6月30日付で大阪メトロの社長に就任した角元敬治氏が本社で記者会見を開き=写真、交通事業と都市開発を一体で進める成長戦略を打ち出した。民営化から8年が経過し、2025年度に過去最高益を更新したことを踏まえ、「企業として第2章に踏み出した」と強調。外部との戦略的連携を強化しつつ、森之宮や夢洲などの開発を着実に推し進める考えを示した。
金融機関出身の角元社長は25年から社外取締役を務め、「私に期待されているのは『つなぐこと』と認識していた」と説明。「成長路線を描くためには社内の力だけでは限界がある」と述べ、同業他社をはじめ、不動産や生活サービスなど幅広い分野との戦略的連携で、自社にない経営資源や新たな成長機会を取り込む方針を打ち出した。
一方で「変えてはいけない本質」に安全・安心の徹底を挙げた。「ここが揺らげば交通事業者としての信頼や存在基盤が失われる」と強調。「長年培ってきた技術や現場力が当社の財産」とし、安全運行を支える技術と信頼を将来に引き継ぐ姿勢を示した。
その上で、変革の柱に▽外部との戦略的連携▽デジタル・AIの活用▽人材戦略-の3本柱を提示。外部連携では、多様なジャンルの事業者と協業し、新たな街づくりやサービス創出につなげる考えを示した。デジタル・AIでは、運行管理やダイヤ作成などで業務の効率化を進め、人材戦略では社員一人一人が能力を発揮できる環境を整備する。
中長期的には、企業理念に掲げる「大阪から元気をつくり続ける」の実現に向け、交通事業を軸に生活サービスや都市開発を融合した事業展開を加速させる。交通と一体となった都市開発では、森之宮や夢洲など東西軸の強化を推進。「新規開発にとどまらず、御堂筋をはじめ南北軸も含めた既存エリアの価値向上にも取り組む」と力を込めた。
大阪公立大学新キャンパスが完成し拠点形成が始動した森之宮地区は、新駅や駅ビル、空飛ぶクルマ発着場、アリーナの整備を見据え、「当社が注力すべき重要エリア」と位置付けた。一方で、建設コストの上昇や人手不足を踏まえ、「事業のタイミングを見極めつつ、関係者と共に計画の具体化を進めたい」と話した。
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