2024年11月21日木曜日

回転窓/つながりを広げるために

 公共の場に設置されているピアノをよく目にする。ストリートピアノや街角ピアノなどとも呼ばれ、プロ顔負けの演奏を披露する人もいる。日本では2011年ごろ鹿児島県の商店街で置かれたのを皮切りに広がった▼ストリートピアノの発祥は、英国のアーティストが考案した「Play Me, I’m Yours(私に触れて、私を弾いて)」というプロジェクト。音楽を通じて知らない者同士をつなげる狙いがあるそう▼当然ながら名刺だけで相手がどういう人なのかは分からない。次に会う時に会話のきっかけなどにしようと、話した印象を名刺にメモしたり、その名刺を持ち歩いたりする人もおられる▼インタビュー記事では、略歴と共に趣味や座右の銘を記載していることが多い。以前に取材した経営者に趣味を聞いたところ、スパイスの調合にこだわりがありインド料理と教えていただいた。それが記事に盛り込まれると気さくに声を掛けられることが増えたという▼趣味や特技は人間関係を円滑にする上でも役に立つ。インタビュー記事を注意深く読んでいただければ新たな発見があり、人とのつながりが広がるかもしれない。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=169091
via 日刊建設工業新聞

香川経済同友会/香川県知事と高松市長に提言、高松環状道整備機に新幹線誘致を

 香川経済同友会は、国による計画段階評価中の高松環状道路(高松市福岡町~檀紙町間)の整備を契機に、サンポート高松地区に新幹線の高松駅を誘致するよう求める提言書をまとめた。
 1964年の東海道新幹線開業から今年で60年を迎えた。四国の新幹線は73年に基本計画路線に定められてから50年間進展がない。香川県をはじめ四国では人口減少による地域経済の地盤沈下が課題となっている。
 提言書では、企業誘致など本格的かつ持続的な経済活動を生み出す施策を進め地域を活性化するには、高速で大量輸送が可能な新幹線の整備が不可欠と訴えた。高松環状道路整備に向け、概略ルートの比較検討が進む中、三つのルート案はいずれもサンポート高松周辺を通る案となっている。このルートを検討する際には、新幹線駅をはじめとした将来の公共交通ネットワークの検討も必要不可欠と指摘している。
 代表幹事の松村英幹高松商運社長と関谷幸男四電工社長らが19日に香川県庁、20日に高松市役所を訪ね、池田豊人知事、大西秀人市長宛に提言書を提出した。




from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=169100
via 日刊建設工業新聞

大阪府大阪狭山市/福祉施設集約整備、25年度に基本計画検討

 大阪府大阪狭山市は狭山池公園の西側に位置する今熊地区とその周辺にある福祉施設の計9施設を集約整備する計画で、2025年度に基本計画の検討に入る。現在、「令和6年度今熊地区周辺エリア複合施設基本構想策定支援業務」をパスコに委託し進めている。最適な事業手法を見極め、25年度当初予算に基本計画の委託費を盛り込む。
 複合施設は「大阪狭山市公共施設再配置計画第1期計画」に基づき、今熊地区(今熊1ほか)に建設する。複合化で共有部分や利用率の低いスペースなどを整理し、9施設の総延べ床面積を現在の1万0766平方メートルから約6200平方メートルに圧縮することで、将来の維持管理コストの縮減を目指す。
 基本構想策定後は25年度に基本計画、基本・実施設計を進め、26~29年度に工事、30年度初めのオープンを目指す。設計・施工一括(DB)方式の導入を視野に入れるが、基本計画、基本・実施設計、工事のどの範囲を一括発注するかは未定。
 基本構想策定支援業務では資料収集・整理、施設整備の基本理念・基本方針・コンセプトへの助言と検討、必要な機能、性能と規模などの整理・検討、維持管理・施設運営の考え方の整理、事業手法、スケジュール、概算事業費の算定などを行う。履行期限は25年3月31日。
 対象施設は今熊地区にある▽老人福祉センター(さやま荘)▽心身障害者福祉センターと母子・父子福祉センター▽公民館▽図書館▽障害者地域活動支援センター▽保健センター-の6施設、周辺地区にある▽社会教育センター▽旧狭山・美原医療保健センター▽旧くみの木幼稚園-の3施設の計9施設。いずれも1970~80年代に完成した。周辺地区3施設の跡地は集約後に活用方法を検討する。




