2026年1月26日月曜日

回転窓/後世へ悠久の時を刻む

 きょう1月26日は「文化財防火デー」。1949年のこの日、法隆寺(奈良県斑鳩町)の金堂が火災に見舞われ、7世紀末~8世紀初めに描かれた壁画が焼損する惨事を教訓に制定された▼境内の収蔵庫に保管されている焼損壁画は原則非公開だが、ウェブサイトで火災前の壁画を見られる。35年に撮影した写真ガラス原板のデジタル画像が公開されており、東アジア仏教美術の至宝とうたわれた金堂壁画を鑑賞できるのは貴重だ▼今年は2019年10月に焼失した首里城正殿(那覇市)の復元工事(発注=内閣府沖縄総合事務局、施工=清水建設・國場組・大米建設JV)が秋の完成に向けて大詰めを迎える。正殿には火災を二度と生じさせないため、歴史的空間や景観に配慮しつつさまざまな防火対策が講じられる▼今回の復元プロジェクトは「見せる復興」がテーマに。施工中の模様を見学できるよう工夫され、復興への軌跡が分かる情報も広く発信されている▼そうした復興プロセスの公開で、文化遺産の保存・継承に対する国民の関心も高まるだろう。「令和の復元」でよみがえる正殿が後世へ悠久の時を刻み始める。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181090
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凛/東京都品川区企画経営部施設整備課建築担当・栗崎裕子さん/自分の言葉で伝える

 大学で建築を学び、仲間と共に茶室を設計・建築した。のこぎりなどの工具を使って手を動かす作業に面白さを感じ、建築に関わる仕事に就きたいと考えるようになった。まちづくりに幅広く携われる公務員という立場に魅力を感じ、東京都品川区の試験を受けた。
 技術職として区役所に入り、庶務を経験した後、一昨年から公共建築の発注業務に携わり、積算の確認や施工の調整を担当している。小規模から大規模までさまざまな建築物の整備に関わってきた。
 対象施設の所管部署から出される「部屋の配置をこうしてほしい」といった要望を、設計事務所の提案に反映する役割も担っている。要望が非現実的な場合、技術面や維持管理の視点から理由を丁寧に伝える。所管部署への説明は簡単ではないが、「自分の言葉で分かりやすく伝えること」をいつも心掛けている。
 大学時代のゼミで学んだ「目的や根拠をはっきりさせてから伝える」ことが仕事に生きている。根拠となる情報に日頃から目を向け、部署や設計事務所とのやりとりから学ぶことも多い。
 決断力があり、自身の発言や決定に根拠と自信を持つ直属の上司が、目指している人物像だ。少しでも近づきたいとの思いから、「根拠をつけて話すこと」をモットーにしている。
 趣味の舞台観劇や旅行でも感性のアンテナを張り多くの知見を身に付けて、日々の仕事に生かしたいと考えている。
 (くりさき・ゆうこ)




from 人事・動静 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181100
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電設協/国交省住宅局と初の意見交換実施/日空衛と連携、実務レベル含め協議へ

 日本電設工業協会(電設協、文挾誠一会長)は23日、東京都港区の東京電業会館で理事会を開いた。東京都内で22日に日本空調衛生工事業協会(日空衛、藤澤一郎会長)と共同で臨んだ国土交通省住宅局との初の意見交換の内容を報告。意見交換では、実務レベルを含め3者で意見を交わす場を継続的に設けていくことを確認した。
 意見交換には文挾、藤澤両会長ら協会幹部16人が参加。住宅局からは宿本尚吾局長をはじめ住宅局担当の井崎信也、豊嶋太朗の両官房審議官、松野秀生建築指導課長ら10人が出席した。
 電設協と日空衛は▽BIMの普及▽カーボンニュートラル(CN)の推進▽設計精度の向上-の3テーマを説明。建築設備士事務所の登録制度の新設検討や、資材のライフ・サイクル・カーボン(LCC)の算定基準策定なども要望した。住宅局は制度により設計の自由度を狭めることになる可能性を踏まえ、民間で改善していく場合も検討しなければならないとの回答があったという。
 文挾会長は理事会後の会見で「設計士の職分をきっちり果たし、手戻りが出ないよう設計図書の精度を高めてほしいと、事例を挙げ説明した。設備工事業界の困りごとや実態を改めて認識していただいて良かった」と述べた。




from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181093
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ヒルトン東京お台場/108億円かけて全館改装/インバウンド需要に対応

 東京湾のウオーターフロントに立つホテル「ヒルトン東京お台場」(東京都港区)が108億円を投じ、都心部にある高級宿泊施設に匹敵するフルサービスホテルに生まれ変わる。全館改装で他のラグジュアリーブランドに競り負けないグレードにする。インバウンド需要の取り込みで収益を最大化する考え。工期は2月~2027年12月を予定している。
 ホテルに特化した不動産投資信託を手掛けるジャパン・ホテル・リート投資法人が22日に発表した。フルサービスホテルは、宿泊意外に食事や娯楽など、あらゆるニーズに対応したサービスを提供する。フルサービスホテルの新設は建築費の高騰や人手不足で難しく、相対的に既存ホテル改装の優位性が高まっている。
 ヒルトン東京お台場の所在地は港区台場1の9の1。新交通ゆりかもめ・台場駅に直結している。客室数は453室。改装は19年に計画していたが、コロナ渦の影響で延期していた。
 工事で全客室の内装、デザインを刷新する。並行してエグゼクティブルームを増やし、宿泊者の選択肢を拡大。1室当たりの平均収益額を引き上げる。エグゼクティブルーム専用のラウンジも移転・拡張する。シェフが目の前で調理する「ライブキッチン」を備えた高付加価値空間にすることで、顧客満足度を高める。
 宴会場には国内ホテルで最大級の常設LEDスクリーンを導入。大規模な国際会議、企業イベントに対応する。経年劣化が見られるロビーやアプローチ、レストランなどの共用部は全面改装。ホテル全体の高級感を演出する。
 改修費用は26年12月期64億円、27年12月期44億円と、分けて計上する。26年12月期は約60億円を借り入れでまかなう。27年12月期も借り入れで調達する。詳細な金額は今後決める。




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秋田市/外旭川地区まちづくり/イオンタウンが産業集積エリアなど提案

 秋田市は市北部の外旭川地区で計画するまちづくりで、事業パートナーのイオンタウン(千葉市)が提案した「外旭川地区まちづくり計画」案を公表した。新たに「ものづくりエリア(第2次産業集積施設)」や子育て・体験型複合施設「“KIDS FOREST TOWN”」を整備。卸売市場は北側農地に移転し、物流施設エリアと連携させる。検討してきた現卸売市場敷地内での再整備案は保留にする。同社との協議を継続し、調整が整った段階で提案に基づき進めるかを判断する。
 ものづくりエリアには、計画地の各施設から排出される食品残さなどを活用したバイオマス発電や陸上養殖など、環境配慮型の企業を誘致する。卸売市場再整備では、民間事業者が施設を整備し市が建物を借り受ける方式と、市が土地を取得して建物を整備する方式の2案を示した。今後は提案内容の実現可能性や課題などを精査する。
 市は2025年4月に「外旭川地区まちづくり基本計画」を白紙撤回し、卸売市場の現敷地内での再整備手法を検討してきた。同社に対し、民間からの新たな投資、雇用を生み出すものづくり分野、外から人や消費を呼び込める誘客機能の3要件を求めていた。
 13日にイオンタウンから新たな提案があった。構成要素の中心に▽「ものづくりエリア」の整備▽「子育て・体験型複合施設」の設置▽卸売市場の再整備-の三つを位置付け、各機能の集約で“経済・人・モノの好循環”の創出を目指す。




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ライト工業/斜面工事の施工機械・管理システム遠隔化/工期25%短縮

 ライト工業が斜面工事に使用する施工機械の遠隔操作技術を開発した。既存の無線式アタッチドリルシステム「リモートスカイドリル」をベースに、二重管(保孔管)削孔工の遠隔操作を可能にする。長尺削孔ツールスが搭載できるようにし、従来は約1~2メートル間隔で短尺削孔ツールスを切り継ぐ作業を省略。最大削孔長5メートルまで切り継ぎなしで施工できる。昨秋に実現場で試行し工期の25%短縮を実現した。
 遠隔操作技術は、のり面保孔管施工の効率化と安全性の向上を目的に開発した。施工機械は無線操作式のクレーンつり下げ仕様。重量は2040キロ(特殊つり具使用時2820キロ)になる。ケーシング用とインナー用のドリフタヘッドを搭載し、最大削孔長5メートルまでツールスの切り継ぎを不要にした。仮設足場工や削孔補助の作業を省略し、転落やツールス切り継ぎ時の巻き込まれといった災害リスクも回避できる。
 同社は、削孔作業の計測施工管理を効率化する「ICT施工管理システム」の遠隔操作技術も開発。リモート機能を追加し、従来は現地で行っていた計測作業をリモート用管理パソコンで遠隔地からも対応できるようにした。施工データも保存されるため終業後のデータ整理も即時可能。今後は都市土木工事での転用も予定している。
 同システムも昨年から冬にかけて実現場で試行した。施工機械と同システムの遠隔操作技術の早期実装と普及を目指す。




from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181095
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2026年1月23日金曜日

回転窓/改めて火の用心を

 地域ボランティアの消防団が夕刻に「火の用心」と呼び掛けながら警鐘を鳴らして見回る姿は、小欄の住むまちで年末の風物詩となっている。今年に入っても続いているので聞くと、各地で頻発する火災を教訓に、地域防災の要として巡回期間を延長したそうだ▼2025年2月から4月にかけて岩手県大船渡市で発生した山林火災は3370ヘクタールもの森林を焼き、建物226棟(うち全壊175棟)が被害を受け、鎮火まで40日を要した。山手線内側の半分以上の面積が焼けた計算になるという▼今年も神奈川、群馬、埼玉、静岡などで火事が相次ぐ。中でも山梨県の上野原市と大月市にまたがる山林火災は発生から14日目を迎えた21日も鎮火に至らず、同県で起きた山火事では記録が残る中で最大の被害となっている▼総務省消防庁が山火事通知の仕組みを改正し、1日から「林野火災注意報・警報」を自治体が出すことができるようになった。地域に即した警戒を促す動きが広がるだろう▼日本は湿潤だから大丈夫という考えは過去のもの。小さな火の不始末が大規模火災につながる現実を直視し、火事を防ぐ行動を徹底したい。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=181024
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首都直下地震/デベロッパー各社の動向/一時滞在施設を整備、帰宅困難者の安全確保

 中央省庁や企業本社が集まる東京の中心部は、災害時に最も多くの帰宅困難者を抱える地域でもある。大地震が発生すれば、大規模なオフィスや商業施設が集積するエリアで、人の滞留と安全確保をどう両立させるかが問われる。政府は2025年12月に首都直下地震の被害想定を更新。まちづくりを担うデベロッパーは、東日本大震災の教訓を生かし、一時滞在施設の整備など、都市の受け止め力を高める取り組みを進めている。
 三井不動産は、災害時にどういう対応が必要か行政と話し合いを続けている。東京駅(千代田区)近くにある大規模複合施設「東京ミッドタウン八重洲」では万が一の事態が発生した時、ロビーなどオープンスペースに約1500人を受け入れる。同じく複合施設の「東京ミッドタウン日比谷」(同)は、災害用備品を保管する備蓄倉庫を備え、約3000人が収容可能な体制を整えている。
 港区を中心にまちづくりを展開している森ビルは、「逃げ込める街」の実現を目指している。新たなグローバルビジネスセンターとして開業した虎ノ門ヒルズのうち、「森タワー」に約3600人、「ビジネスタワー」に約1000人、「ステーションタワー」に約500人、「グラスロック」に約100人分の一時滞在施設を設けている。
 六本木ヒルズには約10万食を保管。災害時に約5000人を受け入れる体制を整えている。麻布台ヒルズは約3600人の受け入れスペースを確保している。
 大手町・丸の内・有楽町(大丸有)地区などで再開発を手掛ける三菱地所は、▽丸の内ビルディング(千代田区)▽新丸の内ビルディング(同)▽大手町フィナンシャルシティグランキューブ(同)-でそれぞれ約1000人の受け入れが可能だ。
 千代田区の丸の内エリアの地下には、複数のビルの空調などで使うエネルギーを供給する洞道が通っている。深さは約30メートルで地震の影響を受けにくい。洞道には電力線、通信線なども収めてあり、災害時もまちの活動を支える。
 東京建物はオフィスビルが立地する自治体と協定を締結し、災害時に帰宅困難者を受け入れる。東京スクエアガーデン(中央区)や大手町タワー(千代田区)、Hareza池袋(ハレザ池袋、豊島区)などが対象だ。分譲マンションを建てる時には地元自治体と連携し避難スペースを設けている。
 首都直下地震の発生が現実味を帯びる中、都市は「働く場」や「集まる場」であると同時に、人を守る器であることが求められている。デベロッパー各社の取り組みは、帰宅困難者対策を個々の建物にとどめず、エリア全体で支え合う都市防災へと発展させる試みだ。官民の連携を深めながら、災害時でも都市機能を維持できるまちづくりが、東京の持続性を左右する。




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愛知県豊田市、新明工業/世界最小級ドローンで管路点検/連携協定に基づき実証実験

 愛知県豊田市は、車両生産設備の設計・製造を手掛ける新明工業(豊田市、近藤恭弘社長)と「ドローン業務支援車両及び世界最小級ドローン等の活用に関する連携協定」を締結したことに伴い、点検ドローンを使った雨水管路点検を14日に市内で実施した。実証実験で得られた点検データは今後、管路包括委託事業者の豊田下水道管理サービスと新明工業で分析。有効性などを確認し市に報告する。
 協定は、ドローンを活用した点検業務などで官民が連携しながら実証実験を行い、有効性や課題を検証する目的で結んだ。
 点検を行った雨水管路は延長約41メートル。幅100センチ、高さ60センチの規模。1958年に整備して以来、一度も内部を点検しておらず、今回が初の点検となった。
 当初は豊田下水道管理サービスがカメラ付き調査ロボットで内部点検を実施する予定だったが、管路内部に土砂などが堆積し走行点検が困難であることが判明。新明工業が保有する世界最小級の点検ドローン(Liberaware社製の国産ドローン「IBIS2」)を活用して実施した。ドローンに搭載したカメラによって、堆積した土砂や鉄筋がむき出しとなった内部の様子が映し出された。
 狭小な雨水管路は、人が入って確認することが難しく、点検作業に時間や労力がかかる。ドローンを活用することで点検作業の安全性確保や効率化の可能性を検証する。協定を機に新明工業は、自治体が抱えるインフラ点検などの課題に対し、民間企業としてどのような提案ができるか、実証実験を通じて確認していく。




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熊本市/新庁舎等整備/必要面積は総延べ7・5万平米、概算工事費885億円に

 熊本市は22日、整備する新たな本庁舎と中央区役所庁舎の必要床面積が総延べ7万5000平方メートル程度になる見通しであると公表した。これに基づく概算工事費は約885億円を見込んでいる。設計費や用地取得費を含めた概算事業費や、合併特例債の活用に伴う市の実質的な負担額などは精査中であり、2月16日開会の市議会定例会に報告する新庁舎整備基本計画の素案で示すとした。
 新庁舎の想定規模や工事費の試算結果は、22日に開かれた市議会の庁舎整備に関する特別委員会で報告した。
 概算工事費は基本構想(2024年8月策定)で示した約421億円と比べ、必要面積や資材価格などの高騰を受け、約2・1倍となった。
 必要面積のうち、本庁舎は延べ5万6000平方メートル程度(執務機能延べ4万9500平方メートル、議会機能延べ6500平方メートル)、中央区役所庁舎は延べ1万9000平方メートル程度と試算。交流共創スペースや共用部の面積を精査した結果、基本構想と比べ、本庁舎は800平方メートル減、中央区役所庁舎は5500平方メートル増となった。
 本庁舎の1~2階は多目的スペースなどの交流・共創機能が中心で隣接するくまもと街なか広場と一体感のある空間構成とする。3~6階は執務機能や災害対策本部機能、7~9階は議会機能を配置。区役所庁舎は1階に交流・共創機能、2~8階は窓口機能を含む執務機能とする。いずれの庁舎も熊本城の眺望を意識し屋上にも交流・共創機能を設けることを検討する。
 当初、区役所庁舎は4階建て程度を想定していたが、税関係の手続きを区役所で一貫して行えるよう関連部署の機能を本庁舎から移すこととしたため規模が増えた。
 新庁舎の整備予定地は本庁舎がNTT西日本所有地(中央区桜町、敷地面積9987平方メートル)、中央区役所庁舎が市役所花畑町別館跡地(花畑町、2749平方メートル)。
 基本計画策定支援業務と基本設計・実施設計業務は日建設計・太宏設計事務所JVが担当。




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安藤ハザマら/遠隔操作・自動掘削ロードヘッダで新型機2種の現場長期試験開始

