2025年8月29日金曜日

回転窓/事故防止と循環経済

 スマートフォンを充電していたところ、じわじわと熱を帯びてきたため、あわてて中断。しばらく置いて再起動し充電すると、今回は熱もなく無事に使えてほっとした▼この夏は、モバイルバッテリーやハンディーファン(携帯用扇風機)など、リチウムイオン電池を使った製品のトラブルが目立っている。JR山手線の電車内では、乗客のモバイルバッテリーが燃え、運転が一時止まったことも記憶に新しい▼製品評価技術基盤機構(NITE)によると、こうした事故は増加傾向にあり、2020~24年に1860件発生。うち85%が火災だった。リチウムイオン電池は熱や衝撃に弱く、気温が高まると事故が起きやすくなるそうだ▼政府は、携帯電話などを扱うメーカーや輸入業者に、回収とリサイクルを義務付ける見通し。再資源化製品に指定されれば、販売店などで自主回収が必要となり、利用者の協力も求められる。来春の開始を予定している▼電池に含まれるレアメタル(希少金属)の再利用が進めば、事故防止だけでなく、サーキュラーエコノミー(循環経済)の実現にもつながる。小さな協力を積み重ねたい。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=176961
via 日刊建設工業新聞

国交省・佐々木正士郎国土政策局長が就任会見/強靱で持続可能な国土の実現へ

 国土交通省の佐々木正士郎国土政策局長が26日に日刊建設工業新聞などのインタビューに応じ、今後の方針などを明らかにした。「強靱で持続可能な国土の実現に向け、第3次国土形成計画を着実に推進する」ことが国土政策局の重要項目になる。発生頻度が増し被害規模も大きくなっている自然災害、歯止めがかからない人口減少などを踏まえ、条件不利地域の振興や過疎地域の関係人口底上げに意欲を示した。

国交省/橋梁とトンネル、点検支援技術を公募/性能カタログ拡充へ

 国土交通省は28日、道路構造物の点検に活用可能な技術の性能値を示す「点検支援技術性能カタログ」の拡充に向け、橋梁とトンネルの点検支援技術の公募を開始した。目視しづらい部材などの状態をより詳しく把握できる技術や健全性の診断に必要な部材強度の情報を定量的に把握・推定できる技術状態の記録、点検結果の記録や取りまとめを効率化できる技術、トンネルの本体工の状態把握を支援する技術など多数の技術を求める。9月25日まで応募を受け付ける。

JR向日町駅周辺地区再開発(京都府向日市)/大林組、大鉄工業で着工/組合

 JR西日本は26日、JR向日町駅(京都府向日市)東口再開発事業の工事に着手したと発表した。施設の規模は延べ約4万7750平方メートル、高さは約130メートル。設計・監理はアール・アイ・エー、住宅棟の施工を大林組、駅ビル棟を大鉄工業が担当する。8月1日に着工し、2028年度の完成を目指している。再開発事業はJR向日町駅周辺地区市街地再開発組合が担う。事業協力者はJR西日本不動産開発。

2025年8月28日木曜日

回転窓/規模だけではない価値

 隣町の町内会が主催した花火大会が、今年も盛大に開催された。住宅街の池を会場に、ハスが見頃を迎える8月上旬に行われるこの大会は、徒歩や自転車で訪れる人が大半で小規模だが、長年地元に親しまれてきた▼協賛者を紹介してから花火を打ち上げる、昔ながらのスタイルを今も守る。打ち上げの間隔が長くなることもあるが、会場で偶然出会った友人や知人と語らいながら、ゆったりと過ごせるのも魅力だ▼地元企業の多くがこの大会に協賛する。地域密着を掲げる建機レンタル会社は、花火が次々と打ち上がるスターマインを提供した。打ち上げ前に社名が紹介され、社名入りのちょうちんが会場を温かく彩っていた▼この会社は学生向けの説明会でも注目されている。「ご迷惑をおかけします」と書かれた標識の文言を「ご期待をおかけします」に変え、会場に設置した。ユーモアを交えつつ、「一度きりの新卒の就活、楽しく始めましょう」と呼び掛ける姿勢がSNSで話題になった▼花火と同様に、企業価値も規模だけでは測れない。それぞれの持ち味が伝わり、多くの企業が新卒者と良縁を結ぶことを願いたい。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=176917
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北陸整備局湯沢砂防/大源太川第1号砂防堰堤のバーチャルツアー検討

 北陸地方整備局湯沢砂防事務所は、局管理で新潟県湯沢町にある登録有形文化財の土木施設「大源太川第1号砂防堰堤」にインフラツーリズムで訪れる観光客を増やす施策として、バーチャルツアーを加える検討を始めた。

仙台市/七北田公園民活導入検討/デロイトトーマツが候補

 仙台市は「七北田公園(仙台スタジアム及び体育館含む)民間活力導入検討等業務」の委託先候補にデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリーを選んだ。公募型プロポーザルには6者が参加。近く契約する。泉区にある総合公園・七北田公園(面積22万0361平方メートル)の西側(14万7747平方メートル)などを対象に、官民連携手法の検討や老朽施設・遊具改修の方向性をまとめる。提案上限額は1996万3000円(税込み)。履行期間は2026年3月27日まで。

飛島建設/建機のCO2排出量、高精度で自動算出

 飛島建設は建設機械の稼働状況を可視化し、二酸化炭素(CO2)排出量を高精度で自動算出するシステムを開発した。重機のキャビンなどに専用の振動センサーをマグネットで取り付け、登録済みの型式情報を選ぶだけで運用可能。正確な定量データをウェブ上でまとめて把握できるようになる。稼働時間を手作業で記録していた従来に比べ、誤入力を防ぎつつ作業時間を大幅に短縮する。国内の土木2現場、建築1現場で本格運用を始めており、今後、対象現場を拡大する。

日本ペイントら/9月6日からカプセルトイを販売/塗料業界初の試み

 日本ペイントらが監修したカプセルトイが9月6日から、全国で順次販売される=写真(報道発表資料から)。同社の製品を使う販売店や施工会社に楽しんでもらうとともに、一般消費者に塗料を身近に感じてもらいたいと企画された。同社によると、建築塗料業界のカプセルトイ販売は初の試みとなる。

2025年8月27日水曜日

回転窓/スマホと“いい距離感”で暮らす法則

 スマートフォンの利用を1日2時間以内に抑えるよう促す愛知県豊明市の条例案が話題になっている。子どもを持つ保護者からは賛同の声もあるが、実効性に疑問を抱く意見の方が多いようだ▼全市民を対象としたこの条例案は、仕事や勉強などを除いた余暇での使用時間に目安を設けるもので、義務ではない。スマホ依存による心身の不調に対応するのが狙いだ▼NTTドコモモバイル社会研究所が1月に実施した携帯電話の所有動向調査によると、2025年のスマホ所有率は98%に達していた。仕事では「報告・連絡・相談」の利便さに加えて、業務全体の生産性アップに欠かせないツールとして定着した。建設業界でも施工管理などへの活用が広がっている▼いまやスマホは生活や仕事に深く結び付いた存在だろう。人間関係と同様に、スマホとも賢く、仲良く向き合うすべを身に付けたい▼ちなみに、小欄の先週のスマホ利用を見ると、ユーチューブ視聴など「エンターテインメント」の時間が、「仕事効率化とファイナンス」を上回っていた。自分なりの使用基準を持つことが、今後ますます求められるのかもしれない。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=176878
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人・夢・技術グループ/社長に野本昌弘氏、12月24日就任