from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=169099
via 日刊建設工業新聞

安藤ハザマら/山岳トンネル工事で吹き付けコンクリ自動施工、3Dデータで必要量算出

 安藤ハザマとニシオティーアンドエム(大阪府高槻市、北俊介社長)は山岳トンネル工事の生産性・安全性向上策として、吹き付けコンクリートの自動施工技術を共同開発した。▽切羽出来形取得▽位置情報演算処理▽油圧制御-の三つのプログラムを導入して実現。オペレーターは吹き付け機本体に付属するタブレットの簡単な操作だけで吹き付けコンクリの自動施工が可能になる。2024年度に安藤ハザマが施工している山岳トンネルの現場に適用する予定。
 模擬トンネルを用いて実証。吹き付けコンクリの必要数量算出や自動施工、施工後の厚さ特定など、一連の機能が想定通りに動作することを確認した。
 新技術を構成する三つのプログラムのうち、切羽出来形取得は吹き付け機前方に設置したLiDAR(ライダー)で取得した切羽の3Dデータを基に、吹き付けコンクリの必要数量を算出。施工前後の3Dデータ差分から吹き付けコンクリの厚さを特定し、出来形を確認する。
 位置情報演算処理プログラムは、切羽出来形取得プログラムで取得した3Dデータから吹き付けコンクリの施工範囲を選択し、自動で施工するための吹き付けノズルのルートを算出する。さらに吹き付けノズル先端の位置目標を決定し、吹き付けノズルの角度と位置を制御する。
 油圧制御プログラムは、位置情報演算処理プログラムで決定した吹き付けノズル先端の位置情報を踏まえ、吹き付け可能範囲を判定し、吹き付けロボットの油圧制御を行う。吹き付け機の油圧回路に比例電磁弁を追加し、コントローラーから出力電力を可変させることにより、エネルギーを機械的な往復運動や回転運動に変換するアクチュエーターの速度、ストロークをコントロールする。
 安藤ハザマは、ICTで山岳トンネル工事の生産性や安全性を大幅に高める「山岳トンネル統合型掘削管理システム(i-NATM)」の開発を推進中。将来的に山岳トンネル施工の完全無人化を目指している。




from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=169087
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2024年11月20日水曜日

土木学会/創立110周年記念式典開く、「土木の核とひろがり」テーマに

 土木学会(佐々木葉会長)は19日、「創立110周年記念式典」を東京都豊島区のホテルメトロポリタンで開いた=写真。「土木の核とひろがり」をテーマに、識者の記念講演、土木技術者の将来像に関する検討の成果発表、パネルディスカッションを行った。会場では「伝わる土木、伝える土木」と「20年後の土木技術者像を描く」の記念展示を実施。各地の見学会の様子と、産官学の若手が描いた土木の仕事・担い手の将来についてのパネルを見学できるようにした。450人が参加した。
 冒頭、佐々木会長は「式典はのびのびと自由に計画し、気楽に来ていただけるようにしてくれたらうれしいとお願いした」と説明した。その上で「110歳の誕生日を皆さんとお祝いするとともに、これからも元気に年を重ねられるよう、土木のアイデンティティーを考える機会にしてほしい。一人一人が土木の核と広がりを発見、再確認、アップデートする時間になれば」と話した。
 記念講演は法政大学の湯澤規子教授が「胃袋と土木の関係史-産業革命期の景観変化」の題目で行い、農業と土木の関係などを土木の世界の外からの視点で話した。会場では土木の仕事や技術者の将来などに関する検討成果が発表された。パネルディスカッションは、京都大学の勝見武氏、中央復建コンサルタンツの兼塚卓也氏、八千代エンジニヤリングの高橋悠太氏、東京科学大学の成毛悠樺氏、同大学の真田純子氏(コーディネーター)が参加した。




from 行事 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=169061
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回転窓/たくあんも並ぶ漁港

