地球温暖化防止の目標実現に厳しい現実が突き付けられたと言えよう。各国が策定した2030年の温室効果ガス排出削減目標を達成しても、世界全体の排出量は19年比5・9%の削減にとどまると、国連気候変動枠組み条約事務局が28日報告した▼気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」に基づき、産業革命前からの気温上昇を1・5度に抑える目標実現には30年までに19年比43%の削減が必要とされる。今回の報告とは大きな開きがある▼世界気象機関から23年の温室効果ガス年報も同日発表され、大気中の温室効果ガス濃度は観測史上最高に。今後数年間の気温上昇は確実とも指摘する▼温暖化の要因は化石燃料由来の温室効果ガスだけでない。世界で増える山火事に伴って二酸化炭素(CO2)が排出され、同時に森林による吸収量の減少が拍車をかけているようだ▼日本では都市部の中高層ビル建設で木材活用の動きが広がりを見せる。木材の利用拡大はCO2の貯蔵や排出抑制につながる。耐震・耐火性に優れた構造材としての用途がさらに広がれば、サステナブルな社会の構築に貢献する。建設技術への期待は大きい。
from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=168408
via 日刊建設工業新聞
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