2026年2月19日木曜日

回転窓/空き家にともる再生の明かり

 春めいた光が海面を照らした日曜、海辺の高台にある一軒家で、画家やピアニスト、染織家らによる体験講座が開かれた。暖かな南風が吹き込む中、音楽に合わせた絵描きや旬の食材を使ったランチを、近所の人たちも楽しんだ▼海原を進む帆船をイメージした個性的な家屋と、庭にある大きな梅の木が目を引くこの建物は、少し前まで空き家だった。地元の芸術家が購入し、自然素材にこだわった改修でよみがえらせた▼現在、全国には900万戸の空き家がある。売り手と買い手のマッチングは進むが、その数は増加の一途をたどる。各地でさまざまな支援策が講じられているものの、状況は厳しい▼静岡県掛川市は、所有者や相続人、売却権を持つ人に対して片付け費用を助成している。朽ち果てて売れなくなる前に、良質なストックとして流通させる取り組みで、制度の利用申請が相次いでいるそうだ▼高台の一軒家では今週末もイベントが開かれる。少し前までただの空き家だった建物は、地域のおしゃれなにぎわいスポットに姿を変えた。高台の家にともった暖かな光が、全国に眠る家々へ静かに広がっていくことを願う。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181744
via 日刊建設工業新聞

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