型枠工事会社の丸高工務店(岩手県奥州市、高橋健一社長)は、現場作業に従事する社員の給料を5年前から月給制に切り替えた。春の大型連休など現場が休工となる時期でも、一定額の給料を支払い、安定した生活やモチベーションの維持につながっている。2年前からは1日の労働時間を工夫することで、年間休暇日数の最低ラインとされる「105日」も確保している。
1974年に創業して50年を超えた同社は、95年に法人化。岩手県を中心に地場ゼネコンの1次、全国大手の2次下請会社として、現場での型枠施工を手掛けている。社員数は24人。うち21人が現場作業に従事しており、平均年齢は外国人材を含めて34歳と若い。年間売上高は2億5000万~3億円の間で推移している。
建設会社勤務を経て先代から会社経営を引き継いだ高橋社長は、県内の型枠工事会社で組織する岩手大友会の副会長を務めるなど、業界活動にも力を入れる。日給月給制による不安定な給料の支払いについては、当初から課題を感じていたという。「新卒で入社した若手社員にとってみれば、日給月給制の下では大型連休の現場休工を経た5月分の給料が、4月分よりも減ってしまう影響は大きい」(高橋社長)。実際、日給月給制の時代は、若手の離職率が高かった。
現場で働く社員の中には、結婚して子どもが小さい人も少なくない。運動会など学校行事で仕事を休む場合でも、一定の給料を支払うことができる月給制への移行には、社員も「喜んでいるようだ」と高橋社長。働いた分だけ給料を得ることができる日給月給制から月給制へと一斉に移行した当初、「士気が下がるのではないかと危惧する意見もあったが、それもなかった」と振り返る。
2年前からは年間休暇日数を105日とするため、1日の労働時間を変更した。従来は、午前8時~午後5時の間に昼食(1時間)と午前10時、午後3時に各30分の休憩を取ることによって、1日7時間労働としていた。これを午前8時~午後5時30分の間に、昼食(1時間)と午前10時、午後3時の休憩を各15分に変えることで、1日の所定労働時間を8時間とした。
こうした工夫で生産性を高めながら、週休2日を基本とした働き方を実現した。
同社は、所在地の奥州市を中心に工業高校、普通高校など10校ほどに毎年求人票を出し、新卒採用を目指している。人材育成にも力を入れ、登録基幹技能者や1級技能士の資格取得者も複数輩出している。
ただ、少子高齢化が地方部で特に顕著に進行していることもあり、なかなか思ったように若手を採用できていない。そうした中で協同組合ユウアンドアイ(東京都足立区、天野博之理事長)を通じて、フィリピン人の技能実習生8人を迎えている。今後12人まで増やす計画もある。
制度が「育成就労」に移行しても、外国人労働者の採用方針を継続し、彼らの意向も踏まえて在留資格「特定技能」の取得も後押ししたい考えだ。戦力として期待される外国人材には「資格取得を促し、現場のリーダー格として従事できるよう育てていきたい」と高橋社長は語る。
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