若築建設はケーソンを安全確実に製作・進水させる作業船、フローティングドック(FD)を新造する。積載能力は1万トン級。既存のFDと比べジブクレーンの性能を50%程度アップさせ、鉄筋のユニット化や鋼製型枠の大型化などに柔軟に対応できる。施工現場の生産性向上や労働安全性の確保、環境負荷の低減につなげる。国土強靱化や防災・減災対策など社会資本整備、外郭施設を含む港湾整備事業に活用する。2027年度中の完成を目指す。
巨大なコンクリート製ケーソンの製作スペースが、陸上に確保しにくい場合も多い。FDは海に浮かぶ製作場としての役割を果たす。さらに、完成したケーソンを海上に浮かべて設置場所までえい航し、安全に進水させる。
新造船はジブクレーンの性能を高めたほか、遠隔操作機能も付加。つり荷の玉掛けとクレーンの操作を兼務できるため、省人化と労働安全性を確保する。コンクリート打設装置「ディストリビューター」を搭載でき、コンクリ打設作業の時間短縮、省人化、省力化が期待できる。ランプウェイ(船と岸壁を橋渡しする貨物用の出入り口)を常備しており、ポンプ車や資材運搬車がFDに直接乗降できるため、特に低階層での作業効率が確実に向上する。
注排水ポンプの能力は既存FDと比べて60%程度向上。ケーソン進水時の作業時間が短縮され、海象条件の急変にも柔軟に対応できる。注排水を遠隔集中制御(管理)することで、常に適正な船体姿勢を自動で保ち安全性を確保する。
環境負荷低減のため、蓄電システムを導入する。クレーンやポンプが稼働していない低負荷時の余剰電力を蓄電し、発電機とハイブリッドで電力供給する。将来FD係留岸壁に外部電源が導入されれば、ジブクレーンの動力源を外部電源にするのも可能。二酸化炭素(CO2)の排出を大幅に削減できる。
from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=170482
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