 安藤ハザマと三井三池製作所(東京都中央区、中村元彦社長)は、山岳トンネルを遠隔操作で自動掘削する「AI-ロードヘッダ」の新型機を共同開発し、現場での長期実証試験を始めた。掘削したずりのダンプトラックへの積み込み、大断面掘削の機能を付加。試験で得た知見を生かしさらに機能を拡充する。生産性を大幅に高める「山岳トンネル統合型掘削管理システム(i-NATM)」の構築につなげる。
 両社は2023年6月にAI-ロードヘッダ「MRH-S200i」を現場実証し、有効性を確認した。実証試験で得た知見を基に、集土・排土機能を付加した「MRH-S200Gi」と、大型化し作業性を高めた「SLB-300Si」の2機種を開発した。
 MRH-S200Giは、機体後方にコンベヤーを装備し、掘削したずりをダンプトラックに直接積み込むことが可能。SLB-300Siは出力を高め、高速道路などで大型化しているトンネルを全断面掘削できる。
 新型2機種は従来機と比べ、自動運転機能と遠隔操作機能が向上した。自動掘削するには、AI-ロードヘッダ自身の位置と掘削対象となる切羽の位置を把握し、切削ブーム先端に設置したドラムの移動経路の生成が必要。新型機は現場で一般的に使用する計測システムを使い、短時間で自己位置の把握が可能になった。
 AI-ロードヘッダの機器情報は遠隔操作室のモニターと掘削アシストシステムを用いて、リアルタイムに確認している。新型機ではトラブル時のポップアップ表示やアラート音などを備え、状況把握がさらに容易となるよう改善した。掘削アシストシステムはLiDAR(ライダー)で取得した周辺データを重ねることができるようになり、AI-ロードヘッダと切羽の詳細な位置関係など、より実態を反映した状況が把握可能だ。
 MRH-S200Giを「大分210号川下トンネル新設工事」(国土交通省九州地方整備局発注)、SLB-300Siは「R5国道246号厚木秦野道路伊勢原第一トンネル工事」(国交省関東地方整備局発注)に導入。新機能を含む作業性確認を目的に長期の実証試験を行う。




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2026年1月22日木曜日

建設産業女性定着支援NW/空ハン協と異業種交流会開く/誰もが働きやすい職場へ

 建設産業女性定着支援ネットワーク(須田久美子幹事長)は15日、空港グランドハンドリング協会(空ハン協)と共催で「女性活躍推進に向けた異業種交流会」を関西国際空港で開いた。建設企業や同協会の会員企業から約40人が参加して互いの業界について学び、誰もが働きやすい職場づくりに向けて意見を交換した。
 両団体は、国土交通省による業種間交流推進の取り組みを通じて2025年から連携を取っている。空ハン協は航空機の誘導、荷物積み降ろし業務や旅客サービス業務などに携わる企業で構成。屋外作業が多い点や、一部業務で男性が多数を占める点が建設業界と共通する。
 交流会では両業界の業務内容紹介などの後、3グループに分かれて空港内の職場見学へ。手荷物をコンテナに積み込む作業や、駐機場内で航空機を定位置に誘導する「マーシャリング」の様子などを見て回った。
 女性活躍推進に向けた取り組み紹介ではANAグループのプロジェクトチームが、身長や腕力の有無を問わず荷物の積み込みなどを円滑に進められるよう、作業手順の資料を作成した事例を発表。土木技術者女性の会の深瀬尚子副会長、女性技能者協会の前中由希恵代表理事、全国低層住宅労務安全協議会じゅうたく小町部会の根本希美副部会長が活動の模様を報告した。
 グループディスカッションでは、夏季・冬季の過酷な労働環境対策や出産後の働き方に関する選択肢拡充、安全の取り組みなどについて活発に意見を交わした。最後に空ハン協理事の大貫哲也CKTS社長が「これまでの慣習や制度を変えるのは苦労を伴うが、現場の声こそが企業・業界変革の力と信じ声を上げていってほしい」と訴えた。




from 行事 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=180971
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回転窓/大寒の守り手、ご安全に

 沖縄県本部町の八重岳で今年も「もとぶ八重岳桜まつり」が17日に始まった。日本で一番早い桜まつりと言われ、48回目を迎えた▼鮮やかなピンクの花が小さな釣り鐘状に咲くカンヒザクラの並木が山頂手前まで伸びる。初日は五分咲きがいくつかあるくらいだったが、気温が20度を超えたこともあり、花をめでた後に麓の新垣ぜんざいの名店で、味の濃い粒あんとシャリシャリのかき氷を食べる人を多く見かけた▼今週は政府が大雪への備えを呼び掛ける事態となった。今冬最強、数十年に一度レベルの寒気が週明けまで居座るという。首相官邸は20日に危機管理センターを設置し、高市早苗首相はSNSで命を守る行動を求めた▼国土交通省は21日に特定災害対策本部会議を開いた。インフラ管理者とともに、除雪やパトロールを担う建設会社も緊急対応や待機を続けていく▼関東なら2月から早咲きの河津桜が見頃を迎える。その前に一年で最も寒い二十四節気の大寒らしい凍えるような日々になるそう。吹雪や凍結、火災による被害が出ないよう願わずにいられない。インフラと地域の守り手の安全も願い、存在に感謝したい。




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国交省/ASP活用範囲を順次拡大/日程調整機能付与、書類提出のデータ化も検討

 国土交通省は建設工事の施工管理や監督・検査に用いる電子データを受発注者間でやりとりする情報共有システム(ASP)の活用範囲を拡大する。現場立ち会いなどの日程調整を効率化する仕組みを2026年度の初めごろまでに運用開始する予定。複数の工事で受注者がそれぞれ異なるASPを利用していても、発注者のスケジュールを共有し日程のすり合わせができるようにする。工事関係書類の様式をデジタル化し、施工管理ソフトなどからデータのまま提出できるような仕組みの検討も26年度に始める。
 国交省は関係団体とつくる「監督支援システム検討会」で、デジタルデータの活用による書類削減や施工管理・監督・検査の効率化への方向性を議論している。検討会には日本建設業連合会(日建連)と建設情報共有システム協会(CISSA)、施工管理ソフトウェア産業協会(J-COMSIA)が参加する。
 受注者ごとに異なるASPや施工管理ソフトを利用していることに起因した監督業務の煩雑さの解消などが主な検討課題となる。まずは比較的簡単なデータのやりとりで済む日程調整に焦点を当てて、複数のASP間で発注者のスケジュールを共有する試行を今月開始した。
 日程情報を自動的に共有できる「監督支援システム」をASPベンダー側で新たに整備。発注者が個別に対応しなくても、同システムを介し受注者間で日程のすり合わせができる。試行結果を踏まえ同システムを改良し、年度明けに運用を始める見通しだ。
 次のステップとして26年度に工程調整のためのデータの一元化を検討する。受注者が異なる施工管理ソフトで作成した複数工事の工程データを、発注者が一括して確認できるようにする。
 工事関係書類の様式のデジタル化は、発注者として必要な確認項目をエクセル形式などのフォーマットで提示し、受注者が施工管理ソフトなどからデータのまま提出できるようにする。PDF化した書類を作成する手間がいらず、提出後のデータの二次利用なども容易になる。直轄工事の仕組みとして構築する予定だが、地方自治体にも同様の仕組みを広げていくことも視野に入れる。書類の提出がデータの提出に取って代われば、発注者ごとに異なる書類の様式に対応する必要がなくなるとみられる。




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日空衛/電設協と共同で国交省住宅局と意見交換/BIM普及で相互理解へ

 日本空調衛生工事業協会(日空衛、藤澤一郎会長)は、日本電設工業協会(電設協、文挾誠一会長)と共同で22日に国土交通省住宅局と初めて意見交換する。▽BIMの普及▽カーボンニュートラル(CN)の推進▽設計精度の向上-3テーマで相互理解を深めたい考え。労働生産性の向上を目指し、建築士法を所管する住宅局と設備工事業界の認識をすり合わせる。
 藤澤会長が21日に東京都内で開いた理事会後の記者会見で明らかにした。日空衛から電設協に呼び掛けたという。藤澤会長は「労働生産性を上げるには、すべての源になる設計図面の精度を高めなければならない。BIMに対し、お互いにどれくらいの認識かを知りたい」と経緯を説明した。BIMを全国に普及させるにはどうするべきか、実務レベルを含め意見交換を続ける必要があるとの見解も示した。
 理事会では、改正建設業法や中小受託取引適正化法(取適法)の施行を踏まえた2026年度事業計画の作成や、働き方改革を進める行動計画の改定などを決めた。「新法に業界としてしっかり対応していく」(藤澤会長)姿勢を確認した。全国会議は、10月21日に大津市のびわ湖大津プリンスホテルで開催する。




from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=180985
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新潟県測量設計業協会/パンフレット「測量設計の仕事」作成/仕事の魅力紹介

 新潟県測量設計業協会は、業界の仕事を紹介するパンフレット『測量設計の仕事』=写真=を新たに作成した。
 同協会は2020年1月に同様のパンフレットを作成している。だが、作成から5年が経過したことから漫画を取り入れて、中高生により分かりやすい内容に刷新した。新潟県土木部の補助金を使って作成した。
 パンフレットには、若手技術者3人が語る仕事の魅力、測量設計の仕事の一日の流れ、最新技術のドローンやレーザースキャナー(LS)を活用した3D測量の様子などを収めた。QRコードが添付してあり、仕事の紹介動画を見ることもできる。
 国家資格の測量士と測量士補の取得を後押しするセミナーや、ドローン写真測量研修会を開催していることも紹介している。
 冊子はA4判8ページ。5000部を作成し、土木出張PRや各種イベントなどを通じて配布する。内容や配布に関する問い合わせは同協会(電話025・267・1110)へ。




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宮城県/仙台赤十字病院・県立がんセンター統合病院基本計画/事業費486億円

 宮城県は「仙台赤十字病院・宮城県県立がんセンター統合新病院基本計画」をまとめた。主機能を有する本棟(7階建て)と核医学機能を配置する別棟(平屋)の2棟構成とし、規模は延べ3万1080平方メートルを見込む。事業費は約486億円。2026年度にも基本設計の発注を公告する予定で、30年度の開院を目指す。
 建設予定地は名取市が無償貸与する植松入生(敷地面積4万7781平方メートル)。全体病床数は400床の計画。内科系や外科系など計35診療科を設ける。統合する両病院の現機能の維持を基本とする。本棟は1~2階に診療室、3階に病棟や手術室、4~6階に病棟、7階にリハビリスペースなどを配置。がん医療は東北大学と補完、連携しつつ、別棟に高度な放射線治療など先進的な治療を行える設備も配備する。
 事業費のうち設計・監理費は12億円、建設工事費は339億円、情報システム整備費は33億円などを想定する。
 仙台赤十字病院が委託した基本計画策定支援業務は、シップヘルスケア(大阪府吹田市)が担当した。
 県はこれまで救急・急性期医療を担う総合病院の空白地を埋めるため、仙台医療圏の4病院再編構想を主導してきた。構想のうち、仙台赤十字病院(389床)と県立がんセンター(383床)の統合は協議を継続していたものの、東北労災病院(仙台市青葉区)と名取市の県立医療センターを富谷市に移転合築する方針を25年5月に断念。富谷市は病院誘致を進め、事業候補者に東北医科薬科大学を選び、計画を進めている。




from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=180987
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KDDIスマートドローンら/LiDARの測距範囲3・8倍、最大点群密度8・3倍に

 KDDIスマートドローンとシステムファイブ(東京都千代田区、小川行洋社長)は15日、ドローンに搭載する新型LiDAR(ライダー)「DJI Zenmuse L3」のデモンストレーションを行った。中国のドローン最大手DJI製で、2025年12月から出荷している。従来のL2に比べ測距範囲は約3・8倍、最大点群密度も約8・3倍の能力がある。
 会場の東京都板橋区のKDDIスマートドローンアカデミー東京板橋校で、従来機から大きく進化した性能を紹介し、デモ飛行なども実施した。操縦者が計測データをリアルタイムで確認できるのも大きな特徴。地形読み取り能力も強化している。1回のレーザー照射で返ってくる複数の反射を読み取るマルチリターンの最大能力を、L2の5回から16回に引き上げた。
 樹木の透過率が高まり、林野部で地表面データがより鮮明に得られる。レーザー発振の密度が上がったため、送電線などワイヤ状の物体も捉えられる。電線に沿って飛行するフォロー機能も搭載する。
 DJIのドローン「Matrice 400」と組み合わせて使用する。大幅な精度の向上で、測量だけでなく構造物の3Dモデル生成や点検にも活用できる。




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2026年1月21日水曜日

回転窓/光と影

 米スポーツ経済メディアが算出した2025年のアスリート副収入番付で、大谷翔平選手が推定1億ドルで1位に輝いた。名実ともにスポーツ界を代表する存在といえよう▼「光が多いところは影も強くなる」。ドイツの小説家ヨハン・ゲーテの言葉にあるように、華やかな世界でスーパースターがまばゆい光を放つ一方、裏側には残酷な現実も広がる。日本プロ野球の12球団では136人が戦力外通告を受け、大半は進路が未定という▼同学年でボートレーサーの友人も、瀬戸際に立っている。キャリア25年のベテランで、引退勧告基準に迫るぎりぎりの勝率で踏みとどまっている。先日、久しぶりに話すと「まだ辞めたくない」と悲壮な声で訴えた▼活況を呈している建設業界。ゼネコンや設備工事会社は、データセンター関連など旺盛な需要を背景に、過去最高の業績を予想する企業も多い▼対照的に帝国データバンクによれば、25年の建設業倒産件数は過去10年で最多となった。物価高騰に価格転嫁が追い付かず、後継者不足などもあり、中小企業でさらに増える可能性があると示唆する。何事も、表面だけでは真実に迫れない。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=180946
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西尾レントオール/和歌山市と災害時協定締結/発電機や冷暖房機器など供給

 西尾レントオールは20日、和歌山市と「災害時におけるレンタル機材の供給に関する協定」を結んだ。市内で大規模な災害が発生した場合、同社は市の要請に基づき停電時の発電機、避難所で使用する冷暖房機器、通信途絶時の非常用通信手段のほか、インフラ復旧のための建設機械など、幅広くレンタル機材を供給する。
 締結式は同日に市役所で行われ、協定書を交わすとともに鶴巻郁夫副市長が西尾レントオールの千切光延南近畿営業部長に災害協定締結事業所(生活物資等の供給)の認定プレートを贈呈した。鶴巻副市長は「南海トラフ地震などに備え避難所整備などを進めているが、まだ十分とは言い切れない。さまざまな資機材を提供していただけることは大変にありがたく心強い」とあいさつ。千切部長は「市と連携・連絡を取り合い、事前の訓練など準備段階からしっかりと協力をさせていただく。発災時に会社を挙げて対応できるよう、力を尽くしていきたい」と述べた。
 同社はこれまで、全国60以上の地方自治体と災害に関する協定などを結んでいるが、和歌山県内では初めて。これまでの各自治体との協議を踏まえた避難所運営に関する提案なども可能で、被災者の多様なニーズに対応できるよう尽力するとしている。




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東北電力、菅原学園ら/電力エンジ科設置へ協定/連携して人財育成体制構築

 東北電力と東北電力ネットワーク、菅原学園の3者は20日、同学園が運営する専門学校デジタルアーツ仙台(仙台市青葉区)への「電力エンジニアリング科」設置に向けた協定を結んだ。2027年4月の創設を目指す。少子化が進む中、3者が連携して電力の安定供給を担う人財を育成し、社会インフラの維持を通じて持続的に地域の安全・安心に貢献する。電力会社が専門学校と協力し学科を新設するのは全国で初めて。
 27年度創設に向けて26年度から学生を募集する。20人程度の定員を予定。専門学校内に教室を設けるとともに、東北電力と東北電力ネットワークの電力設備を活用してフィールドワークを展開する。1年次に電気基礎(第2種電気工事士試験相当)や実習、2年次には電気応用(第1種電気工事試験の一部など)、実習、情報リテラシー系を学ぶ。
 菅原学園は学科の設置・運営と情報リテラシー系や就職対策の授業などを実施する。東北電力と東北電力ネットワークは、電気系の授業に関するカリキュラム作成支援や講師派遣、実習施設の提供を行う。学習を通じて、電気工事や保安の知識・技能を身に付けてもらい、電気工事士などの資格取得につなげる。併せて、東北電力グループが卒業生の受け皿にもなる。
 近年の少子化や人口減少を背景に技術系人財が不足している。将来的に電力設備を含む社会インフラの維持に懸念が高まっている。解決に向けて3者はそれぞれが持つ知見や技術を生かし、電力安定供給のプロフェッショナルを教育する体制を整えるため協定を締結した。
 菅原学園の担当者は「人材不足が叫ばれる中で、今まで興味を持っていなかった層にも電気設備業界を発信する必要があった。われわれが培ってきたさまざまな学びのチャンネルと東北電力グループの技術力を合わせて、即戦力の技術者を輩出したい」と話している。




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東京・千代田区/運動施設の整備推進/年度内にスポーツセンター建て替え基本計画策定

 東京・千代田区がスポーツ施設の整備を推進する。区民の健康で充実した生活を後押し。老朽化している「スポーツセンター」(内神田2)の建て替えで基本計画を年度内に策定する。2032年度の完成を計画している。スポーツイベントの会場に高齢者や障害者専用の観覧席も設置。観戦する側も感動を共有できるスポーツ文化を生み出す。
 千代田区は「第3期千代田区スポーツ振興基本計画」を26年度にスタートする。期間は30年度までの5年。
 計画策定に向けた区民アンケートでは、18歳以上の842人に利用状況を聞いたところ、年間を通して利用した人が多い区立の運動施設は「スポーツセンター」で、24・5%が使っていた。次いで教育活動で使用しない時間帯に施設の一部を開放する「コミュニティースクール」が21・3%だった。
 スポーツセンターの建て替えに向け、区は学識者やスポーツ協会などで構成する「新スポーツセンター基本計画検討会」を設置した。スポーツセンターだけ改築するのか、隣接する東京都千代田合同庁舎と一体的に建て替えるのかなどを含めて検討している。
 25年3月にまとめた「千代田区新スポーツセンター基本構想」によると、都の施設と合同で再整備した場合は延べ約4・8万平方メートルの規模になる見込みだ。
 誰もがスポーツを観戦できる環境を整えるため、専用観覧席の設置を含め高齢者や障害者が利用しやすい観戦支援の仕組みを検討する。加えて、区立施設の管理・運営に力を入れ、区民が快適で安全に使える空間を創り出す。




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鹿島ら/重機の作業内容、自動分類し定量化するAIモデル構築/ドラレコ動画で識別

