2026年1月26日月曜日

回転窓/後世へ悠久の時を刻む

 きょう1月26日は「文化財防火デー」。1949年のこの日、法隆寺(奈良県斑鳩町)の金堂が火災に見舞われ、7世紀末~8世紀初めに描かれた壁画が焼損する惨事を教訓に制定された▼境内の収蔵庫に保管されている焼損壁画は原則非公開だが、ウェブサイトで火災前の壁画を見られる。35年に撮影した写真ガラス原板のデジタル画像が公開されており、東アジア仏教美術の至宝とうたわれた金堂壁画を鑑賞できるのは貴重だ▼今年は2019年10月に焼失した首里城正殿(那覇市)の復元工事(発注=内閣府沖縄総合事務局、施工=清水建設・國場組・大米建設JV)が秋の完成に向けて大詰めを迎える。正殿には火災を二度と生じさせないため、歴史的空間や景観に配慮しつつさまざまな防火対策が講じられる▼今回の復元プロジェクトは「見せる復興」がテーマに。施工中の模様を見学できるよう工夫され、復興への軌跡が分かる情報も広く発信されている▼そうした復興プロセスの公開で、文化遺産の保存・継承に対する国民の関心も高まるだろう。「令和の復元」でよみがえる正殿が後世へ悠久の時を刻み始める。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181090
via 日刊建設工業新聞

凛/東京都品川区企画経営部施設整備課建築担当・栗崎裕子さん/自分の言葉で伝える

 大学で建築を学び、仲間と共に茶室を設計・建築した。のこぎりなどの工具を使って手を動かす作業に面白さを感じ、建築に関わる仕事に就きたいと考えるようになった。まちづくりに幅広く携われる公務員という立場に魅力を感じ、東京都品川区の試験を受けた。
 技術職として区役所に入り、庶務を経験した後、一昨年から公共建築の発注業務に携わり、積算の確認や施工の調整を担当している。小規模から大規模までさまざまな建築物の整備に関わってきた。
 対象施設の所管部署から出される「部屋の配置をこうしてほしい」といった要望を、設計事務所の提案に反映する役割も担っている。要望が非現実的な場合、技術面や維持管理の視点から理由を丁寧に伝える。所管部署への説明は簡単ではないが、「自分の言葉で分かりやすく伝えること」をいつも心掛けている。
 大学時代のゼミで学んだ「目的や根拠をはっきりさせてから伝える」ことが仕事に生きている。根拠となる情報に日頃から目を向け、部署や設計事務所とのやりとりから学ぶことも多い。
 決断力があり、自身の発言や決定に根拠と自信を持つ直属の上司が、目指している人物像だ。少しでも近づきたいとの思いから、「根拠をつけて話すこと」をモットーにしている。
 趣味の舞台観劇や旅行でも感性のアンテナを張り多くの知見を身に付けて、日々の仕事に生かしたいと考えている。
 (くりさき・ゆうこ)




from 人事・動静 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181100
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電設協/国交省住宅局と初の意見交換実施/日空衛と連携、実務レベル含め協議へ

 日本電設工業協会(電設協、文挾誠一会長)は23日、東京都港区の東京電業会館で理事会を開いた。東京都内で22日に日本空調衛生工事業協会(日空衛、藤澤一郎会長)と共同で臨んだ国土交通省住宅局との初の意見交換の内容を報告。意見交換では、実務レベルを含め3者で意見を交わす場を継続的に設けていくことを確認した。
 意見交換には文挾、藤澤両会長ら協会幹部16人が参加。住宅局からは宿本尚吾局長をはじめ住宅局担当の井崎信也、豊嶋太朗の両官房審議官、松野秀生建築指導課長ら10人が出席した。
 電設協と日空衛は▽BIMの普及▽カーボンニュートラル(CN)の推進▽設計精度の向上-の3テーマを説明。建築設備士事務所の登録制度の新設検討や、資材のライフ・サイクル・カーボン(LCC)の算定基準策定なども要望した。住宅局は制度により設計の自由度を狭めることになる可能性を踏まえ、民間で改善していく場合も検討しなければならないとの回答があったという。
 文挾会長は理事会後の会見で「設計士の職分をきっちり果たし、手戻りが出ないよう設計図書の精度を高めてほしいと、事例を挙げ説明した。設備工事業界の困りごとや実態を改めて認識していただいて良かった」と述べた。




from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181093
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ヒルトン東京お台場/108億円かけて全館改装/インバウンド需要に対応