 人・夢・技術グループは25日、野本昌弘代表取締役副社長が12月24日付で社長に昇格する人事を発表した。同日開催予定の定時株主総会後の取締役会で正式決定する。野本氏は兼務する長大社長を継続する。永冶泰司社長は同日付で退任する。

国交省/26年度予算概算要求で公共事業費6・3兆円/強靱化実施中計は事項要求

 国土交通省は26日、2026年度予算の概算要求を発表した。一般会計の国費総額は前年度予算比19・0%増の7兆0812億円で、公共事業関係費は19・1%増の6兆2820億円を要求している。「第1次国土強靱化実施中期計画」の初年度分は事項要求とし、予算編成過程で検討する。資材価格高騰などを踏まえ必要額の確保も盛り込み、事業量の実質減少を直視しつつ、労務費確保も視野に最終的な予算確保を目指す。=2面に一覧と部局別概要

宇都宮駅西口大通り南地区再開発(宇都宮市)/組合が発足、27年度着工へ

 宇都宮市で「宇都宮駅西口大通り南地区第1種市街地再開発事業」を推進する宇都宮駅西口大通り南地区市街地再開発組合(川村寿文理事長)が発足した。同駅の近接地に住宅や商業・業務などの機能を集積する3棟総延べ3・6万平方メートル規模のビルを建設する。2030年度の竣工を目指し、27年度に本体着工する計画だ。

三菱電機/清水建設の建物OSと連携、空調制御を最適化/事務所ビルで実証実験

 三菱電機が同社のデジタル基盤と清水建設の建物OSを連携させ、オフィスビルで空調制御を最適化する実証実験を26日に始めた。建物OSで取得した三菱電機製以外の空調機器の稼働データや温湿度といった環境データ、人の位置データなどをデジタル基盤に集約。オフィスの運用実態に合わせリアルタイム分析し、結果を空調制御に適用できるか実証する。オフィスビルの省エネと快適性を両立した最適な空調制御の実現を目指す。

2025年8月26日火曜日

回転窓/記者の誇り

 新聞社で編集記者として原稿に向き合ってきた。時々、自分の文章のつたなさに立ち止まる。取材で事実をつかんでも、どう書けば相手や読者の心に届くのか迷う。言葉を探し、書き直し、また悩む▼文章力を磨くとは、感覚を研ぎ澄まし、言葉を吟味することだろう。難しい表現より、情景がぱっと浮かぶ言葉。数字や肩書の奥に潜む思いも、そっと伝えたい▼文章を整える時間は苦行であり、同時に小さな喜びでもある。どの言葉を残し、どれを削るか。迷いながらキーボードをたたく。その繰り返しが、いつの間にか自分の力になっている▼記事全体の流れも大事だ。川の水がさらさら流れるように、情報を自然に読者へ届けたい。途中でつまずかせず、遠回りさせず。思い描いた通りに文脈が整った瞬間、心の中で小さくガッツポーズ。肩の力がすっと抜け、指先が軽く踊る感覚がする▼新聞記者の誇りは、事実を正しく伝えることに加え、言葉を磨き、読者に寄り添う姿勢にある。理想はまだ遠い。でも一行一行を大切に、きょうも明日も書き続ける。その積み重ねがいつか読者の心に届く--。そう信じて前に進む。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=176829
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国連ハビタット事務局長・アナクラウディア・ロスバッハ氏/日本の技術移転に期待

 ◇アジア・アフリカの住環境改善で
 国連人間居住計画(ハビタット)のアナクラウディア・ロスバッハ事務局長(国連事務次長)が日刊建設工業新聞の取材に応じ、アジアとアフリカ諸国で持続可能なまちづくりと住環境の改善に注力する方針を明らかにした。2026年から開始される4カ年の中期戦略計画を推進。すべての人に対し強靱で安全な住宅や土地、清潔な水、衛生的なサービスの提供を目指す。目標達成では、日本の建設業界や不動産業界が持つ高度な技術や専門知識の移転と共有が、極めて有効との認識を示した。

千葉県松戸市/新庁舎整備/候補地検討PTを設置、現行計画は白紙

 千葉県松戸市は、新庁舎の整備に向け建設候補地の検討プロジェクトチーム(PT)を立ち上げる。現行の計画を白紙に戻し、現在地建て替えを含め候補地を再検討。建設費用や工期などを算出して比較する。2026年3月までに意見をまとめる考え。PTの初回は11月中を予定。現庁舎の一部機能は27年3月をめどに仮施設へ移転する。

兵庫県/ネスタリゾート神戸東側用地など売却で提案競技/10月2~31日に提案受付

 兵庫県は、リゾート拠点「ネスタリゾート神戸」(三木市細川町垂穂ほか、約230ヘクタール)のうち、東側用地など約134ヘクタールの売却先を決める提案競技を実施する。現行事業者との賃貸借契約が12月に満了を迎えることから、新たな民間活力の導入で地域活性化につながる提案を募集する。企画部計画課地域創生支援班で現地見学会(9月中に開催)の参加申し込みを29日まで受け付ける。10月2~31日に提案書を受け付け、委員会審査を踏まえ11月中旬に事業予定者を決定する。

竹中工務店ら/空間ID活用し現場ロボット運用/27年の実用化めざす

 竹中工務店ら3社が、3D空間で位置を特定する「空間ID」を活用した建設現場のロボット運用システムを開発した。建物の平面図と資機材の配置位置などの情報を基にマップを構築。空間IDを活用してロボットが安全に巡回できるルートを導き出す。実証実験の結果、職員による現場確認の業務時間と、システムの開発コストがともに従来と比べ約3割減ることが分かった。今後は実験で得た課題を解決し、2027年の実用化を目指す。

長崎県、大成建設/地方創生の実現へ連携協定/防災支援システムなど活用

 長崎県と大成建設は25日、デジタル技術を活用した地域の課題解決やまちづくりなど、地方創生の実現に向けた取り組みで連携協定を結んだ。同社が防災の関連技術やまちづくりの共創活動で培った知見やノウハウを提供。県が計画するさまざまな施策に生かす。

2025年8月25日月曜日

回転窓/国と地域の応災力を担う

 日本建設業連合会(日建連)が10年ぶりに長期ビジョンを策定した。タイトルは「スマートなけんせつのチカラで未来を切り拓く-建設業の長期ビジョン2・0-」▼2050年までの時代を概観するとともに、10年後の建設市場規模や技能労働者の不足数を推計。その上で「選ばれる産業」へ技能労働者の所得倍増などを目標に掲げた▼先行きを見通すのは難しい時代だが、建設業が目指す方向を広く示した意味は大きい。生産性については25年比で25%向上を目標とする▼長期ビジョンの中で建設業に求められる社会的な役割の一つに挙げるのが「応災」。復旧復興だけでなく災害廃棄物の処理などポスト災害対応を示すもので、「国、地方公共団体はもとより、建設会社も応災力を高めていかなければならない」(第I部コラム「防災・減災そして『応災』」から)とした▼8月は九州や北陸、東北地方などで大雨による被害が発生している。近年これほどまでに災害が増えると、日常時と非常時を区別しない「フェーズフリー」の視点に立った対策が一層重要となる。国と地域の応災力を担う建設業に対する社会の理解も深めたい。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=176811
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鴻池組広島支店/CCUSタッチ率100%を宣言/コンテストで機運醸成

