2024年10月1日火曜日

静岡県富士市、インフロニアHD、前田建設/漏水調査実証実験、非開削で管路状態把握

 静岡県富士市とインフロニア・ホールディングス(HD)、前田建設の3者は、水道管の漏水調査に海外の新技術を活用した実証実験を行っている。市が実証フィールドを提供し、非開削による管路の状態監視技術「ePulse(イーパルス)」の有効性を検証する。調査期間は9月30日から2日までの3日間。有効性が確認できれば、市水道事業の喫緊の課題である有収率向上と維持管理の効率化に向け、積極的に新技術を活用していく。
 有収率は、浄水場や配水場から市内に送り出す給水量に対する、料金など水道事業の収入として計上される有収水量の割合。数値が高いほど効率良く利用者に水を供給できる。市は管の老朽化などで漏水が多く、有収率が低い。
 官民共同研究は、前田建設らからの提案で水道管路の維持管理の効率化や有収率向上などをテーマに2023年度から実施している。漏水記録のデータやAIなどを活用した管路の劣化予測とリスク影響を評価するとともに、管路の予防保全で有用な技術などを調査・検証する。フィールド実証ではエコロジクス社(カナダ)の技術であるイーパルスを使う。
 管厚による音響圧力波の速度の違いにより劣化度合い(配管の残存厚)を計測する。富士水系と神谷水系で計約1キロの管路10カ所で調査する。実施実験では、データの分析と並行して調査区間の管路を掘り起こし、実際の状況と比較する。
 イーパルスによる調査診断が実現すれば、地面を掘り返すことなく管路の漏水や破裂の要因である管厚を把握できる。設置時の設計管厚に対する減少率を解析することで、将来的に漏水や破損が発生する可能性の高い老朽管を特定し、優先的な更新が可能になる。市は従来の事後保全を中心とした管路管理から、予防保全管理を実現するため積極的に民間の保有する先進技術などを活用する。




from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=167518
via 日刊建設工業新聞

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