2026年3月30日月曜日

回転窓/思考を止めない

 かつて発明王トーマス・エジソンの研究所には張り紙があり、こう書かれていたという。〈人間には悪い性格がある。考えないで済む方法がないかと一生懸命に考える〉▼研究で分からないことがあると、解決方法がどこかの書物にないかと探す。自ら思考せず、見つからないと次々に探し、時間を費やしてしまう。そんな研究態度を戒めるための張り紙であったと、世界的な数学者の広中平祐氏(京都大学名誉教授)が自著に書いている▼考えることや学ぶことの大切さを自身の歩みで示してきた広中氏が、18日死去した。1970年に数学のノーベル賞と呼ばれる「フィールズ賞」を受賞。子どもたちが思考力と独創性を競う「算数オリンピック」の創設にも携わった。そうした功績が改めて注目されている▼激動の時代に求められるのは判断力と考える力。人の知恵には広さ、深さ、強さの側面があり、このうち強さとは決断力を促すものだという。広中氏の代表的な著書の一つ『学問の発見』から引いた▼本格的なAI時代にこそ、人は思考を止めてはいけない。考えないで済む方法を考えてはいないか。そう問い続けたい。


https://www.decn.co.jp/inc/hp_image/altimage.jpg

from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=182874
via 日刊建設工業新聞

0 comments :

コメントを投稿