2026年10月22日木曜日

国交省/自動物流道路実証実験を10月28日に開始/成田空港などで無人搬送技術検証

 国土交通省は、自動物流道路の社会実装に向けた2026年度の実証実験を28日から順次開始する。茨城県つくば市の国土技術政策総合研究所(国総研)や成田国際空港、企業の自社施設などを実験場所とし、物流の自動化・無人化に向けた技術検証を進める。国総研では、大成建設を代表企業とするチームが11月10日まで実験を行う。ティアフォーと大成ロテックが参加する。
 搬送機器が走行を不得意とするトンネル部で、反射体による位置補正の効果を確認する。複数台走行時の走行性能や停止・回避動作、停車位置の精度に加え、車両に搭載する自動運転設備の簡素化なども検証する。
 成田国際空港では、清水建設を代表企業とするチームが11月9日~18日、千葉県を代表とするチームが11月19日~25日、鹿島を代表企業とするチームが12月7日~18日、それぞれ実施する。
 清水建設は、パレットコンベヤーや伸縮フォーク式移載機、無人フォークリフト、トラック自動荷役装置などを対象に、荷物の積み込み・荷降ろしにかかる処理能力を検証する。
 荷役処理能力のデータと想定交通需要などを基に、必要な荷役レーン数や荷役バース数などの運用条件を整理。自動物流道路の拠点に必要な荷役スペースや施設規模を算定する。
 自動物流道路は、道路空間に物流専用のスペースを設け、無人化・自動化された輸送手段で荷物を運ぶ新たな物流システム。国交省は担い手不足など、物流を取り巻く課題への対応やカーボンニュートラル(CN)の実現を目指す取り組みとして推進している。


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北海道/GX戦略地域でDC事業者公募/12月4日まで参加受付

 北海道は20日、「GX戦略地域における電力申込内容の承継」に関する公募を開始した。経済産業省のGX戦略地域(データセンター集積型)に選ばれた石狩市と苫小牧市で、道が確保している電力使用枠を、データセンター(DC)を整備・運営する事業者に引き継ぐ。応募申請は12月4日まで受け付け、優先交渉権者は2027年1月以降に選定する。
 GX戦略地域制度では、設備投資への支援や規制・制度改革とともに、国が電力系統の先行整備を行い、DC集積を後押しする。道はこのうち石狩市の5カ所(申し込み電力量計590メガワット)、苫小牧市の1カ所(400メガワット)の用地で電力申し込みを行っており、対象用地にDCの立地を希望する事業者を公募し、選定後に電力申し込み内容を承継することとしている。
 参加できるのは対象用地でDC事業を営む法人またはそれらの法事で構成するグループ。企画提案書の審査項目は▽事業計画▽地域貢献・地域共生▽環境負荷の低減。地域貢献では地元の自治体や企業等との連携、地域内取引の拡大、地域経済の活性化の取り組みなど、環境負荷低減では道内の脱炭素電源の活用計画があることなどが要件となる。
 応募申請後は参加資格確認結果を12月11日に通知し、企画提案書の提出は同14~21日に受け付ける。27年1月に予定するヒアリング審査を経て、優先交渉権者を選定する。
 公募に関するウェブ(Zoom)説明会を28日午後2時から開く予定で、参加申し込みを27日まで受け付ける。担当は経済部産業振興局産業振興課産業集積担当(電話011・204・5328)。
 対象用地の概要は次の通り。▽所在地(敷地面積)=〈1〉申込電力量(受電電圧)〈2〉連系可能時期の目安〈3〉分譲単価(9月末時点)。
 〈石狩市〉
 ▽新港南2丁目737(5万0822平方メートル)=〈1〉80メガワット(66キロボルト)×2区画〈2〉2031年10月以降〈3〉1平方メートル当たり〈1〉万3000円
 ▽新港中央1丁目720の2(1万8552平方メートル)=〈1〉40メガワット(66キロボルト)〈2〉31年11月以降〈3〉1平方メートル当たり1万3000円
 ▽新港中央1丁目40の10のうち(約4万8263平方メートル)=〈1〉75メガワット(66キロボルト)〈2〉31年12月以降〈3〉造成中(28年度予定の分譲開始時に決定)
 ▽新港中央1丁目40の10のうち(約1万0520平方メートル)=〈1〉15メガワット(66キロボルト)〈2〉31年11月以降〈3〉造成中(28年度予定の分譲開始時に決定)
 ▽新港東2丁目123の40のうち、41(東側6万3657平方メートル、西側5万7184平方メートル)=〈1〉300メガワット(275キロボルト)〈2〉32年12月以降〈3〉造成中(27年秋ごろ予定の分譲開始時に決定)
 〈苫小牧市〉
 ▽柏原1の7(46万9801平方メートル)=〈1〉400メガワット(187キロボルト)〈2〉30年8月以降〈3〉46億9801万8000円。


