東京都立大学や大気社ら6者でつくる研究グループが、大気中の二酸化炭素(CO2)を大量回収可能にする「DAC(ダイレクト・エア・キャプチャー)システム」の開発プロジェクトに着手した。DAC技術でこれまでネックとなっていた送風エネルギーを使わず、自然風や走行風を利用した「パッシブDAC」を開発する。大量のCO2を回収可能な低エネルギーシステムを新たに構築・実証する。
研究グループは▽東京都立大▽大気社▽パンタレイ▽長岡技術科学大学▽小島プレス工業▽九州大学-の6者。開発プロジェクトは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業「ムーンショット型研究開発事業/2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現」に採択されている。事業総額は約19億円。事業実施期間は29年度まで。
研究達成に向けて、▽固定型パッシブDACシステムの開発▽移動型パッシブDACシステムの確立▽マイクロ波によるCO2脱離回収システムの開発-に取り組む。トラックや船舶などの走行風を利用し、無動力で大気中のCO2を吸収・回収する技術を確立する。パッシブDACで生成した固体カルバミン酸をエネルギー効率の高いマイクロ波で直接加熱することでCO2の脱離・回収を行うシステムも開発する。
29年度までに年間1・2トンのCO2を空気から回収し、1トンのCO2に対してエネルギー消費を4・5ギガジュール以下に抑える計画。将来的には、回収したCO2を有用な炭化水素に変換する技術と組み合わせ、2050年までに1・5億トンのCO2を回収し、0・5億トンを貯蔵、1億トンを資源化することで、カーボンネガティブな社会を目指す。
from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=172032
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