2025年1月28日火曜日

五洋建設/シンガポール造船会社と大型基礎施工船建造契約を締結

 五洋建設は27日、洋上風力建設に活用する大型基礎施工船(HLV)の建造契約をシンガポールの造船所Seatriumと締結した。15~20メガワットクラスの風車の大型基礎(モノパイル)を安全で効率的に施工するため、5000トンつり全旋回式クレーンを搭載。自航式で世界最大級の新しいコンセプトのHLVとなる。船尾をU字型に切り欠いた形にし、船体の長手方向に置かれたモノパイルを5000トンつりクレーンとグリッパー付きの装置で建て起こし、そのまま打設できる。
 HLVは20メガワットの風車建設を想定し、重量3000トンクラスのモノパイルに対応できる。モノパイルの打設位置が船尾で、波や流れを受けても動揺を小さくできる。船体の自動船位保持装置(DPS2)が装備されているため、気象海象条件の厳しい外洋でも、モノパイルを安全で効率的に施工できる。
 カーボンニュートラルへの対応として、バッテリー蓄電システムを搭載。大きな改造をすることなく、燃料をメタノールに切り替え可能な「メタノールレディー仕様」にもなっている。
 船体設計は大型起重機の設計に豊富な実績を持つUIstein Design&Solution(オランダ)、デッキ装置はオフショアクレーンのトップメーカーであるHuisman Equipment(同)が担う。船体建造はオフショア作業船の建造実績が豊富な世界有数のSeatrium Group(シンガポール)が担当する。2028年5月に完成、28年秋からの稼働を予定する。
 五洋建設はHLVに加え、ケーブル敷設船(CLV)も整備中。将来の排他的経済水域(EEZ)での洋上風力建設を見据え、着床式だけでなく浮体式洋上風力、さらには海底直流送電の電力ケーブルの敷設工事で稼働が期待できる。CLVは、PaxOcean Group(シンガポール)と造船契約を締結し建造する。
 五洋建設と芙蓉総合リースは基本協定書を締結。建造中の役割分担を明確にし、完成後の円滑で適切な管理、運営などを行う。完成後、五洋建設が設立予定の子会社と芙蓉総合リースが共同所有(各保有比率50%)する。




from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=170925
via 日刊建設工業新聞

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