三菱電機が、空中に吹き出した海水の水柱をアンテナとして利用し電波を受信する、世界初の技術を開発した。地上デジタル放送の受信実験を行い、映像を映し出すことに成功したという。海水を吹き上げるポンプと給電機構があれば利用が可能。大規模構造物が不要な電波受信システムとして、事業展開を目指す。
海水アンテナは、電波を遮断しやすい4分の1波長の長さを持った筒状のノズルから海水を吹き上げ、アンテナ送受信部の代替として利用する。これまでのアンテナで低い周波数の電波をとらえるには、数メートル~数十メートルの高さが必要で、鉄塔を建てるための基礎構造も不可欠だった。施設が大きいため土地の確保が困難で設置場所に制約があり、移設時には大規模工事が伴った。
ポンプや送受信装置を動かすための電源は必要だが、設置や移設が簡単で海岸や海上など海水があれば利用できる。プロトタイプを使った実験で地デジ放送が受信できることを確認。実用化に向けた研究開発をさらに進め、従来の低周波用アンテナの代替、コンパクトさを生かした新次号展開などに結びつけていく。
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