2026年10月22日木曜日

木下建設/官公庁職員ら対象に遠隔施工見学会開く/鴻治組と連携

 木下建設(和歌山県有田市、木下英文社長)は15日、本社で官公庁職員らを対象に遠隔施工の見学会を開いた=写真。災害復旧の相互応援を見据え、鴻治組(広島市安芸区、檜山典英社長)と連携して実施。鴻治組が施工する広島県内の現場にあるバックホウなどを遠隔操作した。近畿地方整備局や和歌山県、有田市の職員と、内閣府の防災庁関係者ら計約30人が実演を見学した。
 両社はEARTHBRAIN(東京都港区、小野寺昭則社長)が提供するデジタルプラットフォーム「Smart Construction」を導入し、遠隔施工を実施している。見学会は、大規模災害時に被災地域の建機を所有者以外の企業が遠隔操作し、復旧作業に当たることを想定して企画。企業間で相互に遠隔施工を実施する、先駆的な取り組みだ。
 木下建設が施工する和歌山県九度山町の「R7紀の川九度山地区上流掘削工事」と、鴻治組が広島県福山市で施工する「令和7年度福山道路山北第4改良工事」(いずれも国土交通省発注)の現場にある、お互いのバックホウを操作した。
 参加者からは「現場の安全管理体制は」「搭乗操作とどのような違いがあるか」などの質問が相次ぎ、担当者が解説。「海外からの遠隔施工も可能か」との問いには、EARTHBRAINの大場重生氏が「1万キロ以上の距離で施工実績がある」と答えた。
 木下建設の山田裕明専務本部長は遠隔施工での災害復旧作業について「請負契約の結び方や、事故が起こった場合の責任の所在など不明瞭な点が多い」と語った。今回の見学会では事前に2社で覚書を交わし、企業間の役割と責任などを明確化。その上で接触事故リスクを避けるため、バックホウですくった土砂を相手方のダンプに移す作業は行わなかった。「遠隔施工のシステムは整いつつあるが、実際に災害復旧を行うとなると、制度面で課題がある」と指摘した。


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回転窓/防災と地域に親しむ大会

 白・赤・青のパッケージとこくのある味わいが特徴の「白バラ牛乳」を販売する鳥取県の大山乳業農業協同組合。県内全ての酪農家が加盟し、生産から販売まで一貫した体制を整えている、全国でも珍しい酪農団体だ▼その牛乳は「ソウルドリンク」として県民に愛され、スイーツを含む乳製品は県外にもファンがいる。今年の創立80周年を記念して販売したトートバッグは10日で完売した▼毎年開かれる「防災推進国民大会(ぼうさいこくたい)」が今年は鳥取県で17、18日に開催された。テーマは「共に考え・備え・守る」。防災を学べる子供向けのワークショップや展示など、多彩な企画が用意され、過去最多の約2・7万人が訪れた▼視察した細野豪志防災担当相は「防災の見本市のようだった」と感想を語った。「防災産業を育てるため、発足する防災庁でしっかり考えないと」とも述べた▼大会には同組合なども参加し、会場を巡りながら飲食を楽しんだ人も多かったと聞く。今年は2016年の鳥取県中部地震から10年の節目でもある。地域の魅力に触れることが防災を自分事として考えるきっかけにもなったのではないか。


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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=188620
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新社長/日建設計・勝山太郎氏/AIとの共創で提供価値拡大

