2026年10月21日水曜日

回転窓/流鏑馬の魅力

 疾走する馬上から的に弓を射る。伝統武芸の流鏑馬(やぶさめ)が近所で開催されると知り、出かけてみた。開始まで1時間以上もあるというのに、会場は既に黒山の人だかり。小欄も自然と気分が高まった▼流鏑馬の歴史は平安時代にさかのぼる。当時は貴族の宮中儀礼として行われていたが、鎌倉時代になると、武士の鍛錬としての性格が強まった。射手は250メートルの馬場を全速力で駆けながら、三つの的に矢を射る▼会場には、落ち着いた表情で出番を待つ馬もいれば、興奮して頭を大きく動かす馬もいる。どことなく人間に似ている。係員の合図で馬場に入った馬が、ついに走り出した▼やや前傾姿勢の射手は、素早く弓を引き、ひし形の的に矢を放つ。的を射抜けなくとも、その姿はりりしい。走り終えた馬も、やり切ったかのような表情を浮かべている。心の中で「お疲れさま」と声を掛けた▼的に命中した瞬間、観覧席から歓声が上がり、会場全体に一体感が生まれた。長い歴史の中で培われた伝統や様式美に加え、ほかにも魅力があると感じた。過ごしやすくなったこの時期、流鏑馬を見に足を延ばすのも悪くない。


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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=188584
via 日刊建設工業新聞

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