静岡県とJR東海は18日、県庁でリニア中央新幹線静岡工区の着工後を見据えた自然環境保全協定の締結式を開いた。協定には、水資源や生物多様性の保全、トンネル発生土の扱い、モニタリング体制などを盛り込んだ。水嶋智国土交通省事務次官立ち会いのもと、鈴木康友知事と丹羽俊介社長が協定書に調印した=写真。
協定には、工事に伴うトンネル湧水を全量戻す対応を明記した。南アルプスの自然環境への影響を回避・低減する措置も盛り込んだ。トンネル発生土はオンサイト処理を基本とし、可能な限り無害化、減量化する。藤島発生土置き場では、二重遮水シートとベントナイトシートを活用し、徹底した封じ込め措置を講じる。
自然環境の保全に影響が出た場合は、工事を一時中断する。JR東海が原因を調査し県へ報告。県が設置する「環境影響評価(環境アセス)審査会中央新幹線部会」と、国が設置する「リニア中央新幹線静岡工区モニタリング会議」が連携し、モニタリングを実施する。初会合の時期や開催頻度は今後検討する。
締結式で鈴木知事は「2018年に専門部会を設置し、大井川の水資源と南アルプスの自然環境の保全について、JR東海と丁寧な議論を積み重ねてきた。流域市町村や静岡市、利水団体とも検討を重ね、本日を迎えることができた。心から感謝する」と述べた。丹羽社長は「一日でも早く着工できるよう尽力したい。モニタリングなどを確実に実施し、適切に運用したい」と語った。
また、今後のスケジュールについて丹羽社長が「地元住民向けの工事説明会を開く予定だ。工事計画や環境保全策を説明し、理解を得た上で安全祈願祭と着工式を行う。具体的な着工時期は明言できないが、一日でも早く準備を進めたい」と説明した。
両者は同日、東海移動新幹線を活用した県内産業や観光の活性化、新たな関係人口の創出などを進める「中央新幹線の建設と地域振興に関する基本合意書」も締結した。
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