 東京湾のウオーターフロントに立つホテル「ヒルトン東京お台場」(東京都港区)が108億円を投じ、都心部にある高級宿泊施設に匹敵するフルサービスホテルに生まれ変わる。全館改装で他のラグジュアリーブランドに競り負けないグレードにする。インバウンド需要の取り込みで収益を最大化する考え。工期は2月~2027年12月を予定している。
 ホテルに特化した不動産投資信託を手掛けるジャパン・ホテル・リート投資法人が22日に発表した。フルサービスホテルは、宿泊意外に食事や娯楽など、あらゆるニーズに対応したサービスを提供する。フルサービスホテルの新設は建築費の高騰や人手不足で難しく、相対的に既存ホテル改装の優位性が高まっている。
 ヒルトン東京お台場の所在地は港区台場1の9の1。新交通ゆりかもめ・台場駅に直結している。客室数は453室。改装は19年に計画していたが、コロナ渦の影響で延期していた。
 工事で全客室の内装、デザインを刷新する。並行してエグゼクティブルームを増やし、宿泊者の選択肢を拡大。1室当たりの平均収益額を引き上げる。エグゼクティブルーム専用のラウンジも移転・拡張する。シェフが目の前で調理する「ライブキッチン」を備えた高付加価値空間にすることで、顧客満足度を高める。
 宴会場には国内ホテルで最大級の常設LEDスクリーンを導入。大規模な国際会議、企業イベントに対応する。経年劣化が見られるロビーやアプローチ、レストランなどの共用部は全面改装。ホテル全体の高級感を演出する。
 改修費用は26年12月期64億円、27年12月期44億円と、分けて計上する。26年12月期は約60億円を借り入れでまかなう。27年12月期も借り入れで調達する。詳細な金額は今後決める。




from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181086
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秋田市/外旭川地区まちづくり/イオンタウンが産業集積エリアなど提案

 秋田市は市北部の外旭川地区で計画するまちづくりで、事業パートナーのイオンタウン(千葉市)が提案した「外旭川地区まちづくり計画」案を公表した。新たに「ものづくりエリア(第2次産業集積施設)」や子育て・体験型複合施設「“KIDS FOREST TOWN”」を整備。卸売市場は北側農地に移転し、物流施設エリアと連携させる。検討してきた現卸売市場敷地内での再整備案は保留にする。同社との協議を継続し、調整が整った段階で提案に基づき進めるかを判断する。
 ものづくりエリアには、計画地の各施設から排出される食品残さなどを活用したバイオマス発電や陸上養殖など、環境配慮型の企業を誘致する。卸売市場再整備では、民間事業者が施設を整備し市が建物を借り受ける方式と、市が土地を取得して建物を整備する方式の2案を示した。今後は提案内容の実現可能性や課題などを精査する。
 市は2025年4月に「外旭川地区まちづくり基本計画」を白紙撤回し、卸売市場の現敷地内での再整備手法を検討してきた。同社に対し、民間からの新たな投資、雇用を生み出すものづくり分野、外から人や消費を呼び込める誘客機能の3要件を求めていた。
 13日にイオンタウンから新たな提案があった。構成要素の中心に▽「ものづくりエリア」の整備▽「子育て・体験型複合施設」の設置▽卸売市場の再整備-の三つを位置付け、各機能の集約で“経済・人・モノの好循環”の創出を目指す。




from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181098
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ライト工業/斜面工事の施工機械・管理システム遠隔化/工期25%短縮

 ライト工業が斜面工事に使用する施工機械の遠隔操作技術を開発した。既存の無線式アタッチドリルシステム「リモートスカイドリル」をベースに、二重管(保孔管)削孔工の遠隔操作を可能にする。長尺削孔ツールスが搭載できるようにし、従来は約1~2メートル間隔で短尺削孔ツールスを切り継ぐ作業を省略。最大削孔長5メートルまで切り継ぎなしで施工できる。昨秋に実現場で試行し工期の25%短縮を実現した。
 遠隔操作技術は、のり面保孔管施工の効率化と安全性の向上を目的に開発した。施工機械は無線操作式のクレーンつり下げ仕様。重量は2040キロ(特殊つり具使用時2820キロ)になる。ケーシング用とインナー用のドリフタヘッドを搭載し、最大削孔長5メートルまでツールスの切り継ぎを不要にした。仮設足場工や削孔補助の作業を省略し、転落やツールス切り継ぎ時の巻き込まれといった災害リスクも回避できる。
 同社は、削孔作業の計測施工管理を効率化する「ICT施工管理システム」の遠隔操作技術も開発。リモート機能を追加し、従来は現地で行っていた計測作業をリモート用管理パソコンで遠隔地からも対応できるようにした。施工データも保存されるため終業後のデータ整理も即時可能。今後は都市土木工事での転用も予定している。
 同システムも昨年から冬にかけて実現場で試行した。施工機械と同システムの遠隔操作技術の早期実装と普及を目指す。