 鹿島は、AI技術を研究開発するpluszero(東京都世田谷区、森遼太社長兼最高執行責任者〈COO〉)と共同で、バックホウに搭載したドライブレコーダーの動画から、作業内容を自動分類し定量化するAIモデルを構築した。現場社員がバックホウの稼働効率を容易に個別分析。結果を基に土工作業を最大限に効率化する重機配置を計画し、現場の生産性向上につなげる。
 鹿島が施工する「平等処分場建設工事」(富山環境整備発注)でAIモデルを構築した。バックホウに搭載したドライブレコーダーの動画データを取得し、AIモデルに取り込むだけで、各バックホウの作業内容を自動で分類して定量データを生成する。
 作業内容は▽掘削▽積み込み▽敷きならし▽転圧▽のり面整形▽移動▽待機▽その他-の8カテゴリーに分類する。分類の誤りが発生しやすい特定パターンの補正や、現実的に起こらない作業パターンの排除など、熟練技術者の知見をAIモデルに適用し、分類精度を高めた。
 同工事の現場では、最大20台のバックホウが掘削や積み込み、敷きならし、転圧、のり面整形などの作業を行っている。AIモデルにより作業分類した定量データを基に、現場社員が非効率な作業を特定するなど、各バックホウの稼働効率を分析。この結果を活用して重機の必要台数の算出などを行った。
 AIモデルの作業分類と実際の作業内容を突き合わせ、分類精度を検証したところ、待機が97・1%と高い精度で分類できていることを確認。敷きならし、転圧、掘削も、それぞれ約80%の高精度で作業分類できた。
 今後は他の造成工事への導入拡大を目指し、機械学習用の教師データをAIモデルに蓄積。分類精度をさらに高める。




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2026年1月20日火曜日

東京都/地下調節池でインフラツアー開く/子どもたちがプラネタリウム鑑賞

 東京都は17日に杉並区などを通るトンネル式の「神田川・環状七号線地下調節池」で、都民などを対象にインフラツアーを開いた。子どもを含め28人が参加。川から洪水を取り込む同区内の取水施設を見学した後、調節池が埋設している地下約40メートルまで下り、管路内でプラネタリウムを鑑賞した。ツアーは都民に水害を防ぐ地下調節池の役割を知ってもらうため定期的に開催。今年は1~3月に合計12日開く。
 神田川・環状七号線地下調節池は杉並区和泉1~中野区野方5の延長4・5キロ。神田川と善福寺川、妙正寺川の洪水を約54万立方メートルためる。内径は12・5メートルで、管の下に立った場合、天井までは6~8メートルある。1期と2期に分けて建設し、1期は1998年度、2期は2007年度に完成した。
 1期完成後の約30年で合計47回取水した。19年10月に台風19号が上陸した時には49万3500立方メートルの水をため、下流部の水害を防いだ。直近では25年7月に水を取り込んだという。ためた後は2台のポンプを使ってくみ上げ、川に戻している。
 17日のインフラツアーでは、参加者は善福寺川取水施設(杉並区)2階の操作室で職員から監視体制やゲートの操作などに関して説明を受けた。その後敷地内の立坑から地下調節池に移動。マットに寝そべり、管路の上部に投影した星空を鑑賞した。
 都の担当者は「水害を含めて災害が増える中、まちの安全を守っているインフラの存在を知ってもらいたい」とツアーの狙いを話した。




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回転窓/記者の呼吸

 言語化は記者にとって呼吸に等しい。事実を吸い込み、問いを混ぜ、文章として吐き出す。この工程を省いた記事は、整っていても生きていない。必要な能力は語彙(ごい)力でもSNS耐性でもない。疑問を感じて踏みとどまり、考え切る胆力だ▼現場を見渡すと、記者の本質がぼやけて見える場面も増えた気がする。取材メモを手際よく並べ、AIで文章を整え、「それなり」の原稿を短時間で仕上げるのが今風かもしれない。速く、整ってはいる。だが、行間に立ち止まる場所がない▼違和感を嗅ぎ取る鼻を、知らず知らずのうちに自分で鈍らせてはいないか。仕事に対する姿勢は、要領の良さではなく粘りに出る。AIは迷わない。だから便利で、だから危うい。迷い、立ち止まり、問い直すのは人間の仕事だ▼「書くとは血を流すことだ」(ヘミングウェイ)。血を流さずに書ける時代になったが、安易な選択をした瞬間、記者は文章生成オペレーターに近づいてしまう▼肩書は会社がくれるが、記者であるかどうかは自分で守るものだ。楽な道はいくつもある。だが、考え切ることを手放した時、文章は人間を離れる。




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商習慣を変える3-標準労務費始動・2/「これだけ必要」根拠明確に

 ◇見積もり交渉、原価把握の必要性増す
 「労務費に関する基準(標準労務費)」は、技能者の賃金原資となる労務費を確保しようとする建設会社にとって、価格交渉の武器となる。標準労務費の考え方や工種・作業別の「基準値」を参照しながら、労務費を内訳明示した見積書を作成し、必要額を確保する。ただ、扱い方には注意が必要のようだ。日本型枠工事業協会(日本型枠)の後町廣幸専務理事は「喜んでばかりはいられない。標準労務費は“もろ刃の剣”だ」と指摘する。
 改正建設業法で標準労務費を著しく下回る額の見積もりや値切りは禁止となる。労務費の水準はある程度固定化され、下請や末端の技能者までそのまま行き渡らせなければならない。これが何を意味するか。昔のように丼勘定で見積もって契約し、残った分でもうけを出すやり方は通用しなくなる。やり方を変えずに契約した結果、労務費以外の部分に、もうけはおろか、会社の経費も残らなかったら、後の祭りだ。
   □  □
 後町氏はこうした懸念を踏まえ、「適正な請負金額はいくらなのかを透明化しなければならない」と主張する。型枠工事で言えば、躯体種別や部位別の歩掛かり、材料費、運搬費などを自社で把握する。工事原価を正確に算出し、元請などに「どうしてもこれだけは必要だ」と説明できるだけの明確な根拠をそろえる。その段階で、ようやく価格交渉に入る準備が整う。
 まずは改正業法に沿って標準労務費に基づく見積書を作成し、元請などに提示する。これを起点に、交渉の経緯を記録に残す。費用内訳ごとの原価が把握できていれば、見積もり内容の都度の精査に役立ち、「さまざまなところに競争力を生み出す余地が出てくる」。
 図面を見て建物形状が複雑でなければ歩掛かりを良くでき、型枠材の転用が効くようなら材料費を抑えられる。施工上の工夫や無駄削減の効果を正確に反映し、提案することが可能になる。労務費が減額された場合などの経緯を、国土交通省の建設Gメンが円滑に確認することにもつながる。
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 日本型枠が2018年から運用する見積書作成のウェブシステムは、必要なデータを打ち込めば見積額を自動算出でき、労務費内訳などを記載した見積書作成の省力化に寄与する。法施行を前にアクセス数は飛躍的に伸びているという。システムを用いて標準労務費をベースに工事原価を計算し、その上で自社として必要な経費や、適正な利益をしっかり確保する。こうした正攻法を貫き、「働いている職人さんの賃金に還元しよう。そうしなければ会社を続けられないのだから」と後町氏は呼び掛ける。
 建設工事の1次下請は元請に対し受注者でありながら、2次以降の下請を抱える場合は発注者にもなる両義的な立場にある。標準労務費の運用を契機に、詳細な歩掛かりなどの積算根拠を持たない2次下請などをサポートする1次下請も出てきている。労務費や経費の内訳を明らかにして末端から積み上げるからこそ、元請などに提示する見積書に正当性が生まれる。自らの商習慣を先んじて変える積極的な動きが、業界全体の変革をけん引する。




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長崎県佐世保市/博物館美術センター再整備/26年度に方向性検討

 長崎県佐世保市は博物館島瀬美術センター(島瀬町)について、再整備に向けた検討を本格化する。現施設が築40年を超えたことを受け、長寿命化改修のほか、PPP/PFIなど民間活力導入による建て替えも視野に入れる。2026年度は全国の美術館整備に関する先進事例を基に、庁内で地域の実情や市の財政状況に見合った整備の方向性を検証。これを踏まえ、27年度以降に基本構想の策定に着手する考え。
 現在の美術センターは1983年に開館し、規模はS一部SRC造地下1階地上7階建て延べ3264平方メートル。1階には展覧会やミュージアムコンサートが開催可能なフリースペースがあり、2~4階が文化・芸術に関する展示室、5階が原始・古代の佐世保を紹介する考古展示室、6階以上が収蔵庫、倉庫となっている。
 美術センターの老朽化対応が迫られていることを受け、25年度に再整備に向けた基礎調査業務を丹青研究所に委託。他都市の先進事例としてPPP/PFIの導入事例や、美術館が地域にもたらす経済波及効果に関する定性的・定量的なデータの整理などを行った。
 市は地方都市での美術館という実情から、再整備に当たっては集客力を確保するため、図書館、レストランなどあらゆる機能を集約させた複合施設とすることも視野に入れる。財政面ではPPP/PFI導入も検討するが、物価高の影響を踏まえて民間事業者の参入が見込めるかも検討課題としている。




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2026年1月19日月曜日

宮城県利府町/町営住宅PFI起工/施工は橋本店JV、29年の完成予定

 宮城県利府町がBT(建設・移管)方式のPFIで実施する「町営住宅建替事業」が起工した。事業者のの橋本店(仙台市青葉区)を代表とするグループは16日、現地で安全祈願祭を執り行った。同グループは大成ユーレック(東京都港区)、昴設計(仙台市青葉区)、アート引越センター仙台支店で構成。設計は共同住宅が大成ユーレック、集会所が橋本店、建築施工は橋本店・大成ユーレックJV、工事監理は昴設計が行う。2029年6月の事業完了後、施設を町に引き渡す。県内で町営住宅の整備にPFIを導入するのは初めて。
 神事では大成ユーレックの水谷昇平設計部長が鎌入れ、熊谷大利府町長が鍬入れ、橋本店の武田文孝社長が鋤入れし、工事の無事完成を祈願した。
 式典後、熊谷町長は「培ってきた豊富な経験で理想の住まいを形成してほしい」と期待を込めた。事業グループを代表し橋本店の武田社長は「安全管理を最優先に、関係者が一丸となって工事に全力で取り組む」と決意を示した。
 工事場所は利府八幡崎69の2など(敷地面積5810平方メートル)。町営住宅(PC造5階建て延べ)3棟と集会所(W造平屋274平方メートル)を整備する。1期工事(工期27年2月まで)で1号棟(延べ1391平方メートル、30戸)を建設。引き続き、現町営住宅の解体と造成工事(施工・橋本店)を進め、2期工事(27年10月~29年3月まで)で2号棟(延1398平方メートル、25戸)や3号棟(延べ1400平方メートル、30戸)、集会所を建てる。
 高橋真生現場所長(橋本店)の話
 「近隣住民など第三者災害に細心の注意を払う。配管ルート検討などにBIMの3Dモデルを活用する」。




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凜/西日本高速道路エンジニアリング四国技術本部技術部統計分析課長・山下民岐子さん

 ◇事務系でも技術開発できる(やましたみきこ)
 2017年に縁があり西日本高速道路四国支社に派遣され、保全サービス統括課で各事務所のデータ集計を任された。大学卒業後にシステムエンジニアとして10年のキャリアを積んだ経験からより効率的な集計システムを提案した。その成果が評価され、上司の勧めもあって18年8月に今の会社の門をたたいた。
 技術本部技術部に配属され、技術論文の英訳を担当。その傍ら点検データを一元管理するシステムの情報から橋梁カルテを自動作成するソフトを制作した。この取り組みが社内の業務改善改革発表会で最優秀賞に輝き、その後もほぼ毎年入賞を続け、西日本高速道路全社でもたびたび表彰された。
 コーポレート部門を経て、技術本部に戻ってからはコンクリート構造物の昼夜点検可能な赤外線調査システムの開発メンバーに加わり、安価なカメラで精度を維持できるアルゴリズムの考案に携わった。受注開始を間近に控え「建築物でも応用できる」と汎用性を強調。システムのドローン搭載に意欲を見せる。
 創業以来初の女性課長だが気負いはない。「女性だから、男性だからという意識はない。自分は事務系で採用されたが技術開発に携わり現場へ出向いている」「集中して取り組みたいものが見つかると成長につながる。そうしたチャレンジができる会社だ」とも。座右の銘は「継続は力なり」。休みの日は昭和レトロな喫茶店巡りでリフレッシュする。
 (やました・みきこ)




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高砂熱学工業、チームラボ/パートナーシップを構築/環境技術とアートを融合

 高砂熱学工業とデジタルアートを手掛けるチームラボ(東京都千代田区、猪子寿之代表取締役)が連携する。高砂熱学工業が「環境クリエイターパートナー」となり、チームラボの作品展示などに高度な空調・環境制御やシミュレーションの技術を提供。快適と感動を両立した体験価値の創出を目指す。初弾として、京都市南区の常設アートミュージアム「チームラボ バイオヴォルテックス京都」に協賛。アート作品の一部で技術支援を手掛けた。
 チームラボは、バイオヴォルテックス京都で「環境が現象を生み、その現象が存在を創る」という「環境現象」をコンセプトに作品群を展示している。高砂熱学は展示作品「変容する連続体」の空間づくりをサポート。空気や熱の流れを精緻に制御する技術などを提供し、作品価値の向上に貢献した。
 京都市内で15日開いた調印式で、高砂熱学工業の小島和人社長は「建物環境に限らず自然や文化、人の心、健康まで含めた課題解決に挑む存在が環境クリエイターだ」と強調。アート分野とのコラボレーションについて「コア技術の向上にもつながる。こんなにワクワクするチャレンジはない」と今後に期待した。
 猪子代表取締役は「作品と環境は切り離せない関係にあり、高度な設計や制御、新たな環境の創造が重要になる。高砂熱学工業の技術支援により、さらなる発展を期待している」と語った。




from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=180882
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東京・豊島区/池袋駅東西高架デッキ整備/26年度に北側線路上部概略設計着手

 東京・豊島区は池袋駅の東西をつなぐ高架デッキの整備検討を加速させる。南北で計画するデッキのうち、北側線路上部の概略設計に2026年度着手する。駅の東西移動は地下通路が主なルート。利用動線の交錯や慢性的な混雑が長年の課題だ。高架デッキの整備で課題解消と東西回遊の強化につなげる。整備完了は40年代を計画している。
 計画するデッキは区が主体で整備する。過去にも駅東西の歩行者環境改善に向けて、区議会などで議論があった。1990年代には地域主体の協議会などが立ち上がったが、関係者の合意に至らず進展しなかった。ただ、その後も都議会への請願や区による整備構想策定など、環境改善に向けた動きがあった。15年には駅周辺が特定都市再生緊急整備地域に指定され、駅東西のまちづくりがさらに活発になっている。
 デッキ整備では西口で進む再開発事業の「池袋駅西口地区」「池袋駅直上西地区」との連携も見据える。現状では「駅とまちをつなぐ空間を再開発建物内部」に設ける想定だ。区は東側でも地権者との協議を始めている。東側デッキ接続部の位置や規模は検討中。
 区は「駅東西地域の一体化」をデッキ整備の効果に掲げ、池袋全体の魅力向上につなげる考えだ。




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PC建協/25年度受注は3000億円台前半見通し/一定事業量は今後も確保

 プレストレスト・コンクリート建設業協会(PC建協、堤忠彦会長)は15日、2025年度の会員企業によるPC関連工事受注額が3000億円台前半になる見通しを明らかにした。2年連続で4000億円を下回り、4年連続の減少となった。堤会長は「国土強靱化やネットワーク整備など今後予想される需要も多い。一定の事業量は今後も確保できる」との見方を示した。
 鉄道会社からの受注は微増となる一方、中央官庁は微減、地方自治体や高速道路会社は大幅な減少を予測する。他の分野は、民間建築構造物のプレキャスト・プレストレストコンクリート(PCaPC)採用で大幅な増加が見込まれる。工事種別では新設が大幅に減少し、補修や補強は増加する見通しだ。防衛施設などのPCaPC建築構造物が一部で予定されているが、受注が来期にずれ込む可能性がある。その場合は今期受注予測に大きな影響があるという。
 上期(25年4~9月)の受注実績は前年同期と比べ11%増の1920億円だった。発注者別に見ると▽中央官庁310億円(前年同期比10%減)▽地方自治体283億円(7%増)▽高速道路会社929億円(5%減)▽鉄道会社154億円(45%増)▽その他244億円(713%増)。工事種別で見ると、新設が1003億円(6%減)、補修・補強が917億円(39%増)となった。




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五洋建設、ライト工業/AIで曲がり削孔支援/熟練技術をデジタル継承

 五洋建設とライト工業は、既設構造物直下の液状化対策工事で、曲がり削孔機のAIガイダンスシステムを開発した。従来は熟練オペレーターが担ってきた難易度の高い曲がり削孔施工を高度化・省力化する。新システムの導入で削孔精度が約55%高まり、作業時間は約20%減らせた。経験の浅いオペレーターでもベテランと同等の施工が可能になる。
 新システムは、滑走路や建築物など既設構造物直下の液状化対策を推進する「曲がり削孔式浸透固化処理工法」に対応する。高度な技能が必要とされる設計ラインに沿った曲がり削孔を、効率的に行える。
 システムは2段階の解析プログラムで構成する。第1段階の「リアルタイム現在位置推定プログラム」では、AIのディープラーニングを活用。位置データとオペレーターの操作データから、削孔位置をリアルタイムに推定する。これまでに蓄積した2000メートル以上の削孔データを学習し、高い推定精度を実現した。
 第2段階の「最適操作量算定プログラム」では、現在位置から見た設計ラインとのずれ量やオペレーターの操作データを基に、設計ラインへ近づける最適な操作量を出力する。第1、2段階の解析プログラムを繰り返し実施することで、削孔全長にわたり連続してガイダンスする。
 実証実験では、経験の浅いオペレーターが32メートルの曲線削孔を行い、効果を検証した。ガイダンスシステムがない場合は、ずれの許容限界ラインに接近したが、ガイダンスを用いることで最大ずれ量を約55%低減した。さらに、最適な操作量を即時に提示することでオペレーターの判断時間を短縮し、削孔作業時間も約20%削減した。
 五洋建設が開発した3D可視化ツール「Gi-CIM」と連携すれば、遠隔地からでも削孔の進捗状況を即時に確認できる。出来形確認の利便性は大幅に向上する。
 今後も削孔データの収集とAI学習を継続し、ガイダンスの基盤となる位置推定精度のさらなる向上を目指す。熟練技能者の減少に対し、「技術のデジタル継承」で対応していく。




