2025年3月27日木曜日

熊本県/サイエンスパーク推進ビジョン公表、産学官連携拠点を形成

 熊本県は半導体関連産業や研究機関のさらなる集積に向けた方針となる「くまもとサイエンスパーク推進ビジョン」を公表した。東アジアでの代表的な産学官連携拠点の形成を目指し、セミコンテクノパーク(合志市、菊陽町)などの複数の工業団地を軸に、企業や研究機関が共同利用できる拠点施設などを整備。人口増加に対応する住環境、交通インフラの充実なども中心施策として盛り込んだ。
 台湾のサイエンスパークを参考に、セミコンテクノパークなどの複数拠点で産学官連携に必要な機能を分担した「分散型サイエンスパーク」の形成を目指す。
 半導体関連産業などの集積では、装置メーカーなどを含めた半導体製造に必要なサプライチェーン(供給網)を構成する幅広い企業をバランス良く誘致。これにとどまらず、自動運転、遠隔医療といった将来的な社会実装が期待される分野の半導体ユーザー企業も呼び込み、新産業の創出につながる研究開発、人材育成を図る。
 人材育成については、半導体製造の基本を手作業を通し、実践的に学ぶことができるクリーンルームなどを備えた施設を整備。学生と企業、研究機関の関係者の共同利用を想定する。
 サイエンスパーク推進に当たっては産業集積に加え、生活・住環境、交通インフラなどの充実や、物流機能のさらなる向上、水循環やスマート農業といった地域のための共同研究にも取り組む。
 生活・住環境の充実では、JR豊肥本線や県が計画する阿蘇くまもと空港アクセス鉄道の沿線などに、住宅やホテル、商業施設などの立地を推進。具体的な立地場所として、土地区画整理事業が計画されているJR原水駅などの周辺(菊陽町)、御代志駅周辺(合志市)、JR肥後大津駅周辺、空港アクセス鉄道の中間駅周辺(いずれも大津町)を挙げている。
 交通インフラでは国が中九州横断道路の整備を進めているが、さらなる企業集積の推進により現在の想定を超える交通需要の増加が懸念されるため、交通需要の変化などを注視した道路ネットワークの強化に取り組むとした。自動車から公共交通機関にシフトするよう、BRT(バス高速輸送システム)や新たな大量輸送システムの導入、豊肥本線の輸送力強化にも力を入れる。




from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=172518
via 日刊建設工業新聞

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