作家・池波正太郎の人気時代小説シリーズ『剣客商売』にナマズ料理が登場する。主人公の秋山小兵衛は、届けてもらったナマズ2匹を鍋やみりん醤油(しょうゆ)で付け焼きにしてぺろりと食べた(「鰻(うなぎ)坊主」より)▼日本で伝統的に食されてきたナマズは、見た目と違ってやわらかい白身で淡泊な味が特徴。農林水産省のウェブサイト「うちの郷土料理」では、群馬県の「なまずの天ぷら」を紹介している。天ぷらで食べればサクサクの衣とふっくらとしたくせのない身がおいしい▼ナマズと地震予知の説は江戸時代に生まれたと言われる。1855(安政2)年の安政江戸地震について書いた「安政見聞誌」には、地震の前にナマズが騒いだと記載されている▼古い書籍から引くと、地震で揺れることを表す古語「なゐふる」の「なゐ」は、「魚(な)振る」の転じたものとの一説もある。これが「鯰(なまず)が振る」となり、地中のナマズが動くので地震になるとかなり昔から信じられていたようだ▼小説で小兵衛は味のいいナマズを食べ過ぎて体調が悪くなってしまう。何ごとも過ぎてはいけないが、災害への備えは過ぎるくらいがいい。
from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=167704
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