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2026年1月16日金曜日

大建協/高校生招き第一次大極殿院東楼復原整備現場で見学会

 ◇伝統建築現場で匠の技術体感
 大阪建設業協会(大建協)は2025年12月19日、近畿地方整備局が奈良市の平城宮跡歴史公園内で進めている「第一次大極殿院東楼復原整備工事」(施工=竹中工務店)現場で、高校生対象の見学会を開いた=写真。大阪府立布施工科高校建築システム専科・設備システム専科の2年生26人が参加し、匠(たくみ)の技が詰まった伝統建築の素晴らしさを肌で感じた。
 東楼は西楼とともに、第一次大極殿院の南正面、大極門(22年復原完了)を挟んで東西対称の位置にあったとされ、奈良時代の730年前後に築地回廊の一部を解体して増築されたと考えられている。発掘調査で確認された遺構を保護しながら、W造2階建て延べ525平方メートルの規模でよみがえらせる工事だ。22年4月に着工し、巨大な素屋根を構築して進めてきた復原工事は終盤を迎え、3月の完成に向け外構工事などを実施している。工事費は約52億円。
 生徒たちは現場事務所で竹中工務店の担当者から現場監督の仕事の流れや復原整備工事の概要・全体工程などの説明を受けた。現場を指揮する藤原勇作業所長は「単なる建設現場ではなく、伝統建築の技術を受け継ぎ、さらに磨きをかけていく匠の誇りの現場だ。その技術を見て、触れていただき伝統建築の職場や仕事に興味を持ってもらえるとうれしい」と話した。
 この後、現場へ移動し工事のポイントなどの説明を受けながら完成間近の東楼を見学した。質疑応答では生徒から「工事で一番苦労したことや留意したことは何ですか」「休暇はしっかり取得できますか」などの質問が出た。最後に生徒代表が「授業では学べない施工管理に携わる方々の仕事内容や苦労を知ることができた。見学会で学んだことを将来に生かしたい」と感謝の言葉を述べた。




from 行事 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=180823
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回転窓/一人一人の行動変容を

 長期休暇で自治体のごみ収集が休みになると、自宅にたまるごみの量に改めて気付かされる。収集再開の初日、積み上がったごみ袋を手際よく片付けていく収集作業員の姿を見て、頭が下がる思いがした▼区や市町村などが行うごみの収集は、自治体で有料か無料かに分かれている。1月時点で、家庭ごみが有料の自治体は全国で約65%に上るという▼都内では、多摩地域のほとんどの市町村と大島町などの島しょ部で有料だが、23区と一部の村や島は無料となっている。9日に開いた会見で小池百合子知事は、多摩地域で有料化した結果、ごみの発生抑制に大きな効果があったとし、無料の23区に有料化への取り組みを促していきたい考えを示した▼最終処分場の埋め立てスペースには限りがあり、各処分場は膨大なごみで次々と満杯になっている。23区の場合、江東区青海沖の東京湾上に広がる中央防波堤新海面処分場が、現時点で最後のとりでとなる▼貴重な埋立処分場を一日でも長く使うには、さらなる減量と減容が必要だ。資源の再使用やリサイクルに取り組むことも欠かせない。一人一人の行動変容が求められている。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=180801
via 日刊建設工業新聞

ひと/東京デフリンピック・デフバレーで金メダルを獲得、清水建設・中田美緒さん

 ◇次世代のロールモデルに 
 2025年11月に日本で初開催された聴覚障害者スポーツの祭典、デフリンピック東京大会に出場。デフバレーボール女子日本代表のセッターとして、2大会ぶりの金メダル獲得に貢献した。
 会場は連日満員だった。駆けつけた同僚や学生時代の友人、恩師らの熱い声援を力に変え、プレッシャーをはねのけた。「大好きなバレーで結果を残し、お世話になっている皆さんに一つ恩返しができてよかった」と喜びをかみしめる。
 現在は清水建設の社員として、フルタイムで海外駐在員を支える庶務業務に励んでいる。当面はバレーの練習を休み、心身をリフレッシュする。充電期間中にさまざまな経験を積み、新たに挑戦したいことを探す。
 デフバレーの普及活動はもちろん、他競技への挑戦にも興味を示す。バイタリティーは旺盛で、「これからもいろいろなことを学び、聴覚障害の子どもたちのロールモデルになりたい」と話し、視線をさらに先へ向ける。
 (なかた・みお)2023年東海大学体育学部卒、清水建設入社。グローバル事業本部総務部庶務グループで勤務する。デフバレー選手としては、17年デフリンピックトルコ大会金メダル、24年デフバレー世界選手権沖縄大会金メダル・ベストセッター賞など獲得。神奈川県出身、24歳。




from 人事・動静 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=180813
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大林組/新たなウェルビーイング体験提供/スタートアップ3社と協業

 大林組はスタートアップ3社と協業し、オフィスワーカーに新たなウェルビーイング体験を提供する。同社が運営するマッチングサービス「みんまちSHOP」の機能を拡充。都市部で働く人とビル内の遊休スペースを持つ施設所有者らを仲介し、新たなコミュニティー形成やポイントインセンティブによる脱炭素行動などを促す。2月に実証実験を開始する。
 法人向けAIエージェントプラットフォームを提供するBLUEISH(東京都港区、為藤アキラ代表取締役)、カーボンクレジット連動ポイントサービスなど手掛けるaora(東京都渋谷区、堀井紳吾代表取締役兼最高経営責任者〈CEO〉)、デジタルデータに価値と所有権を付与するNFT(非代替性トークン)を活用したサービスを提供するSBINFT(東京都港区、近藤智彦代表取締役)と協業する。
 実証実験は、一般社団法人の関西イノベーションセンター(大阪市中央区、早乙女実理事長)が主催する「MUIC課題解決プログラム」の一環として展開。2月に大阪市の中之島・淀屋橋エリアで行われる。
 大林組は、実証実験で得られたみんまちSHOPユーザーの行動やAIとのコミュニケーションデータを活用。オフィスワーカーらのインサイト分析に役立てる。施設所有者やサービス事業者とともにデータをまちづくりに生かし、エリアのウェルビーイング向上につながる新たな価値や体験を創出する。




from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=180805
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環境省/エコ・ファースト認定/橋本店、前田道路など9社

 環境省は14日、環境保全の取り組みが優れている「エコ・ファースト」の企業の認定式を省内で開いた。橋本店、古河電気工業、前田道路、ミサワホーム、加山興業、日比谷花壇など新たに9社を認定し、各社が石原宏高環境相に環境保全の方針などを伝え、活動に力を入れることを約束した。石原環境相は「各業界をリードする環境先進企業として環境経営をけん引してほしい」と求めた。認定企業は100社を超えた。
 環境保全の取り組みを約束した企業を環境先進企業として認定するエコ・ファースト制度の一環。2008年度に開始し、認定企業は計102社となった。認定企業は専用マークを宣伝などで利用できる。環境省は支援のために認定企業と意見交換を行っている。
 認定式で橋本店の武田文孝社長は「地場の建設業として地域の社会資本を支える立場から環境配慮を経営の中核に据える。施工段階の二酸化炭素(CO2)排出削減、資源循環の推進、ICT・DX活用による生産性向上と環境負荷低減、地域の自然環境や生物多様性に配慮した工事に取り組む。技術者、技能者が誇りを持って働ける環境づくりを通じて持続可能な地域づくりに貢献する」と述べた。
 古河電気工業の宮本聡代表取締役は「グループは地球環境保全を経営の重要な課題と認識し、脱炭素、資源循環、自然共生を3本柱に真摯(しんし)に取り組んでいる。50年までにバリューチェーン全体の温室効果ガス排出ネットゼロの実現、30年までに水などの使用量の着実な削減、生態系への影響の最小化に取り組み、持続可能な未来の実現に全力を尽くす」と話した。
 前田道路の今泉保彦社長は「道を造る会社であって、道路を施工し、必要な材料を製造している。全国の工場で、日本のアスファルトの合材の二十数%の製造を担っている。製造時に大変多くのCO2を排出しており、削減に努めている。サプライチェーン全体のCO2削減、50年カーボンニュートラル、低炭素製品の普及促進を掲げている。高いレベルの取り組みによって人と環境に優しい道づくりにまい進したい」と約束を説明した。
 ミサワホームの桜沢雅樹常務執行役員は「新築、ストック、まちづくりなどの5事業を展開する中で、脱炭素社会、循環型社会、自然共生社会の構築を目指したい。ハウスメーカーとして良好な住環境を形成し、持続可能な社会を実現していきたい。工場、サプライヤーと打ち合わせ、社会をより良くしていく」と抱負を述べた。
 報告を受け、石原環境相は「メンバーになったことが企業価値の向上、宣伝につながり、業績が伸びたらいい」と期待を示した。上田康治事務次官は「政権は不安な未来を希望に変えるのを理念に経済対策を打っている。希望となって先頭を走ってほしい」と求めた。その上で「どうサポートできるか意見交換している。しっかり支えたい」と話した。




from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=180808
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2026年1月15日木曜日

東京・日の出町/周年記念のマンホールカード、1月17日から配布/民俗芸能デザイン

 東京都日の出町が合併70周年と町制施行50周年、下水道事業着手40周年を記念し、17日からマンホールカードを配布する=写真(報道発表資料から)。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産にもなった民俗芸能「鳳凰の舞」や市のイメージキャラクター「ひのでちゃん」、記念ロゴマークで地域の魅力を伝える。
 鳳凰の舞は旧日の出町の下平井地域に伝わる雨乞いや悪疫退散を願う民俗芸能。毎年9月に地元の春日神社で踊られている。2006年、ユネスコ文化遺産に登録された。
 17日はイオンモール日の出と「生涯青春の湯・ひので三ツ沢つるつる温泉センター」、23日以降は日の出町役場でも配布する。手渡しで限定2万枚。同じデザインのマンホールふたは、役場入り口付近と下平井会館前にある。年内に計7カ所で設置予定だ。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=180775
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大阪府/技能五輪金メダリストが知事を表敬訪問/安立龍矢選手が国際大会へ決意

 第63回技能五輪全国大会で金メダルを獲得した大阪府選手団の金メダリスト4人が13日、大阪府庁を訪れ、吉村洋文知事を表敬訪問した。建設関連職種では電工職種で優勝したきんでんの安立龍矢選手が出席し、競技内容や国際大会に懸ける思いを語った。
 冒頭、吉村知事は「全国一という結果は本当に素晴らしい」と祝意を述べ、「大阪は技術の町。多くの技術者に支えられて社会が成り立っている。感謝の気持ちを忘れず、これからも力を発揮してほしい」と激励した。その後は選手が一人ずつ自己紹介し、競技の特徴や準備の過程、今後の目標などで知事とやり取りを交わした。
 安立選手は配線や結線、配管など建物の電気設備を総合的に施工する競技内容を説明。「限られた時間の中でも正確さと仕上がりの美しさを意識した」と話した。配管の水平・垂直をそろえる点や、外観の整った仕上がりが評価につながったという。
 国際大会への挑戦については「電工職種は22歳までが出場条件。今21歳で、今回がラストチャンスだった」と明かし、「ここまでやってきたことを信じて、悔いのない挑戦をしたい」と意気込みを見せた。
 吉村知事は「府庁舎は古い施設だけど電気工事はできますか」と笑いを交えて問いかけ、会場は和やかな雰囲気に包まれた。
 このほか精密機器組み立ての岡孝陽選手、美容の森千津選手、ワード・プロセッサの武村俊明選手(第45回全国障害者技能競技大会)が出席した。




from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=180783
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三機工業/26年版カレンダーが全国展で銀賞/自然の循環と生命の普遍性を表現

 三機工業の2026年版カレンダーが、第77回全国カレンダー展(日本印刷産業連合会ら主催)第1部門で銀賞を受賞した。作品は、さかいはるかさんの「生命の息づかい(いのちのいきづかい)」。「自然の循環と生命の普遍性」をテーマに、小さな泡が弾けて生命が生まれ、形を変えながら静かに消えていく様子を描く。自然のミクロと宇宙のマクロが重なるイメージを色鉛筆の柔らかいタッチで表現した。
 ポスターカレンダーの制作は23回目。三機工業は25年に創立100周年記念で若手アーティスト向けアワードを創設し、グランプリに輝いたさかいさんの作品を採用した。
 同展は一般企業らが制作するカレンダーから印刷技術やデザインに優れた作品を選ぶ。第1部門は主にBtoB企業を対象とし、今回の応募総数は351点だった。




from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=180771
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東京・千代田区/九段生涯学習館基本構想素案/談話スペースで交流機能強化

 九段下交差点付近での再開発に伴い、「九段生涯学習館」を更新する予定の東京・千代田区は、新学習館に談話や飲食ができるスペースを新設し、交流機能を強化する。運動や音楽活動で使う部屋の数と、各部屋の面積は増やす方向で検討する。
 千代田区は「(仮称)新九段生涯学習館基本構想」の素案をまとめた。一般からの意見を19日まで募った後、必要な修正を加え、2025年度に正式決定する。基本構想での考え方に基づき、26年度に基本計画を策定する。
 再開発エリアは九段南1(敷地面積約0・6ヘクタール)。九段南一丁目地区市街地再開発組合が高さ約170メートル、延べ8・1万平方メートル規模のビル建設を計画している。28年度の着工を目指している。
 談話や飲食ができるスペースは展示機能と一体的に整備し、状況に応じて広さを調整する。運動や音楽活動で使う部屋は広さの異なる複数の部屋を用意する。会議室は利用実態を踏まえて数や規模を整理。可動間仕切りを使い、人数に応じて広さを変えられる仕様にする。
 美術や工芸などの活動スペースは縮小する一方、電気炉を置く準備室は拡充する。陶芸専用の部屋は、さまざまな創作活動で利用できる部屋に転換し利用率の向上を図る。
 既存の九段生涯学習館の規模はSRC造地下1階地上9階建て塔屋1階延べ3712平方メートル(生涯学習館延べ2817平方メートル、区営九段住宅延べ895平方メートル)。集会室や学習室、レクリエーションホールなどで構成している。1980年に完成した。
 再開発組合が新たなビルを建設している間は代替施設を検討する。




from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=180769
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大成建設/浮体式仮締切の喫水自動管理/姿勢、沈降・浮上を遠隔で

 大成建設は、水上工事に用いる「浮体式仮締切」の喫水を遠隔で自動管理するシステムを開発した。喫水とバラスト水位の変化を即時に自動計測し、電磁弁の開閉で水位を自動制御する。浮体式仮締切体に複数のレベル計を取り付け、遠隔からの自動制御を実現。岡山市南区で施工する「児島湾締切堤防排水樋門改修工事」(発注者・農林水産省中国四国農政局岡山南土地改良建設事業所)で実証し、有効性を確認した。
 新システムは、「T-Float Controller(仮締切)」として開発した。浮体式仮締切の施工で重要な鋼製函体(箱枠)の姿勢や沈降・浮上状況をリアルタイムで計測・制御する。
 あらかじめ設定した目標喫水に合わせ、電磁弁でバラスト水を自動注排水する。箱枠の稼働中姿勢を常時監視し、1次管理基準値内に収まるよう自動補正。レベル計の計測値に基づく自動制御に加え、2次管理基準値を超える傾きが検知された場合には自動で緊急停止する。
 従来の時間推定に依存せず、計測データと画像に基づく可視化で一元管理して姿勢制御の精度を向上。箱枠の姿勢・沈降・浮上を一元管理することによって、浅水域での座礁や空頭制限がある狭い空間での近接物接触リスクを低減する。潜水作業の削減にも寄与し、作業効率と安全性を大幅に向上する。
 新システムを使うことで、浮体式仮締切の設置に要する作業時間が従来の方法に比べ約1割削減できる。同社は、堰や水門、橋梁下部工などの工事にシステムを積極適用していく。




from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=180778
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2026年1月14日水曜日

日鳶連/伝統の「木遣り」安全願い披露/技術向上や安全管理に努力

 日本鳶工業連合会(日鳶連、岡本啓志会長)が13日、東京・霞が関の国土交通省を新年のあいさつで訪れ、金子恭之国交相や佐々木紀副大臣らを前に、伝統の労働歌「木遣(や)り」を披露した=写真。
 木遣りは掛け声を合わせ、建築用の重い木材を大勢で運ぶ時に歌われてきた。岡本会長や栗栖龍男専務理事ら木遣り師5人が、張りのある伸びやかな声で江戸木遣りの一節を歌い上げた。
 岡本会長は「とび職人は現場の華であると同時に、安全の要でもある。伝統を守りつつ、時代に即した技術の向上、安全管理に努力していく」と新年の決意を述べた。
 返礼した金子国交相は「木遣りの伝統をしっかりと守っていただいていることに心から敬意を表したい。これからも現場で匠(たくみ)の技を生かし、安全な施工に尽力をいただきたい」と話した。




from 行事 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=180745
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回転窓/旅先で感じた違和感