 鴻池組広島支店(大本一城執行役員支店長)は、建設キャリアアップシステム(CCUS)のカードタッチ率の上昇に向けた取り組みを強化している。6月に「CCUSタッチ率100%宣言」を採択。2024年から機運醸成を目的に「CCUSコンテスト」を開催するなど同支店安全衛生協力会(棗田泰正会長)と連携してさまざまな活動を展開している。25年のコンテストは8月1日から3カ月を対象に行い、成績が優秀な現場や団体、個人を表彰する。
 同支店では協力会社を含めた「チームKONOIKE広島」の25年ビジョンの中で、「CCUSタッチ率100%に向けた本気の取り組み」を掲げている。CCUSについてはメリットを理解してもらうなどしてタッチ率は9割前後まで上昇しているが、100%を達成するには新たな切り口での取り組みが必要と判断した。
 25年度は▽CCUSコンテスト2025の開催▽全現場へのQRコード認証システムの導入▽タッチ率の見える化-に取り組み、6月23日に開いた25年度安全衛生大会で「共に働いてきた仲間と未来の担い手のためにCCUSタッチ率100%を必ず達成する」と宣言した。
 コンテストは支店独自の取り組みで、昨年に続く2回目。対象は支店管内の土木、建築すべての現場と協力会会員。現場の規模や就労人数、タッチ率、タッチ数、CCUSの取り組みなどを総合的に審査し、団体賞、法人賞、個人賞を選定する。
 団体賞の「タッチ率貢献グランプリ」は1現場、準グランプリには2現場を選定する。協力会会員が対象の法人賞は「CCUS横綱賞」に1社、大関に2社を選ぶ。個人賞の「タッチ率貢献MVP」は職長や同社職員から1人を決め、「CCUS浸透賞」は10人程度が受賞する。
 9月20日ごろと10月20日ごろに中間発表を行い、11月下旬に審査委員会を開いて受賞者を選考する。授賞式は12月18日に開催する予定だ。受賞者には副賞が贈られる。
 大本支店長は「協力会社各社が本気にならないと機運が高まらない。協力会社と両輪で取り組むことで働く人の処遇の改善につなげたい」と話し、棗田会長は「タッチ率100%が目的ではない。技能労働者の処遇改善であり、その先に未来を担う若手の入職だ。CCUSで評価され、仕事を安定的に頂ける仕組みづくりがすごく大事だ」と強調する。




from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=176821
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東京都あきる野市/秋川高跡活用を検討/事業所誘致で雇用創出

 東京都あきる野市は、2001年に閉校した都立秋川高校の跡地活用を検討する。跡地一帯は高速道路や鉄道駅に近接しているが、市街化調整区域で都市基盤が整っていない。道路と併せて事業所の誘致、住宅・公園などを整備し良好な市街地の形成を目指す。中嶋博幸市長は22日の定例会見で、「これだけ広大で交通条件の良い土地は首都圏には少ない。雇用を創出し市の発展につなげたい」などと説明した。
 対象地は首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の日の出ICに近接する。JR五日市線秋川駅、武蔵引田駅からも1キロ圏内。現在は秋川高校跡地、都立あきる野学園、市立西中学校、住宅や農地が混在している。
 約29万平方メートルのうち、先行して約10万平方メートルの公有地を開発する計画。7月に公開したゾーン別整備方針では産業、教育など四つの目的別機能誘導を図るとし、まずは産業ゾーンの形成に着手する。
 秋川高跡地を巡っては、歴代市長が活用を模索していたが、施設整備などには至っていない。跡地一帯の開発は中嶋市長の選挙公約で目玉施策になっていた。「一日でも早く誘致を進めたい。周辺環境にも調和した企業に来てほしい」としており、関連事業を推し進める方針だ。
 今後は土地区画整理事業による一体的なまちづくりを目指す。事業ステップとして1年目に基本計画を策定する。2年目の地権者合意などを経て、5年目に都市計画決定を目指す。市は「秋川高校跡地及び周辺地区まちづくり方針案」をホームページで公表し、意見を募集している。9月4日まで郵送やメールなどで受け付ける。




from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=176819
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関電不開発ら/大阪市中央区に28階建て複合ビル/設計はIAO竹田設計

 関電不動産開発と南海電気鉄道、大阪メトロの3者は、大阪ミナミの中心部に28階建ての超高層複合ビルを建設する。場所は南海電鉄難波駅東側の敷地約3000平方メートル(大阪市中央区難波千日前6ほか)。設計をIAO竹田設計が担当し、2027年3月に着工する。施工者は未定。31年3月の開業を予定している。
 事業名は「(仮称)難波千日前地点再開発プロジェクト」。複合ビルは歩行者空間化された「なんば広場」や「なんさん通り」と接し、新たなランドマークとして回遊性のさらなる創出が期待される。地下階で地下街「NAMBAなんなん」と接続し、大阪メトロなんば駅へのアクセスが容易になる。
 建物は地下2階地上28階建てで最高高さが128メートルに及ぶ。“難波らしさ”を縦に積み上げる「タテなんば」をコンセプトに、地下2階~地上3階に物販・飲食、4~13階にフレキシブル対応のオフィスを配置。15~28階にブティックホテル「ハイアット セントリックなんば大阪」(267室)が入る。




from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=176817
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長谷工コーポ/石積み擁壁を復元で新工法/安全性と景観保全両立

 長谷工コーポレーションは、石積み擁壁を復元する新工法を開発した。石材の一つ一つを組み直し、擁壁自体の重さを利用して土の圧力を抑える「重力式石積擁壁」として復元。擁壁の安全性を高めつつ周辺の景観も保全する。長谷工不動産と東京建物が鹿児島市上町エリアにある越前島津家の武家屋敷跡地に建設しているマンション「ブランシエラ南洲門前」の現場に、国内で初めて採用した。
 マンションを建設している鹿児島市の上町エリアは古い街並みが残り、市が景観条例に基づいて石垣を保全している。当初は跡地にある1600個(重量1個当たり200キロ)の石積み擁壁を残したままマンションを建設する計画だった。だが都市計画法の安全基準に満たないことが判明し、新工法で擁壁を組み直すことにした。
 重力式石積擁壁の施工では、1600個の石材全てに番号を付与。記録画像を撮影してから擁壁を解体した。ばらばらにした石材を組み直して新しい擁壁を構成。擁壁背面に打ち込むアンカーボルトの一部を石材、残りの部分を石材背面のコンクリート擁壁に埋設し、安全性を高めた。
 新工法は、2016年の熊本地震で崩落した熊本城の石垣修復などに携わった中村石材工業(大阪市港区、西川友子社長)と共同で特許を出願している。




from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=176813
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2025年8月22日金曜日

道建協東北支部/道の駅「津山」(宮城県登米市)に簡易設置授乳室寄贈

 日本道路建設業協会(道建協)東北支部(新谷悟支部長)は20日、宮城県登米市の道の駅「津山」に「簡易設置型授乳室」を寄贈した。新谷支部長らが道の駅を訪れ、熊谷康信登米市長に贈呈書を手渡した。津山の西條孝一駅長、東北地方整備局仙台河川国道事務所の阿部俊彦所長も同席した。東北では昨年度までに11カ所に寄贈しており、本年度は津山を皮切りに管内4カ所に順次寄贈する予定だ。

回転窓/無理せず目標達成を

 8月に入り勤務形態が少し変わり、外出が多くなった。これまで内勤だったこともあり、1日の歩数が大幅に増え、就寝前に歩数計を見て思わずニンマリする。歩けば歩くほど健康になると暗示をかけ、1日1万歩を目標にしている▼1日7000歩を歩く人は深刻な健康問題のリスクが劇的に低下する--。そんな研究結果を国際研究チームが7月下旬、公衆衛生に関するオンライン科学誌に発表した▼57件の先行研究を精査し、16万人のデータを分析した結果、1日7000歩と2000歩では早期死亡のリスクがほぼ半減。認知症のリスクは38%、うつ病は22%、糖尿病も14%それぞれ低下したという▼英ケンブリッジ大学の医学研究者で論文の共著者、パディ・デンプシー氏は「健康上の主なメリットを得るには、1日1万歩を歩く必要はない」と指摘する。最も大きな効果は7000歩に達する前に表れ、その後は横ばいになる傾向があるそうだ▼健康に良いからといってやり過ぎれば、かえって体調を崩しかねない。無理をせず長いスパンで目標達成を目指したい。大切なのは続けることだが、それがいちばん難しい。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=176753
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西日本高速道路九州支社/関門トンネルの維持管理の様子を公開

