日本建設業連合会(日建連)中部支部は26日、名古屋市立工芸高校の1年生を対象に現場見学会を開いた。
名古屋市中区栄1で行われている「納屋橋東第一種市街地再開発事業施設建設物新築工事」の現場を訪れた生徒たちは、建設業のやりがいや魅力に触れながら、興味深く見入っていた。
同支部は、もっと女性が活躍できる建設業界の実現を目指し2月17日、同市で「女性活躍推進フォーラム」を開く。今回の見学会はその一環。女生徒8人を含む同校建築システム科の1年生39人を招き、女性技術者が働く現場を案内した。見学会には中部地方整備局建政部も協力した。
再開発では、RC造(制震構造)29階建て延べ4万1767平方メートルの住宅棟(347戸)、S造5階建て延べ8174平方メートルの商業業務棟、S造3階建て延べ1万2060平方メートルの店舗棟、S造4階建て延べ1509平方メートルの業務棟を建設する。設計は清水建設、施工を清水建設・大日本土木JVが担当し、15年3月に本格着工した。
生徒たちは、川上英昭JV所長、清水建設の佐野まどかさん、鈴木ともみさんから工事の概要、女性が働きやすい現場の工夫などを解説してもらった後、女性専用トイレや休憩所、作業の様子を見学した。
女生徒たちが興味を示したのは、クレーン作業。クローラクレーンを操る篠田佳詠子さんに「どうしたら資格が取れるか」「やりがいは」「一番気をつけることは」などと熱心に質問。篠田さんは「チームワークで建物ができていくことにやりがいがある。ほかの職種の人たちとのふれあいも楽しい」と丁寧に答えていた。
清水建設名古屋支店では昨春、全国の支店に先駆け、女性技術者7人で「なごや小町ワーキンググループ」を立ち上げた。女性が長く働き続けられるための職場改善が狙い。佐野さんと鈴木さんもその一員として活躍している。
見学会で鈴木さんは「女性にとって働きやすい職場は、男性にも働きやすい職場になる」と生徒たちに説き、佐野さんは「女性の友人が設計した建物を、現場監督としてつくるのが夢」と話した。見学を終えて女生徒たちは「現場で働きたい」「建設業への興味が増した」などと感想を語っていた。
◇子どもたちがおとうさんの仕事ぶりチェック!◇
プレストレスト・コンクリート建設業協会(PC建協)九州支部(桑原安男支部長)は24日、沖縄県恩納村の「平成26年度恩納南BP4号橋上部工(下り)工事」の現場見学会を開いた。
協会の施工に全面的に協力する1次下請業者で形成するプレストレスト・コンクリート工事業協会の会員企業の家族53人が参加し、地域を支える土木の技術に触れた。
見学会は、土木工事の魅力や公共事業の役割を体験してもらうことが狙い。今回は「おとうさんの職場訪問」のタイトルで父親の日ごろの仕事内容を理解してもらうために開催した。
冒頭、松本雅宏沖縄担当幹事が「PCはコンクリート橋のほとんどに採用されている技術。今日はお父さんの日ごろの仕事に触れて記憶に残る見学会にしてほしい」とあいさつ。続いて、発注者の沖縄総合事務局開発建設部北部国道事務所石川国道出張所の仲里孝之所長が事業の概要について解説。施工を担当する安部日鋼工業の田中幸夫監理技術者が工事概要を説明した。
見学会では、3Dアニメーションによる現場工程の説明、高所作業車の実技体験、3Dプリンターによる橋梁模型を用いた勉強を行った。
当日の沖縄本島地方は観測史上初の降雪が名護市で観測されるほどの寒さだったが、高所作業車に体験乗車した子どもたちは、鳥の目線で見える施工風景に興味を持っていた。
恩納南BP4号橋の工事内容は塗装鉄筋87トン、コンクリート710立方メートル、PCケーブル3400メートル、桁架設、PC板410枚、反力分散型ゴム支承32個など。完成は3月31日。
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