飛島建設が持ち株会社体制に移行し、1日付で「飛島ホールディングス(HD)」が発足した。複雑化する社会ニーズや社会課題に機動的に対応。既存事業を効率的に運営しつつ将来の成長を見据えたイノベーションとビジネスモデルを追求する。HDをプラットッフォームと位置づけ、これまでの建設事業とシナジー(相乗効果)を創出する「グロース事業」や、デジタル技術で建設生産プロセスを変革する「イノベーション事業」で企業間連携を加速させ事業領域の拡充に取り組む。
--就任の抱負を。
「時代の潮流や先を読む力が経営者に求められる。時代の変化を敏感に捉えることが私の一番の役割だろう。平時から危機意識を持ち、社会の変化や動きを見定めながら着々と布石を打つ。時代が移り、環境が変われば戦略も変わる。トランスフォーメーショナル経営の発想で全体の指揮を執っていく」
--HD化の狙いは。
「新たなビジネスモデルや新たな成長フィールドを探すために自前主義を捨てる。新たな仲間を迎えるストラクチャーを持って事業ドメインや戦略、経営のオペレーションを改革することが狙い。HD機能を活用して全体最適の考え方で経営戦略の統合と経営資源の分配を効率的に行う。事業ポートフォリオを見直し収益基盤の拡大に取り組む」
--経営方針は。
「既存事業の稼ぐ力を維持しながら新たな成長戦略を描く。人手不足や働き方改革への対応も不可欠だ。従来のビジネスモデルでは限界があり、新たな戦略との乖離(かいり)をどう補正していくか。建設という単一サービスだけでは社会ニーズには応えられない。創業の精神を時代の変化と社会に合わせて『New Business Contractor』と再定義した。自らが新しいビジネスを創造するとともに、多様な他者のビジネスの創造を支援し、実現を約束するビジネスパートナーとなる。変革の道筋を示し、従来の枠組みや方法にとらわれずに新しい価値観、可能性を創造していく」
--注力分野は。
「27年度までの中期経営計画を策定し、未来の建設産業の姿を『インフラアンチエイジング産業』と捉え直した。建設事業のリスキリングを推進しつつ、川上から川下までを一括でサービス供給できるグループを目指す。スクラップ&ビルドには限界があり、社会インフラにかかわる各事業をライフサイクルコストまで含めた形で提案することが理想だ。建設事業やリニューアル事業という単一のものではなく『面』で捉える。一連の複合事業でグループの趣旨に賛同する方々と仲間となって取り組みたい」。
(10月1日就任)
(たかはし・みつひこ)1985年中央大学文学部卒、飛島建設入社。2014年執行役員、19年常務執行役員、20年取締役兼専務執行役員。神奈川県出身、63歳。事業戦略や経営企画畑を歩き、仕事の息抜きは社員を含めて「人と話すこと」。経営者としては自身を「ストラテジスト型」と認識し、SX経営(両利きの経営)を推進する。
from 人事・動静 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=167538
via 日刊建設工業新聞
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