 西日本高速道路九州支社は本州と九州を結ぶ開通後67年が経過する国道2号の海底トンネル「関門トンネル」(山口県下関市~北九州市門司区、トンネル延長3461メートル)について、20日に維持管理の様子を報道各社に公開した。換気用の設備や岩盤から発生する湧水の排水設備などについて稼働状況や老朽化の進行度合いなどを紹介。トンネル全体の今後の予防保全や更新に関する方針も説明した。

建専連調査/外国人材雇用の専門工事会社、実習生継続採用意向9割

 建設産業専門団体連合会(建専連、岩田正吾会長)が技能実習生などの外国人材を受け入れている専門工事会社に行ったアンケートで、日本人を採用しようとしても「全然入社してくれない」との回答が70・9%に達した。若年層を中心に国内人材の確保が一段と厳しくなる中、外国人材を貴重な戦力として将来も継続的に採用していく意向の会社が多い。実習生の採用を「現状維持で続けていく予定」は61・7%、「増やしていく予定」は27・8%だった。

竹中工務店/建物検査用AIシステムを国内展開/シンガポール企業と協業

 竹中工務店がシンガポールのスタートアップ・H3 Zoomと協業し、建物検査用AIシステムを国内展開する。外壁用の「Facade Inspector」と屋内向けの「Interior Inspector」。検査で撮影した画像や動画をAIで解析して汚れなどの問題箇所を自動で抽出し、リポートを作成する。ドローン撮影にも対応可能。高層ビルの外壁点検で足場やゴンドラが不要になる。

2025年8月21日木曜日

回転窓/夏休みのラッコ

 この盆休みも行楽地がにぎわった。三重県鳥羽市の鳥羽水族館もその一つ。国内で唯一飼育されているラッコを一目見ようと、大勢が集まった▼水槽にいるのは、ともに高齢の雌のメイ(21歳)とキラ(17歳)。あおむけになって尾だけを動かし、水面をぷかぷか漂う。餌の時間には両手をほおに添え、小刻みに上体を振るわす。心をキュンとさせる愛らしさを量るなら、最強の海獣かもしれない▼ラッコは野生動植物の国際取引を規制するワシントン条約によって、輸入がほぼ見込めないとされる。国内の水族館にかつては100頭以上いたが、福岡市のマリンワールド海の中道にいた雄のリロが17歳で1月4日に世を去り、2頭になってしまった▼鳥羽水族館は、混雑のために3月から観覧方法を変更した。移動しながら見学できるルートを設け、水槽前の滞在時間を1分に制限した。それでもまた2頭に会おうと、80分の待機列に並び直す人もいた▼メイは、戦後初の指定から来年80周年となる伊勢志摩国立公園の記念事業PR大使を務める。地域のために人々を魅了する活躍に期待しつつ、2頭だけになった背景に目を向けたい。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=176727
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関東整備局/25年度中に道路啓開計画見直し/八方向作戦ベースに協議会で検討

 関東地方整備局は、改正道路法で道路啓開計画の策定が法定化されたことを踏まえ、2025年度中に現行の道路啓開計画を見直す。首都直下地震発生時、郊外から東京都心に向かって道路啓開を行う「八方向作戦」をベースに現行計画を修正。同作戦で48時間以内としていた道路啓開のタイムライン作成時間を72時間に延ばす。22日に道路管理者らで組織する協議会を設置し、修正内容を検討する。

東京・足立区/旧こども家庭支援センター等跡地活用方針/多世代交流拠点に

 東京・足立区が「旧こども家庭支援センター等跡地」の活用方針をまとめた。区の綾瀬ゾーンエリアデザイン計画で同地区を「まちづくりの核」と定めている。多くの世代が利用でき、エリアの魅力向上につなげる。保健センターや子育てサロンに加え、300人が収容可能なホールなどを整備する計画だ。

大成建設ら/3次元長周期地震動シミュレーション基盤開発/より詳しい安全検証可能に

 大成建設らが海溝型巨大地震で想定されるさまざまな地震発生ケースを網羅的に解析できる「3次元長周期地震動シミュレーション基盤」を開発した。震源モデルを自動生成し、スーパーコンピューター「富岳」を使って複雑な長周期地震動を短時間で3D解析。建物の耐震安全性能をより詳細に検証し、損傷リスクを評価する。自社設計の超高層建物に活用するとともに、顧客の要望に応じ受託解析なども行う予定だ。

JIW/ドローン点検を社会に広げる/「建設コンサルをコンサルする」

 ドローンによるインフラ点検サービスを展開するNTT西日本グループのジャパン・インフラ・ウェイマーク(JIW、東京都渋谷区、矢倉良太社長)。ドローンベンチャー・米スカイディオと共同開発した最新鋭のドローンを駆使し、2019年の設立から6年間で全国1166橋の橋梁を点検した。今春からは野外での点検箇所入力や記録の作成などを効率化する橋梁点検専用の電子野帳アプリケーションも提供している。主に点検業務を担う建設コンサルタントを照準に、きめ細かなサービスを展開していく。

2025年8月20日水曜日

建設技術研究所/大阪本社で職場探検/社員の家族30組が参加

 建設技術研究所は18日、大阪市中央区の大阪本社で「2025年度職場探検隊~パパ・ママの職場に探検にいこう!~」を開いた。大阪本社に勤務する職員の家族30組計93人(子ども46人)が参加し、紙で橋を作ったりゲームをしたりしてさまざまな部署を探検。土木の楽しさを実感していた。

回転窓/体験が人を成長させる

 小学校や中学校の夏休みも残りわずかになった。楽しかった花火やお祭りの余韻に浸りたい時期だが、宿題を後回しにした子どもを急かし、親がついイライラしてしまう光景も目に浮かぶ▼計算ドリルや漢字練習はまだしも、工作や自由研究はいつの時代も頭を悩ませる課題。夏休みの終わりまで手を付けられず、焦りばかりが募った経験を持つ人も少なくないだろう▼そんな子どもたちを応援しようと、横浜・みなとみらいのランドマークタワーでは「夏休み宿題フェスティバル」が31日まで開かれている。本物の恐竜化石の発掘体験をはじめ、多彩なワークショップが用意され、自由研究にうってつけだ▼ものづくりや憧れの仕事を体験できる機会は、大人にも人気がある。建設業界も担い手確保へ向け、各地で現場見学会を実施している▼子どもの頃は「大人は宿題がなくていいな」と、うらやましく思った。けれども、社会に出れば納期や成果に追われる場面はいくらでもあると気づく。そして苦労を重ねて目標を達成した時、人は成長することも。その感覚を子どものうちから味わえれば、未来は明るくなるに違いない。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=176680
via 日刊建設工業新聞

九州豪雨/九州整備局/テックフォース18班82人派遣

 九州地方整備局は19日、九州各地に被害をもたらした記録的大雨による被災状況を調査するため、テックフォース(緊急災害対策派遣隊)の第4陣を熊本県天草市、上天草市、宇城市、美里町、氷川町に派遣した。これまでで最大となる18班82人が1週間をめどに、土砂崩れの被災状況調査や市町が管理する道路の被害把握などの任務に当たる。

