建設業政策の新たなビジョンを検討するため、国土交通省が9日に開いた有識者会議の初会合では、20人以上の委員が「持続的な成長産業」への提案を表明した=写真。「労働供給制約社会」と言われる将来に向け、建設業の働き方のルール、人材評価やマネジメントの方法を刷新していくべきだとの意見は多い。多様な働き方を受け入れつつ、限りある人材に効率よく働いてもらい、生産性を高める必要がある。人材の流動性を高める仕組みづくりを求める声もあった。
「持続的な成長産業としての建設業のあり方に関する検討会」で意見表明の口火を切ったのは、堀田昌英東京大学大学院工学系研究科教授。建設業で働きたい、働き続けたいと思っている人が「従来の規制や慣行で意欲をそがれず、優れた仕事を継続してきた方がその価値にふさわしい評価がされるよう、新しいルールが必要だ」と指摘。技術者や技能者、建設会社の資格要件や契約制度の更新を具体策に挙げた。
浜田紗織ワーク・ライフバランス取締役は、シニアや女性といった「潜在労働力」となる層に選ばれる産業にする重要性を説き、「働き方で切り捨てるような習慣を脱し、経営戦略として人を大事にする企業が選ばれる」産業像の具現化を訴えた。古屋星斗リクルートワークス研究所主任研究員は、建設業でも女性技能職の採用市場が急拡大する一方、フルタイムでなく短時間勤務を希望するケースが多いと指摘。「短時間労働者をどうマネジメントしていくかが大きな論点だ」とした。
建設業団体では、全国建設業協会(全建)の錢高久善副会長が作業環境の厳しさがあっても、社会維持に不可欠な仕事が建設業にあることから、「環境を当然変えていく必要がある。なおかつ、しっかりと仕事に見合った賃金を払えるように」と発注者の対応に注文を付けた。
日本建設業連合会(日建連)の中原淳事務総長は「技能者の流動性、回転率を高める必要がある」と指摘。一人親方や日給制の労働者を内製化していく大前提として、各社が繁閑差に応じ一定条件下で技能者を貸し借りできる仕組みを整えることを強く訴えた。岩田正吾建設産業専門団体連合会会長も、仕事量の繁閑調整の一方策として労働力の調整を挙げ、繁閑期が異なる職種の技能者の多能工化などの具体例を示した。
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