清水建設は平時、災害時を問わず急性期病院の救急対応を支援する国内初のシステムを開発した。空きベッドや医療機器といった院内状況と、急患対応のタスクがリアルタイムで把握できる。近くクラウドサービスとして提供を始める。急性期病院などを対象に、2030年度までに50件の受注を目指す。
システムの名称は「Hub360」。NTTデータと共同開発した。救急現場では急患受け入れの判断に必要な情報が院内の各部局に分散し、集約に長い時間がかかる。Hub360は迅速、的確な判断を支援し、急患の受け入れ増加を後押しする。システム提供で病院との関係を強化し、将来的な病棟の新設、改修を含む総合支援にもつなげる。
Hub360は空きベッド、スタッフ、医療機器・施設など、院内の状況と急患対応のタスクを分かりやすく集約する。受け入れ可能な患者数、診療科ごとの対応可否が即座に把握できる。患者の緊急度に応じたトリアージや診療の進行状況も確認可能。遅延しているタスクはアラートで注意喚起する。
初期費用は500万円以上。月額利用料は最低80万円で、各病院向けのカスタマイズや、電子カルテなど他システムとの接続状況に応じて変動する。
清水建設は、20年7月豪雨で浸水被害を受けた人吉医療センター(熊本県人吉市)と水害対応のタイムライン策定に取り組む過程で、救急対応の現場ニーズを確認。約4年にわたる現場での性能実証に取り組み、平時を含めた支援システムとして完成させた。
同センターの薬師寺俊剛院長は「限りある人数でも必要な医療を安定かつ持続して供給するため、Hub360を導入し、平時救急や災害時対応のさらなる効率化と質の向上を目指したい」と話す。清水建設は、年間の救急搬送受け入れが2500件を超える急性期病院を中心に導入を働きかける。同センター以外の複数の医療機関も既に導入を検討・予定している。
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