from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181095
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2026年1月23日金曜日

回転窓/改めて火の用心を

 地域ボランティアの消防団が夕刻に「火の用心」と呼び掛けながら警鐘を鳴らして見回る姿は、小欄の住むまちで年末の風物詩となっている。今年に入っても続いているので聞くと、各地で頻発する火災を教訓に、地域防災の要として巡回期間を延長したそうだ▼2025年2月から4月にかけて岩手県大船渡市で発生した山林火災は3370ヘクタールもの森林を焼き、建物226棟(うち全壊175棟)が被害を受け、鎮火まで40日を要した。山手線内側の半分以上の面積が焼けた計算になるという▼今年も神奈川、群馬、埼玉、静岡などで火事が相次ぐ。中でも山梨県の上野原市と大月市にまたがる山林火災は発生から14日目を迎えた21日も鎮火に至らず、同県で起きた山火事では記録が残る中で最大の被害となっている▼総務省消防庁が山火事通知の仕組みを改正し、1日から「林野火災注意報・警報」を自治体が出すことができるようになった。地域に即した警戒を促す動きが広がるだろう▼日本は湿潤だから大丈夫という考えは過去のもの。小さな火の不始末が大規模火災につながる現実を直視し、火事を防ぐ行動を徹底したい。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181024
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首都直下地震/デベロッパー各社の動向/一時滞在施設を整備、帰宅困難者の安全確保

 中央省庁や企業本社が集まる東京の中心部は、災害時に最も多くの帰宅困難者を抱える地域でもある。大地震が発生すれば、大規模なオフィスや商業施設が集積するエリアで、人の滞留と安全確保をどう両立させるかが問われる。政府は2025年12月に首都直下地震の被害想定を更新。まちづくりを担うデベロッパーは、東日本大震災の教訓を生かし、一時滞在施設の整備など、都市の受け止め力を高める取り組みを進めている。
 三井不動産は、災害時にどういう対応が必要か行政と話し合いを続けている。東京駅(千代田区)近くにある大規模複合施設「東京ミッドタウン八重洲」では万が一の事態が発生した時、ロビーなどオープンスペースに約1500人を受け入れる。同じく複合施設の「東京ミッドタウン日比谷」(同)は、災害用備品を保管する備蓄倉庫を備え、約3000人が収容可能な体制を整えている。
 港区を中心にまちづくりを展開している森ビルは、「逃げ込める街」の実現を目指している。新たなグローバルビジネスセンターとして開業した虎ノ門ヒルズのうち、「森タワー」に約3600人、「ビジネスタワー」に約1000人、「ステーションタワー」に約500人、「グラスロック」に約100人分の一時滞在施設を設けている。
 六本木ヒルズには約10万食を保管。災害時に約5000人を受け入れる体制を整えている。麻布台ヒルズは約3600人の受け入れスペースを確保している。
 大手町・丸の内・有楽町(大丸有)地区などで再開発を手掛ける三菱地所は、▽丸の内ビルディング(千代田区)▽新丸の内ビルディング(同)▽大手町フィナンシャルシティグランキューブ(同)-でそれぞれ約1000人の受け入れが可能だ。
 千代田区の丸の内エリアの地下には、複数のビルの空調などで使うエネルギーを供給する洞道が通っている。深さは約30メートルで地震の影響を受けにくい。洞道には電力線、通信線なども収めてあり、災害時もまちの活動を支える。
 東京建物はオフィスビルが立地する自治体と協定を締結し、災害時に帰宅困難者を受け入れる。東京スクエアガーデン(中央区)や大手町タワー(千代田区)、Hareza池袋(ハレザ池袋、豊島区)などが対象だ。分譲マンションを建てる時には地元自治体と連携し避難スペースを設けている。
 首都直下地震の発生が現実味を帯びる中、都市は「働く場」や「集まる場」であると同時に、人を守る器であることが求められている。デベロッパー各社の取り組みは、帰宅困難者対策を個々の建物にとどめず、エリア全体で支え合う都市防災へと発展させる試みだ。官民の連携を深めながら、災害時でも都市機能を維持できるまちづくりが、東京の持続性を左右する。




from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181025
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愛知県豊田市、新明工業/世界最小級ドローンで管路点検/連携協定に基づき実証実験

