近畿地方整備局と近畿運輸局は25日、大阪市中央区の大手前合同庁舎で「第6回近畿圏広域地方計画有識者会議」(座長・小林潔司京都大経営管理大学院特任教授)を開き=写真、新たな近畿圏広域地方計画(関西広域地方計画)のキーコンセプトを「KX(カンサイ・トランスフォーメーション)」に決めた。副題は「まじわり、つながる、変革する関西」。イノベーションを生み出し続ける関西を目指す。同日は中間取りまとめの素案も示し、五つの将来像と目標、広域連携プロジェクト内の10の取り組みを整理した。
キーコンセプトは五つの案を示し、委員の多数決で「KX」に決定した。2位は「歴史ある、新しさ」だった。KXは「時代の変革期を見据え、高次元での飛躍を目指して、アジアをはじめ、世界との架け橋となる」のに加え、「あらゆるイノベーションを生み出し続け、国の成長エンジンとして、関西はさらなる発展を遂げていく」の将来像を現した。
同計画の期間は2050年、さらにその先の長期を見据えつつ、今後おおむね10年間とする。中間取りまとめの素案によると、現状と課題を示した上で、関西の将来像と目標・戦略を設ける。
将来像は▽挑戦し、成長する関西▽豊かに誇り高く暮らせる関西▽災害に屈しない強靱な関西▽人と自然が共生する持続可能な関西▽人々を魅了し続ける関西-の五つを設定。日本中央回廊の西の拠点として日本の成長をけん引し、豊かに暮らせる地域生活圏の形成を目指す。巨大災害リスクに対して強靱な国土づくりや多様な文化と自然を生かした圏域づくりなどにも取り組む。
広域連携プロジェクトは▽国土軸ネットワーク▽関西交通ネットワーク▽関西成長エンジン▽都市の魅力向上▽地域活性化▽関西強靱化・防災連携▽GX▽みどり・水・生き物の共生▽人々を魅了する関西▽他圏域との連携-の10の取り組みを位置付けた。
海峡横断プロジェクトや高規格道路のミッシングリンクの解消、リニア中央新幹線と北陸新幹線の全線開業、空港アクセスの利便性を向上し、国際航空の処理能力、阪神港を中心とした物流ネットワークを強化する。京都、大阪、奈良の3府県にまたがる「けいはんな学研都市」は「ポスト万博シティー」とし、先端技術を実用化する都市として街づくりを進める。
地震・津波、洪水・内水・高潮・土砂災害の各対策とともに、緊急輸送道路の強靱化や幹線鉄道ネットワークなどを整備することで首都圏のバックアップを担う圏域を目指す。歴史的資源を生かした街づくりも推進する。
委員からは「関西は府県ごとに特色があり、それぞれのポテンシャルを最大限活用した取り組みを記載すべきだ」「人口が増えている大阪都心部の考え方にも触れてほしい」「交通インフラを含めて地下の利活用を検討すべきだ」などの意見が出た。
今後、近畿圏広域地方計画協議会を開催し、年内に中間取りまとめを公表する予定だ。
from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=168390
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