大成建設はGNSS(全球測位衛星システム)の電波が届かないトンネル坑内で、掘削土砂を搬出する10トン積みダンプトラックの自動運転を実用速度(時速20キロ)で実証した。車両に搭載したセンシング装置の計測情報に基づき、車体の周辺環境を示す「環境地図作成」と「自己位置推定」を3Dで同時に行うSLAM技術を用いた位置情報取得技術「T-iDrawMap」で実現。自動運転で運転手が不要となりトンネル施工の生産性向上に貢献し、操作ミス防止による事故リスクを低減する。
茨城県つくば市にある国土交通省国土技術政策総合研究所の実大トンネル実験施設と、富山県南砺市で国交省北陸地方整備局が建設している「利賀トンネル(2工区)工事」の現場で実証し、性能を確認した。
実証では、タイヤ式車両の10トン積みダンプトラックにT-iDrawMapを適用。トンネル坑内の周辺環境を示すデータを基に車体の位置情報を取得しながら、あらかじめ設定したルートを自動走行することを確認した。GNSSを利用できない坑内や地下でも実用速度の時速20キロで自動運転が可能になることも確認。移動式鋼製型枠(セントル)を設置している狭い区間でも通過速度を減速し、安全に走行する。
大成建設は2021年に時速7キロの無限軌道式建設機械(クローラダンプ)を対象に、T-iDrawMapを適用してトンネル坑内の自動運転を実現した。今回の実証によってT-iDrawMapの適用範囲を、実用性の高い時速20キロで走るタイヤ式車両の10トン積みダンプトラックにも広げた。今後は早期の実用化を目指す。
同社はT-iDrawMapを活用し、将来的には屋内・地下空間での自動運転も想定している。災害時の探査や点検での適用とともに、無人・有人の建設機械が協調稼働する「T-iCraft」との連携も視野に入れる。
from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=172060
via 日刊建設工業新聞
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