。最初に寄贈した苗木は病害虫が付いていたため焼却処分された▼この報告を米国代理大使から受けた尾崎行雄市長は、桜の木の命を絶った事実も包み隠さず語るのが米国伝統の習慣であり、「初代大統領ジョージ・ワシントンがその習慣の生みの親です」と言葉をかけた(『話のタネになる本』から)。ワシントンが少年時代に父親の大切な桜の木を切り、正直に告白した逸話を引き合いに出したのだ。政治家らしい機知が光る▼国際親善のシンボルでもある桜だが、日本では花見客のマナーの悪さが目に余ることも。国内外から多くの人が押し寄せ、地域の生活環境に深刻な影響が生じて中止となった桜まつりもある。オーバーツーリズムが各地で顕在化し、住民の不安は募る▼桜の花言葉は「気高い」「みやびやか」。めでる側も花に恥じない節度を持ちたい。


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