 愛知県豊田市は、車両生産設備の設計・製造を手掛ける新明工業(豊田市、近藤恭弘社長)と「ドローン業務支援車両及び世界最小級ドローン等の活用に関する連携協定」を締結したことに伴い、点検ドローンを使った雨水管路点検を14日に市内で実施した。実証実験で得られた点検データは今後、管路包括委託事業者の豊田下水道管理サービスと新明工業で分析。有効性などを確認し市に報告する。
 協定は、ドローンを活用した点検業務などで官民が連携しながら実証実験を行い、有効性や課題を検証する目的で結んだ。
 点検を行った雨水管路は延長約41メートル。幅100センチ、高さ60センチの規模。1958年に整備して以来、一度も内部を点検しておらず、今回が初の点検となった。
 当初は豊田下水道管理サービスがカメラ付き調査ロボットで内部点検を実施する予定だったが、管路内部に土砂などが堆積し走行点検が困難であることが判明。新明工業が保有する世界最小級の点検ドローン(Liberaware社製の国産ドローン「IBIS2」)を活用して実施した。ドローンに搭載したカメラによって、堆積した土砂や鉄筋がむき出しとなった内部の様子が映し出された。
 狭小な雨水管路は、人が入って確認することが難しく、点検作業に時間や労力がかかる。ドローンを活用することで点検作業の安全性確保や効率化の可能性を検証する。協定を機に新明工業は、自治体が抱えるインフラ点検などの課題に対し、民間企業としてどのような提案ができるか、実証実験を通じて確認していく。




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熊本市/新庁舎等整備/必要面積は総延べ7・5万平米、概算工事費885億円に

 熊本市は22日、整備する新たな本庁舎と中央区役所庁舎の必要床面積が総延べ7万5000平方メートル程度になる見通しであると公表した。これに基づく概算工事費は約885億円を見込んでいる。設計費や用地取得費を含めた概算事業費や、合併特例債の活用に伴う市の実質的な負担額などは精査中であり、2月16日開会の市議会定例会に報告する新庁舎整備基本計画の素案で示すとした。
 新庁舎の想定規模や工事費の試算結果は、22日に開かれた市議会の庁舎整備に関する特別委員会で報告した。
 概算工事費は基本構想(2024年8月策定)で示した約421億円と比べ、必要面積や資材価格などの高騰を受け、約2・1倍となった。
 必要面積のうち、本庁舎は延べ5万6000平方メートル程度(執務機能延べ4万9500平方メートル、議会機能延べ6500平方メートル)、中央区役所庁舎は延べ1万9000平方メートル程度と試算。交流共創スペースや共用部の面積を精査した結果、基本構想と比べ、本庁舎は800平方メートル減、中央区役所庁舎は5500平方メートル増となった。
 本庁舎の1~2階は多目的スペースなどの交流・共創機能が中心で隣接するくまもと街なか広場と一体感のある空間構成とする。3~6階は執務機能や災害対策本部機能、7~9階は議会機能を配置。区役所庁舎は1階に交流・共創機能、2~8階は窓口機能を含む執務機能とする。いずれの庁舎も熊本城の眺望を意識し屋上にも交流・共創機能を設けることを検討する。
 当初、区役所庁舎は4階建て程度を想定していたが、税関係の手続きを区役所で一貫して行えるよう関連部署の機能を本庁舎から移すこととしたため規模が増えた。
 新庁舎の整備予定地は本庁舎がNTT西日本所有地(中央区桜町、敷地面積9987平方メートル)、中央区役所庁舎が市役所花畑町別館跡地(花畑町、2749平方メートル)。
 基本計画策定支援業務と基本設計・実施設計業務は日建設計・太宏設計事務所JVが担当。




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