2026年5月29日金曜日

話題の技術/鹿島/光ファイバーでインフラ変状把握/遠隔・リアルタイムに

 鹿島は、光ファイバーで構造物の状態を可視化する自社開発技術を応用し、計測対象の範囲と用途を大幅に広げる。高速道路の橋梁やカルバートトンネルで実証に乗りだした。構造物の変状監視に使う計測用光ファイバーケーブルを、高速道路に敷設された通信用光ファイバー網と接続。沖電気工業の長距離測定技術で測定器を1カ所に集約し、延長100キロ程度の範囲を即時監視する。今後は、構造物の変状に加え、交通状況の監視も同時に行えるよう高度化を目指す。
 東日本高速道路会社らと協働し、構築を目指す「光ファイバ神経網による高速道路リアルタイムモニタリング」として性能などを実証している。フィールドは、上信越自動車道の更埴JCT(長野県千曲市)~松井田妙義IC(群馬県安中市)区間(延長約100キロ)。長野県千曲市で実証を先行する「上信越自動車道蓬平地区地すべり対策事業」の現場を26日、報道陣に公開した。
 自社開発の「分布型光ファイバセンサ」の技術を応用した。同社によると、既設の通信用光ファイバーと新設の計測用光ファイバーを接続して計測する実証実験は国内初。先行する現場では、データを測定できることを確認している。
 公開した現場では、地滑り対策として構築したカルバートトンネルの坑内壁面・路面や外壁・頂版に、構造物のひずみや路面温度を計測する光ファイバーケーブルを設置。同対策で施工中の押さえ盛り土工に伴い、施工の進捗に応じて変化するトンネル構造物の状態を監視している。車両走行で生じる振動を基に、平均速度や滞留状況も可視化する。
 一方向に50キロ程度を測定できる沖電気工業の長距離測定機器を、実証区間全体の中間地点に配置して起点とすることで、計100キロ程度を1カ所でリアルタイムに監視できる。従来機器は約40キロ程度の範囲にとどまっていた。1度に測定できる範囲を広げ、機器の設置台数を減らしてコストも抑える。
 今後の課題は機能の高度化だ。東日本高速会社によると、インフラ構造物の変状把握は必ずしも毎日必要ではない。通常時は交通状況をリアルタイムで監視し、必要に応じて構造物計測用の光ファイバーに切り替える運用を想定している。
 鹿島の川端淳一光ファイバ推進室長は「主に施工管理で活用している分布型の光ファイバーセンサーを、施工後の維持管理や道路交通の適正化などにも幅広く活用できるようにし、広く社会に貢献したい」と話した。当面の技術課題として、一つの光ファイバーで変状監視と交通監視が同時に行える機能の高度化を掲げた。


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from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184689
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