成長性と収益性を追求し、会社の安定成長につなげる。鍵となるのは次代を支える人材の確保だ。国内外で存在感を高め、グループ全体でより強固な体制を築く。技術開発ではスピード感を重視する。
--社長就任から4カ月余りが経過した。
「推進中の中期経営計画にまとめた内容を着実に実行していく。成長戦略の一つに掲げた『イノベーションによる価値共創』は、技術進化のスピードに対応することが何より大事だ。成長や収益確保を追求するため、アジアやアフリカ、アメリカなど伸びる市場で存在感を高め、マーケットの変化に対応し着実に業績を伸ばしていく」
「ここ数年、業績は順調に推移しているが、円安の影響も大きかった。需要が周期的な業界であることを踏まえ、いかに安定的に収益を出すかが重要であり、継続して取り組んでいく。建機は成長が期待できる産業だが、需要は急激に伸びるわけではない。自助努力が重要と捉えている。伸びしろのある市場を着実に獲得したり、M&A(企業合併・買収)を活用したりするなど、必要なところにちゅうちょなく投資する」
--足元の業績は。
「2026年3月期の業績予想は4月時点で円高基調だったことや米国の関税政策の影響が予想され、大幅な減収減益とした。25年4~6月期決算は米国の関税政策の影響はほとんどない状況だった。15%で着地した米国との相互関税や鉄鋼、アルミなどの関税も考慮すると、通期業績は関税関連で750億円のマイナス影響が出ると見ている」
--成長に必要な要素は。
「機械のライフサイクル全体で顧客関係性を強化していくことが勝負になる。その意味で、各国で代理店のレベルアップに注力する。品質面では、予防保全やデジタルを使用したサービスが鍵になる。機械管理やフリート管理のアプリケーションの提供も含めて開発により力を注ぐ」
--技術開発の現状は。
「電動建機はバッテリーが普及の鍵になる。急速充電はシリコンバレーの米国企業と提携し開発を進めている。自動化と遠隔化などのニーズも既に顕在化している。さらにソフトで機械を制御するSDV(ソフトウエア・デファインド・ビークル)も第1弾を昨年12月から日本に導入した。今後も進化させていく」
--人材育成も重要だ。
「一番のステークホルダーである従業員のエンゲージメントを高める。人材の獲得は“コマツ”の知名度を一層高めるブランディングが重要だ。F1ウィリアムズチームのアトラシアン・ウィリアムズ・レーシングとのパートナーシップは一環であり、国内外で取り組みをさらに強化する」。
(4月1日就任)
(いまよし・たくや)1987年東京大学法学部卒、コマツ入社。2018年執行役員、21年常務執行役員、24年取締役兼専務執行役員を経て、25年4月から社長兼最高経営責任者(CEO)。鹿児島県出身、61歳。製品の品質や信頼性を高めることに加え、社長として「従業員や顧客らと共に安定成長を続ける」ことも大事にしている。
from 人事・動静 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=176467
via 日刊建設工業新聞


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