2025年1月7日火曜日

25年がスタート/ゼネコン各社トップが年頭あいさつ、持続可能な産業へ挑戦と成長

 2025年がスタートした。6日に仕事始めを迎えた建設関連企業の経営トップが年頭のメッセージを社員に発信。建設需要は旺盛なものの、資機材価格や労務費の高止まりなど先行きの不透明感もあり、利益の安定確保を堅持する構えだ。コスト上昇が続くことを前提に、収益を継続的に増やしていける企業が生き残る時代に入った。持続的な成長に向けゼネコンでは「挑戦」「変革」「成長」「生産性向上」を掲げる社が目立った。=2、3面に各社の年頭訓示
 24年4月に時間外労働の上限規制が適用された建設業は、生産性向上策や人的投資の加速で誰もが働きやすい環境にすることが求められる。大手ゼネコンのうち、鹿島の天野裕正社長は「現状維持は後退、衰退を意味する。ナレッジの整備やデジタル化、技術開発、品質確保に絶え間ない努力が必要だ」と訴えた。
 清水建設の井上和幸社長は「安全と品質の確保」の徹底を掲げ「品質のシミズという企業ブランドを確固たるものにしたい」と意気込んだ。竹中工務店の佐々木正人社長は「いま取り組むべきさまざまな課題に真剣に向き合う姿勢を崩さずリーディングカンパニーの責任を果たす」と表明した。大林組の蓮輪賢治社長と大成建設の相川善郎社長は7日に訓示を行う。
 24年11月に竣工した新本社ビルで訓示した戸田建設の大谷清介社長は「収益性だけではなく、ブランド価値も判断軸に加え、協力会社の維持・拡大のために中小規模案件を確保する」方針だ。熊谷組の上田真社長は「歴史と伝統を大切にしつつ、新たな挑戦へと踏み出し、持続可能な成長を追求する」と述べた。西松建設の細川雅一社長は「ボトムアップ型で社員自らが当事者として会社の未来予想図を発信できる風通しの良い企業風土の醸成に注力する」と表明した。
 ウクライナ紛争の長期化、中東情勢の変化などを受け、世界経済の見通しは不透明にある。あるゼネコントップは「国内外で正直先行きが見通せない。どこに影響するか分からない」と不安を募らせる。「世界情勢などに左右されない企業基盤を構築する」と話した。
 今年の干支は「乙巳」(きのとみ)。「再生や変化を繰り返しながら柔軟に発展していく年」になると言われている。経営トップの訓示からも「変化と成長」への強い決意が感じられた。




from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=170297
via 日刊建設工業新聞

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