 AIの普及や進化で設計業務が大きく変化する中、AIとの共創で提供価値の幅を広げていく。同時に「人だからこそ生み出せる価値」も追求し、それを支える人材の育成にも注力する。2030年までの5カ年経営計画では受託額1050億円を目標に掲げている。建築設計を取り巻く環境の変化を背景に、今後の報酬の在り方も模索する。
 --就任の抱負を。
 「126年にわたり築いてきた伝統と信頼を受け継ぎ、次の時代につないでいく重要性を改めて認識している。これまでの蓄積を未来へつなぐ役割を担いたい。日建設計を次の成長ステージへ進めるため、全身全霊で取り組む。社員個人の成長意欲と、経営陣が考える組織の志や未来像を強く共鳴させたい。社員と対話する機会も増やしていく」
 --注力する取り組みは。
 「AIの徹底活用による業務の効率化・高度化と、『人だからこそ生み出せる価値』の追求に取り組む。社会はAIで大きな転換期を迎えている。AIとの共創で専門性を磨きながら、多様な専門領域の知を結び付け、社会に提供する価値を広げる。周辺環境の分析や情報収集といった作業をAIで効率化していく」
 「AIの活用で削減できた時間を使い、当社で経験のない課題に挑戦する。人々の思いを束ね、一つの方向に導く合意形成力も、これからの設計者に求められる重要な力の一つだ。関係者の気持ちをくみ取り、プロセスの体験価値をクライアントや社会に提供できるような仕組みを考えていく」
 --価値を生み出せる人材をどう育成する。
 「AIによってさまざまな手法がコモディティ化(平準化)する中で、人間だからこそできる課題解決力、発信力、デザイン力を磨くことが重要だ。建築や都市というリアルな現場から得られる経験は大きい。大型プロジェクトなど、さまざまな挑戦を通じて、若手や中堅社員の成長を後押しする仕組みを整備する。設計者としての熱意や論理的な対話力を磨き上げる組織を目指す」
 --設計業務に対する報酬の在り方をどう考える。
 「設計がもたらした成果に対する成功報酬がしっかり得られる在り方を模索したい。設計のアウトプットが大きく変化する可能性がある。こうした動きをチャンスにして、われわれが提供する価値をアピールしていく。例えば、プロジェクトマネジメント(PM)の重要性が非常に高まっているように、設計の周辺領域や、プロジェクトを進める上でのコアとなるプロセスに着目し、一つの価値として提供していく仕組みを考えていく」。
 (2027年1月1日就任予定)
 (かつやま・たろう)1990年早稲田大学大学院修士課程修了、日建設計入社。2020年執行役員、24年常務執行役員、25年取締役。京都府出身、61歳。何度も見に行く建築が「東大寺南大門」(奈良市)、感銘を受けたのは「ルイジアナ近代美術館」(デンマーク)、建築を志すきっかけが「新宿NSビル」(東京都新宿区)という。


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from 人事・動静 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=188618
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国交省/自動物流道路実証実験を10月28日に開始/成田空港などで無人搬送技術検証

 国土交通省は、自動物流道路の社会実装に向けた2026年度の実証実験を28日から順次開始する。茨城県つくば市の国土技術政策総合研究所(国総研)や成田国際空港、企業の自社施設などを実験場所とし、物流の自動化・無人化に向けた技術検証を進める。国総研では、大成建設を代表企業とするチームが11月10日まで実験を行う。ティアフォーと大成ロテックが参加する。
 搬送機器が走行を不得意とするトンネル部で、反射体による位置補正の効果を確認する。複数台走行時の走行性能や停止・回避動作、停車位置の精度に加え、車両に搭載する自動運転設備の簡素化なども検証する。
 成田国際空港では、清水建設を代表企業とするチームが11月9日~18日、千葉県を代表とするチームが11月19日~25日、鹿島を代表企業とするチームが12月7日~18日、それぞれ実施する。
 清水建設は、パレットコンベヤーや伸縮フォーク式移載機、無人フォークリフト、トラック自動荷役装置などを対象に、荷物の積み込み・荷降ろしにかかる処理能力を検証する。
 荷役処理能力のデータと想定交通需要などを基に、必要な荷役レーン数や荷役バース数などの運用条件を整理。自動物流道路の拠点に必要な荷役スペースや施設規模を算定する。
 自動物流道路は、道路空間に物流専用のスペースを設け、無人化・自動化された輸送手段で荷物を運ぶ新たな物流システム。国交省は担い手不足など、物流を取り巻く課題への対応やカーボンニュートラル(CN)の実現を目指す取り組みとして推進している。


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from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=188627
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北海道/GX戦略地域でDC事業者公募/12月4日まで参加受付

