2015年に海外旅行をした中国人は1億0900万人。日本人のほぼ全員が海外旅行したのと同じという驚くべき数字が明らかになりました。
ドイツの調査会社GfKの調査によると、中国人にもっとも人気のある旅行先は韓国、次いでタイという結果でした。
中国人観光客が海外で買い物に使った金額は、なんと2290億ドル(約27兆4800億円)との推計・・・。恐るべき購買意欲としかいいようがありません。
近年、中国人観光客の考えや行動が変化してきているとGfKは指摘します。地理的な近さから旅費が安いこと、文化的に似ていることなどが理由で長らく人気NO.1だった香港が、その地位を韓国とタイに譲ったことが「変化を象徴している」と言います。
2014年を境に、ショッピングが主な目的となる香港よりも、歴史的・文化的な名所を巡る旅行先に人気が集中。15年10月末時点でその年に中国人が最も多く訪れた国トップ5は、韓国(11年比112%増)、タイ(263%)、香港(37%)、日本(157%)という結果でした。
GfKが考える変化の要因は、中国人観光客の半数が15~29歳の「ミレニアル世代」だということ。この世代に30~44歳の層を加えると全体の9割弱を占め、中高年が極端に少ないことが分かります。
海外旅行を好むミレニアル世代は、多くがホワイトカラーの富裕層。彼らは購買力が高く、洋服や装飾品、趣味への出費を惜しまないだけでなく、年長世代に比べて「独立心が旺盛で自由を好む」と、GfKは指摘します。
自らの情熱に従い、意義のあるエキサイティングな経験を求める傾向があるそうです。また、ほかの国の若者と同じように、彼らのほとんどがスマートフォンを保有し、ソーシャルメディアで旅行の経験をシェアすることも大好きです。
以上のような特徴は、中国人観光客をさらに呼び込みたい観光地のヒントになるとGfKは筒論付けます。彼らをかつてのような団体行動を好む「ツーリスト」集団としてではなく、それぞれ好みのメニューをパーソナライズして楽しむ「トラベラー」として扱うべきだとの提案も。
次回は、中国人観光客が押し寄せているある海外の観光地を紹介します。
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