◇防災を自分事に
関東地方整備局ら3者が、首都圏外郭放水路(埼玉県春日部市)で見学者10万人を達成するための八つのパワーアップ計画をまとめた。「防災地下神殿」の異名を持つ同施設を巡る四つの見学コースに加え、さらにもう2コースを用意。防災コンシェルジュも配置し、見学者に防災の「自分事化」を啓発する。観光しながら防災知識が身につけられる防災ツーリズムがスタートする。
パワーアップ計画は関東整備局と埼玉県春日部市、外郭放水路の見学会を運営する東武トップツアーズ(東京都墨田区、百木田康二社長)が作成した。一つ目は全長6・3キロに上る地下トンネルのほぼ中間に位置する第3立坑を見て回るコース「地下河川を歩くアドベンチャー体験コース」を16日に始める。年間で限定100人を招待し、地下50~60メートルの世界を体感できる。
二つ目はプレーヤーが自由にブロックを配置して構造物を体験できるマインクラフト(マイクラ)を活用した防災学習コースも立ち上げる。外郭放水路をマイクラで再現し、ゲーム感覚で防災を学べる。6月以降開始する予定だ。
関東整備局の江戸川河川事務所が認定した防災コンシェルジュ(現在13人)を配置。自然災害への備えを解説した「災害から命を守る自分事化カード」も配布する。21言語対応の翻訳システムなども用意する。
10日には「地底探検ミュージアム龍Q館」で3者共同の記者会見を開催。岩谷一弘春日部市長、小池聖彦江戸川河川事務所長、望月康紀東武トップツアーズ東武沿線事業推進部長が出席した。
小池所長は「災害から命を守る『災害の自分事化』を広げるための防災ツーリズムをスタートさせる」と宣言。岩谷市長は「外郭放水路の新たな取り組みを盛り上げていきたい」、望月部長は「(外郭放水路の)認知度向上などを通じ、東武沿線の新たな観光地づくりを進める」と述べた。
外郭放水路は倉松川など地域の河川から地下に水を取り込む立坑と地下で水を送り込むトンネル、スムーズな排水を促す調圧水槽、水を江戸川に吐き出すポンプ設備などで構成する。貯水容量はサンシャイン60(東京・池袋)1棟分に相当する約67万立方メートルを見込む。23年度時点で約6万3000人が見学に訪れている。
from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=172043
via 日刊建設工業新聞
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