 北海道は20日、「GX戦略地域における電力申込内容の承継」に関する公募を開始した。経済産業省のGX戦略地域(データセンター集積型)に選ばれた石狩市と苫小牧市で、道が確保している電力使用枠を、データセンター(DC)を整備・運営する事業者に引き継ぐ。応募申請は12月4日まで受け付け、優先交渉権者は2027年1月以降に選定する。
 GX戦略地域制度では、設備投資への支援や規制・制度改革とともに、国が電力系統の先行整備を行い、DC集積を後押しする。道はこのうち石狩市の5カ所(申し込み電力量計590メガワット)、苫小牧市の1カ所(400メガワット)の用地で電力申し込みを行っており、対象用地にDCの立地を希望する事業者を公募し、選定後に電力申し込み内容を承継することとしている。
 参加できるのは対象用地でDC事業を営む法人またはそれらの法事で構成するグループ。企画提案書の審査項目は▽事業計画▽地域貢献・地域共生▽環境負荷の低減。地域貢献では地元の自治体や企業等との連携、地域内取引の拡大、地域経済の活性化の取り組みなど、環境負荷低減では道内の脱炭素電源の活用計画があることなどが要件となる。
 応募申請後は参加資格確認結果を12月11日に通知し、企画提案書の提出は同14~21日に受け付ける。27年1月に予定するヒアリング審査を経て、優先交渉権者を選定する。
 公募に関するウェブ(Zoom)説明会を28日午後2時から開く予定で、参加申し込みを27日まで受け付ける。担当は経済部産業振興局産業振興課産業集積担当(電話011・204・5328)。
 対象用地の概要は次の通り。▽所在地(敷地面積)=〈1〉申込電力量(受電電圧)〈2〉連系可能時期の目安〈3〉分譲単価(9月末時点)。
 〈石狩市〉
 ▽新港南2丁目737(5万0822平方メートル)=〈1〉80メガワット(66キロボルト)×2区画〈2〉2031年10月以降〈3〉1平方メートル当たり〈1〉万3000円
 ▽新港中央1丁目720の2(1万8552平方メートル)=〈1〉40メガワット(66キロボルト)〈2〉31年11月以降〈3〉1平方メートル当たり1万3000円
 ▽新港中央1丁目40の10のうち(約4万8263平方メートル)=〈1〉75メガワット(66キロボルト)〈2〉31年12月以降〈3〉造成中(28年度予定の分譲開始時に決定)
 ▽新港中央1丁目40の10のうち(約1万0520平方メートル)=〈1〉15メガワット(66キロボルト)〈2〉31年11月以降〈3〉造成中(28年度予定の分譲開始時に決定)
 ▽新港東2丁目123の40のうち、41(東側6万3657平方メートル、西側5万7184平方メートル)=〈1〉300メガワット(275キロボルト)〈2〉32年12月以降〈3〉造成中(27年秋ごろ予定の分譲開始時に決定)
 〈苫小牧市〉
 ▽柏原1の7(46万9801平方メートル)=〈1〉400メガワット(187キロボルト)〈2〉30年8月以降〈3〉46億9801万8000円。


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from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=188617
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東京メトロ/北青山三丁目共同ビル開発地下解体・新築/鹿島に

 東京メトロは21日に「北青山三丁目共同ビル開発事業地下解体及び新築工事」の施工を264億5000万円(税抜き)で鹿島に決めたと公表した。東京都港区にある既存建物の一部解体と、跡地に延べ床面積1万2800平方メートルの複合ビルを新築する。9月3日に一般競争入札(WTO対象、総合評価方式)を開札した。入札参加者や予定価格は公表していない。
 工事場所は東京都港区北青山3の38の4ほか(地番、敷地面積2000平方メートル)。東京メトロとサンケイビル(東京都千代田区、飯島一暢社長)が共同で表参道駅至近の青山通り沿いに計画する「北青山三丁目PJ」に伴い、既存建物の地下解体と、店舗やホテルの複合ビル新築を任せる。新たな建物は地下3階地上14階建て延べ1万2800平方メートルの規模で、地下3階に駐車場と機械室、地下2階から地上2階まで商業店舗、地上3階から14階にホテルを配置する。複合ビルは東京メトロの表参道駅と直結する。
 工事で使用する主な資機材はコンクリート8060立方メートル、鉄骨2900トン、鉄筋985トン、外装・内装材ほか。工期は72カ月。2032年度の完成を目指している。設計は久米設計が担当した。
 既存建物の地上部の解体も鹿島が担当する。工期は10月から27年9月末を予定している。


