東急建設が建築工事で発生する廃石こうの再利用を拡大している。廃石こうに含まれる硫酸カルシウムが農作物に不可欠な養分として活用できることに着目。農業用の土壌改良資材に精製し、米や小麦の耕作に役立てている。現場の仮囲いも有効利用し、廃石こうなどを活用した立体の壁面アート作品も創出。住民や歩行者の安全を確保する仕切りとしての本来の機能に加え、景観の一部としても楽しんでもらうことで、現場のイメージ向上を図る目的もある。
廃石こうは、建築工事で石こうボードを加工する際に出る端材。石膏ボード工業会(須藤永作会長)によると、今後は老朽建築物の改築需要の増加に伴い、廃石こうの排出量も大幅に増える見通しだ。東急建設は石こうボードとしての一定の再利用を進める一方、用途の多様化を目指している。
農業用土壌改良資材としての再利用は、東急電鉄、東急、東急リニューアル(東京都渋谷区、佐藤順一社長)、土壌改良材開発を手掛けるスタートアップの土と野菜(那覇市、岩間聖悟代表)、日本土壌協会(長谷部亮会長)と協働して展開している。
東急田園都市線駒沢駅(東京都世田谷区)のリニューアル工事などで発生した廃石こうを粉砕し、土壌改良資材として農業用土壌に散布した。廃石こうに含まれる硫酸カルシウムで、農作物の収穫量減少や品質低下の要因となる硫黄欠乏を予防する。農家の課題解決と建設廃棄物の削減を両立するリサイクルシステムの確立を目指す。昨年6月に小麦、同10月は米を収穫し品質や安全性を確認した。1月には用賀駅(同)で収穫した米を鉄道利用客に配布するイベントも行った。
廃石こうや廃ガラスなどの廃棄物を使った壁面アートの仮囲い展示は、廃材活用のアートプロジェクトなどを手掛けるスタートアップのWALLTECH(沖縄県沖縄市、長谷場咲可代表取締役)と協働。東急建設が施工する共同住宅・事務所複合ビル「(仮称)奥沢駅北側隣接地計画」(世田谷区)で展示している。
作品は「奥沢の街並みとカルチャー」をイメージしてデザイン。仮囲いの前を通る人に向け、新たな景観の一部として奥沢の魅力を発信する。建設現場のイメージ向上や環境意識の醸成につなげる狙いもある。今後も建設廃棄物の新たな活用方法を拡大し、環境配慮技術の開発や普及にも力を注ぐ。
from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181914
via 日刊建設工業新聞


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