◇キャリアアップの道開く
2024年10月、特定技能外国人で初の熱絶縁施工技能士1級に2人そろって合格した。学科試験の日本語の勉強に先輩社員が協力するなど社内全体で後押し。難関を突破し特定技能2号などキャリアアップへの展望が開けた。「技術を高め、帰国したら自分の会社を設立したい」(ロンさん)、「もっと長く日本に滞在しスキルを磨き収入も増やしていきたい」(クエットさん)と夢を語る。
ナイガイ初の技能実習生としてベトナムから17年に来日。韓国や台湾も選択肢だったが、日本を選んだのは安全面などが決め手だった。2人とも最初に苦労したのは現場でのコミュニケーション。現場特有の専門用語に苦戦し、作業中の職人にどう話し掛ければいいか迷うことも。それだけに日々の努力で仕事を覚え「チームで協力して働いていると感じることがうれしい」(ロンさん)と話す。
今では同社直用の外国人技能者が約60人在籍。多くは技能実習期間を無事に終え、うち6割以上は特定技能に移行する。キャリアを重ね、現場の主力となる2人はロールモデルと言える存在だ。「保温工として技術が向上していると感じることがうれしい。きれいに仕上がり現場が完成していく様子を見ることがやりがい」(クエットさん)。異国の地で培った自信を胸に、この先の未来を切り開く。
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