宮城県気仙沼市が建設を計画していた新魚市場の起工式が7日、現地で開かれ、工事が本格的にスタートした。
東日本大震災で大きな被害を受けた魚市場の機能を拡充し、再建する事業。東北有数の水揚げを有し、水産業を基幹産業とする同市にとって産業再生や地域振興の要となる。
設計はユニバァサル設計が、施工は大成建設・小野良組JVが担当。17年3月の完成、同4月の供用開始を目指す。総事業費は190億円。
神事では、同市の菅原茂市長や気仙沼漁業協同組合の佐藤亮輔代表理事組合長、ユニバァサル設計の西倉哲夫代表取締役、大成建設の近藤昭二常務執行役員東北支店長らが力強く鍬を入れた。
式典では、菅原市長が「全国の漁船がこぞって目指すような日本トップの魚市場にしたい。海の見えるキッチンスタジオなどで観光客も呼び込む」とあいさつ。佐藤組合長は「新魚市場により、今まで以上に魚と人を呼び込みたい」と述べた。近藤支店長は「水産業や観光業の新たな拠点として、地方創生に重要な役割を果たすと確信している。技術と英知を結集し、無事故・無災害で早期に完成させる」と抱負を語った。
建設地は魚市場前250ほか。敷地面積は8万4033平方メートル。C棟とD棟(ともに仮称)で構成され、構造はプレキャストPC造。建物の規模は、C棟が2階建て延べ1万7878平方メートル、D棟が3階建て延べ1万0130平方メートル。市場の総延長は330メートル。
高度衛生管理に配慮した次世代型魚市場として再整備する。閉鎖型荷さばき所や、低温売場、清浄海水設備、放射能測定室のほか、トラックヤードなどを設ける。水産振興センターやクッキングスタジオ、見学スペースなども整備して観光客の誘致につなげる。
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