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from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=188624
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SecuShard/社内共有ファイルの保護サービス/ランサムウエアの被害防止へ

 サイバーセキュリティーシステムを開発・提供するSecuShard(セキュシャード、東京都新宿区、小倉隆志社長兼最高経営責任者〈CEO〉)は、社内の共有ファイルをランサムウエアなどの攻撃から守るデータ保護サービスの提供を始めた。ランサムウエアを疑うファイル操作などを自動検知し、操作できないようにする。セキュリティー専任の担当者を置くことが難しい中堅・中小企業の安全なファイル共有を支援する。
 10月から共有ファイル保護サービス「ONE・デジ・ガード」をリリースした。サービスでは共有ファイルに関するトラブルへの対策として三つの機能を搭載した。ランサムウエア対策では、特徴的なファイル操作に加え、盗まれたID・パスワードによるログインや社員による大量データの持ち出しを検知し遮断する。
 保管データに劣化・故障・改ざんがあると自動で検出して通知・点検する。保管するデータ断片の劣化や故障を再構築する場合には、データの復号や復号鍵を必要としない仕組みにより、復旧時の鍵の取り扱いに伴うリスクを低減する。
 データは暗号化したうえで六つの断片に分けて保管する。暗号方式にはCRYPTREC電子政府推奨暗号リスト掲載の方式を採用した。
 日本政策投資銀行と富国生命保険が出資するDBJデジタルソリューションズ(東京都千代田区、新崎恭史社長)の協力を得て実証実験を行った。大量ファイルの一括処理や大容量ファイルの操作に当たっては性能改善に向けて開発と再検証を進める。
 小倉社長兼CEOは「専任担当者がいない企業がデータを守れるよう、『ONE・デジ・ガード』を多くの企業に届けていく」とコメントした。
 セキュシャードは、ONE・デジ・ガードをデータ保護サービス「ONE・デジ・セキュリティ」シリーズの初弾に位置付ける。2027年3月までに業務システムのデータベースとバックアップデータを対象に、新サービスをリリースする予定だ。


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鹿島/ダム基礎処理工を24時間連続施工/削孔・グラウチングを自動化

 鹿島は、ダム基礎処理工でボーリングとグラウチングの作業を自動化し、24時間連続施工を可能にする技術を開発した。一連の削孔作業を自動化する「自動ボーリングマシン」と、セメントミルクの配合決定から注入・洗浄までを自動化する「自動グラウチングシステム」で構成。秋田県東成瀬村で施工中の成瀬ダム堤体打設工事(発注者・国土交通省東北地方整備局)の現場で実証し、生産性向上の効果を確認した。
 ボーリングとグラウチングの作業を自動化し、無人での施工を可能にする。自動ボーリングマシンは、ボーリングロッドの脱着を含む一連の削孔作業を自動化し、熟練技能者と同等以上の削孔速度を確保する。
 自動グラウチングシステムは、管理室と中央プラント、セメントミルクの濃度を任意配合する原液希釈装置がある自動グラウチング用注入プラント、パッカー装置で構成。水押し試験からセメントミルクの配合決定・製造・注入指示、注入時の運転管理、注入後のプラントと配管の洗浄まで一連作業を自動化する。
 ボーリングとグラウチングいずれの作業も異常を検知した場合、設備の自動停止や現場関係者への自動アラートに対応する。
 同社によると、ボーリングとグラウチング作業で1ステージ(セメントミルク注入区間約5メートル)を施工する場合、準備と片付けを含めた1サイクルに約15時間かかる。新技術を成瀬ダム堤体打設工事現場で基礎処理工の一部に検証した結果、従来工法に比べ日当たり施工量を50%向上し、基礎処理工の1サイクルに要する人員を最大70%削減できることを確認した。技能者が本来休憩・交代する時間も無人で作業を継続でき、24時間連続や複数箇所の同時施工も可能になる。
 今後、ダム工事の基礎処理工で自動化技術のさらなる高度化と適用範囲の拡大を目指す。


