2026年3月11日水曜日

回転窓/梅の季節に思うこと

 埼玉県越生町は、首都圏でも有数の梅の産地。偕楽園(水戸市)、曽我梅林(神奈川県小田原市)とともに関東三大梅林に数えられる越生梅林には1000本以上の梅が植わっている▼小欄も2月末に梅林へ足を運んだ。目に鮮やかな白と赤の花は気温差も影響してかほぼ満開。園内は多くの花見客でにぎわっていた▼桜と同様、梅は日本人にとって身近な存在だろう。学問の神様として太宰府天満宮(福岡県太宰府市)にまつられている菅原道真も梅をこよなく愛した。身に覚えのない罪で京都から太宰府に左遷された道真は、庭に咲く梅への愛着と都を去る寂しさから、〈東風(こち)吹かば、匂ひおこせよ梅の花、あるじなしとて、春な忘れそ〉と詠んだとされる。切ない心情を見事に言い表している▼寒さにも強い梅。目を凝らすと幹が曲がりくねっていたり、裂けていたりしている。それでも花を咲かせている梅の生命力に驚かされる▼人生は思い通りにならないことが多く、時に残酷な結果をもたらす。だが明けない夜はなく、乗り越えた先に希望という名の光が射すはずだ。けなげに咲く梅のように、たくましくありたい。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=182314
via 日刊建設工業新聞

0 comments :

コメントを投稿