政治の安定なくして経済の発展はない--。東日本大震災後に本紙で企画したインタビュー連載「国のかたちを考える」シリーズで、2011年12月19日付の紙面に登場したコマツ会長で経団連副会長を務めた坂根正弘氏(肩書は当時)の言葉だ▼09年8月の衆院選で政権交代を果たした当時の政党は「コンクリートから人へ」をスローガンに掲げ、それまでの政策路線を大きく転換した。建設業など多分野に影響が広がる中で大地震が発生し、混乱に拍車がかかった▼経済の本質を示す「経国済民」は、「国家を経営して治め、民を救済する」という意味を持つ。経済と政治は不可分の関係にあり、片方だけ良くても国は発展せず、国民の暮らしも安定しないだろう▼今回の衆院選で連立政権を組む与党の議席が過半数を割り込んだ。政局の流動化は避けられない▼「経済の低成長が続く状況下では、誰がリーダーになっても政治の安定は難しい」と指摘した坂根氏は、政府が成長シナリオを示し国民の理解を得る必要性を説いた。政治・経済に対する国民の憂いを払拭するためにも、国会では成長への前向きな議論を期待したい。
from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=168379
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