中外製薬/東京都北区に新研究棟建設/延べ2・7万平米、総投資額800億円

 中外製薬が東京都北区にある浮間事業所の隣接地に新研究棟を建設する。総投資額は約800億円。延べ2万7136平方メートルの規模を計画し、2026年5月の着工、28年8月の竣工を予定している。新たな研究の場で医薬品の開発機能を強化・充実する。

熊谷組/トラックの自動走行制御・管理システム開発へ/AI仮想信号を活用

 熊谷組が仮想空間の地図を使ってトラックの自動走行を制御・管理するシステムを開発する。AIで作成したグリッドマップに信号や標識などの情報を組み込む。地図に基づき、車両自身が走行の可否や速度制御を判断する。9、10月にも適用実験を実施。2026年3月にもダムなどの工事現場に導入する。将来的には、トラックだけでなく、複数の重機が協調して運行できるシステムの構築を目指す。

2025年8月19日火曜日

回転窓/言葉は生き物

 言葉は生き物だ。常に変化し成長し、時に暴走もする。新聞記者にとって、その生き物を飼いならすことは仕事の本質だ。だが言葉に絶対的な“正解”はない。事実をどう伝えるか、どう書けば読者の心に届くか--。日々、選択を迫られる▼大胆に書かなければ伝わらない。ただ、繊細さを欠けば真意がゆがむ。事実だけでは退屈と言われ、表現を工夫すれば「あおりだ」と非難される。SNSの時代、言葉の一部だけが切り取られ、文脈も意図も無視されて独り歩きする。薄っぺらな正義感が一人歩きする場面も今や日常だ▼それでも言葉で伝えることをやめてはならない。派手な才能がなくても地道に取材し、何度も書き直す。文末一つ、語順一つを悩み抜く。読み飛ばされる百本の中に、一本でも心を打つ記事を混ぜ込むために▼記事を書くとは読者と向き合うこと。迎合ではなく対話だ。伝えるべき事柄を伝わる形にする。それは単なる職業ではなく生き方に近い。言葉のプロとして、一人の人間として▼言葉は生き物。だからこそごまかさず、逃げず、不器用でも誠実に。読者の心に届くまで決して、書く手を止めない。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=176667
via 日刊建設工業新聞

九州豪雨/地域建設会社が緊急対応/テックフォースパートナーも急行

 鹿児島、熊本の両県で8日、11日にそれぞれ特別警報が発表された大雨の対応が続いている。九州を中心に記録的な大雨になったことで、国土交通省は警報発表に伴う情報提供に努めながら、JETT(気象庁防災対応支援チーム)を早くから派遣するなど、自治体や関係機関の防災対応を支援した。被災地ではテックフォース(緊急災害対策派遣隊)や、鹿児島県建設業協会(藤田護会長)、熊本県建設業協会(前川浩志会長)の会員企業などによる懸命な緊急対応が続いている。=9面に詳しく

五洋建設ら/CO2吸収するコンクリ表面被覆シート開発/劣化を防止

 五洋建設と積水化学工業は、二酸化炭素(CO2)を吸収してコンクリート構造物の劣化を防ぐ表面被覆シートを開発した。五洋建設のコンクリート構造物の維持管理技術と、積水化学工業の粘着配合技術やシート加工技術を一体化。貼り付けるだけで施工できるようにした。シートは透明なため、コンクリートの表面状態を目視で確認できる。インフラなどの長寿命化事業で採用を目指す。
 コンクリートの劣化を防ぐには、原因になるCO2や塩化物イオンの侵入を止める必要がある。これまでは有機系塗料を塗布する方法などが主流だった。塗料の乾燥に時間が必要な上、塗装後の劣化状況の判断が難しくなったり、コンクリート自体が持つCO2吸着能力が低下したりする問題があった。両社はこうした問題に対処するため表面被覆シートを開発した。
 劣化によるひび割れなどを目視できるようにするため、透明のシートを採用した。施工後10~20年にわたってCO2を吸収し続ける材料で、塩分を遮る性能や耐久性能にも優れている。
 五洋建設技術研究所にある守衛室のRC壁に試験施工し経過を調査した。貼り付け作業が容易で透明性も維持できると確認。今後は表面被覆シートを土木や建築のコンクリート構造物に取り入れ、長寿命化対策に活用していく。




from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=176662
via 日刊建設工業新聞

静岡市、ENEOS/清水製油所跡地利用で合意書締結/サッカースタジアム建設に弾み

 静岡市とENEOSは15日、JR清水駅東口の同社清水製油所跡地の一部約14ヘクタールについて、地域づくりの推進に関する合意書を交わした。市は同製油所跡地を新サッカースタジアムの最有力候補地に位置付けており、合意により地域づくりの中核施設となる新スタジアムの整備に向けた具体的な検討が可能になった。市は現IAIスタジアム日本平の改修案と新スタジアム整備案の詳細を比較検討し、2026年3月までに採用案を決定する。

2025年8月18日月曜日

回転窓/湯船でのひらめき

 お盆が明けてこれから秋の気配を少しずつ感じられていくはずだが、暑い日はしばらく続きそう。9、10月の気温も全国的に平年と比べて高いと予想される▼本来は暑い夏を過ごし、秋になって体調を崩すのが夏バテ。ところがこうも連日のように暑さが厳しいと、秋が訪れる前に体は悲鳴を上げてしまいかねない。こうした夏にも大切にしたいのが普段の入浴で、健康面からもシャワーで汗を流すだけでなく湯舟につかるのがお薦め▼入浴の温熱作用で血行がよくなり、新陳代謝も向上する。湯温や入浴時間を変えることで、胃痛や神経痛などさまざまな症状の緩和効果が期待できる▼たっぷりのお湯に浮力を感じてつかればリラックスでき、新たなひらめきを得られることも。そうした入浴の効用は温泉療法専門医・早坂信哉氏の著書『たった1℃が体を変える ほんとうに健康になる入浴法』(KADOKAWA)に詳しい▼湯舟という言葉は、江戸時代の小舟に浴槽を取り付けた移動式銭湯に由来する。江戸の人たちは川に浮かぶ湯船でくつろぎながらどんなことをひらめいたのだろうか。そんな想像を巡らすのも楽しい。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=176631
via 日刊建設工業新聞

凜/野原グループ・金子紗智さん、自分の仕事が未来をつくる

 建設業界は伸びしろのある業界だ--。そう発信したいと思い野原グループに転職した。技術営業として営業コンテンツの作成・管理や、開発チームと連携した案件の推進などに携わっている。顧客や市場が抱える本質的な課題を深掘りし、ニーズを的確に把握した上で、BIM活用のソリューション「BuildApp(ビルドアップ)」の開発に還元する役割も担う。
 業界の変革過程にダイレクトに関われることにやりがいを感じている。「建設DXは本質的な課題にアプローチすることで業界の仕組みを変え、そこに従事する人々の生活や人生までも変えられる可能性を秘めている。自分の仕事が建設業界の未来の形をつくっている。そう実感できる場面にも立ち会える」と仕事の魅力を語る。

関東整備局ら/矢木沢ダムで雪解け水利用した発電の試行運用結果公表

 ◇過去最大8000tのCO2削減効果
 関東地方整備局らは、雪解け水を利用して発電を行っている矢木沢ダム(群馬県みなかみ町)の試行運用の結果を1日に公表した。2022年春の運用以降、二酸化炭素(CO2)の排出量が徐々に削減。25年春は過去最大となる約8000トンのCO2を削減した。
 同局と矢木沢ダムを管理する水資源機構、東京電力リニューアブルパワー(東電RP、東京都千代田区、井上慎介社長)の3者が発表した。