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東京メトロ/北青山三丁目共同ビル開発地下解体・新築/鹿島に

 東京メトロは21日に「北青山三丁目共同ビル開発事業地下解体及び新築工事」の施工を264億5000万円(税抜き)で鹿島に決めたと公表した。東京都港区にある既存建物の一部解体と、跡地に延べ床面積1万2800平方メートルの複合ビルを新築する。9月3日に一般競争入札(WTO対象、総合評価方式)を開札した。入札参加者や予定価格は公表していない。
 工事場所は東京都港区北青山3の38の4ほか(地番、敷地面積2000平方メートル)。東京メトロとサンケイビル(東京都千代田区、飯島一暢社長)が共同で表参道駅至近の青山通り沿いに計画する「北青山三丁目PJ」に伴い、既存建物の地下解体と、店舗やホテルの複合ビル新築を任せる。新たな建物は地下3階地上14階建て延べ1万2800平方メートルの規模で、地下3階に駐車場と機械室、地下2階から地上2階まで商業店舗、地上3階から14階にホテルを配置する。複合ビルは東京メトロの表参道駅と直結する。
 工事で使用する主な資機材はコンクリート8060立方メートル、鉄骨2900トン、鉄筋985トン、外装・内装材ほか。工期は72カ月。2032年度の完成を目指している。設計は久米設計が担当した。
 既存建物の地上部の解体も鹿島が担当する。工期は10月から27年9月末を予定している。


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SecuShard/社内共有ファイルの保護サービス/ランサムウエアの被害防止へ

 サイバーセキュリティーシステムを開発・提供するSecuShard(セキュシャード、東京都新宿区、小倉隆志社長兼最高経営責任者〈CEO〉)は、社内の共有ファイルをランサムウエアなどの攻撃から守るデータ保護サービスの提供を始めた。ランサムウエアを疑うファイル操作などを自動検知し、操作できないようにする。セキュリティー専任の担当者を置くことが難しい中堅・中小企業の安全なファイル共有を支援する。
 10月から共有ファイル保護サービス「ONE・デジ・ガード」をリリースした。サービスでは共有ファイルに関するトラブルへの対策として三つの機能を搭載した。ランサムウエア対策では、特徴的なファイル操作に加え、盗まれたID・パスワードによるログインや社員による大量データの持ち出しを検知し遮断する。
 保管データに劣化・故障・改ざんがあると自動で検出して通知・点検する。保管するデータ断片の劣化や故障を再構築する場合には、データの復号や復号鍵を必要としない仕組みにより、復旧時の鍵の取り扱いに伴うリスクを低減する。
 データは暗号化したうえで六つの断片に分けて保管する。暗号方式にはCRYPTREC電子政府推奨暗号リスト掲載の方式を採用した。
 日本政策投資銀行と富国生命保険が出資するDBJデジタルソリューションズ(東京都千代田区、新崎恭史社長)の協力を得て実証実験を行った。大量ファイルの一括処理や大容量ファイルの操作に当たっては性能改善に向けて開発と再検証を進める。
 小倉社長兼CEOは「専任担当者がいない企業がデータを守れるよう、『ONE・デジ・ガード』を多くの企業に届けていく」とコメントした。
 セキュシャードは、ONE・デジ・ガードをデータ保護サービス「ONE・デジ・セキュリティ」シリーズの初弾に位置付ける。2027年3月までに業務システムのデータベースとバックアップデータを対象に、新サービスをリリースする予定だ。


