大阪府は建設工事や委託業務、物品役務などを対象とした「中小企業者向け官公需確保のための基本方針」を年内に改定する方針を固めた。資材価格などの上昇が続く中、中小企業の安定経営を支援するため、受注者から発注者への価格転嫁に関する協議条項を追加する。現在、商工労働部が各部局に意見照会している。
中小企業は大企業と比べ価格交渉の影響力が弱く、経営資源も限られる中で資材費や人件費の急騰に伴う適切な価格転嫁が切実な問題となっている。公共を含む発注者の対応が不十分なケースもあり、企業の収益が不当に圧迫されている実態が少なからずある。
国が定める「中小企業者に関する国等の契約の基本方針」には「受注者から契約価格の変更の申し出があった場合、発注者は迅速かつ適切に協議を行う」とする条項が4月の改定(閣議決定)で明記された。
こうした背景を踏まえ、9月25日に開かれた府議会では議員から「府としても国の方針に基づく対応が必要だ」と指摘する声が上がった。府の馬場広由己商工労働部長は「中小、小規模事業者が契約変更の申し出を行いやすくするよう、同様の協議条項を府の基本方針にも盛り込む」と述べ、中小企業の経営基盤の強化を後押しするとした。
吉村洋文知事も「中小企業の安定した経営を支えるためには発注者と受注者が価格転嫁を協議できる環境が不可欠だ」と強調。府の官公需の基本方針を速やかに改定する決意を表明した。さらに民間企業間でもコスト上昇分が適切に価格に反映されるよう、経済団体などへの要請を行うとともに、国とも連携して受注者への支援を強化していく考えを示した。
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