2025年12月5日金曜日

回転窓/カキフライ、1粒400円

 近所のとんかつ店に、毎年恒例の大粒カキフライが並ぶ季節となった。先日訪ねてみると、1粒400円という値段に思わず驚いた。店主によれば、瀬戸内海を中心に養殖カキが例のない不漁に見舞われているという▼国内最大産地の広島では、一部海域で最大9割が死滅し、対岸の四国地方でも被害が報告されている。海水温の上昇に加え、今年は梅雨明けが史上最速だったことで、降雨量が激減したことも要因だ。気候変動が地域産業に深刻な影を落としている▼広島県は対策を検討する庁内連絡会議を立ち上げた。横田美香知事は、養殖業だけでなく、観光業や飲食業にも影響が及びかねないとして、全庁を挙げた対応を指示した▼「東日本大震災の時、瀬戸内の支援で三陸のカキ養殖は復活した。今度は三陸が瀬戸内を支える番だ」。こうした投稿がネットで注目されている。復興の象徴となった三陸のカキは、瀬戸内にとって心強い支援だろう▼被害の拡大を抑えるには、被災地以外にいる人々が適切な時期に適切な形で支援できるかが鍵。災害時に遠隔地支援が円滑に機能するよう、平時の備えを改めて点検したい。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=179786
via 日刊建設工業新聞

全圧連/24年度経営実態調査結果/労務費率が上昇、設備更新費用賄えず

 全国コンクリート圧送事業団体連合会(全圧連、佐藤隆彦会長)は、会員企業を対象に実施した2024年度経営実態アンケートの結果をまとめた。1社当たりの年間完成工事高(圧送売上高)は1億9244万円で、前年度調査に比べ999万円増加した。圧送料金の引き上げが奏功した格好だが、社員の給与アップなどで圧送売上高に占める労務費率が43・7%に上昇しており、「ポンプ車の設備更新に必要な資金は確保できてない」(全圧連)という。

東京ガス/デジタル技術で業務革新/AIで設備の異常検知

 東京ガスが業務にAIなど先端技術を積極導入している。液化天然ガス(LNG)ポンプの異常を高精度に検知したり、地域冷暖房などで使う熱源機器を最適制御したりなど、取り組みは多種多様。LNGの調達から顧客への販売まで全プロセスにAIを活用。次世代の価値を創造する「AIネーティブ企業」を実現する。2030年にはGXやDXの領域で500億円の利益確保を目指す。

広島県府中町/揚倉山健康運動公園整備Park-PFI/12月25日まで参加受付

 広島県府中町は1日、Park-PFI(公募設置管理制度)を導入する「揚倉山健康運動公園整備等事業」の公募設置等指針を公表した。25日まで参加申し込みを受け付ける。設置計画や提案の提出期間は2026年2月2~27日。同3月ごろに事業予定者を選定する。指定管理者制度も採用する。

リバスタ/建設現場の購買燃料データ基にCO2排出量を効率算定/業務負担を軽減

 リバスタ(東京都江東区、高橋巧代表取締役)は、建設現場の購買燃料データを基に二酸化炭素(CO2)排出量を効率的に算定するクラウドサービス「TansoMiru(タンソミル)燃料」の提供を4日に始めた。元請会社が登録した現場情報と、燃料配送会社が現場内で給油した燃料データが連携し、車両や重機などが排出するCO2を算定。元請会社、燃料配送会社の両方で業務負担軽減を支援する。

2025年12月4日木曜日

キッザニア東京にパビリオンオープン/マンション建設現場再現/長谷工コーポが出展

 東京都江東区にある子どもの職業・社会体験施設「キッザニア東京」に、マンション建設現場のパビリオンが3日に登場した。長谷工コーポレーションがスポンサーとなり、マンションに見立てた現場を再現。排水管の点検やエントランス工事などの仕事が体験できる。建物のメンテナンスの大切さだけでなく、ものづくりの面白さも子どもたちに伝える。

回転窓/ぷちぷちが教えてくれる発想の力

 ぷちぷちぷち--見かけると、ついつい指でつぶしたくなる気泡緩衝材。その用途は幅広く、大切な物を守るだけでなく、例えばアウトドアでは、断熱材や包帯代わりにも使えるという▼つぶす時のほどよい弾力や弾ける音の心地よさ。ある時、小学生が遊んでいた人気の携帯ゲーム機を離し、気泡緩衝材に夢中だった幼児に駆け寄る姿を見て、その魅力にあらためて感心した▼芝浦工業大学と東京都市大学の研究チームが、この破裂音を利用して管路内の異物を検知するシステムを開発したと聞いた。破裂音の周波数成分には再現性があり、非破壊検査で高価な音源装置の代替になるそうだ▼厚さを調整して破裂音の強度や方向を制御し、解析技術と組み合わせることで、異物の位置が精度良く特定できた。欠陥や異常検出にも対応できるよう改良していく予定だそうだ▼関係者によると、この研究は「ついぷちっとつぶす」という身近な行為に着想を得て始まった。「素材の中に社会を支える技術のヒントがある」との声も。ぷちっと弾ける一瞬の音が、社会に役立つ次の技術を呼び込み、どこまで広がるのか静かに見守りたい。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=179754
via 日刊建設工業新聞

阪神高速道路・上松英司社長が会見/脱炭素技術の開発に意欲/低炭素コンクリ実装など

 阪神高速道路会社の上松英司社長が2日、大阪市北区の本社で会見し=写真、カーボンニュートラル(CN)に関連する技術開発を加速する考えを示した。高速道路事業での脱炭素化を目指し、二酸化炭素(CO2)を貯蔵したカーボンネガティブコンクリートやペロブスカイト太陽電池などの実装に意欲を見せた。

海建協会員、25年度上期受注62・6%増/アジア・北米がけん引、過去最高

 海外建設協会(海建協、佐々木正人会長)の会員企業の2025年度上半期(4~9月)海外建設受注実績(速報値)は、前年同期比62・6%増の1兆6178億8300万円だった。上半期としては過去最高を記録。22年度から1兆円規模で推移している。アジアが前年同期比85・2%増の1兆円越えとなるほか、北米も62・7%増で4000億円を超え、全体を押し上げた。

財政審建議/老朽化対策、国土強靱化推進を/上下水道は広域・一体化必要

 財政制度等審議会(財政審、財務相の諮問機関)が2日、2026年度予算編成に向けた建議(意見書)をまとめた。社会資本整備はインフラの老朽化や自然災害の激甚化・頻発化が進む中、国土強靱化を着実に進める必要があると提言した。上下水道事業を巡っては、埼玉県八潮市の道路陥没事故を受け事業の広域化・一体化、ウオーターPPPの導入推進が必要だと指摘した。