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鹿島/ダム基礎処理工を24時間連続施工/削孔・グラウチングを自動化

 鹿島は、ダム基礎処理工でボーリングとグラウチングの作業を自動化し、24時間連続施工を可能にする技術を開発した。一連の削孔作業を自動化する「自動ボーリングマシン」と、セメントミルクの配合決定から注入・洗浄までを自動化する「自動グラウチングシステム」で構成。秋田県東成瀬村で施工中の成瀬ダム堤体打設工事(発注者・国土交通省東北地方整備局)の現場で実証し、生産性向上の効果を確認した。
 ボーリングとグラウチングの作業を自動化し、無人での施工を可能にする。自動ボーリングマシンは、ボーリングロッドの脱着を含む一連の削孔作業を自動化し、熟練技能者と同等以上の削孔速度を確保する。
 自動グラウチングシステムは、管理室と中央プラント、セメントミルクの濃度を任意配合する原液希釈装置がある自動グラウチング用注入プラント、パッカー装置で構成。水押し試験からセメントミルクの配合決定・製造・注入指示、注入時の運転管理、注入後のプラントと配管の洗浄まで一連作業を自動化する。
 ボーリングとグラウチングいずれの作業も異常を検知した場合、設備の自動停止や現場関係者への自動アラートに対応する。
 同社によると、ボーリングとグラウチング作業で1ステージ(セメントミルク注入区間約5メートル)を施工する場合、準備と片付けを含めた1サイクルに約15時間かかる。新技術を成瀬ダム堤体打設工事現場で基礎処理工の一部に検証した結果、従来工法に比べ日当たり施工量を50%向上し、基礎処理工の1サイクルに要する人員を最大70%削減できることを確認した。技能者が本来休憩・交代する時間も無人で作業を継続でき、24時間連続や複数箇所の同時施工も可能になる。
 今後、ダム工事の基礎処理工で自動化技術のさらなる高度化と適用範囲の拡大を目指す。


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2026年10月21日水曜日

長野県/湯の瀬いとおしき発電所が運転開始/設計・施工は北野建設

 長野県が長野市の湯の瀬ダム直下に建設した「湯の瀬いとおしき発電所」(長野市)が、1日に運転を開始した。水力発電の年間発電量は345キロワット時。約960世帯分の電力が賄える。年間約1500トンの二酸化炭素(CO2)排出量の削減を見込む。設計・施工は北野建設が担当した。
 県は20日に現地で竣工式を開いた。長野県の吉沢正公営企業管理者は「気候変動への対応や脱炭素社会の実現が世界共通の課題となる中で、発電所の完成は新たな一歩となる。県の豊かな水の恵みを生かし、再生可能エネルギーの普及拡大と活力ある地域づくりに取り組んでいく」と述べた。続いて、北野建設の丸山譲執行役員土木事業本部長に感謝状を贈った。
 丸山氏は「発注者の熱意と尽力で実現した意義深い事業だ。これからも安全と品質を第一に、皆さんの期待に応えていきたい」と話した。この後、関係者らによるテープカットとくす玉開披で無事完成を祝った。
 湯の瀬ダムは1級河川・信濃川水系裾花川の上流部にある。堤高18メートルの県営重力式コンクリートダムで、上水道・発電を目的にしている。湯の瀬いとおしき発電所の所在地は入山5057の2。オーストリアの水車メーカー・ゲッパートハイドロが製作したS型チューブラ水車を採用。落差が小さいダムの地形に合わせ、水位や流量が変わっても安定した発電量を確保できるようにした。工事費は約31億円(税込み)。
 建設に当たっては、県内企業が参画する「信州Green電源拡大プロジェクト」のスキームを活用した。参加企業はセイコーエプソン、キッセイ薬品工業、キッツ、KOA、八十二銀行(長野市、樋代章平代表取締役頭取)、ユウワ(長野県小諸市、渡辺稔代表取締役)の6社。各社が県内の水力発電所で生み出された電力を購入し、購入費用の一部を水力発電所の建設と、中部電力二股水力発電所(北安曇郡白馬村)の改修に充てる。
 日本生活協同組合連合会(日本生協連)らが出資し設立した電気事業会社の地球クラブ(東京都渋谷区、朝比奈まゆ子社長)と売電契約を締結。県内のコープ店舗や組合員に電力を供給し、再エネ電力の地消地産につなげる。