東京都/境川木曽東調節池(町田市)、25年秋に取水開始

 東京都は町田市にある境川木曽東調節池の取水を今秋に始める。貯留量は約4万9000立方メートル。地下箱式で、東京都と神奈川県を流れる2級河川・境川の洪水をためる。調節池の整備に当たっては「本体が完成すれば可能な限り取水する」(都建設局担当者)方針で、水害リスクを早期に低減し都民の暮らしを守る。

2025年8月8日金曜日

回転窓/流れに合わせて変化を

 プロ野球のセ・リーグが2027年から指名打者(DH)制の導入を決めた。「野球は投手も打席に立つ9人制」という伝統を重んじるファンも多かろうが、世界の流れに合わせて変化に踏み切った▼DH制は米大リーグのア・リーグが1973年から採用し、ナ・リーグも2022年に移行。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)など国際大会でも主流となっている▼国内ではパ・リーグが1975年に採用した。全日本大学連盟の傘下でDH制を採用していなかった東京六大学、関西学生の両連盟が来年から移行。さらに日本高校野球連盟が来春に導入することを決めた▼夏の甲子園では開会式を史上初の夕方に開催したり、試合開始時間を午前と夕方に分ける2部制の日数を増やしたりするなどの熱中症対策を講じている。異常な高温が続く中、大舞台に立つ球児たちには最高のプレイをしてほしい▼猛暑や積雪で現場を稼働できない建設業でも、1年単位の変形労働時間制を活用すれば年間を通じて労働時間を柔軟に設定できる。現場従事者の健康や安全を守るため、業界特有の事情に合わせて変化していきたい。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=176568
via 日刊建設工業新聞

内閣府地方創生推進事務局長・高橋謙司氏に聞く/地方の良さを生かし人を呼び込む

 7月1日付で内閣府地方創生推進事務局長に就任した高橋謙司氏が、日刊建設工業新聞の取材に応じた。政府が重要政策の一つとしている「地方創生2・0」について、「地方の良さを生かしながら人を呼び込んでいくことが大事になる」と指摘し、関係府省庁と連携しながらハードとソフトを掛け合わせ施策の実行に意欲を示した。建設会社を「地域の守り手としてなくてはならない存在」と語り、「地域経済を支える活躍」を求めた。

政府/南海トラフ地震臨時情報対応指針策定、避難地域の公共工事は警戒発令で即時中止

 政府は7日、「南海トラフ地震臨時情報防災対応ガイドライン」を公表した。気象庁が「南海トラフ地震臨時情報」を発表した時、各主体が取るべき措置を整理した。公共工事では、あらかじめ施工計画書などに発表時の対応を盛り込むよう求めた。「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)」が発表された場合、危険な場所の工事は直ちに中止し退避することを定めた。

奈良県香芝市/文化センター整備基本構想公表、総事業費は80億~110億円

 奈良県香芝市は7日、大規模ホールや文化センターなどの機能を持つ複合施設「(仮称)香芝市文化センター」の整備に向けた基本構想を発表した。総事業費は80億~110億円程度を想定。本年度中に基本計画を策定し、2026年度中の着工、29年度の完成を目指す。事業手法は従来型手法のほか官民連携手法も検討する。

安藤ハザマ、NTT/次世代通信基盤で1000キロ遠隔施工管理、25年度内に実証

 安藤ハザマとNTTは次世代通信基盤「IOWN」(アイオン)を活用し、最長1000キロ離れた場所から山岳トンネル現場の施工を管理する。現場を常時監視し、施工段階ではリアルタイムでより精度の高い掘削後形状確認や遠隔臨場検査を実現。供用後の維持管理段階でも変状や経年劣化を早期発見できるようにする。2026年3月までに実証を始める。

2025年8月7日木曜日

日建連表彰2025に27件選定/BCS賞15件、土木賞12件

 日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)は、国内の優れた土木プロジェクトや建築物などを表彰する「日建連表彰2025」に27件を選定した。内訳は第66回「BCS賞」が15件、第6回「土木賞」が12件(特別賞2件含む)になる。=1面参照

回転窓/花火大会と建築祭の装い

 先週の土曜日は台風の影響で、せっかくの花火大会が中止になってしまった地域も多かった。南関東の沿岸部で予定されていたある花火大会は、強風や高波の影響で準備が困難になり、主催者が2日前に中止を決めたと聞いた▼夏の風物詩ともいえる花火。夜空に咲く大輪の光は、人々の心を和ませてくれる。台風の進路がそれたこともあり、土曜日は予報に反して各地で晴天に。浴衣姿はもちろん、Tシャツ姿で夜空を見上げ、打ち上げ花火を楽しんだ方も多かっただろう▼広島県内で10月4日から開催される「ひろしま国際建築祭2025」(主催・神原・ツネイシ文化財団)を支援するクラウドファンディングをご存じだろうか。Tシャツをはじめとする公式グッズが返礼品という▼アムステルダムを拠点に活躍する樋口舞子さんがグッズのデザインを担当。建築祭への思いと、丹下健三氏が提唱した建築の基準寸法「丹下モデュロール」がデザインに生かされている▼返礼品はTシャツ以外にバッグやバッジ、測量手帳などを用意している。建築ファンらしい装いで訪れれば、展示巡りやまち歩きも、より楽しくなると思う。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=176475
via 日刊建設工業新聞

新社長/コマツ・今吉琢也氏/伸張市場での存在感高める

 成長性と収益性を追求し、会社の安定成長につなげる。鍵となるのは次代を支える人材の確保だ。国内外で存在感を高め、グループ全体でより強固な体制を築く。技術開発ではスピード感を重視する。

大阪府、市/夢洲アクセス鉄道、桜島・中之島延伸案に優位性/事業費は3510億円

 大阪府と大阪市は6日、IR(統合型リゾート)の整備が計画される人工島・夢洲への新たなアクセス鉄道について、JR西日本と京阪電気鉄道の既存路線を延伸する2ルートを優位とする検討結果を公表した。鉄道事業者、有識者らとの検討会で比較検討し、コスト面や接続性で優れると評価。総事業費は計約3510億円を見込む。今後は関係機関による建設計画や運行計画の検討の深まりが期待される。

熊本県菊陽町/第三原水工業団地整備基本設計/オオバに

 熊本県菊陽町は5日に指名競争入札を開札した「(仮称)第三原水工業団地整備基本設計等業務委託」の落札者を5465万4700円(税抜き)でオオバに決めた。工業団地の造成検討区域は原水地区で、半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の第1工場と、県道大津植木線の南側に位置する約24・2ヘクタールを想定している。業務では現地測量と基本設計を行う。

東京都港湾局ら5者/内窓設置の建材一体型太陽光発電性能検証開始/1月まで

 東京都港湾局など5者は、ビルの開口部や壁面を活用する「建材一体型太陽光発電設備(BIPV)」の実用化に向け、都内で発電性能の検証を開始した。場所は東京都江東区青海地区のテレコムセンタービル。西棟7階の内窓にフィルム型ペロブスカイト太陽電池など3種類の次世代型ソーラーセルを設置し性能を把握する。1990年代まで広く使用されていた「熱線反射ガラス」の影響なども調査する。