 東京湾に面した海岸に、今年も収穫したばかりの大根が並び始めた。緑と白のカーテンが重なるように見え、地域の冬の風物詩として知られる▼大根干しが最盛期を迎えるのは12月から。近くの農園が風通しのいい砂浜で1週間ほど干した後、ぬかに入れ、浅漬けのたくあんとして販売する。低カロリーでビタミンが豊富な大根は葉もミネラルが多く、捨てるところのない食材と言われる▼海岸の先には毎週日曜の朝市が人気の漁港がある。新鮮な魚介類のほか、地元産の野菜や果物も並び、早朝から多くの人でにぎわう。年末にかけてあら汁を先着順で無料配布する日も▼風光明媚(めいび)な漁港でもあり、過去には集客力を高めようと官民連携の再開発が計画された。残置物や空き地の扱いなどが問題となり、漁港側の合意形成が進まず計画は頓挫したまま。近年のにぎわいを受け、開発機運が再び高まってきたと聞いた▼多くの地域で今週から寒さが増し、周囲の景色も冬へと足早に移り変わる。先日訪れた漁港の朝市では、寒風で干されたたくあんが早速売られていた。今ある良さを残しつつ魅力が高まる再開発を願う。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=169060
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週休2日交代制を30都道府県で導入、政令市含め増加/国交省調べ

 建設工事の現場従事者が交代しながら4週8休以上を確保する「週休2日交代制工事」が地方自治体発注工事にも広がっている。国土交通省による直近の調査によると、都道府県では30団体が導入済み。1年前より11団体増加し、全体の半数を超えた。政令市も1年前から倍増の12団体が導入している。連続作業の必要性などから現場閉所が困難な工事などを原則、発注者指定型で交代制とする自治体もあり、柔軟な休日確保に取り組む動きが活発になっている。
 交代制は各自治体で、通年の維持管理業務や庁舎・学校の改築工事、現場閉所が難しい工事、完成時期の制約が厳しい工事、早期完成が求められる災害復旧工事などで採用されている。導入を検討中の自治体も都道府県で6団体、政令市で2団体ある。
 運用面の課題は「休日取得の確認に手間がかかる」「交代要員を確保できる業者がいない」「業界団体からの要望がない」といった声が多い。自治体によっては休日率算出用の様式を作成し、休日確保の確認作業の負担軽減に取り組む。業界団体と意見交換し、積極的に交代制導入の必要性を見極める動きもある。
 名古屋市は2022年10月に交代制を導入し、23年10月には原則、発注者指定型とした。現場閉所が困難な工事などで採用しており、23年度完了工事のうち交代制として公告した全47件で週休2日を達成した。発注者指定型への変更前後で業界への周知にも努めた。
 国交省は休日確保の確認方法として、現場従事者の休日日数の割合が分かる一覧表を活用する北陸地方整備局の事例を紹介する。施工体制台帳上の元請・下請の技術者・技能者を対象とし、下請は台帳上の工期を基本に休日率を算出。全従事者の休日率を平均化すれば現場全体の休日率が分かる。これ以外に建設キャリアアップシステム(CCUS)の発注者支援機能を活用し、現場閉所率や平均就業日数を算出する方法も自治体に紹介している。




from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=169047
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全建/政府・与党への要望11項目を決定、公共事業予算確保や国土強靱化