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回転窓/流鏑馬の魅力

 疾走する馬上から的に弓を射る。伝統武芸の流鏑馬(やぶさめ)が近所で開催されると知り、出かけてみた。開始まで1時間以上もあるというのに、会場は既に黒山の人だかり。小欄も自然と気分が高まった▼流鏑馬の歴史は平安時代にさかのぼる。当時は貴族の宮中儀礼として行われていたが、鎌倉時代になると、武士の鍛錬としての性格が強まった。射手は250メートルの馬場を全速力で駆けながら、三つの的に矢を射る▼会場には、落ち着いた表情で出番を待つ馬もいれば、興奮して頭を大きく動かす馬もいる。どことなく人間に似ている。係員の合図で馬場に入った馬が、ついに走り出した▼やや前傾姿勢の射手は、素早く弓を引き、ひし形の的に矢を放つ。的を射抜けなくとも、その姿はりりしい。走り終えた馬も、やり切ったかのような表情を浮かべている。心の中で「お疲れさま」と声を掛けた▼的に命中した瞬間、観覧席から歓声が上がり、会場全体に一体感が生まれた。長い歴史の中で培われた伝統や様式美に加え、ほかにも魅力があると感じた。過ごしやすくなったこの時期、流鏑馬を見に足を延ばすのも悪くない。


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産構審有識者委員会/仮想空間の意匠/現行制度で保護の在り方検討、ガイド作成へ

 産業構造審議会(産構審、経済産業相の諮問機関)の意匠制度に関する有識者委員会は20日、仮想空間やAI技術に対する制度の在り方について議論した。仮想空間のデザイン(意匠)について、法改正せずに現行の意匠制度の保護の枠組みで画像を保護する措置を検討する方針を確認した。制度の利用者やクリエイター向けに考えを整理したガイドを作成することを決めた。建築デザインを含めたAIによる自律デザインの保護について引き続き調査と検討を行う。
 意匠制度小委員会が会合を開いた。仮想空間のデザインを巡っては、画像として表現される保護の対象を物品や建築物に限定せず、空間やアバターなども含めた上で、画像の用途や機能に着目して類似しているかの類否判断を行う方向としてきた。有識者意見などを踏まえ、これまでの検討成果となる原案を一部修正し、保護の対象をこれまでの「仮想物品等の形状等を表した画像」から、「仮想オブジェクトの形状等を表した画像」とし、画像と関連機器との関係性も考慮する方向に修正する。仮想空間上のサービスを利用する現実空間の利用者に対して、仮想オブジェクトがどういった役割を果たしているかなどにも着目する。
 今後は法改正を伴わない現行の意匠制度の下で画像の保護の考え方を検討していく。修正案は、保護の対象になる仮想オブジェクトの形状等を表した画像の事例に、インテリアのシミュレーションサービスの中で、仮想空間に任意に配置できるソファの形状を表した画像を挙げた。現行意匠制度に基づく操作画像、表示画像に該当するのが理由だという。そうした画像の保護の可能性や権利化の手法は、制度の利用者やクリエイターの理解が十分に進んでいないため、考え方や事例をまとめたガイドを作成し、明確な情報を提供する。
 生成AIの自律デザインについては、保護の在り方についての国内外の関心が高いながら、意匠法からの保護としては「必要がない」「保護せざるを得ない」「困難」などさまざまな意見がある。業界ごとに意見も異なるとされる。対応の方針を約1年半で転換した国もある。小委員会では、AI技術の水準、自律デザインの先行き、諸外国の最新の検討状況を注視しながら、引き続き意匠制度の在り方を調査、検討していく。


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GMOインターネット/北海道石狩市でDC整備/サーバー調達費含め261億円投資