五洋建設/香港国際空港で無人交通車両用道路の建設受注/受注金額415億円

 五洋建設は6日、香港国際空港の無人交通車両用道路と駅舎の建設工事を、香港機場管理局から受注したと発表した。総延長約3・8kmにわたり護岸改修、地上道路や高架橋、駅舎の整備を行う。受注額は約415億円、工期は約4年を予定している。
 工事名は「Airport Tung Chung Link」。事業は香港国際空港周辺で進められている交通インフラ整備計画の一環。空港と、交通拠点である東涌(トンチョン)地区を結ぶ無人交通車両専用道路の建設を目的とする。交通利便性の向上、将来の空港利用者増加への対応が期待されている。
 五洋建設は1986年に香港営業所を開設し、大学施設や客船ターミナルなど多くの実績がある。香港国際空港では、2016年に第3滑走路の地盤改良工事も手掛けている。




from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=176473
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2025年8月6日水曜日

ワールドワイド/東京メトロが海外鉄道ビジネスを積極展開、O&M事業を推進

 東京メトロが海外で鉄道ビジネスを積極展開する。4月に始動した3カ年中期経営計画(2025~27年度)で海外ビジネスを成長分野の一つに位置付けた。5月には英国で乗客数の多い路線の運営事業を開始。アジアでもアドバイザリー業務や人材育成に取り組んでいる。これまで100年にわたり積み重ねてきた新線の建設から運行、メンテナンスまでの経験を生かし、さまざまな国で安全・定時性に優れた鉄道運営の実現を後押しする。
 同社は24年10月、東京証券取引所プライム市場に上場した。さらなる飛躍に向け、グローバルな視点で事業を展開することで収益源の拡大を狙う。環境性能の高い鉄道技術の普及を通じ、世界の都市の持続可能な発展にも貢献したい考えだ。

回転窓/あんぱんの追憶

 漫画家の故やなせたかしさんの半生を題材にしたNHK朝の連続テレビ小説「あんぱん」が、最終話まで2カ月を切った。終戦直後の混乱を経て物語は中盤に差しかかる。出勤前に視聴されている方も多かろう▼やなせさんは旧制東京高等工芸学校(現千葉大学工学部)を卒業し、製薬会社に就職。太平洋戦争に従軍後、故郷の高知で新聞記者をしていたときに暢夫人と出会った。漫画家デビューを果たしたのは30歳を過ぎていた▼代表作は絵本シリーズ「アンパンマン」。1973年の発行以来、累計発行部数は9000万部に上る。おなかを空かせている人に自分の顔をちぎって食べさせる正義の味方アンパンマン。それは自分が食べるはずだったあんぱんを、身寄りのない戦争孤児に分け与えたやなせさんの実体験が基になっている(伊多波碧著『やなせたかしの素顔:のぶと歩んだ生涯』)▼戦争で弟さんを亡くしたやなせさん。生前は戦争の無意味さを著書などで訴えていた▼戦争経験者の平均年齢は86歳を超え、記憶の継承が課題となっている。恒久的な平和を築くには何をすべきか。戦後80年を迎え、じっくり考えたい。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=176428
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堺市/堺ミュージアム整備へ議論始動、市が基本理念提示

 堺市は博物館と美術館の機能を併せ持つ複合文化施設「(仮称)堺ミュージアム」の整備に向けた基本構想の検討を本格的に始めた。市の歴史文化資源や芸術作品の発信力を強化し、観光やまちづくりにもつながる拠点を目指す。7月31日に有識者による懇話会の初会合を開き、市が提示した基本理念案を基に意見交換を行った=写真。

広島八丁堀3・7地区再開発(広島市)、9月にも市に都市計画提案/準備組合

 広島八丁堀3・7地区市街地再開発準備組合(砂原傑理事長)は、広島市中心部で計画する市街地再開発事業に向け、9月にも市に都市計画を提案する。対象区域は広島YMCAなどが立地する約1・2ヘクタール。二つの街区に3棟総延べ約8万平方メートルの再開発ビルを建設する。順調にいけば2026年2月に開催される都市計画審議会に諮問し、25年度内に都市計画決定する見通しだ。事業協力者に大成建設とNTT都市開発が参画し、コンサルタントはアール・アイ・エーと復建調査設計が担当する。

五洋建設ら/工事用仮設エレベーターの監視システム開発、稼働状況から揚重計画効率化

 五洋建設とセンシンロボティクス(東京都品川区、北村卓也社長)は5日、「工事用仮設エレベータモニタリングシステム」を開発したと発表した。超高層ビルなど大規模工事の現場で使う仮設エレベーターの稼働データを収集。作業員や搬入車両の待ち時間を減らす最適な揚重計画を検討し、作業効率を高める。既に現場に導入し、効果を確認した。

2025年8月5日火曜日

回転窓/隅をつついて、器を問われる

 仕事をする上で細部に目を配ることは大切な姿勢だ。「神は細部に宿る」という言葉があるように、細やかな心配りは組織の活性化にもつながる。ただ、こだわりが度を超すと、かえって前進の足を引っ張ってしまうこともある▼皮肉なようだが、「よく見ている」人が、必ずしも「よく見えている」とは限らない。小さなミスに気づける人ほど、全体の方向性を見落としてしまうことがある。「木を見て森を見ず」とはまさに、このことだろう▼「リーダーとは、希望を配る人である」とはナポレオンの言葉。けれども実際には「指摘を配る人」として日々を過ごしている自分に、ふと気づくことがある。誤りを正すことと、人を育てることは、似ているようでいて本質は異なる。完璧を求め過ぎる姿勢が、知らぬ間に周囲の意欲を奪っていることもある▼責任とは「誰かを正す勇気」ではなく、「何があっても受け止める覚悟」の中にある。信じて任せるには、覚悟と度量がいる。だからこそ、そこに人は信頼を寄せるのだろう▼重箱の隅をつつく前に、「細部へのまなざしは美徳」という原点を胸に刻み、自分を見つめ直したい。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=176403
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内閣官房国土強靱化推進室次長・山本巧氏に聞く、実施中期計画関係省庁と連携し推進

 7月1日付で内閣官房国土強靱化推進室次長に就任した山本巧氏が、日刊建設工業新聞の取材に応じた。6月に閣議決定した第1次国土強靱化実施中期計画(2026~30年度)が実施段階に入るのを踏まえ「計画に盛り込まれた施策を着実に実施していけるよう関係省庁と連携し取り組んでいきたい」と述べた。26年度予算概算要求の時期が迫る中、25年度補正予算での措置を期待する声も少なくない。「初年度として非常に重要な予算。しっかり対応できるよう準備したい」との考えを示した。

スコープ・ICT/下水処理場の運転支援にAI活用、国総研がガイドライン作成

 全国の下水道普及率は2023年度末時点で81・4%に上り、下水処理場は人々の日常生活を縁の下から支える重要な社会インフラだ。その下水処理場でも長年処転を担ってきた熟練職員が退職し、高度な運転技術の継承が大きな課題となりつつある。こうした実情を踏まえ国土技術政策総合研究所(国総研)が下水道の運転を支援するAI技術のガイドラインを作成し公開した。処理水質の維持と、薬品や電力使用量の低下を両立する運転をAIが支援する新たな仕組みを提案している。

エスシー・マシーナリら/クレーン用デジタル合図無線開発、無線通話を円滑化

 清水建設グループで建設機械のレンタルなどを手掛けるエスシー・マシーナリ(横浜市瀬谷区、鎌倉孝光社長)らはプライベートLTE「sXGP」を活用し、タワークレーンオペレーターと玉掛け合図者の無線通話を円滑化するクレーン用デジタル合図無線「スマホ無線機(スカイクリア)」を開発した。清水建設が東京都心で施工する超高層オフィスビル現場で技術実証に成功。秋以降には東京駅日本橋口前で施工中の国内最高層ビル「Torch Tower(トーチタワー)」(施行者=三菱地所)の現場に採用する予定だ。