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2026年10月21日水曜日

長野県/湯の瀬いとおしき発電所が運転開始/設計・施工は北野建設

 長野県が長野市の湯の瀬ダム直下に建設した「湯の瀬いとおしき発電所」(長野市)が、1日に運転を開始した。水力発電の年間発電量は345キロワット時。約960世帯分の電力が賄える。年間約1500トンの二酸化炭素(CO2)排出量の削減を見込む。設計・施工は北野建設が担当した。
 県は20日に現地で竣工式を開いた。長野県の吉沢正公営企業管理者は「気候変動への対応や脱炭素社会の実現が世界共通の課題となる中で、発電所の完成は新たな一歩となる。県の豊かな水の恵みを生かし、再生可能エネルギーの普及拡大と活力ある地域づくりに取り組んでいく」と述べた。続いて、北野建設の丸山譲執行役員土木事業本部長に感謝状を贈った。
 丸山氏は「発注者の熱意と尽力で実現した意義深い事業だ。これからも安全と品質を第一に、皆さんの期待に応えていきたい」と話した。この後、関係者らによるテープカットとくす玉開披で無事完成を祝った。
 湯の瀬ダムは1級河川・信濃川水系裾花川の上流部にある。堤高18メートルの県営重力式コンクリートダムで、上水道・発電を目的にしている。湯の瀬いとおしき発電所の所在地は入山5057の2。オーストリアの水車メーカー・ゲッパートハイドロが製作したS型チューブラ水車を採用。落差が小さいダムの地形に合わせ、水位や流量が変わっても安定した発電量を確保できるようにした。工事費は約31億円(税込み)。
 建設に当たっては、県内企業が参画する「信州Green電源拡大プロジェクト」のスキームを活用した。参加企業はセイコーエプソン、キッセイ薬品工業、キッツ、KOA、八十二銀行(長野市、樋代章平代表取締役頭取)、ユウワ(長野県小諸市、渡辺稔代表取締役)の6社。各社が県内の水力発電所で生み出された電力を購入し、購入費用の一部を水力発電所の建設と、中部電力二股水力発電所(北安曇郡白馬村)の改修に充てる。
 日本生活協同組合連合会(日本生協連)らが出資し設立した電気事業会社の地球クラブ(東京都渋谷区、朝比奈まゆ子社長)と売電契約を締結。県内のコープ店舗や組合員に電力を供給し、再エネ電力の地消地産につなげる。


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回転窓/流鏑馬の魅力

 疾走する馬上から的に弓を射る。伝統武芸の流鏑馬(やぶさめ)が近所で開催されると知り、出かけてみた。開始まで1時間以上もあるというのに、会場は既に黒山の人だかり。小欄も自然と気分が高まった▼流鏑馬の歴史は平安時代にさかのぼる。当時は貴族の宮中儀礼として行われていたが、鎌倉時代になると、武士の鍛錬としての性格が強まった。射手は250メートルの馬場を全速力で駆けながら、三つの的に矢を射る▼会場には、落ち着いた表情で出番を待つ馬もいれば、興奮して頭を大きく動かす馬もいる。どことなく人間に似ている。係員の合図で馬場に入った馬が、ついに走り出した▼やや前傾姿勢の射手は、素早く弓を引き、ひし形の的に矢を放つ。的を射抜けなくとも、その姿はりりしい。走り終えた馬も、やり切ったかのような表情を浮かべている。心の中で「お疲れさま」と声を掛けた▼的に命中した瞬間、観覧席から歓声が上がり、会場全体に一体感が生まれた。長い歴史の中で培われた伝統や様式美に加え、ほかにも魅力があると感じた。過ごしやすくなったこの時期、流鏑馬を見に足を延ばすのも悪くない。


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