ソニーフィナンシャルグループ(FG)とコクヨが、ビジネスシーンに応じて働く人の心理面での調子を整える「コンディショニングチェア」を開発している。ドーム状の椅子に座ると、没入感のある音と音楽に合わせた振動が体を包み気持ちの切り替えを促す。商談や重要な会議などで、本来の実力を発揮できるよう支援する狙いだ。開発に当たっては、東京大学大学院情報理工学系研究科の大黒達也准教授が技術指導した。
これまでコンディショニングチェアはアスリートやアーティストを対象に効果を検証してきたが、このほど検証対象をビジネスパーソンにも広げた。
ソニーFGは、振動や動きを与えることで実際に物に触れているような感覚を再現するソニーの触覚提示技術(ハプティクス技術)を活用し、パフォーマンス・コンディショニングサービス「NOUS ARE(ノウスアレ)」を開発した。耳で聞くだけでは得られない深い音楽への没入感を生み出し、高揚や沈静といった音楽による状態変化を人工的に引き出せる。
コクヨと共同でノウスアレを活用した椅子型のプロトタイプを開発した。ユーザーは自分が必要とする状態に応じてモードを選ぶ。気持ちや活力を高め、本番に向かうための「RISE」、冷静な状態で本番に臨むための「COOL」、気持ちを適度に高めながら落ち着いて目の前のことに向き合うための「FLOW」の三つのモードを備える。クッションに指を置くことで、連動するアプリで心拍数を測定し、変化を可視化できる。
29日に都内でノウスアレのプロトタイプ体験会を開いた。開発に携わったソニーFG成長戦略室グループ事業開発課の赤羽祐哉氏は、「本番で、準備してきたことを十分に発揮できなかったことが多々ある。その経験から開発の着想を得た」と開発の経緯を説明した。大黒准教授は音楽について、「最初にドキドキや一体感といった身体の反応があり、そこから脳が論理や解釈を生む」と述べ、身体への影響を説明した。
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