 GMOインターネットグループでインターネットインフラ事業を手掛けるGMOインターネットが北海道石狩市でデータセンター(DC)を整備する。米エヌビディアから調達するGPU(画像処理装置)搭載サーバーを含め総額261億円を投資する。GMOインターネットは石狩市が主導する「石狩データセンターコンソーシアム」に参画。高性能GPUクラウドサービスの拡大に向け、新拠点を整備する方針を示していた。
 GMOインターネットが19日にエヌビディアからの固定資産取得を発表した。最新のDCに対応するGPUサーバーを最大116台購入する。2027年8月から順次、新設するDCに導入する。
 コンソーシアムは石狩市が主体となり7月に設立した。石狩湾新港地域でのDC建設を誘致する。同地域は石狩市と隣接する北海道小樽市にまたがる総面積3000ヘクタールの工業・流通団地。DCが地域と一体となって地域経済を盛り上げ、相互の持続的な成長を目指している。
 GMOインターネットは9月、コンソーシアムに参画した。東急不動産やDCの運用を手掛けるブロードバンドタワーなども参加している。7日にはGMOインターネット、東急不動産、ブロードバンドタワーが、石狩湾新港地域にある再生可能エネルギー100%のDCで、高性能GPUクラウドサービス「GMO GPUクラウド」の新拠点を整備すると発表していた。
 再エネ100%のDC「石狩再エネデータセンター第1号」の建設と再エネ電力供給は東急不動産グループが担当した。建設地は石狩市新港中央1の722の1(地名地番)で、延べ1万0065平方メートル、受電容量は1・5万キロボルトアンペアの規模。3月に竣工し8月にサービスを始めた。
 ブロードバンドタワーは石狩再エネデータセンター第1号内の一部を借り受けて造ったDC拠点「石狩新港サイト」を運営している。GMOインターネットが今後開設するDCは、同サイトのデータホールの一部を利用。「GMO GPUクラウド」を提供する。


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滋賀県/県庁舎在り方検討懇話会開く/4案を比較、4・3万平米の新棟建設が有効

 滋賀県は、老朽化などに伴い再整備を検討している県庁舎について、現在の東館を解体、新館・新新館を減築し、約4万3200平方メートルの新棟を新たに建設する建物配置案が最も有効と評価した。19日に「県庁舎等のあり方検討懇話会」の第5回会合を県庁で開き、庁舎機能や地方合同庁舎の在り方などについて意見を交わした。配置案では、現庁舎の改修や新棟建設など4案で比較検討した結果を報告。各案の整備期間は11~13年、物価上昇を加味した概算工事費は632億~885億円と試算した。
 県は施設・設備の経年劣化や動線の複雑さなどの課題解決に向け、庁舎全体を取り巻く状況を踏まえた今後の将来像について検討を進めている。国の登録有形文化財に登録されている本館(大津市京町)は全館保存、その他のエリアは新棟の整備などを視野に整備の方向性を検討している。庁舎機能の規模は総延べ約5万5000~6万6000平方メートルを想定。
 建物の配置では、「現庁舎のすべての建物を改修して継続利用するA案」「新新館・東館を改修して継続利用し、延べ約2万8800平方メートルの新棟を1棟整備するB案」「新新館を減築・改修、東館を解体し、延べ約3万7800平方メートルと同5400平方メートルの2棟を整備するC案」「C案を集約し、延べ約4万3200平方メートルの新棟を1棟整備するD案」の4案を提示。物価上昇(3%)を考慮して試算した概算工事費は、A案が632億円、B案が779億円、C案が885億円、D案が868億円。危機管理体制やライフ・サイクル・コスト、動線の最適化などの観点から検討した結果、D案が「課題解消に効果的かつコンセプトに最も沿っている」と評価した。
 現在の庁舎は▽本館▽北新館▽新館▽東館▽新新館▽危機管理センター-などで構成し、規模は総延べ5万1696平方メートル。
 庁舎の現状・課題や必要機能、規模の調査を行う基礎調査業務は山下設計・三菱UFJリサーチ&コンサルティングJVが担当。


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