長野県軽井沢町の矢ケ崎川左岸に茂る木立の中に、美しい形態と豊かな空間を備えた別荘がある。RC造の1階に、大きく張り出した木造の2階と中3階を載せた建物は、片流れの屋根を架け自然に溶け込む▼モダニズム建築をけん引しながら住宅も多く手掛けた建築家の吉村順三氏(1908~97年)が、62年に建てた自らの別荘。スギ現しの内外装や半屋外の空間などの手法を用い、居室などがテラスや吹き抜けでつながる豊かな空間を創出した木造モダニズムの秀作だ▼旧吉村順三別邸が国の重要文化財(重文)に指定される。文化審議会が文部科学相に先日答申した。戦後に竣工した住宅の重文指定は、菊竹清訓氏(1928~2011年)の自邸「スカイハウス」(1958年竣工)に続いて2棟目だ▼文化審は現存最古級の民家2棟を国宝に指定することも答申。14世紀ごろに建てられた箱木家住宅(神戸市北区)と、15世紀に築かれた旧古井家住宅(兵庫県姫路市)が、民家で初の国宝となる▼住宅に対する価値や評価が変わりつつある。建築家や住人の思想を通じ、時代とともに変化する住宅の在り方を見つめたい。
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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184686
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