 年末に家族を連れ、ある地方都市を旅行した。一つでも多くの名所や神社仏閣を巡るため、路線バスではなく、発着時間が読みやすい鉄道を選んだ。揺れの心地よさが眠りを誘い、目的地の最寄り駅を通り過ぎてしまうのも旅の思い出だ▼駅構内を歩くと普段利用している駅よりも照明の数が少なく、薄暗い印象を覚えた。別の見方をすれば、東京や大阪のような大都市の駅が明る過ぎるのだろう▼東日本大震災の影響で福島第1原発が機能不全に陥った15年前。首都圏で電力不足が予想され、計画停電が実施された。震災前は当たり前だった電気の使用が制限され、生活にも影響した。心の中で被災地の早期復興を願った▼東京電力ホールディングスは震災以来、停止していた柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市)を20日に再稼働する予定。エネルギーの安定供給に期待が集まる▼資源の乏しい日本では火力発電や原発、再生可能エネルギーを有効活用しながら経済や社会を回してきた。寒さが身に染みるこの時期。凍える手をストーブで温めるたび、そのありがたみを感じる。電気を無駄にしないため、この先も節電を心掛けたい。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=180754
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政府/PPP・PFI事業、順調に案件具体化/観光庁はプラットフォーム機能充実検討

 PPP/PFIを巡る政府の事業件数目標で、関係省庁の取り組みが順調に進展している。内閣府によると、重点14分野で2022~31年度に650件の達成を目指す中で、25年度までの事業件数が294件に達する見込みとなった。各省庁は観光をはじめ所管分野の案件形成や地方自治体の支援を一段と強化する方針。政府は新設したタスクフォース(TF)で目標や事業リスクの検討を進めていく。
 重点14分野のうち、大学施設、文化・社会教育施設、スポーツ施設、道路、公営住宅は目標に達する進捗率が25年度で50%を超え、大学施設と道路は80%以上になる見通し。大学施設は文部科学省が導入可能性調査や施設整備を予算で側面支援。文科省は「24年度までは順調に推移」としている。ただ建築コストや金利の上昇から事業者選定手続きで不調・不落が発生し、直近は伸び率が鈍化している。
 道路は、交通ターミナルなどを含む全体での目標設定になっていることもあって、具体化した事業が多い。長距離バス交通の拠点でもあるバスタは品川、新潟、近鉄四日市、神戸三宮、呉、札幌で事業が具体化し、事業者を特定した箇所もある。国土交通省と地元自治体で整備に取り組んでいる下関北九州道路のように、エリア単位でPFIの活用を視野に検討が進んでいる事業もある。
 各省庁は引き続きPPP/PFIの具体化を進める。観光関係は、14分野のMICE(国際的なイベント)施設の取り組みとして、観光庁が「PFI(コンセッション方式)推進プラットフォーム」の機能を充実させる。自治体による市場調査の相手先にもなるサウンディングパートナー企業の拡充を検討する。MICE施設の運営は指定管理者制度の導入が一般的ながら、コンセッション(公共施設等運営権)方式との比較や利点の整理にも取り組む。
 国交省は、14分野のクルーズ船向け旅客ターミナルに関し、港湾緑地などで民間事業者が得た施設収益を緑地のリニューアルなどに還元する「みなと緑地PPP」と、官民が連携した同旅客ターミナルの整備を組み合わせ、港湾のにぎわい創出を促す方策を検討する。
 政府は25年12月に、関係省庁の課長級で構成するPPP/PFI投資促進TFを開いた。目標を盛り込むアクションプランの改定について議論。重点分野の在り方、分野横断型・広域型事業の推進、物価高騰などの事業リスクを検討していく予定で、議論の行方が注目される。




from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=180749
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宮城県大河原町/千本桜スポーツパークBTO/大和リースグループに優先交渉権

 宮城県大河原町は、BTO(建設・譲渡・運営)方式のPFIを導入する「おおがわら千本桜スポーツパーク整備・維持管理運営事業」の公募型プロポーザルで大和リースを代表とするグループを優先交渉権者に選んだ。提案額は37億3000万円(税抜き)。事業期間は2043年3月末まで。
 同グループの構成企業は八重樫工務店(大河原町)、枡建設(同)、フクシ・エンタープライズ(東京都江東区)の3社。協力企業として楠山設計、高野ランドスケーププランニング(札幌市中央区)、シンコースポーツ(東京都中央区)、オーエンス(同中央区)の4社も参画する。
 白石川右岸河川敷(新川前)の「おおがわら千本桜スポーツパーク」(対象面積5万6689平方メートル)の都市公園に「一目千本桜」の情報発信や伝承を行うための施設などを建設する。スポーツや観光を楽しむ人たちが集まる、にぎわいの交流拠点となり、防災機能も有する。スポーツパーク内ではパークゴルフ場(コース面積2万3403平方メートル)やマウンテンバイクコース、ドッグランなどが既に供用。パークゴルフ場の運営期間が完了することを受け、先行して27年4月に運用を開始する。拠点施設は28年4月のオープンを目指す。




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2026年1月13日火曜日

防災学術連携体/10周年記念シンポ開く/防災庁設置後も社会的な役割を

 防災学術連携体(代表幹事・渦岡良介地盤工学会会長)は9日、10周年記念シンポジウム「63学協会連携の軌跡と防災研究のあり方」をウェブで開いた。防災関係の63学協会のネットワークとして、日本学術会議と連携した活動の成果を振り返り、防災研究に期待される役割などについて議論した。田村和夫事務局長による記念報告に続いて、日本地震学会、土木学会、日本建築学会などが研究の変遷や最新の知見を発表した。
 冒頭、渦岡代表幹事は、「10年の節目。防災研究はどうあるべきか、期待される役割は何か議論を深めたい」とあいさつした。日本学術会議の大西隆会長と竹内徹防災減災学術連携委員会委員長は、防災を巡る各専門分野の一層の連携と、活発な活動を要請。大西会長は「防災学に携わる皆さんが学術組織の発展をリードしてほしい」と求めた。
 来賓としてあいさつした内閣府の長橋和久防災監は政府が年内の設置を目指している防災庁について、「あらゆる事態を想定、先読みし、リスクへの対策を戦略的に立案する。学術界との連携が不可欠」と話した。記念報告として同連携体の10年の軌跡を話した田村氏は、「今後も学会間の横断的な連携を推し進め、防災・減災へ貢献する」と語った。
 日本地震学会の福島洋東北大学災害科学国際研究所准教授は「変容する人間社会における地震研究」と題し、東日本大震災以降の地震学の変化・進展について説明した。「地震学は科学と社会の間の翻訳者として、社会に貢献するのが役割」と話した。防災学術連携体に対して、防災庁設置後も社会的な役割を発揮するよう提案した。
 日本地震工学会の大堀道広滋賀県立大学教授は、防災研究の取り組みと、他学会との連携状況について報告。阪神・淡路大震災から30年の節目として昨年1月に実施した講演会をはじめ、地震工学分野のDXに関する研究会、交流大会などの活動を紹介した。
 日本気象学会の立花義裕三重大学教授は、地球温暖化に伴う豪雨、猛暑、豪雪などの気象現象を「気候災害」と位置付け、「自然の現象による気象災害と異なり、気候災害は温室効果ガスの削減によって抑制できる」と指摘。「日本は脱炭素分野のトップランナーになる必要がある」と訴えた。土木学会の塚原健一九州大学教授は「激甚化する気象災害に対応する技術と社会制度の統合」と題して講演した。
 塚原氏は、流域全体で総合的・多層的にに対策を講じる流域治水の取り組みなどを説明した。「住民が自らの居住地の危険性を正しく理解し、行動変容につなげる『自分事化』が重要だ」と呼び掛けた。
 日本建築学会の壁谷澤寿一東京都立大学教授は、「建築分野における耐水構造研究の変遷」について講演した。構造物の耐水性を高めるために、土木分野と建築分野の連携をさらに進めるよう強調した。「水理学の基礎言語などを建築のカリキュラム入れ込んでいく必要がある」と述べた。




from 行事 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=180721
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回転窓/幸福を呼ぶ鳥

 大相撲の新大関・安青錦に先週6日、母国ウクライナの国鳥とされるコウノトリをデザインした新しい化粧まわしが贈られた。世界でも希少なコウノトリは幸福を呼ぶ鳥と言われる▼日本では1970年代初めに生息環境の悪化で姿を消したが、保護増殖や野生復帰への取り組みが広がり、昨年に野外生息数が500羽を超えた(兵庫県立コウノトリの郷公園ウェブサイトから)。今年は56年にコウノトリが国の特別天然記念物に指定されてから70年を迎える▼アルメニアの首都エレバンで10月、国連の生物多様性条約第17回締約国会議(CBD-COP17)が開かれる。会議では生物多様性の損失を止め、反転させるネーチャーポジティブ(自然再興)の実現に向けた進捗状況のグローバルレビューが行われる予定だ▼コウノトリの生息環境には、豊かな水辺(湿地)の保全・再生が必要となる。治水対策などとも連携し、自然再興のシンボルとしてコウノトリが舞う魅力的な地域づくりへの期待は大きい▼大きな翼を広げ、大空を羽ばたくコウノトリ--。安青錦の化粧まわしは美しく、綱とりを目指して羽ばたく勇姿と重なる。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=180713
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インタビュー/JR東日本執行役員・西村佳久氏に聞く/鉄道と宇宙をつなぐ

 ◇新組織設立の狙いは─
 JR東日本は2025年12月に「スペースユニット」を立ち上げた。鉄道と宇宙をつなぐ新たな取り組みを担う部署だ。同社は新たな経営ビジョン「勇翔2034」で、宇宙を都市、地方、世界と並ぶ「価値創造のフィールド」と位置付けている。災害時の状況把握、衛星測位を活用した列車制御などの実現を目指す。新組織の狙いと今後の展望を、ユニットリーダーの西村佳久執行役員イノベーション戦略本部統括に聞いた。
 --スペースユニットが始動した。
 「ユニットは25年12月8日に職員10人体制で発足した。マネジャー2人は専任で、残る8人はイノベーション戦略本部との兼務となる。宇宙分野は『勇翔2034』で掲げた成長エンジン『技術力の深化と進化』の方向性の一つだ。技術を学び、事業部門に導入していくのがわれわれのミッションであり、一つ一つ着実に進めたい」
 --当面の対応を。
 「三つの柱で取り組んでいく。一つは、災害時などに線路沿線の設備状況を宇宙から迅速に観測することだ。宇宙からの観測技術は進歩しており、光学衛星や合成開口レーダー(SAR)衛星など、さまざまな手段がある。将来は倒木の有無など被害の予兆を把握するための研究にも取り組みたい」
 「二つ目は衛星位置情報の活用だ。GNSS(全球測位衛星システム)が進歩し、現在はセンチ単位で位置を把握することができる。衛星からの情報を基に列車制御が可能になれば、列車位置を把握する地上設備が不要になる。同様に、位置情報を活用した改札サービスも考えられる。地方では改札機のない駅も多い」
 「最後の三つ目は緊急時用の衛星通信だ。これはすぐにでも導入できると考えている。今後は、平時の列車と地上との通信にも活用できないか検討したい。これまで地上の無線設備を減らす研究も進めており、衛星通信を活用できる余地はある」
 --衛星活用は課題も多い。
 「被害状況などの観測データを、必要なときに確実に入手できるかが課題だ。現在は多くの衛星が運用されている。情報をタイムリーに入手するため、さまざまな企業と連携したい。鉄道は安全・安定が最も重要だ。トンネル内や衛星を捕捉しにくいエリアで他の通信方法を併用するなど、複数の手段を組み合わせることになるだろう」
 --今後の事業戦略をどう考える。
 「最も先行しているのは列車制御だが、安全・安定に直結する分野だけに、実証実験を丁寧に進めたい。衛星観測は一部で既に研究を始めているが、課題もある。光学衛星とSAR衛星の使い分けも含め、最適な手法を見極める。さまざまな技術を持った企業や団体、例えば宇宙航空研究開発機構(JAXA)と連携し、スタートアップ企業の支援やマッチングを行う枠組みである宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)の活用も検討する」。
 (JR東日本執行役員イノベーション戦略本部統括兼スペースユニットユニットリーダー)




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関東整備局/猛暑期間の休工可能に/複数工事で試行

 関東地方整備局が建設業の働き方改革を後押しするため、猛暑期間を休工にできる工事を複数件試行する。国土交通省が策定した「猛暑対策サポートパッケージ」に対応した取り組み。発注段階で夏季を「準休工期間」として設定。受注者が休工実施の可否や閉所の期間を設定できる。2025年度の第4四半期(26年1~3月)と補正予算執行に伴う発注工事で適用する。
 猛暑期間を休工にする取り組みは関東整備局の宇都宮国道事務所が試行している。同事務所の場合、受発注者協議を通じて「7~8月ごろ」に該当する工事を前後の月に振り分けられるようにしている。運用ルールは特記仕様書に記載する。熱中症予防に加え、まとまった休暇を夏場に取得できるようにして担い手を確保・育成する狙いがある。
 宇都宮国道事務所での先行事例などを踏まえ、国交省は25年12月にサポートパッケージを策定。猛暑期間を回避した工事発注や1年単位の変形労働時間制の活用などを推進している。
 関東整備局は休工可能な期間を発注段階で設定する工事を試行する。準休工期間は6~9月の4カ月。受発注者の協議を経ずとも受注者に実施の可否や期間の長さといった判断を委ねる。対象工事は事務所が発注する道路補修などを想定し、数件を試行する。試行結果は制度改善などに生かす。
 担い手を確保するには働き方改革が欠かせない。温暖化の進行で国内各地の建設現場はどこも厳しさを増し、猛暑対策は建設業界にとって喫緊の課題となっている。
 発注者として各種対策を講じている関東整備局では、技術的なアプローチから猛暑対策に取り組む企業を入札時に評価する取り組みも始める予定。評価方法や配点などは今後詰めるが、総合評価方式の「技術提案評価型S型」で試行する。




from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=180724
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大阪府/寝屋川南部地下放水路・岸里調節池、本格着工へ最終検討/関連業務入札公告

 大阪府は寝屋川南部地下放水路の未整備区間となっている岸里調節池(大阪市西成区)の本格着工に向け、最終的な検討段階に入る。2025~26年度に発進立坑と排水機設備をつなぐ連絡管渠の詳細設計や調節池の施工検討を進め、27年度以降での発進立坑着工を目指す。
 9日に「寝屋川南部地下河川排水機場連絡管渠等検討委託(R7・R8)」の条件付き一般競争入札を公告した。参加申請の提出期限は16日。入札書は26、27日に受け付け、28日に開札する。
 参加資格は府競争入札参加資格の建設コンサルタント業務で「河川、砂防および海岸・海洋」「下水道」「鋼構造およびコンクリート」の全ての登録を求める。雨水ポンプ場など排水機場の設計業務の履行実績も必要。
 同業務では岸里調節池の発進立坑とポンプ場設備をつなぐ連絡管渠の詳細設計と調節池全体の施工検討を行う。場所は西成区南津守2ほか。履行期間は27年2月24日まで。
 発進立坑は調圧水槽の機能を兼ね、直径約50メートル、深さ50~60メートルの規模を想定。排水機場の南東角付近に配置する。詳細設計は東京建設コンサルタントが担当した。
 寝屋川南部地下放水路は東大阪市若江から大阪市西成区の木津川までを結ぶ地下河川。流域内の雨水を落とし込み最下流部の排水機場から河川へ放流する。全体延長約13・4キロのうち、若江立坑~聖天山立坑間約11・2キロが完成。現時点で約63万立方メートルの貯留能力を確保済み(暫定供用中)。以西の排水機場を含む岸里調節池区間約2・2キロが未整備となっている。
 24年度には国の技術基準改定を受けて排水機場の規模や配置を見直す都市計画変更が行われた。排水機場は木津川に接する位置へと変更し、面積も従来計画の約1万5700平方メートルから約2万9800平方メートルへ拡張。地下放水路の起点や線形、延長も見直し、排水路と吐き口は廃止して排水機場内に集約する計画に改めた。




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世紀東急工業/農業廃プラ再利用し高強度アス混合物開発/高耐流動性を発揮

 世紀東急工業は、農業由来の廃プラスチックを再利用した高強度アスファルト混合物を開発した。全額出資子会社のゼネラルアクト(群馬県高崎市、太田孝志社長)が保有する洗浄技術を活用し、廃プラから不純物を大幅低減した原料として再利用できる。一般的なプラントミックスタイプのアスファルト混合物と同様の製造工程でコストを抑え、高い耐流動性(耐久性)も発揮する。
 新開発の高強度アスファルト混合物は「αストロング」。担当者によれば販売単価は非公表だが、一般的なアスファルト混合物をやや上回るという。
 これまで廃棄物として処理されていた農業由来廃プラスチックを、ゼネラルアクトが洗浄・加工してアスファルト混合物の添加剤として再利用する。一般的なプラントミックスタイプと同様、ストレートアスファルトを用いたアスファルト混合物に添加して製造し、通常の舗設機械で施工することが可能。全国にある合材工場で製造し出荷できる。
 一般的な強度の再生密粒アスファルト混合物に添加するため、安価なコストで高い耐流動性を備えたアスファルト混合物を実現する。通常混合物(厚さ5センチ)との比較では、1000平方メートル当たりの施工単価が5~10%程度上昇するものの、耐流動性は約3倍の強度を発揮する。
 砕石などを積んだダンプトラックが走行する合材工場構内の路面に適用し、機能性を確認している。普通車の通行が多く、わだち掘れが発生しやすい駐車場や工場構内の道路などを想定し、全国展開を目指す。農業由来廃プラスチックの処理に悩む地方自治体や再生アスファルト混合物を用いる公共工事もターゲットにする。
 ゼネラルアクトでは、年間で最大2500立方メートル程度の農業由来廃プラスチックを受け入れていく計画だ。