2025年8月4日月曜日

回転窓/「正しく疑う」大切さ

 宿題の感想文を書かなければと気がせいてしまい、本の内容がなかなか頭に入ってこない。子供の頃、そんな夏休みの読書が苦手であった▼児童向けの「ヨンデミーレベル(YL)」をご存じだろうか。児童書の難しさを漢字率や一文の長さなどから数値化したもので、Yondemy(東京都中央区)が開発した。読む力を簡単に判定できるアプリもあり、子供の興味や読書力に合わせた本を選べる▼未来屋書店がYondemyとコラボレートし、今夏の「すいせん図書フェア」で従来の読みやすさに加えてYL別で本を紹介している。それらの中から1冊を購入して読んでみた▼書名は『正しく疑う 新時代のメディアリテラシー』(池上彰監修、Gakken)。フェイクニュースなどが多い現代にあって、マンガも交えて〈情報との向き合い方、発し方〉を分かりやすく解説する。子供たちにはぜひ読んでほしい一冊だ▼7月30日のロシア・カムチャツカ半島沖地震で出された津波警報を巡り、SNSなどでは根拠不明の情報も見られたという。情報を正しく疑う--。この大切さを知るべきなのは子供たちだけではない。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=176328
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凜/東亜建設工業経営管理本部・岡本奈津美さん、SNSで建設業を知るきっかけを

 大学2年生の時に東日本大震災が起き、避難所だったさいたまスーパーアリーナで子ども向け教育ボランティアに参加した経験から「衣食住のどれかに関わる仕事がしたい」と、就職活動ではインフラ関連の業界を見て回った。面接の人事担当者や社員の飾らないおおらかな雰囲気が印象に。「この人たちと働けたら楽しそう」と直感を信じた。

日建連けんせつ小町委/会員33社のダイバーシティ推進事例まとめ

 ◇建設業で取り組み拡大
 建設業界でダイバーシティーの取り組みが広がってきた。日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)のけんせつ小町委員会がまとめた「ダイバーシティ推進に関わる日建連会員会社の制度関係の事例(概要)」によると、年次有給休暇は法律(20日)よりも多い企業(最大25日)や初年度から20日付与する会社があり、時間単位の有給休暇制度を5割以上の会社が設けていることが分かった。女性特有の休暇では、不妊治療を対象とした休暇制度が増えていることも確認。男性社員も利用可能な出生サポート休暇もあった。

西松建設、NTT東日本/重機遠隔操作、次世代通信基盤とローカル5G初適用

 西松建設とNTT東日本は山岳トンネル施工に用いる建設重機の超遠隔操作で、次世代通信基盤「IOWN APN(アイオン オール・フォトニクス・ネットワーク)」と「ローカル5G」を初適用した。建設現場と遠隔操作室の2拠点間通信にAPNを利用。通信環境が不安定な遠隔地にある山岳トンネル現場の無線通信にローカル5Gを組み合わせ、安定した高速で低遅延の通信環境を構築する。2拠点間距離を200キロと疑似設定して映像や制御信号などの遅延を測定した結果、遠隔操作が十分可能であることを確認した。

三井不/ロジスティクス事業25年度に6物件着工、累計総投資は1・3兆円に

 三井不動産は物流施設などの開発や運営を展開するロジスティクス事業に注力する。2025年度に6物件を着工。国内外の開発施設は合計78件となり、総延べ床面積は約610万平方メートル、累計総投資額は12年4月の事業開始以降で約1兆3000億円に達する。事業領域の拡大も推進。35年までに約6000億円を投資し、データセンター(DC)の建設を加速する。

2025年8月1日金曜日

建築へ/TOTOギャラリー・間、万博設計に携わった建築家によるグループ展

 ◇大阪・関西万博での挑戦の軌跡伝える
 大阪・関西万博の休憩所やトイレなどを設計した20組の建築家によるグループ展「新しい建築の当事者たち」が、東京都港区のTOTOギャラリー・間で開かれている。休憩所やトイレ、サテライトスタジオなど20施設の設計者選定プロポーザルで選ばれた建築家たちが、それぞれの背後にある思想や発想のルーツ、実現に向けたプロセスや万博後の構想などを紹介。設計期間3年間の濃密な挑戦の軌跡を伝えるとともに、2025年を起点に未来の建築を若手建築家らが議論する場にする。

日本オーチス・エレベータ/新研修施設(千葉県芝山町)が完成、人材確保へ育成強化

 日本オーチス・エレベータ(東京都中央区、パトリック・ヨング社長)が千葉県芝山町の同社ロジスティックス&エンジニアリングセンター(NOLEC)に建設していた新研修施設が完成した。5本のエレベーター昇降路(シャフト)や溶接実習室などを備え、エレベーターの据え付け・改修・交換工事の実践的な訓練が可能。充実した研修体制により、協力会社を含めた人材の確保につなげる。

国交省・沓掛敏夫道路局長/道路網の戦略的な価値引き出す、早期啓開体制構築へ

 国土交通省の道路局長に7月1日付で就任した沓掛敏夫氏が、日刊建設工業新聞など建設専門紙の取材に応じ=写真、「道路ネットワークの持つ多様な戦略的価値を引き出す」と今後の方針を語った。環境や渋滞対策、ネットワーク構築などの分野が対象の「WISENET(ワイズネット)2050・政策集」(2023年策定)の内容を具体化し施策を展開する。強靱化対策では「危機管理が道路局長として一丁目一番地の仕事」とし、老朽化対策も含め積極的に取り組む考えだ。

大阪府茨木市/阪急茨木市駅西口周辺整備計画案、茨木ビル跡に24階建て

 大阪府茨木市は、再整備を計画している阪急茨木市駅西口周辺整備事業で、地権者による自主建て替えを行う駅前ビルの事業計画案や地区計画の検討案を明らかにした。7月31日に開かれた市の都市計画審議会で報告した。事業計画案によると、駅前の永代ビル跡には13階建て、茨木ビル跡には24階建てのビルを整備。今後は2026年1月に地区計画案を都市計画審議会に諮り、同2月の決定を見込む。26年度以降に地権者が建て替え決議を行い、建替組合を設立する予定。
 阪急茨木市駅西口周辺(永代町1)では、1970年の大阪万博開催を契機に駅前ビルと広場を整備。ビルの老朽化などに伴い再整備の検討を進めてきた。駅前の「茨木ビル」と「永代ビル」については、23年度に地権者が自主建て替えを行う方針を決定した。事業協力者は阪急阪神不動産と大林組。
 都市計画審議会では、地権者でつくるソシオ茨木建替え推進委員会が提出した「ソシオ茨木建替え事業計画案」や地区計画検討案などを報告した。
 事業計画案によると、永代ビル跡(敷地面積1417平方メートル)にはRC造13階建て高さ約43メートル、茨木ビル跡(敷地面積3413平方メートル)にはRC造24階建て高さ約86メートルのビルを整備。いずれも低層部を商業施設、高層部を住宅とする。永代ビル跡の総戸数は107戸で住宅専有面積は約7200平方メートル、店舗専有面積は約970平方メートル。茨木ビル跡は住宅総戸数212戸で住宅専有面積は約1万5000平方メートル、店舗専有面積は約2180平方メートルを見込む。民設民営の民間広場も整備し、市が整備する駅前広場との一体的な利用を可能とする。2階にはデッキを配置し、1階広場との一体感を創出。商業機能では、カフェやラウンジ、医療福祉機能などを誘致する。商業店舗は民間広場や駅前広場に隣接する位置に配置し、公共空間へのにぎわいの波及を目指す。




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