◇新常設展示も開設
DICと公益財団法人国際文化会館(近藤正晃ジェームス理事長)は12日、DIC川村記念美術館(千葉県佐倉市)を東京・六本木にある同会館に移転すると発表した。法人の同会館が建設する新西館に常設展示室を新設。設計は建築ユニットのSANAA(妹島和世氏、西沢立衛氏)が手掛ける。DICは2024年12月の取締役会で、規模を縮小した上で都内に移転する方針を決定していた。
同日、両者は理念と戦略的目標が合致したとし、アート・建築分野を起点とした協業に合意した。民間外交、国際文化交流を推進する公益プログラムの充実を図り、幅広い分野で連携していくという。
戦後アメリカ美術をはじめとする20世紀美術品を中心に移設する。マーク・ロスコの「シーグラム壁画」全7点は、新たに開設する常設展示室「ロスコ・ルーム」に移す。展示室の運営は両者が共同で行う。
DICは24年8月に資産効率の改善などを理由に現美術館の運営見直しを発表。同12月の取締役会で保有作品数は4分の1程度に減らし、継続して保有しない美術品は売却する方針を決定。移転費用は数億円規模に抑えるという。
現美術館の所在地は佐倉市坂戸631。DIC総合研究所の敷地内に立地している。最終営業日は31日。4月1日に閉館する。休館後の施設の利用可能性などはDICと同市で協議を進める。
DICの池田尚志社長執行役員は「民間企業と公益財団による新たな価値の創造に向けて鋭意努力していく」と熱意を語った。「国際文化会館の近藤理事長は民間外交や国際文化交流の重要性が高まっている。公益プログラムをDICさまと共同運営できることに心から感謝している」と期待を寄せた。
建築ユニットSANAAは、新西館を設計する上で「自然と建築の融合、歴史の継承と新しい風景、知的対話・文化交流を生み出す空間という三つのコンセプトを具現化できるようにしてきた」とコメントした上で、「ロスコ・ルームの設計という機会に巡り会うことができ、大変光栄に思う」と気持ちを語った。
from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=172143
via 日刊建設工業新聞
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