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2026年1月9日金曜日

建築へ/建築家・坂茂氏/被災地での建築士の活動、心強い/新年交礼会であいさつ

 建築家の坂茂氏(坂茂建築設計代表)が6日に東京都内で開かれた建築関係団体の新年交礼会に出席し、昨年の叙勲・褒章受章者らを代表してあいさつした=写真。建築設計と並行し、国内外で災害支援活動に取り組む坂氏は「被災地では多くの建築士が活動しており、非常に心強い。これから災害が増えるし、規模も大きくなる。われわれの力や支援がますます重要になる」と指摘。一緒に活動を続けていこうと呼び掛けた。
 坂氏は1994年のルワンダ内戦時、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のコンサルタントとして難民キャンプを訪れた。この経験をきっかけに、災害支援活動を30年以上続けている。「95年の阪神・淡路大震災の被災地では建築士をあまり見かけなかったが、今では当たり前に活動している。われわれは新しい建物をつくるだけでなく、被災地で住環境に困っている方に必要とされている」と力を込めた。
 坂氏は2025年に文化功労者と日本芸術院会員に選ばれ、米国建築家協会(AIA)ゴールドメダルを受賞した。日本建築学会(小野田泰明会長)、日本建築家協会(JIA、佐藤尚巳会長)、日本建築士会連合会(士会連合会、古谷誠章会長)の建築3会の新年交礼会は叙勲・褒章受章者・功労者祝賀会を兼ね、坂氏が出席した。
 「普段こういうところにあまり出席しないので緊張している」と語り、祝賀会への出席を機会に「皆さんとお会いできた。ネットワークをつくりたい。われわれの知識や経験を、日本だけでなく世界でも生かしていければと思う」と話した。




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八潮市道路陥没事故/埼玉県、新管設置完了/施工は大成建設

 2025年1月に発生した八潮市道路陥没事故の復旧で、埼玉県が破損管内に設ける新管の設置工事を同12月末に終えた。施工は大成建設が担当した。口径4・75メートルの破損管内に口径3メートルの新管(鋼管セグメント)を設けた。新管の延長は44・5メートル。内部を樹脂で加工する更生作業を進め、1月下旬から2月中に施工を完了する予定。管の更生で腐食を防止する。更生作業はSPR工法とパルテム・フローリング工法を併用した。
 新管の口径は3メートルで既存管より小型になる。下水道局下水道事業課は「4・75メートルの口径は設計時に将来の人口増加を見込んでいる。上流区間の口径は現在も3メートルで十分対応できる」と説明している。
 事故区間の北側に仮排水管を設け、汚水を流していた。新管の敷設完了を受け仮排水管の撤去工事に入る。事故現場の南側に近接する県道松戸草加線には、復旧工事で用いる仮桟橋を設置していた。仮桟橋を撤去し、4月をめどに暫定2車線で通行できるようにする。
 事故現場の約1・5キロ西側に位置する「チュウ6マンホール」周辺でも下水道管の腐食を確認している。補修工事の実施を予定。道路陥没事故で中断し、下水道管を囲む形で地盤を改良していた。新管敷設の完了後、本格的な補修工事に入る。
 事故現場のチュウ4マンホールから東に向けて、中川水循環センターまでの約4キロを現在の下水道管に並行する形で「複線化」する計画も進めている。ルート検討に関する業務「(八潮)中央幹線管渠等復旧詳細業務委託」はパシフィックコンサルタンツに委託している。




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兵庫県/尼崎西宮芦屋港末広地区の公有水面26ha埋立/岸壁2バースなど計画

 兵庫県は、尼崎西宮芦屋港末広地区(尼崎市末広町)の公有水面約26ヘクタールを埋め立てることで、新たなふ頭用地などの創出を計画している。背後用地の狭あいを解消し、完成自動車の海上輸送拠点を集約するほか、RORO船などモーダルシフトに対応する水深9メートル岸壁の複合一貫輸送ターミナルを整備する。岸壁工事を国、護岸工事や埋め立てを県が担う。事業期間は20年以上の長期を想定。公有水面埋め立て免許を取得し事業化した後、2028年度以降に岸壁工事に着手する予定だ。
 7日に環境影響評価(環境アセス)実施計画書を公表した。事業名は「尼崎西宮芦屋港末広地区埋立事業」。対象の公有水面は阪神高速湾岸線尼崎末広ICに近接し、「県立尼崎の森中央緑地」の東隣に位置する。
 計画によると、南側に延長440メートルのマイナス9メートル岸壁(2バース)と航路・泊地(14ヘクタール)、東側に護岸をそれぞれ整備する。背後に荷さばき施設などを設ける公共ふ頭用地(約17ヘクタール)や港湾関連用地(約6ヘクタール)を創出。臨港道路「末広1号線」(2車線、約1ヘクタール)も設ける。
 工事では作業船を用いて床掘り、地盤改良、基礎、締め切りを順次行い岸壁と護岸を構築した後、南側岸壁の浚渫土砂を投入し埋め立てを進めていく。
 想定スケジュールによると、事業化した1年目に国が設計を行い、その後10~15年程度かけて岸壁工事を実施。県が岸壁背後の埋め立てと護岸工事を行い、最後に護岸背後の埋め立てを進める計画だ。




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青森市/本町一丁目2番地区第一種市街地再開発/都市計画決定案の縦覧開始

 青森市は、市中心部で組合施行が計画される「本町一丁目2番地区」(敷地面積約0・5ヘクタール)第一種市街地再開発事業で、都市計画決定案の縦覧を8日に開始した。商業・共同住宅を主要用途にする複合施設の延べ面積は1万1600平方メートル規模を想定。対象区域の建築面積は約1800平方メートル、建ぺい率の最高限度は80%、容積率は200~600%に設定する。2月にも都市計画審議会で審査し、年度内に決定・告示する。2026年度の組合発足を見込んでいる。
 建設地は、国道4号と中央大通り荒川線(主要地方道青森停車場線)の交差部北東に位置する。市が都市機能の立地を誘導する「青森駅周辺地区内」に該当。冬期間の雪対策で、建築物の周辺部分に融雪装置を設置し歩行者の安全・快適を確保するよう求めている。小売店舗や飲食、事務所などを集約し、複合施設と駐車場の一体整備で土地の高度利用と都市機能の更新を目指す。
 再開発事業にはミサワホームが参画する。25年10月には地権者らで構成する準備組合(齊藤丈士理事長)が同社と協定締結。同社の未来志向まちづくりブランド「ASMACI(アスマチ)」の一環で、にぎわいと地域住民の豊かな生活を両立する多世代共生型まちづくりを推進する。
 子育て支援機能などを含む住商一体の複合施設を整備する。分譲マンションは13階程度で、住民の健康増進に寄与できる設備・仕様を導入。商業施設にはテラスを設置し、東北を代表する夏祭り・青森ねぶた祭を一望できる交流拠点にする。計画では28年の着工、30年3月の竣工を予定する。




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香川県小豆島町/小豆島ふるさと村再整備事業の民活導入調査実施要領公表

 香川県小豆島町は8日、「小豆島ふるさと村再整備事業」の民間活力導入サウンディング(対話)調査の実施要領を公表した。2回に分け参加を募る。日程1は28日まで、日程2は3月2日までヒアリングの参加申し込みと事前調査アンケートを受け付ける。ヒアリングの実施は日程1が2月2~6日、日程2は3月9~13日で、同31日に結果を公表する予定だ。
 2026年度からの事業者公募や事業条件確定に向け、民間事業者に意見や提案を求める。単なる既存施設の改修・補修ではなく、全面的なリニューアルを含む提案を要求している。
 ふるさと村は体験型・滞在型ファミリーレクリエーション施設が集積。所在地は室生2084の1(敷地面積約8・1ヘクタール)。先行して宿泊ゾーンの設計と施工、運営管理業務を一括で委託するためのプロポーザル手続きを進めている。
 今回の調査は百十四銀行、香川県、高松市、日本政策投資銀行の「第15回かがわPPP/PFI地域プラットフォーム」の対話調査と連携して実施する。




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YKKAP/大規模CW試験棟を整備/国内最大級の設備導入

 YKKAPが滑川製造所(富山県滑川市)に国内最大級の設備を導入した大規模なカーテンウオール(CW)の試験棟「N-CueB」を新設した。高さ約27メートル、試験エリア約1200平方メートルの大規模空間で、高層・超高層ビル向けCWの気密や水密、耐風圧、耐震などの性能を試験する。試験能力を強化し、大型・重量化が進むCWの製品開発を加速。国内需要の取り込みと海外事業の拡大成長を目指す。=1面参照
 試験棟はS造4階建て相当、1630平方メートルの規模。設備を含め約22億円を投資した。建屋の設計と施工は佐藤工業、設備は風技術センターが担当した。
 建物は「無柱空間」で、移動式クレーンを使用してのプレキャスト(PCa)コンクリートCWなど、重量級ユニットも試験できる。幅7500ミリ、高さ1万3000ミリ(3層)、奥行き3600ミリ、階高4500ミリ、重量40トンまでの試験体に対応可能だ。「高演色照明」による自然光に近い状況での適正な外観検査も行う。CW1体当たりの試験期間は設置なども含め約3カ月。年間4体の試験ができる。
 耐風圧性能試験で行う静圧試験は最大1万2000パスカル(風速約140メートルに相当)、水密性能試験は7000パスカルプラスマイナス750パスカル(約101メートル~112メートル)の脈動圧で試験ができる。耐震性能を確認する層間変位では、架台を水平・奥行方向に揺らし、フレームや部材の破損、ガラスの脱落などがないか、高層階の揺れを想定した厳しい条件で検査できる。
 試験棟内には、試験前後に行う製品検査や施工検証、解体検査など、各段階の品質検査用のスペースも確保した。製品の開梱(こん)、施工治具の取り付け、荷揚げなど、施工現場でのチェックがシームレスに行える。




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2026年1月8日木曜日

回転窓/節目の新たな備え

 梅雨や台風シーズン前の5月下旬から、気象庁と国土交通省が新しい防災気象情報の運用を始める。警報・注意報とともに、5~1の警戒レベルを発信する▼警戒レベル5は「緊急安全確保」が出る特別警報、4は「避難指示」の危険警報、3は「高齢者等避難」の警報とともに伝えられていく。2は避難経路や場所を確認する注意報、1は5日先までに警報級の現象が起きる可能性があるかの早期注意情報として知らせる▼新情報の運用は、氾濫、大雨、土砂災害、高潮の四つの災害種別が対象になる。昨年12月に成立した改正気象業務法、改正水防法を受けた措置で、差し迫った事態の理解に生かしてほしいという▼2021年5月施行の改正災害対策基本法によって、自治体が出す避難勧告が廃止となり、避難指示に一本化された。緊急安全確保は災害の発生段階が含まれるため、政府はレベル4の避難指示が出るまでの全員避難を求めている▼熊本地震から10年、東日本大震災から15年、南海地震から80年の節目にも当たる。過去の災害の教訓に学びながら、被害を減らすための備えに、改めて意識を向けていきたい。




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国交省/違反恐れ行為の事例集作成/労務費の見積もり交渉、当事者は自己チェックを

 国土交通省は、改正建設業法で措置した労務費の見積もり規制に違反の恐れのある具体的な行為を解説する事例集を作成した。建設Gメンの調査で実際にあった見積もりのやりとりの中で、改善が必要な取引事例を抽出。労務単価の据え置きや非合理な減額・指し値など、六つのパターンに類型化した=表参照。いずれも労務費が価格調整の原資となり、適正額の確保が難しくなる可能性が高い。結果として「労務費に関する基準(標準労務費)」を著しく下回る額となれば明確に違反行為となるため注意が必要だ。
 著しく低い労務費による見積もりの提出や変更依頼を禁止する改正法の規定が先月施行した。この法規制の実効性を高めるため、事例集を参照することで取引当事者が不適切な行為を自らチェックできるようにする。国交省は「少なくとも事例集で示した事例は建設業法上問題となり得る」として注意喚起する。
 それぞれの事例では行為主体を発注者や注文者に絞らず、受注者が自ら廉売に走るようなケースも念頭に置く。個々の行為が「悪質かどうか」も判断の目安にしない。あくまで労務費を原資とした競争を招きやすく、標準労務費で示す額を著しく下回る恐れがある取引事例としてまとめた。
 「お得意様価格」「初回割引」といった以前からの価格交渉も否定していない。受注者の利潤相当額を値引きの原資に充てるなど、労務費の引き下げにつながらなければ許容される。
 事例集で示すのは見積書の作成や調整、協議といった「行為・プロセス」の事例となる。今後の日常的な建設Gメンの実地調査の中で、同じような行為が確認できれば改善を促す方針だ。その上で実際の労務費の額が「著しく低い」の程度に該当する場合、見積もりのプロセスを含めて総合的に判断し、もう一段階上の対応として許可行政庁が行政指導・監督処分に当たる。
 改正法で労務費以外に見積もり規制の対象となった材料費や法定福利費、安全衛生経費などは、具体的な取引事例を挙げていないが「労務費と同様に適正な額が確保された取引をすることが必要」とした。まずは規制対象となった経費の内訳を明示した見積書をやりとりする商慣行の定着を呼び掛けている。
 事例集は5日付で建設業団体や官民の発注者団体などに送付し公開した。事例の追加など随時の内容更新も視野に入れる。




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北海道舗装事業協会/フォト・ムービーコンテスト/最優秀賞に「季節の曲がり道」

 北海道舗装事業協会(中田隆博会長)は6日、一般参加型のInstagramコンテスト「『#私の推し道 2025』フォロー&フォト・ムービーコンテスト」の審査結果を公表した。最優秀賞はpotechi5963さんが撮影した「季節の曲がり道」が受賞するとともに、優秀賞2作品、優良賞5作品を選出した。審査結果は同協会の公式インスタグラム(@hoso.webmedia)およびオウンドメディア「MICHI-FAN GUIDE」(https://michi-fan.com/)で紹介している。
 同コンテストは舗装業界のブランディングと社会的価値の発信を目的に、道が持つ魅力や物語を広く社会に届ける取り組み。日本道路建設業協会北海道支部と北海道アスファルト合材協会の協力を受け、初開催となった。「あなたの推し道」をテーマに、風景としての道や思い出の道など北海道内で撮影された道の魅力を表現した写真やリール動画を募集し、全国から写真383作品、動画24作品の応募があった。
 入賞作品は次の通り。△作品名(撮影地)/応募者名、敬称略。
 〈最優秀賞〉
 △季節の曲がり道(美瑛町忠別・道道213号)/potechi5963
 〈優秀賞〉
 △永遠の道(タウシュベツ川橋梁〉/muraichi31
 △たそかれどき(野付半島)/urama_photo
 〈優良賞〉
 △青空に続く旅路(北海道猿払村エサヌカ線)/taka_photo_123
 △走るクロネコ(芽室町中美生・清水大樹線)/ayumoon1727
 △卯原内サンゴ草(網走国定公園卯原内サンゴ草群生地)/yuya_7photo
 △朝焼けのハイウェイライン(札幌IC)/motocx_3
 △夜走るオロロンライン(小平町・国道232号)/tocchi67。




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不動協/国・建設業界と連携し課題解決/建築費高騰や人手不足

 不動産協会(不動協、吉田淳一理事長)は、建築費の高騰や人手不足などが都市再生の障壁になっているとして、建設業界や国と連携して対応に当たる。7日に開いた不動産流通経営協会との合同賀詞交歓会で、吉田理事長が今後の取り組み方針を明らかにした。
 吉田理事長は建築費の上昇や人手不足について「国土強靱化や国際競争力の強化、インフラの再整備などにも影響が出る非常に重要な問題だ」との認識を示した。建設業界、国と協力して対応することで「10年後、20年後を見据えてサステナブルにまちづくりを推進できるよう、できることから実行に移していく必要がある」と述べた。
 不動協は建築費の高騰で市街地再開発事業などが相次いで延期や中止になる事態を受け、2025年11月に日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)に申し入れ書を提出。担い手や労務費の確保などに連携して取り組む考えを示した。
 賀詞交歓会で吉田理事長は、分譲マンションの投機的短期転売についても触れた。「分譲したマンションが単なる投機の対象となる。そんな状況は決して好ましいことではないという思いは一貫して変わっていない」と強調。不動協は登録・購入する戸数に上限を設けるなど、短期転売を抑制する取り組みを25年11月に発表した。今後は「対策を会員会社がしっかり実行していくことが重要だ」と語った。




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環境省/「地域共生ない発電施設からの調達避ける」明記/環境配慮契約基本方針改定案

 環境省の有識者検討会は、環境配慮契約法に基づく基本方針の改定案をまとめるとともに、建築物を巡る2026年度の検討課題などを決めた。基本方針改定案は、温室効果ガスの削減に関する政府目標や大規模太陽光発電を巡る閣僚会議の検討成果などを反映。「地域共生が図られていない発電施設」からの電力調達を避けることを明記する。建築物は環境配慮契約の実施率を高める方策を引き続き検討していく。
 基本方針の改定案は環境配慮契約法基本方針検討会が2025年12月26日に議論した。今月中旬から改定案に対する一般意見を受け付ける予定。関係省庁との協議を経て、3月までに新しい基本方針の閣議決定を目指す。
 改定案には、地球温暖化対策計画(25年2月閣議決定)を踏まえ、ガスを13年度比で35年度、40年度にそれぞれ60%削減、73%削減を目指すことを盛り込んだ。電気供給に関する入札契約は、二酸化炭素(CO2)排出係数の低減と再生可能エネルギーの導入拡大のために、総合評価落札方式を適用することや、調達電力のすべてが再エネの場合には同方式以外も可能といった見解も示す。
 国や独立行政法人などは、建築物の維持管理についての環境配慮契約の実施率が近年は20~30%前後で頭打ちになっている。建築物の環境配慮契約に関しては、実施率の引き上げを目指し、エネルギー性能の指標となるベンチマークの算定・公表、建築物の維持管理を対象としたチェックリストの活用方策、維持管理のデータ計測・分析結果の活用などを検討する。
 施設管理者の取り組みを改善するための提案をまとめたり、用途や規模別の優良事例を提供したりすることや、ベンチマーク指標をひも付けた省エネ・脱炭素対策なども検討する。環境配慮契約が未実施の理由を追及していく。