 全国建設業協会(全建、今井雅則会長)は19日、東京都千代田区の経団連会館で全国会長会議を開き、政府・与党に対して公共事業予算の確保や国土強靱化実施中期計画の早期策定など、11項目を要望することを決めた。10月に全国9地区で開いた国土交通省との2024年度地域懇談会・ブロック会議の意見を集約。時間外労働の上限規制を踏まえた適正工期の周知徹底なども盛り込んだ。=2面に関連記事
 冒頭あいさつした今井会長は地域懇談会・ブロック会議について「公共事業の推進、働き方改革、価格転嫁、建設キャリアアップシステム(CCUS)などについて各ブロックで議論を展開した」と振り返り、「皆さまからいただいた声が国政の場や建設行政に的確に反映され、地域建設業が魅力ある憧れの産業となるよう、全力を尽くしていく」と語った=写真。
 要望11項目のうち、国土強靱化実施中期計画の早期策定では資機材価格の高騰や人件費の上昇を踏まえ、5年間で25兆円程度の事業量確保を求めるとした。時間外労働の上限規制を踏まえた適正な工期設定では、猛暑日を考慮した歩掛かりの設定や熱中症対策経費の計上などを盛り込んだ。




from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=169063
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大和ハウス工業/大阪マルビル(大阪市北区)建替概要を発表、25年冬着工

 大和ハウス工業は19日、大阪市北区で推進している「(仮称)大阪マルビル建替プロジェクト」の概要を発表した。新たな建物は延べ7・4万平方メートル、高さ192メートルの規模で計画。梅田エリアで最高の建築物の一つになる。旧来の建物の円筒形の意匠を継承しつつ、延べ床面積はおよそ倍に広がる。設計を日建設計・フジタJV、施工はフジタが手掛け、2025年冬の着工、30年の竣工を目指す。
 建物にはオフィスやホテルのほか、コンサートホールや、球体のエンターテインメント施設も設ける予定。大阪駅前に、複合用途の新たなランドマークが誕生する。
 計画地は梅田1の9の20(敷地面積3246平方メートル)。JRなどが乗り入れる大阪駅の南側に近接する。新たな建物は地下SRC一部S一部RC造、地上S造地下4階地上40階建て延べ7万4000平方メートルの規模で計画。9月に地上部の解体が完了した旧大阪マルビル(延べ約4万平方メートル)のおよそ倍の規模になる。
 特徴的なのが地下から低層部までを貫く「球体デジタルアトリウム」だ。球体の内面にLEDディスプレーを張り巡らせ、全面に映像を投映する。球体の空間は大阪駅周辺の地下街ともつながり、新たな結節点としても機能する。
 低層部にはコンサートホール・舞台も設ける。主にクラシックコンサートで利用し、さまざまな演目に対応できる設備を用意する。中層部にはオフィスや都市型ホテルが入り、高層部はラグジュアリーホテルとなる。ホテルは合計約280室。最高層部にはミュージアムや展望スペースも設ける。
 旧大阪マルビルの頂部には回る電光掲示板があり、梅田エリアの風景の一つとして親しまれた。新たな建物でも意匠を継承し、特徴的なスカイラインを形成するよう検討を進めている。
 都市基盤整備の面では、大阪メトロ四つ橋線西梅田駅に接続する地下通路を新設。新たな改札口も設置する。低層部の壁面や外構部は積極的に緑化する。
 旧丸ビルは1976年、日本初の円筒型超高層ビルとして竣工した。建て替えに向け、23年に閉館していた。




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2024年11月19日火曜日

利根沼田テクノアカデミーが初の2拠点教育/国交省職員と意見交換

 利根沼田テクノアカデミー(群馬県沼田市、桑原敏彦校長)は、国土交通省が進める二地域居住の取り組みと連携して将来の建設業を担う人材を育てる「2拠点教育」に乗りだした。葛西工科高校(東京都江戸川区)と豊田工業高等専門学校(愛知県豊田市)の2校から選抜された生徒ら9人を16、17日に招き、木材の伐倒や製材など林業の現場体験などを実施=写真。国交省入省3年目の職員を交えたディスカッションなどを通じて、二地域居住などへの理解を深めた。=4面に関連記事
 国交省から講師を招いた人材育成企画はアカデミーで初めて。二地域居住の実現可能性についての議論では、参加した学生から乗り合いバスの活用が提案されるなど、講師ら関係者と活発な意見交換が行われた。
 「工科高校と高専という環境が異なる学校の生徒らが関わることで、新しい発見があるだろう」と桑原校長。2025年度は都内の建築・土木科がある高校、26年度は関東圏などへと参加対象を広げたい考えだ。




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