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四国地区企業調査/喜多機械産業、堀田建設が100周年/帝国データ高松

 帝国データバンク高松支店は、四国地区に本社を置く企業を対象に2026年に創業から節目の年を迎える周年記念企業の調査を実施した。該当企業は5351社。うち100周年企業は111社だった。創業10、30、50、100周年企業を業界別に見ると、建設業は50周年が238社と多く、33・5%を占めた。
 100周年を迎える喜多機械産業(徳島市、喜多真一社長)は1926年創業。建設機械・資材の販売やレンタル、修理など幅広く事業を手掛ける。同じ年の創業で海上工事、道路、マンション、公共施設、住宅建設に強みを持つ堀田建設(愛媛県八幡浜市、菊池泰行社長)が100年企業の仲間入りを果たす。
 周年企業を県別で見ると愛媛が1771社で最も多い。香川は1490社、徳島は1158社、高知は932社の順となっている。




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岐阜県/旧庁舎利活用プロポ/ワールドヘリテージミュージアムJVに

 岐阜県は、「旧岐阜県庁舎(岐阜市司町)の利活用事業」の優先交渉権者にホテルなどの整備を提案したワールドヘリテージミュージアムJVを優先交渉権者に選定した。
 代表者はワールドヘリテージ財団、構成員はフィットイージー。提案名称は「ヘリテージホテル&クラフトミュージアム」。1階をミュージアムや企画展示場、2~3階をホテルとして整備する。2029年4月の開業を目指す。
 旧県庁舎(岐阜市司町1の1ほか)を無償で貸し付けて活用する。規模はRC造地下1階地上3階建て延べ約5110平方メートル。敷地面積は5533平方メートル。貸付期間は10年以上30年以下。活用には耐震化工事やバリアフリー化工事が必須。歴史、文化的価値の高いものは原則保存する。




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登戸駅前地区再開発(川崎市多摩区)/駅南側に超高層ビル、前田建設で3月着工/組合

 川崎市多摩区の登戸駅前地区市街地再開発組合(井出正文理事長)は、JR・小田急登戸駅の南側に建設する超高層ビルの施工者を前田建設に決めた。設計はINA新建築研究所・前田建設JV。3月2日に着工し2029年10月31日の竣工を目指す。参加組合員として東急不動産、小田急不動産、東急の3社が参画している。
 建設地は登戸90街区の一部(敷地面積5950平方メートル)。RC一部S造地下1階地上38階建て延べ6万4695平方メートルの規模で、高さは約139メートルを計画している。用途は共同住宅、店舗、保育所、駐輪場など。
 ビルは低層部に店舗や観光支援機能を配置し、5階以上が計442戸の住宅になる。2階に地域の観光情報を発信する「NOBORITO INFO-HUB」やコワーキングスペース、マルシェなどを開催できるオープンスペースを設ける。2階の屋外広場は駅と直結する。
 最大5メートルの浸水想定レベルより高い2~4階に防災機能を集める。最大260人の帰宅困難者などを受け入れるスペース、防災備蓄倉庫、自家発電設備などを設け、地域防災力の強化に貢献する。建設費高騰を踏まえ建築工事費は当初想定から27%上乗せし、453億3200万円と見込んでいる。




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大林組ら/大空間向け空調用誘引ユニットで新タイプ追加/設置自由度を向上

 大林組と協立エアテックは、大空間や半屋外空間の高効率空調を実現する「空調用誘引ユニット」の機能を高めた。空調ダクトに接続している誘引ユニットに、優れた省エネルギー性能を持ちながらダクトの末端に設置できる新タイプを追加。設置方法の選択肢も増やした。スポーツ施設や生産施設への導入が決まっている。2027年に横浜市瀬谷、旭両区で開かれる国際園芸博覧会の「大林組Village」でも採用を予定している。
 誘引ユニットは「in-DUCT(インダクト)」として、23年度に実用化した。スタジアムやアトリウムなどの大空間や半屋外空間で空調に必要な大風量を可能にする。室温と送風温度の温度差が小さくなり吹き出し口の結露も抑制できる。大空間や半屋外空間の空調設備の省エネルギーとコスト抑制を実現する。
 新たに開発したのは、ダクト末端に接続する「吹出口タイプ」。取引機構と吹き出し口を一体化している。従来タイプと同等の機能を持ちながら、ダクト接続も空調機への直接接続が可能になる。さまざまな風量に対応し、三つのサイズをラインアップしている。
 新タイプは、誘引を生み出す「くぼみ」の前後の縮小部と拡大部を分割し、拡大部の回転が可能な機構を採用。誘引性能を確保したまま最大20度まで吹き出しの方向を調整でき、空調対象エリアに気流を向けられる。
 吹き出し部に風向きの調整オプションを設置することで、上下方向だけではなく左右方向にも風向きを調整できる。今後、ニーズに合わせて二つのタイプを提案していく。




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2026年1月7日水曜日

関西の産学官が年賀交歓会/持続可能な建設業目指す/本社大阪支社主催

 日刊建設工業新聞社大阪支社主催の年賀交歓会が6日、大阪市北区のリーガロイヤルホテル大阪で開かれた=写真。関西の産学官各界から約400人が出席し、関西経済と建設業界のさらなる発展を祈念した。
 74回目の今年は、国土交通省近畿地方整備局をはじめ、大阪府や西日本高速道路会社、阪神高速道路会社、業界団体などから多数の来賓が出席。齋藤博之近畿整備局長は「改正建設業法など第3次担い手3法の施行を踏まえ、リーダーシップを持って適切な価格転嫁と処遇改善、生産性向上などに取り組み、管内自治体や民間発注者に強く働き掛けていく。将来に希望が持てる持続可能な建設産業を実現していこう」とあいさつした。
 来賓祝辞に続いて大西有三京都大学名誉教授の音頭で献杯し、歓談に移った。中締めで山下浩一日本建設業連合会(日建連)関西支部長は「大阪・関西万博の成功を一過性にせず、われわれで知見を共有し関西の発展につなげていこう」と述べた。




from 行事 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=180573
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建築3会が新年交礼会開く/混迷の時代を乗り越える

 日本建築学会(小野田泰明会長)、日本建築家協会(JIA、佐藤尚巳会長)、日本建築士会連合会(士会連合会、古谷誠章会長)の建築3会は6日、東京都港区の建築会館ホールで2026年の新年交礼会を開いた。建築界の関係者が多数出席し親睦を深めたほか、昨年の叙勲・褒章受章者、功労賞受賞者らをたたえた。3会の代表が鏡開きで新年の幕開けを祝った=写真。
 冒頭、小野田会長は「世界が混迷を極める中、日本に何ができるのか、建築に関わる人たちがどう対峙(たいじ)していくか。難しい時代をどう乗り越えるか、皆さんとともに議論していきたい」と呼び掛けた。
 古谷会長は受章者らの功績に触れ、「混迷の中で道筋を照らす大先達を迎えている。会員にとっても名誉なことであり、皆さんを目標にこの1年頑張っていきたい」と祝辞を述べた。受章者を代表し、坂茂氏(文化功労者表彰など)と進士五十八氏(瑞宝中綬章)があいさつした。
 欠席の佐藤会長に代わり元JIA会長の仙田満氏は「地球温暖化の影響によるさまざまな災害が身近になっている。建築、建設の責任は極めて重い。工事費高騰など大変な時代だが、頑張っていこう」とあいさつし、祝杯の音頭を取った。




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回転窓/私学無償化を追い風に

 私立高校の授業料が4月から実質無償化され、公立と私立の学費負担の差が大きく縮まる。公立側に立つと、私立の志望者が増える「私学シフト」が進むとの見方が強まっている▼公立高校の設置者である自治体も対応を迫られ、進路先として選ばれる特色づくりは急務だろう。文部科学省は無償化に伴い、公立高校の魅力を高める支援策を大幅に拡充する▼年度内に策定する「高校教育改革に関するグランドデザイン」に沿った計画を都道府県に求め、2027年度に創設する交付金で後押しするという。農業や工業など専門高校の教育内容を充実させ、産業界と連携しながら、地域産業の担い手育成につなげる▼建設業界にとって、これは人材確保に向けた好機ではないか。潮目が変わる今を逃せば、次の波はいつ来るか分からない。若者が集まらないと嘆くだけでは、何も変わらない。見学会や出前授業も有効な取り組み。ただ、もう一歩踏み込んで教育の現場に関われば、仕事のやりがいや魅力をより具体的に伝えるチャンスは広がる▼無償化を追い風に、発想と行動で未来を切り開けるか、業界の本気が、今、問われている。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=180586
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電子保証/大阪府内の自治体で導入広がる、導入率3割超に/大阪市は7月対応へ

 公共工事などでの前払金保証や契約保証をオンラインで確認する電子保証の導入が、大阪府内で広がっている。西日本建設業保証によると、2025年11月4日現在、府内の市町村では全43団体中16団体が導入済みで、導入率が約36%に達した。政令市の大阪市と堺市は未導入となっている。大阪市の担当者は7月の導入を目指すとしている。
 導入済みの団体は茨木市、枚方市、寝屋川市、門真市、藤井寺市、八尾市、富田林市、泉大津市、東大阪市、和泉市、池田市、河内長野市、羽曳野市、高槻市、四條畷市、高石市の計16市。
 電子保証は保証事業会社が発行する契約保証や前払金保証をクラウド上で閲覧・確認する方式。受注者は保証証書の受け取り・押印・持参といった従来の手間がなくなり、メールで認証キーを送付するだけで手続きが完了する。発注者側もオンラインで真正性を確認でき、紛失リスクがなく、紙の保管も不要となる。データは最新のセキュリティー技術で保護され、発注者・受注者とも無料で利用できる。
 府は25年1月に導入し建設業保証会社とのやり取りだけを電子化していたが、その後、金融機関・損害保険会社の保証証書も電子化に移行。同12月から契約保証・前払金保証・履行保証のすべてがオンラインで確認できるようになっている。
 一方、大阪市は7月に刷新する「調達・契約システム」で電子保証に対応する予定。堺市は検討しているが導入時期は未定としている。




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東亜建設工業ら/ブルーカーボンプロ本格化/横浜ベイサイドマリーナで

 東亜建設工業など3社が横浜市港湾局と連携し、直立護岸を活用した「ブルーカーボン創出プロジェクト」を本格始動する。横浜港の脱炭素化に向け、二酸化炭素(CO2)の吸収源になる海藻を繁茂させる。ワカメを育成した2024年度の実証実験に続き、今月から5月にかけてコンブも追加した「本格実験」を予定している。
 同プロジェクトは、金沢区にある「横浜ベイサイドマリーナ」の護岸を活用する。マリーナの運営・管理会社、八千代エンジニヤリングと共同で展開中。これまでの実験内容を拡充する。当面はマリーナにある護岸の壁面にワカメとコンブの種糸を巻き付けたロープを取り付け、春ごろの生育最盛期に一部を採取。株数や湿重量を測定し、ブルーカーボン量(海洋生態系が吸収する炭素量)を算定する。
 実験と並行し、17日に横浜ベイサイドマリーナでワカメの種付け体験ができる小学生向け環境教育も開く。3月には生育したワカメの収穫や試食など食育体験の機会も設ける。タッチプールを設置して藻場の生き物に触れる体験も計画している。
 横浜ベイサイドマリーナのホームページにプロジェクトの特設サイト(https://www.ybmarina.com/blue_carbon/)も開設した。




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ヤマハ発動機/新社屋2棟を建設/施工は清水建設、竹中工務店/28年春完成を予定

 ヤマハ発動機は6日、静岡県磐田市の本社敷地内に新社屋2棟を建設すると発表した。品質保証センターは2月、コーポレート棟(仮称)は6月に着工し、いずれも2028年春の完成を予定している。品質保証センターの設計は石本建築事務所、施工は清水建設が担当。コーポレート棟は竹中工務店の設計・施工。
 同社は50年以上前に現在地(新貝2500)に本社機能を移転した。現社屋は老朽化やスペース不足、機能分散などの課題を抱えているため新社屋を建設する。
 品質保証センターの規模はS・SRC造6階建て延べ1万1444平方メートル。7施設に分散している品質保証に関する機能部門や設備を高度化・集約することで、業務の効率化や品質保証に関する情報や知見の共有をさらに進め人材育成を強化する。建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)のZEB Readyの認証取得を見込んでいる。
 コーポレート棟の規模はS造8階建て延べ2万7524平方メートル。本社エリアのコーポレート機能を担う中核施設で、免震構造を採用し事業継続性を強化する。エネルギー効率の最大化を図った設計とし、建築環境総合性能評価システム(CASBEE)のSランクとZEB Readyの認証取得を見込み、運用コスト削減と環境負荷低減の両立を目指す。




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2026年1月6日火曜日

回転窓/空想では飛べない、現実のネバーランド

 自信と慢心は、刃先の角度がわずかに違うだけの包丁のようだ。切れ味は似ていても、扱いを誤れば手元を傷つける。その差に気づかず、自分の役割を見誤る人は少なくない▼彼らは組織の要求という地図より、我欲のコンパスを優先する。時に地図を読まずにコンパスを握って走り、「自分だけが正しい」という錯覚に陥る。「常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクション」(アインシュタイン)。慢心とは、自分が世界のすべてと思い込む未熟さだ▼真の大人と子どもの違いは、地図とコンパスを両立できるかにある。大人は最短ルートだけでなく、危険や寄り道の意味も読む。子どもは一直線に走るが、先に何が待つかまでは思い描かない▼ピーターパンを気取る人は、ずっと飛べると信じる。自由に見えても、向かい風や羽を休める場所を知らない。技量と責任を学ばぬ限り、羽ばたきは風に乗った幻、すぐに地面へ戻される▼組織はネバーランドではない。求められるのは現実を動かす力だ。自信は羽ばたく原動力、慢心は羽のほころびを隠す。役割を見極め、欲求と要求の重心を保つことこそ、大人の飛び方だろう。




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大阪府東大阪市/こどもセンター・図書館複合施設/大林ファシリティーズグループに

 大阪府東大阪市はBTO(建設・移管・運営)方式のPFIで行う「東大阪市(仮称)こどもセンター・図書館複合施設整備事業」の一般競争入札(総合評価方式)で、大林ファシリティーズを代表企業とするグループを落札者に決めた。落札価格は87億8302万4901円(税抜き、以下同)。予定価格は90億6000万円だった。
 グループの構成企業は三井住友建設で、協力企業は安井建築設計事務所、百五総合研究所、伊藤伊大阪。
 事業では東部地域仮設庁舎敷地(南四条町1、3706平方メートル)に児童相談所や子育て支援の機能を備えたこどもセンターと、新四条図書館を複合化した施設を整備する。同グループの提案によると建物の規模はS一部SRC造5階建て塔屋1階延べ8386平方メートル。図書館ゾーンは1227平方メートル、こどもセンターゾーンは5713平方メートルを見込む。1階はつながりエリア・自由来館スペース、2階は図書館・子どもエリアとし、3階には相談機能・待合キッズスペースなどが入る。
 設計・建設期間は2029年9月末まで。30年4月に供用を開始し、45年3月末まで維持管理を行う。




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日建連/日建連表彰2026の募集開始/1月30日まで受付

 日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)は5日、土木、建築両分野を対象にした表彰制度「日建連表彰2026」の募集を始めた。土木分野の優良なプロジェクトや構造物を表彰する第7回「土木賞」と、国内で建設された優良な建築物を表彰する第67回「BCS賞」で構成。いずれも候補作品の応募申請を30日まで受け付ける。8月に土木賞10件程度、BCS賞15件程度を選定。11月に東京都内で表彰式を開く。
 土木賞の対象は土木分野のプロジェクトや構造物のうち25年12月末までにほぼ竣工した案件。施工プロセスに貢献した多様な関係者を表彰する。発注者を含む施設管理者や設計者、施工者または専門工事業者、技術開発に貢献した建設以外の関連企業などが応募できる。
 BCS賞は建築主、設計者、施工者の3者を表彰する。対象は4月末時点で供用開始から1年が経過する国内の建築物または建築群。選考は建築主、設計者、施工者による協力関係を重視。建築主や設計者、施工者のいずれかが応募できる。




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国交省/能登半島地震から2年/復旧の工程と進捗公表、インフラ機能回復順調

 国土交通省は、発生から2年が経過した能登半島地震について、復旧・復興の状況と今後の見通しを取りまとめ、公表した。2024年9月の豪雨による被災を含め、二次災害に直結する恐れのある被災箇所の応急対策は全て完了。インフラの機能回復は順調に進んでいる。
 まちの復旧・復興を巡っては、石川県が策定した「創造的復興プラン」を踏まえ、全ての被災市町が復興まちづくり計画の策定を完了。被災者が住まいやなりわいの再生に向けた検討を具体的に進めやすい環境が整った。
 大規模火災の被害を受けた輪島朝市(石川県輪島市)周辺では地元住民の合意を得ながら、土地区画整理事業を進め、26年春から夏にかけて住宅や店舗の再建が順次できるようにする計画だ。
 恒久的な住まいの再建では、市町による災害公営住宅の被災者ニーズ調査が進展。10市町で災害公営住宅を整備する予定で、必要戸数3055戸全ての用地確保のめどが立った。うち6市町では施工事業者が決定した。
 生活の基盤となる道路は、能越自動車道などの本復旧が進む。のと三井IC~のと里山空港IC、徳田大津IC~(仮称)病院西ICは27年春までの完了を見込む。残る区間については、大規模崩壊箇所の崩土撤去や、大型構造物の施工などが順調に進んだ場合、29年春までの完了を予定している。




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建設11団体が新春賀詞交歓会/新しい時代の建設業へ

 日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)や全国建設業協会(全建、今井雅則会長)など建設業関係11団体が主催する2026年「新春賀詞交歓会」が5日、東京都港区の東京プリンスホテルで開かれた。会場には約1400人が集まり、来賓として永井学国土交通大臣政務官、小池百合子東京都知事、見坂茂範参院議員も出席。新年の到来を祝い、建設産業の発展を誓った。
 宮本会長=写真=は25年を「建設産業にとって持続可能な産業構造への転換が確実に前進した1年となった」と振り返った。その上で防災減災や国土強靱化、インフラ更新、地域再生などの政策に大きな期待を示し、26年に目を向け「生産性向上、働き方改革、人材育成の強化による技能労働者の異次元の処遇改善を一体的に進める。建設産業全体として着実に改革を前へ進めていかなければならない。公共事業をはじめとする建設事業の着実で円滑な施行に努める」と力を込めた。
 永井政務官は「必要な労務費を確保して技能者にしっかり給与を支払う企業が評価される新しい時代の建設業をつくっていきたい」と述べた。
 今井会長は「新しい政権が発足し、建設産業の雰囲気は非常に良くなってきていると実感している。実際に経済が回って建設産業全体が盛り上がっていくことが非常に大切だ。知恵と自助努力が必要になってくる」と訴えた。永井政務官のあいさつを踏まえ「新しい時代の建設業をつくるというキーワードが出てきた。皆さんと力を合わせて、建設産業を盛り上げていくことがなにより重要だ」と述べ、理解と協力を求めた。




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三菱地所ら/ロンドンでオフィスビル大規模改修/総事業費1045億円

 三菱地所らは英・ロンドンにあるオフィスビルの大規模改修工事に今夏着手する。2層増築し、規模を今の延べ2・2万平方メートルから3・3万平方メートルに広げる。ビルをはさんで北東方向と南西方向に伸びる二つの道路を結ぶ通路を新設する。2028年後半の竣工を予定し、総事業費は約1045億円を計画している。
 三菱地所と東京建物、東光電気工事、芙蓉総合リース、三井住友信託銀行が発表した。オフィス大規模改修事業は「125 Shaftesbury Avenue(125シャフツべリーアベニュー)」。
 改修するビルは23年に三菱地所ロンドン社とEDGE RealEstate B.V.(EDGE社、オランダ)が取得した。1982年に完成した物件で、ロンドン有数の商業・劇場エリア「Soho」などに近い。
 改修により、現在の地下1階地上11階建て延べ約2万2862平方メートルから地下1階地上13階建て延べ約3万3487平方メートルにスケールアップする。既存躯体の約75%を生かす。
 地上部ではビルから北東方面に向かうニュー・コンプトン・ストリートと、南西側に向かうオールド・コンプトン・ストリートをつなぐ道路を建設する。沿道にはオフィスエントランスや商業施設、起業家をターゲットにしたオフィスを配置し、地域活性化を後押しする。




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26年スタート/ゼネコン各社トップが年頭あいさつ/キーワードは品質・変革・人

 2026年がスタートした。5日に仕事始めを迎えた建設関連会社では、経営トップが年頭のメッセージを社員に伝えた。物価高騰の影響はあるものの、旺盛な建設需要を背景に、過去最高の業績を見込む企業は少なくない。一方、世界的な政情不安から先行きを見通すのは難しい状況だ。各社は引き続き利益確保の姿勢を維持しながら、持続的成長の実現に注力する。経営トップの多くがキーワードとして「品質」「変革」「人」を掲げている。=4、5面に各社の年頭訓示
 多くの経営トップは、今年も建設需要が堅調に推移すると予測する。豊富な手持ち工事や業務を抱える中、安定した施工体制の確保や生産性向上に取り組み、着実に消化していくことが求められる。
 鹿島の天野裕正社長は「多くのノウハウと技術を結集し、社会や顧客の課題を解決することは当社グループにしかできない上質なサービスだ」と訴えた。「ものづくりの原点に立ち返り、品質や安全など徹底的にこだわることが重要だ」と呼び掛けたのは清水建設の新村達也社長。竹中工務店の佐々木正人社長は「グループ全体でより品質の高いものづくり・サービスの提供を目指す」と表明した。
 大林組の佐藤俊美社長は6日、大成建設の相川善郎社長は7日に訓示を行う。
 前年に大型案件が相次いだM&A(企業合併・買収)を含め、変革に意欲を示す経営トップも多い。前田建設の前田操治社長は、インフロニア・ホールディングス(HD)の傘下に入った三井住友建設を念頭に「『連携』がキーワードになる。1+1=2以上のシナジー(相乗効果)創出に果敢にチャレンジする」と述べ、脱請負事業の強化を打ち出した。東洋建設の中村龍由社長は「大成建設との経営統合を変革のチャンスと捉え、グループ内でしっかりと自立し、さらなる成長を成し遂げたい」と力を込めた。
 成長の源泉が人であることには変わりない。長谷工コーポレーションの熊野聡社長は「優れた人材こそが強い組織をつくる」と訴え、人づくりを通じて「心身とも健康で働きがいを持てる会社を目指す」とした。
 創業・創立の節目を迎える経営トップは、さらなる発展に意欲を見せる。松井建設は440周年、五洋建設が130周年、りんかい日産建設も100周年を迎える。




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戸田建設ら/長崎県五島市沖の浮体式洋上風力発電運転開始/再エネ地産地消へ

 戸田建設らが参画する特定目的会社(SPC)の五島フローティングウィンドファーム(長崎県五島市)は5日、五島市沖に整備した浮体式洋上風力発電所の商用運転を始めた。浮体上部が鋼、下部はコンクリートの「ハイブリッドスパー型」を採用。発電した再生可能エネルギー由来の電力を五島市内で地産地消する仕組みを構築した。地域経済の活性化につながる取り組みとして注目される。
 国内初の浮体式洋上風力発電所「五島洋上ウィンドファーム」は、五島市福江島東側の沖合約7キロの地点から4キロにわたる海域内に8基の風車を設置した。風車は円筒形の浮体を釣りの浮きのように垂直に海に浮かべ、先端に風車を取り付けている。基礎と風車を合わせ全長は176メートル。発電出力は1基当たり2・1メガワットとなる。
 ウィンドファームで発電した再エネ由来電力は、戸田建設らが出資するフローティング・ウィンド・アグリゲーション(五島市、齊藤朗立社長)を通して市内の需要家に供給。FIT(固定価格買い取り)制度を活用しながら、発電事業者が小売り電気事業者に電気を卸供給できる「特定卸供給」のスキームを使い、市内企業や施設で電力を直接利用できる地産地消モデルを構築している。
 五島フローティングウィンドファームは戸田建設以外にENEOSリニューアブル・エナジー(東京都港区、小野田泰社長)、大阪ガス、INPEX、関西電力、中部電力が参画している。




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2026年1月5日月曜日

回転窓/力強く駆ける、躍進の一年に

 相模国一之宮の寒川神社が鎮座する神奈川県寒川町で5日、「新春獅子舞町内めぐり」が行われる。新年の無病息災と五穀豊穣(ほうじょう)を願うとともに、地域の伝統文化を守り伝えようと、寒川獅子舞の会が1995年から続けている▼新春の風物詩として定着し、商工会や町役場、寒川神社など町内9カ所で勇壮な獅子舞が披露される。おちゃめなおかめさんやおめでたい大黒様も登場し、見る人たちを笑顔にしてくれる▼きょう5日は二十四節気の「小寒」。一年で最も寒さの厳しい時期となる寒の入りであり、今年は多くの企業や官公庁、団体が仕事始めを迎える。午(うま)年にあやかり、力強く駆けていく躍進の一年としたい▼建設需要は堅調と言われるものの、働く人たちの処遇改善が進まなければ、持続可能な建設業への道のりは遠のいてしまう。昨年12月に全面施行となった改正建設業法など、第3次担い手3法が適切に運用され、明るい未来につながる歩みを確かなものにしなくてはいけない▼獅子舞に使われる獅子頭は、大きな口で邪気を食べてはらうという。獅子がかみ付くと「神が付く」とも。この一年、どうぞご安全に。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=180498
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金子恭之国交相に聞く/国土強靱化「待ったなし」/賃金原資確保の仕組み実践を

 金子恭之国土交通相は昨年末に日刊建設工業新聞など建設専門紙の新春共同インタビューに応じた=写真。埼玉県八潮市の道路陥没事故を教訓にインフラの老朽化対策に当たる姿勢を示すとともに、国土強靱化は「待ったなし」の課題として重点を置く。今年を「第3次担い手3法の事実上の初年度」と位置付け、自らが先頭に立って「新しい時代の建設業をつくり上げていく」と強調した。
 --八潮市の事故を踏まえた対応は。
 「インフラの的確な維持管理や更新の重要性が増している。『予防保全型メンテナンス』の考えで取り組み、さらに対策の優先順位付けやドローンなどの新技術の導入で効率化を図る。『地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)』も推進する。八潮のような事故を二度と起こしてはならないという強い決意で、インフラ全般の効率的・効果的な老朽化対策に向け、必要かつ十分な公共事業予算の確保に努める」
 --第1次国土強靱化実施中期計画の初年度分の事業執行への意気込みを。
 「国民の安全・安心を守る国土強靱化の取り組みは『待ったなし』の課題だ。ライフラインの強靱化などを通じて力強い経済成長を実現するものであり、危機管理投資の大きな柱でもある。25年度補正予算から始まる実施中期計画の目標を達成できるよう、早期執行に努める」
 --改正建設業法の全面施行を受け、受発注者に期待することは。
 「国が『労務費に関する基準(標準労務費)』を作成し、現場で働く技能者の方々に適正な賃金を支払うための原資をしっかりと確保する仕組みを整備した。発注者、受注者の方々には、この仕組みについて理解を深め、積極的に実践してもらうとともに、実効性が確保されるようサプライチェーン(供給網)全体で協力しながら取り組みを前に進めることを強く期待する」
 --建設分野のDX、生産性向上にどう取り組む。
 「建設現場のオートメーション化に取り組むi-Construction2・0を推進している。国土交通データプラットフォームを整備し、これまで埋もれていた膨大なインフラデータを『使える資源』として産官学連携によるオープンイノベーションを創出する。インフラ分野でもAIの利活用をより促進し、生産性向上やサービスの高度化を進める」。




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東京都内の26年注目プロジェクト/幹線道路沿いの都有地活用/多様な人材呼び込み

 2026年も東京都内では、都心部を中心に大規模開発を巡る活発な動きが続きそうだ。幹線道路沿いの都有地ではマンションやホテルが入るビルを建設し、国内外から多様な人材を呼び込む。沿道の別のエリアでは新たなスポーツ施設の建設がスタート。交流人口を拡大する。物価高騰のあおりを受けてスケジュールや投資規模を見直すプロジェクトも目立つ。建設業の働き方改革、契約の在り方にどう対応するかも問われている。
 都内でも有数のファッション感度の高い店舗や会社が集まる青山エリア(港区)では、2棟総延べ約18万平方メートルのビルを建設する工事が6月にスタートする。建設地は港区北青山3の301で、大部分が都有地。都営住宅が立っていた場所で、千代田区から渋谷区までを通る青山通り沿いに位置する。
 再開発ビルにはオフィスやホテル、交流機能を入れる。建物内外を活用した歩行者通路も整備する。
 青山通り沿いの神宮外苑エリアでは「神宮外苑地区第一種市街地再開発事業」が進んでいる。25年12月には都が権利変換計画を認可した。2月に秩父宮ラグビー場を移転・建て替える工事を始める。建設地は近くにある神宮第二球場の解体跡地。収容人数は約1万5000人を見込む。
 青山一丁目交差点付近では、「Honda青山ビル」が解体中だ。ホンダの自社ビルで、本社として使っていた。ホンダは青山ビルと土地の所有権の一部を三井不動産レジデンシャルに譲渡。同社と共同で建て替える。
 浜松町駅(港区)から大井町駅(品川区)までの都内南側エリアでも大規模プロジェクトが進行中だ。
 大井町駅の隣接地では複合施設「OIMACHI TRACKS(大井町トラックス)」が3月下旬にまち開きする。賃貸住宅やオフィス、商業施設などで構成。総延べ約25万平方メートルに及ぶ。歩行者デッキを中心に、人や情報、モノなど新たな交流を生み出す。
 大井町トラックスの西側では品川区が新庁舎を施工中だ。建物は地下SRC・地上S一部RC造地下2階地上14階建て延べ約6万平方メートルの規模。新庁舎の3階レベルで歩行者デッキを造る。地上に降りることなく、大井町駅から庁舎に入ることが可能だ。
 総延べ約126万平方メートルの建物群を建設する予定の築地市場跡地(中央区)では土壌汚染対策工事や既存基礎などの撤去工事を行っている。都有地で、都が民間事業者に貸し付ける。準備工事が完了後は約5万人を収容する大規模集客施設などを設ける。敷地全体に人工地盤を構築。1階は車路、2階は歩行者とすみ分け、ウオーカブルなまちをつくる。
 再開発の足かせになっているのが上がり続ける建設費だ。江戸川区では、船堀駅近くで新たに建てる延べ5・8万平方メートルの民間棟の建設を担う特定業務代行者の選定手続きが中止になった。工事費高騰などにより、再開発組合と建設会社との間で条件が合わなかった。26年度以降の再公募を計画している。隣接地に建てる約6・1万平方メートルの区の庁舎棟も着工時期を最大2年5カ月遅らせる。
 再開発が白紙になった中野サンプラザ(中野区)。区は区民や団体との意見交換や民間事業者向けのサウンディング(対話)調査を踏まえ、再整備事業計画修正素案や事業スキームの方向性をまとめる考えだ。




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ゼネコン各社/M&Aで持続的成長探る/人材・技術相互補完でシナジー創出

 2026年がスタートした。大型のM&A(企業合併・買収)が相次いだ前年の流れを受け、業界再編の加速を予感させる一年になりそうだ。ゼネコン各社のトップは、M&Aや資本・業務提携などのアライアンスを推進する姿勢を示す。旺盛な建設需要に対し、人材や技術の相互補完で対応し、持続的な成長へと導く将来像を描く。
 25年は大成建設が東洋建設と、インフロニア・ホールディングス(HD)が三井住友建設と経営統合した。フジタを傘下に持つ大和ハウス工業が住友電設をグループに迎えた。いずれも業界再編の流れを印象付ける大型のM&Aで、今後本格化するシナジー(相乗効果)施策の行方が注目される。
 多くのゼネコンは豊富な手持ち工事を抱える。今期の中間決算では過去最高の売上高や営業利益を更新し、通期業績予想の上方修正も相次いだ。
 鹿島は、安定した需要が見込まれる医療・教育分野に着目し、24年に米建設会社ロジャース・ビルダーズ(ノースカロライナ州)を買収した。現中期経営計画では、M&Aを通じた事業拡大を推進する。天野裕正社長は「相乗効果による収益力強化が期待でき、市場性や成長性のある分野に強みを持ち、企業文化を共有できる相手先とのM&Aやアライアンスは、成長に大きく寄与する」と前向きに語る。
 大林組は本年度、米建設会社GCON(アリゾナ州)を買収した。データセンター(DC)や半導体製造施設の集積地である同州で、AIの普及を背景に急拡大する新設・改修需要を取り込む。国内では、水やエネルギー、食料といった分野にも注視する。佐藤俊美社長は「M&Aは有力な手段の一つになる」とした上で、「エンジニアリングからO&M(運転・維持管理)まで、建設プロセス全体が事業機会になり得る」と展望し、ゼネコンの枠にとらわれない経営統合の可能性を示唆した。
 大成建設は、エンジニアリング事業の強化を最重点課題に位置付ける。相川善郎社長は製薬や食品、半導体といった生産施設の受注拡大に向け、「グループ内に専門会社を持たない電気工事会社を照準に、M&Aを検討する。強みであるエンジニアリング事業で他社との差別化を図りたい」と意欲を示す。東洋建設との経営統合については、洋上風力発電関連などの海洋土木分野や、フィリピンでの事業展開に期待を寄せる。
 清水建設は、これまでにシンガポールの高級内装工事会社や、米国の建築物改修・内装工事会社を買収した。グループ会社の日本道路を完全子会社化し、受注や技術開発でシナジーを発揮しやすい体制を整えた。新村達也社長は「相乗効果の創出や不得意分野の補完につながるM&Aやアライアンスには、前向きに取り組んでいきたい」と語る。
 竹中工務店は、竹中土木などのグループ会社や、協力会社組織である竹和会との連携強化を重視する。佐々木正人社長は「洋上風力をはじめとする環境・カーボンニュートラル(CN)対策、デジタル化による建物の維持管理・運営の高度化、人材活躍をグループ全体で推し進めたい」と強調した。竹和会会員との関係では、施工体制の確保や事業承継を見据え、「場合によっては資本面での協力も必要になる」との認識を示した。
 準大手ゼネコンも同様に、ほとんどの企業が成長戦略の一環としてM&Aやアライアンスに前向きな姿勢を打ち出す。多くのトップは30年ごろまで旺盛な建設需要が続くと見通す一方で、人口減少による中長期的な市場縮小も見据える。
 ここ1、2年で適正な価格や工期を反映した契約が着実に浸透し、受注時の採算管理徹底によって収益性も改善している。こうした追い風を持続的成長につなげるためにも、生き残りを懸けた業界再編の動きは、今後さらに加速しそうだ。




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